不動産買取とは?
不動産会社が直接不動産を買い取ってくれる仕組みのサービスが「不動産買取」です。仲介のように買主を探すことはなく不動産会社が直接買取をします。希望の金額で売れる見込みは低くなってしまいますが買取はスピーディです。
早ければ1週間程度で取引が完了するケースもあります。不動産会社との交渉になるため、双方が納得すると手続きが進む流れです。
- 条件が悪く仲介だと時間がかかってしまう
- 家庭の事情で可能な限り早く不動産を現金化したい
そう考えているのなら不動産買取を利用してみましょう。
不動産買取を利用するときの注意点
スピーディーで便利な不動産買取ではありますが、利用するのなら注意点があります。
次のような注意点を意識したうえで手続きを進めていきましょう。
- 複数の業者に査定を依頼する
- 買取できない物件か確認する
- 住宅ローンを完済する
- 綺麗にしておく
- 必要書類を準備する
- 信頼できる業者に依頼する
- 費用を確認する
注意点を1つずつ解説していきますので、利用を検討しているのなら内容をご確認ください。
注意点1.複数の業者に査定を依頼する
不動産買取を利用するなら必ず複数の業者に査定を依頼しましょう。
買取に限った話ではありませんが、不動産の査定額は会社によって大幅な違いがあります。
依頼を1社だけに絞ってしまうと、相場よりも低い査定額だったとしても気がつきません。
損をしないためには、複数の業者に査定を依頼して比較する必要があります。
まとめて査定を依頼したいのなら、一括査定サイトを利用すると便利です。ただし実際の依頼にあたっては、査定額以外も参考にしてください。
具体的には、対応の良さ・口コミの評判・実績の多さなども考慮して、依頼先を決定しましょう。
注意点2.買取が可能な物件か確認する
不動産買取では買取が可能な物件か確認するのも大切です。
仲介では売れにくい物件だとしても、買取でなら売却できる可能性があります。
しかし不動産会社による違いも大きいため確認してみましょう。
不動産会社が買取をするのは、売れやすいよう手を加えて再販するためです。
そのためリフォーム・リノベーションをしても売却が難しい物件では、買取不可になるおそれもあります。
その場合は、条件を問わず買取をおこなっている不動産会社へと相談してみましょう。
注意点3.住宅ローンを完済する
不動産を売却するときは住宅ローンを完済する必要があるのも大きな注意点です。
買取に限らず仲介でも同じように完済して抵当権を抹消する必要があります。
抵当権が抹消されていない不動産は売却ができませんので気をつけましょう。
もしも売却した価格より残債が多い「オーバーローン」と呼ばれる状態なら、自己資金での返済が必要です。
しかし、自己資金だけで残債を完済するのが難しいという人もいます。
そこでまず住宅ローンの残債を確認して完済できるかを考えてみてください。
注意点4.綺麗にしておく
買取以外でも同様ですが不動産を売却するなら可能な限り綺麗にしておきましょう。
たとえ誰であっても、荒れ果てているより綺麗な状態の不動産に好印象を持つはずです。
不動産会社から見て綺麗な状態であるなら、査定額も高くなるでしょう。
少なくとも土地や建物については掃除が必要です。
トイレやキッチンなど水回りの汚れやすい場所は、特に掃除を徹底しておきましょう。
徹底的に綺麗にしたいのであれば、プロの業者にハウスクリーニングや庭の手入れなどを依頼する方法もあります。
不要な家具や荷物などは処分して、少しでも綺麗な状態にしてから買取を依頼するのがおすすめです。
注意点5.必要書類を準備する
買取に限らず、不動産を売却するときは必要書類を準備するのも大切です。書類の入手にも手間がかかります。
そのため可能な範囲で書類をあらかじめ準備しておくとスムーズに進められるでしょう。代表的な必要書類は次のようなものです。
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 間取り図
- 測量図
- 地積測量図
- 境界確認書
ただし「土地のみ」「一戸建て」「マンション」など、不動産の種類によって必要書類は変わってきます。
買取を検討しているのであれば、その段階で必要になる書類を確認して準備しておきましょう。
注意点6.信頼できる業者に依頼する
信頼できると感じた業者に依頼する必要があるのも、利用時の大切な注意点です。
所有している大切な不動産を手放すときには、誰でも「少しでも高く売りたい」と考えるでしょう。
詐欺に近い業者も存在しているため、不動産会社は慎重に確認しながら進めていく必要があります。
もちろん買取価格も重視したいポイントではありますが、それ以上にトラブルを避けるのが大切です。
不動産会社は査定依頼時の対応・口コミでの評判・実績などから選んでみましょう。
不安要素がある会社は避けるようにしてください。
注意点7.費用を確認する
不動産買取の利用時は費用を確認しておく必要もあります。
不動産買取を利用するなら仲介手数料が不要です。
ただし買取でも費用がゼロというわけではありません。
住宅ローンが残っているのなら、抵当権抹消費用や住宅ローン一括返済の手数料が必要です。
また買取にあたっては印紙税もかかります。
さらに譲渡所得が生じたなら、譲渡所得税も必要です。
不動産会社に相談しつつ、手続きを進めていきましょう。
即時買取と買取保証の違い
不動産買取にも種類があり即時買取・買取保証の2つにわけられます。
どちらを選ぶのが適しているかは人によって違ってくるでしょう。
そこでサービスの利用にあたっては、あらかじめ両方を確認しておくのがベストです。
それぞれを紹介しますので、自分に合っている方法を探すヒントとしてお役立てください。
即時買取とは?
即時買取とは依頼後すぐに不動産を買取してもらえる方法です。
急いで不動産を売却したいときは即時買取を選択するのが向いています。
買取なら1週間から1か月ほどですべての手続きが完了するのが一般的です。
ただし相場よりも7~8割程度まで売却価格は下がってしまいますので注意しましょう。
金額よりもスピード感を重視している人に向いている方法となります。
買取保証とは?
買取保証とは一定期間は仲介で対応してその後に買取がおこなわれる方法です。
時間に余裕があるのなら買取保証を試してみるのも良いでしょう。
「確実に売りたいものの可能なら高く売りたい」と考える人にとって便利な方法となります。
ただし買取保証でも絶対に買主が見つかる保証はありません。
そのまま不動産会社の買取になるおそれもあるので注意してください。
仲介で売れる見込みがあるのか知りたいと考える人におすすめの方法です。
不動産買取のメリット
「価格が下がってしまうなら買取を利用する必要がないのでは」と感じる人もいるでしょう。
しかし不動産買取にも大きなメリットがあります。代表的なメリットとして考えられるのが次の3つです。
- 短い期間で現金化できる
- 周囲に知られず売却できる
- 仲介手数料が不要である
- 契約不適合責任が免責となる可能性が高い
それぞれについて紹介していきますので、メリットをチェックしてみてください。
短い期間で現金化できる
不動産買取は短い期間で現金化できるのが特に大きなメリットです。
仲介なら不動産会社が買主を探してくれるものの、条件次第で時間がかかる可能性があります。
しかし、即時買取を使うのなら売却活動がないためスピーディーです。
- 不動産を相続したが将来的にも使う見込みがないので早めに現金化したい
- 離婚によって引っ越すので早めに不動産を手放したい
上記のような理由によって価格よりも早さを求める人もいるでしょう。
スピードを重視するのであれば不動産買取が便利です。
周囲に知られず売却できる
仲介とは違い周囲に知られず不動産を売却できるのも買取のメリットです。
仲介での売却なら不動産会社がチラシ・広告・ポータルサイトなどに不動産の情報を掲載します。
そのため知人や友人などが、偶然売却の情報を目にしてしまうかもしれません。
離婚や経済状況の悪化など、なるべくなら周囲に状況を知られたくない人もいるでしょう。
周囲には知られたくないと考えているときは仲介ではなく買取を活用してみてください。
仲介手数料が不要である
不動産を手放すにあたって仲介手数料が不要となるのも買取のメリットです。
「所有している不動産は売却したいものの仲介手数料を抑えたい」と考える人もいるでしょう。
仲介で必要となる仲介手数料は、売却価格によって変動してきます。
なるべく仲介手数料をかけたくないのなら不動産買取がおすすめの方法です。
契約不適合責任が免責となる可能性が高い
不動産買取は契約不適合責任が免責となるケースが多いのも大きなメリットです。
一般的に、仲介では売主が契約不適合責任を負います。
契約不適合責任とは、不動産の状況が契約内容と違うときに売主が負う責任を意味する言葉です。
- 白アリによる被害がある
- 漏水している場所がある
上記のような状況なら仲介よりも買取が適している可能性があります。
ただし不動産会社との契約内容によってどうなるかが変わってくるものです。
そのため必ず契約書を確認するようにしてください。
不動産買取のデメリット
不動産買取は売主にとって便利なサービスですが、いくつかデメリットもあります。
メリットだけを見てしまうと、「思っていたのと内容が違う」という事態になる可能性もあるため気をつけてください。
不動産買取を利用するのであればデメリットも確認して検討すると良いでしょう。
特に大きなデメリットとして挙げられるのが次の3つです。
- 仲介よりも売却価格が低くなってしまう
- 買取が難しい不動産もある
- 不動産会社によっては買取をおこなっていない
1つずつ紹介しますので検討材料として確認してみてください。
仲介よりも売却価格が低くなってしまう
不動産買取では仲介よりも価格が低くなってしまうのが大きなデメリットです。
相場より7~8割程度ダウンする傾向があるため、「高く売りたい」と考える人には合っていません。
価格が相場よりもダウンするのは、不動産会社がリフォーム・リノベーションをおこなったうえで販売するためです。
ただし「高く売りたいもののタイミングはいつでも構わない」という人も大勢います。
そんなときは買取保証を使うと仲介でも売却ができるかもしれません。
不動産会社では一人ひとりの状況をヒアリングしたうえでの対応も可能ですので、まずは査定を受けてみましょう。
買取が難しい不動産もある
買取が難しい不動産もあるのが不動産買取によるデメリットです。
使う見込みのない不動産であれば、すでに状態が悪くなっている可能性もあるでしょう。
- 築年数が古くて建物の傷みがひどい状態になっている
- 立地の悪さからリフォーム・リノベーションをしても売れる可能性が低い
そんな状況なら「買取できない」という不動産会社もあるでしょう。
ただし本当に買取が難しいのかは、不動産会社の査定を受けてみるまではわかりません。
また状態が悪い物件だったとしても買取に対応してくれる業者もあります。
「きっと売れる見込みがないだろう」と簡単に諦めず、まずは不動産会社まで相談してみてください。
不動産会社によっては買取をおこなっていない
買取対応をおこなっていない不動産会社があるのもデメリットの1つとして挙げられます。
ただし買取対応をしているかは事前に調べることが可能です。
不動産の一括査定サービスを使うと買取してくれる業者をスピーディに探せます。
一括査定を受けることにより「仲介でも問題なく売れる見込みがある」とわかるかもしれません。
たとえ条件が悪いと思える不動産でも簡単にあきらめてしまわず、まずは一括査定サービスを活用してみましょう。
注意点を知りスムーズに不動産買取を進めよう
スムーズに不動産買取を進めたいのなら、注意点を把握しておくのは大切です。
そこで本記事で紹介した注意点やメリットデメリットなどを参考に検討してみましょう。
不動産を売りたいと考えている人には、一括査定サイトの活用がおすすめです。
仲介と買取両方の不動産の査定を受けて結果を比較すれば、相場を把握しやすくなるでしょう。
「すまいステップ」の一括査定は、誰でも無料で使えます。
さらにすまいステップでは、不動産会社ごとの口コミや過去の実績なども確認することができます。
不安なく安全に不動産買取を進めていきたい方は、ぜひすまいステップを活用してみてくださいね。