不動産買取とは?不動産を売るのに買取と仲介のどちらを選ぶべき?

不動産売却には、「不動産買取」と「不動産仲介」という2つの方法があります。

いずれもメリット・デメリットがあり、買取に向いているケースと、買取は避けたほうがいいケースがあります。

この記事では、不動産をどう売却すればよいか悩んでいる方に向けて、「買取とはどのような売却方法か」「買取と仲介の違いは何か」「買取すべきケースとはどんなものか」について解説しています。

この記事を参考に、自分にとって最適な売却方法を選択できるようにしましょう。

監修者:山本健司
監修山本 健司
東急リバブル株式会社、ソニー不動産株式会社(現SREホールディングス株式会社)で1位を連続受賞。不動案相談件数16,000件以上。ミライアス株式会社を立ち上げ不動産売買仲介、不動産コンサルティング業務を行っている。【URL】ミライアス株式会社

不動産買取とは

「不動産買取」とは、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう不動産の売却方法です。

不動産会社は買取した物件をリフォームして修繕した後、市場へ再販売することで利益を得ています

不動産買取の構図

 

不動産買取と仲介の違い

「不動産仲介」では、以下の図のように、不動産会社が売り手と買い手の間に入り、不動産会社が探してきた買い手に物件を売ることになります。

不動産会社は売り手と買い手の間に入る仲介手数料で利益を得ています

不動産会社がより良い条件の買い手を市場から探してくるため、できるだけ高値で売ることができるのが特徴です。

しかしその分、買い手を見つけるための期間が発生するため、売却(=現金化)まで時間がかかります

 

不動産仲介の構図

「不動産買取」と「不動産仲介」の違いは、「買い主が不動産会社なのか、不動産会社が仲介した個人なのか」にあります。

「不動産買取」は不動産会社が直接買い取るため、仲介のように不動産会社が買い手を探す期間が発生せず、短い期間で売却(=現金化)できます

また、仲介で必要となる買い主候補の内覧対応等が不要であるため、仲介と比べると売却にかかる手間が少なく住みます

しかし、再販売用にかかるリフォームや販促費用が差し引かれるため、買取価格は仲介による売却価格よりも6割~7割ほど下がることが一般的です。

不動産買取と不動産仲介の違い

不動産買取と仲介の違いを表にまとめると、以下のようになります。

項目不動産買取不動産仲介
仲介手数料

かからない

かかる

売却までの期間

1~2カ月

3~4カ月

手間

少ない

内覧対応等が発生

瑕疵担保責任

負わない

負う

売却価格

市場相場の6割~7割

市場相場以上で売れることもある

仲介は「高く売ること」、買取は「素早く手間をかけずに売ること」に有利な売却方法であることがわかります。

不動産買取の種類

これまで「不動産買取の売却方法」について「仲介」との違いから見てきましたが、ここでは不動産買取の種類について解説しています。

不動産買取は、その買取方法の違いから、「買取保証」と「即時買取」の大きく2種類にわけられます。

1.なるべく高く売りたいなら「買取保証」

買取保証とは、仲介で一定期間を過ぎても不動産が売れなかった場合に、不動産会社が買取をしてくれるという保証を指します。

最初の3カ月間は仲介で売り出せるので不動産会社に買い取ってもらうよりも高く売れる可能性が高くなります。

また、仮に売れ残った場合は不動産会社が買い取ってくれるため、「高く売れるチャンスがあり、確実に売ることもできる」という見方もできます。

ただし人気物件の場合、不動産を安く買い取りたい不動産会社が仲介での売却活動を積極的に行ってくれない可能性があります。

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2.できるだけ早く売りたいなら「即時買取」

即時買取とは、不動産会社に即時で買ってもらえるという買取方法です。即時買取可能な不動産が見つかれば、依頼後すぐに不動産を買ってもらうことができます。

しかし、すぐに買ってもらえる条件と引き換えに買取価格は買取保証よりも安くなりやすいことに注意して下さい。

これまでは不動産買取とはについて紹介してきました。次の章以降では、不動産買取のメリット・デメリットについて説明し、どのような場合に買取を選んだ方がよいのかについて見ていきましょう。

不動産買取のメリット

不動産買取とはなにかわかった上で、買取すべきかを判断できるようにするために、この章では買取のメリットとデメリットを解説しています。

以下に一覧化した買取とメリット・デメリットの内容の詳細を説明していますので、確認しておきましょう。

①手続きが少なく手間がかからない

不動産買取と仲介の流れ

上の図は、買取と仲介の流れを比較したものです。
仲介に比べて、買取は不動産売却にかかるプロセスが圧倒的に少ないことが分かります。

特に内覧対応が含まれていないことから、物件をきれいに見せるために室内を整理したり、土日に買い主候補を案内する手間がなくなります。育児や仕事等、急な転勤による引っ越し準備で忙しいといった方は、買取によって手間をかけずに売却することができます。

②2ヶ月以内で現金化できる

不動産買取の場合、最短1週間~1カ月で売却することができます。不動産会社に相談してから5~10日ぐらいで売却価格や決済時期などの条件が決まり、その後1~2ヶ月で決済や引き渡しが完了します。

対して不動産仲介では、売却完了までに2ヶ月~半年の期間がかかることことが一般的です。

以下は不動産仲介で成約したユーザー1,500人を対象にした売却期間に関するアンケート調査の結果ですが、2ヶ月~半年間が半数以上(56%)を占めていることがわかります。

つまり、不動産仲介と比べると、買取は短期間で売却できる(=現金化できる)ことがわかります。

成約までにかかった期間(1500人にアンケート)

③契約不適合責任が免除される

契約不適合責任とは、契約の内容に適合しない物を売却した際に売主が買主(個人)に対して負う責任のことです。

以下の条件に当てはまる不動産を、買主へ十分に説明をせずに売却してしまった場合に適応されます。

  • 雨漏り
  • 柱や屋根の腐食
  • シロアリによる被害
  • 給排水管等の破損

実際に、雨漏りに気付かず売却し、契約不適合責任で100万円を超える補修費用を負担されたケースもあります。

契約不適合責任は、建物の欠陥に気付いていない場合も問われます。

そのため、特に築年数の経過している物件や、空き家の期間の長い物件は注意が必要です。

不動産買取の場合、業者(不動産会社)が買い手となるので、契約不適合責任を問われないことになります。

④近隣の人に知られることなく売却できる

事情があり近隣の人に不動産を売却することを知られたくない場合は、買取がおすすめです。

仲介を依頼する場合、販売エリアを決めてそのエリア内にチラシを撒くなどの販促活動を行うのが一般的です。週末も見学会を開催したりするため、近隣の人に売却することが知られてしまいやすいです。

不動産会社に販促活動を明るみに行わないことを約束することは可能ですが、その分、買い主が見つかる確率が下がってしまいます。

不動産買取の場合、不動産会社とのやり取りだけで売却が成立するので、近隣の人に知られることは少なくなります。

⑤資金計画が立てやすい

仲介による売却では、希望価格で買い手が見つかるまで不動産会社に販売活動をしてもらうため、実際の売却価格がわかるまでに時間がかかります。

いくらで売って、いつ、いくら手元に入ってくるのか。それによって購入できる住み替え先の物件の相場やタイミングが変わることもあります。

買取では、不動産会社の提示する価格で折り合いが付けば売却を進めることができるので、手持ちの資金を早く把握することができる分、計画的に売却することができます。

不動産買取のデメリット

メリットが多い不動産買取ですが、デメリットも存在します。以下で見ていきましょう。

買取価格は相場の6割~7割で、売却益が下がる

一般的に不動産買取は市場価格に対し3割~4割ほど安くなるため、不動産買取で売却する場合、手元に残る売却益は仲介より下がります。

不動産会社は買い取った不動産にリフォームやリノベーションを行い、再度市場で販売して利益を得ています。不動産会社にとって再販のためにコストが発生するため、その費用分が差し引かれ買取価格が安くなるのです。

買取価格が安くなることで、売却益は下がります。

すまリス
買取は仲介手数料がかからないから、仲介よりは売却益は上がるんじゃないの?

たしかに買取には仲介手数料がかかりませんが、相場の30%に値する金額は、多くの場合で、仲介手数料の金額を上回ります。

よって、仲介手数料を払ってでも仲介で売却するほうが売却益が大きくなることがほとんどです。

例えば、仲介で3,000万円の価格で売れる不動産は、仲介手数料を差し引いても、買取より売却益が大きくなります。

仲介の売却益
=売却代金 – 仲介手数料[売却価格×3%+6万円 +消費税]
=3,000万円 - 105万円[3,000万円×3%+6万円 +消費税]
=2,895万円

一方、買取で売却した場合の価格は以下の通りです。

買取での売却価格
=3000万円
×0.7
=2100万円

仲介手数料を払ったとしても、仲介のほうが約800万円も多くの利益をえられることがわかります。

すまリス
買取は仲介手数料がかからないけど、買取価格が下がる分、仲介より利益が下がってしまうんだね。
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対象となる不動産が限られる

不動産買取業者の買取対象のエリア外に位置していたり、不動産会社が定める買取対象の条件に一致していない物件は、買取拒否される場合があります。特に、買取対象のエリア外のために断られるケースが多いです。

買取の条件は不動産会社によって違うので、不動産会社のホームページやIR資料を確認し、自分の不動産が得意な不動産会社を探しましょう。

また、不動産会社は買い取った後、リフォーム・リノベーションを施して付加価値を付け、その物件を再販します。

そのため、需要が低いエリアやリフォーム・リノベーションが難しいほどに老朽化した物件、再建築不可の物件など、不動産会社が不可価値を付けても転売が難しく利益を得られないとみなした場合は、買取に応じてもらえないこともあります。

不動産買取と仲介のどちらを選べばいい?

この章では、不動産買取が向いているケースと、不動産買取をさけた方がいいケースを事例を基に紹介しています。

各ケースを参考に、自分は不動産買取で売却する方がいいのかを検討してみましょう。

不動産買取が向いているケース

以下のいずれかに当てはまる場合、不動産買取で売却することが向いているかもしれません。

  1. 売却活動中の新型コロナ感染リスクを減らしたい
  2. 仲介で買い手がつきにくい物件を売却したい
  3. 解体費用をかけずに売却したい

1.売却活動中の新型コロナ感染リスクを減らしたい

先述のとおり、買取は仲介で発生する内覧対応を省くことができます。

不特定多数の買い取り候補者と直接接点をとる活動をしなくて済むので、感染症のリスクを減らすことができます。

感染症のリスクを最小限に抑えつつ、安全に売却したい方には不動産買取はおすすめです。

2.仲介では買い手がつきにくい物件で売却したい

以下の条件に該当する物件は利用に制限がかかってしまうため、仲介では売れにくい傾向があります。

  • 築年数が40年以上超える旧耐震基準の物件
  • 立地が悪い
  • 事故やトラブルが発生したワケアリ物件である
  • 接道義務を果たしていない(再建築不可物件である)

安全性への不安から、仲介では築40年を超える旧耐震基準の物件は売れにくいと言われています。更に立地が悪い等の条件が重なると、更に買い取り手がつかなくなり、仲介での売却は難しくなります。

仲介で売却するためにリフォーム等の修繕に費用や手間をかけるより、最初から買取を依頼した方が費用と時間を節約できるケースもあります。

自殺や事故等の心理的瑕疵がある物件は市場での売却が難しいことが多いです。

また、接道義務を果たしていない物件も、買い手がその土地に新しく物件を建てることができない(再建築不可)ので、買い手がつきにくくなります。

このようなワケあり物件は仲介での売却が難しいため、買取を依頼することがおすすめです。

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3.解体費用をかけずに売却したい

この記事を読んでいる人の中には、家を解体して更地として不動産を売却しようと考えている方もいるかもしれません。

特に、築年数が古い物件や建物の状態が悪い物件などは、更地にした方が売れやすくなるのではと考える方は多いでしょう。

しかし、家を解体するのにも費用がかかります。

構造や家の広さにもよりますが、中には100万円以上の解体費用がかかったケースも。

解体費用の支払いが難しい場合は、買取での売却がおすすめです。

買取で売却を行えば、解体費用は不動産会社が支払ってくれるので出費を抑えることができます。

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不動産仲介が向いているケース

以下の場合は買取よりも、仲介で売却することがおすすめです。

  1. できるだけ高く売りたい
  2. 築浅や駅チカなど物件の条件がいい

1.できるだけ高く売りたい

不動産買取のデメリットで解説したように、買取価格は相場の6割~7割となるため、高く売ることを重視する場合は買取はおすすめできません。

売却益を元手として住宅ローンを完済したい方や、自営業で自社経営のためにできるだけ多くの資金を必要としている方などは、買取は避けることが無難といえます。

2.築浅や駅チカなど物件の条件がいい

築浅や駅チカなど物件の条件が良い場合、仲介で出すと相場よりも高く売れる可能性があります。

条件がよい物件は購入希望者が多く、買い主を探すために時間を要することもなく、よりよい購入条件を提示した買い主にスピーディに売却することができるためです。

買取に出してしまうと仲介で出せば相場以上の価格で売れることができる物件も、相場の6割~7割で引き渡すことになってしまいます。

よって、条件がいい物件は買取よりも仲介で売却することがおすすめです。

こんな不動産って買い取ってもらえる?

「買取を依頼したいけれど、この物件って買い取ってもらえるのかな…?」

買取検討者が買取できるか不安を抱きやすい物件の買取可否についてお答えしています。

1.今空き屋になっている不動産って買取できる?

買取することは可能です。空き家であっても現在住んでいても、買取り可否には影響がありません。

2.他社の仲介で売りに出している不動産って買取できる?

仲介を依頼している不動産会社との契約形態が「専用専属媒介契約」以外の場合買取を依頼することができます。

専用専属媒介契約を結んでいる場合、買取にも仲介手数料が発生します。契約期間の満了をまつか、契約解除を行うことが必要です。

※専用専属媒介契約とは、売主が他の不動産業者に重複して依頼することができない(依頼した業者に全面的に任せる)媒介契約をいいます。

3.住宅ローンが残っている不動産って買取できる?

住宅ローンの残債がある場合でも、買取は可能です。ただし、買取金額がローン残債を上回ることが条件になります。

下回る場合は不足分を現金で用意しなければなりません。決済時に、決済金の中から残債分を返済し、抵当権の抹消登記と所有権移転を行います。

まとめ

この記事では不動産買取とは何かやメリット・デメリットについてみてきました。

仲介なら高く売れるかもしれませんが、自分でリフォームや修繕費用を捻出すると、手元に残る売却益が少なるなることもあります。

一方、買取であれば売主のリフォームは不要で、業者にもよりますが、引越し時にいらない不動産具は、そのままにしておくこともできます。

手間がかからなかったり、買い手が付くかどうかわからない物件を確実に買ってもらえるという安心感は仲介にはない大きなメリットです。
物件が売れなくて困っている人や、速やかに物件をお金に変えたい人は買取での売却を検討してみてはいかがでしょうか

不動産売却の基礎的な情報を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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これだけ査定額に差が出ると、複数の不動産会社に査定を依頼することが、不動産を高く売るために必須だと言えるでしょう。

少しでも不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトで自分の不動産がいくらで売れるか調べてみましょう。

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