不動産を売却する方法としては「不動産仲介」が一般的ですが、実は「不動産買取」と呼ばれる売却方法も存在します。
この「不動産買取」は、早く確実に売却を完了したい方にぴったりの売却方法です。
この記事では、「不動産買取と不動産仲介の違い」「不動産買取のメリット・デメリット」「不動産買取業者の探し方」などについて解説しています。
不動産買取に関する理解を深め、自分にとって最適な売却方法を選択できるようにしましょう。
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不動産買取と仲介の違い
まずはじめに、一般的な不動産仲介と不動産買取にはどのような違いがあるのかを見てみましょう。
不動産買取は不動産仲介と同じく不動産を売って金銭を得る方法の一つですが、両者には大きな違いがあります。
具体的には、「購入者」「売却までの期間」「売却価格」「仲介手数料」「契約不適合責任」「宣伝活動」の6つの部分が違っています。
【不動産買取と不動産仲介の違い】
不動産買取 | 不動産仲介 | |
---|---|---|
購入者 | 不動産会社 | 個人がメイン |
売却までの期間 | 2週間~2ヶ月 | 3ヶ月~6ヶ月 |
売却価格 | 相場価格の6割~8割 | 相場価格で売れやすい |
仲介手数料 | なし | あり(売却価格の3~5%+消費税) |
契約不適合責任 | なし | あり |
売却活動 | なし | あり |
それぞれどのように違うのか、以下でもう少し詳しく見てみましょう。
不動産の購入者
不動産仲介の場合、購入者は不動産会社に紹介された個人が主になります。
一方、不動産買取の場合、相談を受けた不動産会社が直接買い取ります。
購入者を探す手間がないので、不動産買取のほうが売却までの流れがスムーズです。
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すまいステップから不動産の査定を依頼した方の約45%が、不動産を売り出してから3か月以内に売却を完了しています。
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不動産の売却が完了するまでの期間
不動産買取の場合、不動産の査定から売却完了までにかかる期間はおよそ1ヶ月~2ヶ月ほどです。
最短だと、2週間ほどで完了するというケースも見られます。
一方、不動産仲介の場合は、3ヶ月~6ヶ月以内に売却が完了するのが一般的です。
また、不動産仲介の場合、購入希望者が現れなければいつまで経っても売却ができないというデメリットがあります。
不動産の売却価格
不動産の売却価格は、仲介の場合はほぼ売却相場と同じくらいになります。
売却相場とは、周辺の条件の近い不動産の売却実績の相場のことです。
一方、不動産買取の売却価格は、売却相場の6割~8割と言われています。
これは、不動産会社が買い取った不動産の再販で利益を出すために、あらかじめ相場より安く仕入れる必要があるからです。
仲介手数料の有無
仲介手数料とは、不動産会社に不動産の買主を見つけてもらった場合に、不動産会社に支払う手数料のことです。
仲介手数料は、一般的に「売却価格の3~5%+消費税」とされています。
不動産仲介の場合、この仲介手数料がかかりますが、不動産買取の場合は一切かかりません。
契約不適合責任の有無
契約不適合責任とは、売却した不動産が売買契約の内容と異なっていた場合に、売主が買い主(個人)に対し、契約を追完する責任を負うというものです。
契約不適合の具体例としては、事前説明のない水道管の漏水やシロアリによる家屋の侵食などが挙げられます。
不動産仲介での売却だと、売主には契約不適合責任があるため、不動産に契約とは異なる不備などが見つかった場合、その部分に責任を負う必要があります。
一方、不動産買取であれば、売主は契約不適合責任を課されることはありません。
不動産の売却活動の有無
不動産仲介で不動産を売却する場合、購入希望者を募るため、チラシやネット広告、内覧などの売却活動を行う必要があります。
しかし不動産買取であれば、不動産会社の一度の査定のみで売却がすすめられるので、売却活動がありません。
不動産買取の種類
不動産買取は、大きく分けると以下の3つの種類があります。
- 買取保証付き仲介
- 一定期間仲介で売却活動を行い、売れなかった場合に不動産会社が買い取る
- 即時買取
- 仲介での売却活動を挟まず、すぐに不動産会社にすぐに買い取ってもらう
- リースバック
- 不動産会社に買い取ってもらった不動産に賃貸で住み続ける
この章では、それぞれの不動産買取方法の特徴を詳しく見ていきましょう。
買取保証付き仲介
買取保証付き仲介とは、仲介で一定期間を過ぎても不動産が売れなかった場合、不動産会社が事前に約束した金額で買取をしてくれるという買取方法です。
不動産仲介では物件がいつ売れるかわからないデメリットがあり、不動産買取では市場価格より安い値段で売却しなければいけないというデメリットがあります。
対して買取保証では、一定期間市場に出すことで市場価格で売れる可能性を残しつつ、期限内に売れなかった場合は不動産会社に確実に買い取ってもらうことができます。
メリットが多く聞こえる買取保証ですが、人気物件の場合、不動産を安く買い取りたい不動産会社が仲介での売却活動を積極的に行ってくれない可能性があります。
即時買取
即時買取とは、不動産会社に即時で買ってもらえるという買取方法です。
即時買取の場合、査定回数は訪問査定の1回が一般的なので、売却期間は最短2週間~、長くて1ヶ月以内と最短で売却できます。
ただし、すぐに買ってもらえる条件と引き換えに買取価格は買取保証よりも安くなりやすいことに注意して下さい。
リースバック
リースバックとは、「セール・アンド・リースバック」の略称で、売却した不動産の買い主と賃貸借契約を結び、今まで通りその不動産に住み続けることです。
「現金が必要だけど引っ越したくない……」という場合に用いられる不動産買取方法です。
一見デメリットの少なそうなリースバックですが、誰でも利用できるわけではありません。
リースバックは、アンダーローン(ローン残債が不動産の査定額を下回っている)状態でなければ断られるケースが多いです。
また、リースバックでの賃貸借契約は定期借家契約なので、契約期間満了後も住み続けられる保証がないことにも注意してください。
不動産買取の流れと入金までの期間
不動産買取を考えている方が気になることの一つに、「いつ入金されるのか?」があるのではないでしょうか。
この章では、不動産買取全体の流れに触れながら、売却代金の入金日等を確認していきましょう。
不動産買取の流れは、以下のようになります。
不動産買取の流れ【3STEP】
- 不動産買取業者の査定を受ける
- 売買契約の締結・手付金の入金
- 物件の引き渡し・入金
査定依頼から物件の引き渡し・入金までは、最短で3週間ほどです。
それぞれのステップでなにをするのかについては、以下でもう少し詳しくご紹介します。
ステップ①不動産買取業者の査定を受ける
まずはじめに、不動産買取業者に査定の依頼をし、訪問査定を受けます。
訪問査定にかかる時間は約1時間ほどです。
訪問査定のあと、2日~1週間ほどで査定額が連絡されます。
この査定額が、不動産買取業者に買い取りして貰う場合にもらえる金額になります。
なお、不動産買取の査定額は会社によって異なるので、必ず複数の不動産買取業者の査定を受けましょう。
不動産買取業者をお探しの場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
【2022年】大手不動産買取業者ランキングを戸建て・マンション別で紹介
ステップ②売買契約の締結・手付金の入金
不動産買取業者から提示された査定額・条件に納得できたら、不動産の売買契約を締結します。
このとき、不動産買取業者から手付金も支払われます。
ただしこの手付金は、不動産を売却できなくなった場合・契約違反が合った場合などに不動産買取業者に返還しなければならないので、売却完了まで使わないように注意してください。
売買契約を結んだあとは、あらかじめ決められた引き渡し日までに引っ越しと必要書類の準備を完了しましょう。
ステップ③物件の引き渡し・残代金入金
引っ越しを完了し、物件を不動産会社に引き渡した日に、残代金の入金も行われます。
残代金の入金が確認できたら、不動産買取は完了となります。
査定から物件の引き渡しまでは最短で2週間ほどですが、余裕を持って2ヶ月ほどの期間を設定することもあります。
引き渡しまでのスケジュールについては、不動産買取業者と相談をして無理のない範囲で決めましょう。
なお、不動産の買取で利益が出た場合には、「譲渡所得税」という税金が発生します。
買取の翌年に確定申告が必要になるので、忘れないようにしましょう。
譲渡所得税については、以下の記事でくわしく解説しています。
不動産売却にかかる税金はいくら?払わなくていい条件は?計算方法と支払時期まで詳しく解説
不動産買取のメリット・デメリット
ここまでの解説で、不動産買取の概要はお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは実際に買取を依頼すべきかを判断できるように、不動産買取のメリットやデメリットをお伝えします。
不動産買取のメリット
まず、不動産買取のメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
①手続きが少なく手間がかからない
前述の通り、不動産買取は仲介に比べて、不動産売却における販促活動のプロセスが発生しません。
特に内覧対応が含まれていないことから、物件をきれいに見せるために室内を整理したり、土日に買い主候補を案内する手間がなくなります。
育児や仕事等、急な転勤による引っ越し準備で忙しいといった方は、買取によって手間をかけずに売却することができます。
②2ヶ月以内で現金化できる
不動産買取の場合、最短2週間~1カ月で売却することができます。不動産会社に相談してから5~10日ぐらいで売却価格や決済時期などの条件が決まり、その後1~2ヶ月で決済や引き渡しが完了します。
対して不動産仲介では、売却完了までに3ヶ月~半年の期間がかかることことが一般的です。
③契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、先述の通り、契約の内容に適合しない物を売却した際に売主が買主(個人)に対して負う責任のことです。
契約不適合責任において、売主が不適合の事実を知っていたがどうかは関係ないので、雨漏りに気付かず売却し、契約不適合責任で100万円を超える補修費用を請求されるケースなどもあります。
そのため、特に築年数の経過している物件や、空き家の期間の長い物件は注意が必要です。
不動産買取の場合、業者(不動産会社)が買い手となるので、契約不適合責任を問われないというメリットがあります。
④近隣の人に知られることなく売却できる
事情があり近隣の人に不動産を売却することを知られたくない場合は、買取がおすすめです。
仲介を依頼する場合、販売エリアを決めてそのエリア内にチラシを撒くなどの販促活動を行うのが一般的です。週末も見学会を開催したりするため、近隣の人に売却することが知られてしまいやすいです。
不動産会社に販促活動を明るみに行わないことを約束することは可能ですが、その分、買い主が見つかる確率が下がってしまいます。
不動産買取の場合、不動産会社とのやり取りだけで売却が成立するので、近隣の人に知られることは少なくなります。
⑤資金計画が立てやすい
仲介による売却では、希望価格で買い手が見つかるまで不動産会社に販売活動をしてもらうため、実際の売却価格がわかるまでに時間がかかります。
いくらで売って、いつ、いくら手元に入ってくるのか。それによって購入できる住み替え先の物件の相場やタイミングが変わることもあります。
買取では、不動産会社の提示する価格で折り合いが付けば売却を進めることができるので、手持ちの資金を早く把握することができる分、計画的に売却することができます。
不動産買取のデメリット
メリットが多い不動産買取ですが、デメリットも存在します。
不動産買取のデメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。
【不動産買取のデメリット】
①売却価格が市場価格よりも2割~4割ほど低い金額になる
一般的に不動産買取は市場価格に対し2割~4割ほど安くなるため、不動産買取で売却する場合、手元に残る売却益は仲介より下がります。
不動産会社は買い取った不動産にリフォームやリノベーションを行い、再度市場で販売して利益を得ています。不動産会社にとって再販のためにコストが発生するため、その費用分が差し引かれ買取価格が安くなるのです。
買取価格が安くなることで、売却益は下がります。
たしかに買取には仲介手数料がかかりませんが、相場の20%~40%に値する金額は、多くの場合で、仲介手数料の金額を上回ります。
よって、仲介手数料を払ってでも仲介で売却するほうが売却益が大きくなることがほとんどです。
例えば、仲介で3,000万円の価格で売れる不動産は、仲介手数料を差し引いても、買取より売却益が大きくなります。
=売却代金 – 仲介手数料[売却価格×3%+6万円 +消費税]
=3,000万円 - 105万円[3,000万円×3%+6万円 +消費税]
=2,895万円
一方、買取で売却した場合の価格は以下の通りです。
=3000万円 ×0.7
=2100万円
仲介手数料を払ったとしても、仲介のほうが約800万円も多くの利益を得られることがわかります。
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②対象となる不動産が限られる
不動産買取業者の買取対象のエリア外に位置していたり、不動産会社が定める買取対象の条件に一致していない物件は、買取拒否される場合があります。
特に、買取対象のエリア外のために断られるケースが多いです。
買取の条件は不動産会社によって違うので、不動産会社のホームページやIR資料を確認し、自分の不動産が得意な不動産会社を探しましょう。
また、不動産会社は買い取った後、リフォーム・リノベーションを施して付加価値を付け、その物件を再販します。
そのため、需要が低いエリアやリフォーム・リノベーションが難しいほどに老朽化した物件、再建築不可の物件など、不動産会社が不可価値を付けても転売が難しく利益を得られないとみなした場合は、買取に応じてもらえないこともあります。
ただ、不動産買取業者がどんな不動産を求めているかは実際聞いてみないとわからないので、まずは一度相談してみることをおすすめします。
不動産買取業者への相談をご希望の場合は、以下のバナーから無料で問い合せることができます。
不動産買取を選ぶべき人の特徴
この章では、仲介か買取か悩んでいる方に向けて、不動産買取が向いている人の特徴をご紹介します。
以下のいずれかに当てはまる場合、不動産買取が向いています。
【不動産買取が向いている人の特徴】
- すぐに現金化したい
- 売却完了までの期限が決まっている
- 仲介で買い手がつきにくい物件を売却したい
- 解体費用をかけずに売却したい
- 周囲に知られずに売却したい
- 売却活動中の新型コロナ感染リスクを減らしたい
①すぐに現金化したい
不動産仲介は売却の完了に平均3ヶ月~6ヶ月かかりますが、不動産買取の場合は2ヶ月以内に売却を完了することができます。
そのため、すぐに売却を完了して現金に換えたいという方には不動産買取がよいでしょう。
②売却完了までの期限が決まっている
一定期間後に不動産会社が確実に買い取ってくれる不動産買取に対し、不動産仲介は買い主が見つからなければ不動産の売却はできません。
そのため、住み替えなどで不動産を売却するまでの期限が明確に決まっている場合には、買取保証をつけるのがおすすめです。
買取保証をつけることで、希望時期までに売れなかった場合にも不動産会社が買い取ってくれます。
③仲介では買い手がつきにくい物件で売却したい
以下の条件に該当する物件は利用に制限がかかってしまうため、仲介では売れにくい傾向があります。
- 築年数が40年以上超える旧耐震基準の物件
- 事故やトラブルが発生したワケアリ物件・事故物件である
- 接道義務を果たしていない(再建築不可物件である)
安全性への不安から、仲介では築40年を超える旧耐震基準の物件は売れにくいと言われています。更に立地が悪い等の条件が重なると、更に買い取り手がつかなくなり、仲介での売却は難しくなります。
仲介で売却するためにリフォーム等の修繕に費用や手間をかけるより、最初から買取を依頼した方が費用と時間を節約できるケースもあります。
自殺や事故等の心理的瑕疵がある物件は市場での売却が難しいことが多いです。
また、接道義務を果たしていない物件も、買い手がその土地に新しく物件を建てることができない(再建築不可)ので、買い手がつきにくくなります。
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④解体費用をかけずに売却したい
この記事を読んでいる人の中には、家を解体して更地として不動産を売却しようと考えている方もいるかもしれません。
特に、築年数が古い物件や建物の状態が悪い物件などは、更地にした方が売れやすくなるのではと考える方は多いでしょう。
しかし、家を解体するのにも費用がかかります。
構造や家の広さにもよりますが、中には100万円以上の解体費用がかかったケースも。
解体費用の支払いが難しい場合は、買取での売却がおすすめです。
買取で売却を行えば、解体費用は不動産会社が支払ってくれるので出費を抑えることができます。
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⑤周囲に知られずに売却したい
不動産を売却する理由は様々ですが、中には「近所の人に事情を知られたくない……」という方もおられるかと思います。
そういった場合は、売却活動の必要な仲介よりも、一度の査定のみ買取のほうがストレスなく売却を完了できるでしょう。
不動産買取をする方は情報を漏らしてほしくないという希望をお持ちの方が少なくないので、不動産買取業者も理解を示してくれます。
⑥売却活動中の新型コロナ感染リスクを減らしたい
先述のとおり、買取は仲介で発生する内覧対応を省くことができます。
不特定多数の買い取り候補者と直接接点をとる活動をしなくて済むので、感染症のリスクを減らすことができます。
感染症のリスクを最小限に抑えつつ、安全に売却したい方には不動産買取はおすすめです。
まとめ
この記事では不動産買取の概要やメリット・デメリットについてお伝えしました。
不動産買取は不動産仲介よりも売却価格が安くなるものの、「買い手が付くかどうかわからない物件を確実に買ってもらえる」「すぐに現金化できる」などの大きなメリットもあります。
不動産が売れなくて困っている人や、速やかに物件をお金に変えたい人は、買取での売却を検討してみてはいかがでしょうか。