コロナウイルスが世間を騒がせている中、不動産の価格にどのような影響があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
不動産の価格は、様々な要因によって変動するため、売却をする際にはタイミングを見極める事が非常に重要になってきます。
そこで本記事では、近年の不動産価格の変動や、変動の要因、価格の調べ方などについてお話していこうと思います。
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近年の不動産価格の動向とは?
まずは、近年の動向についてみていきましょう。
不動産の価格変動の仕方を知る事によって、何が要因で価格が変わるのかなどを知る事が出来、今後の動向を予測する事も可能になってきます。
まずは直近の不動産の価格がどのように移り変わっているのかをしっかりと把握していきましょう。
2013年以降不動産価格は上昇傾向
参考:三菱UFJ不動産販売【2019年】過去10年間の公示地価推移から読み取る今後の住宅地価動向
上記のグラフを見てもわかる通り、2013年以降、不動産全体の価格指数は上昇傾向にあります。
リーマンショックの影響で過去には価格が停滞していた時期もありましたが、その後は大きな経済打撃の影響などもなく順調に上昇しています。
特にマンションの上昇は著しく、過去5年の伸びは非常に大きいです。
参考:三菱UFJ不動産販売【2019年】過去10年間の公示地価推移から読み取る今後の住宅地価動向
また、こちらのグラフは、首都圏の地価を現したものになっていますが、特に関東圏では価格の上昇が他よりも大きい事が分かります。
これはオリンピックや、首都圏に人々が密集する傾向にある社会動向などが大きく関係しています。
関東圏の中でも特に大きな価格上昇を見せているのが「東京都」です。
参考:三菱UFJ不動産販売【2019年】過去10年間の公示地価推移から読み取る今後の住宅地価動向
こちらは、東京23区の住宅地の価格変動を現したグラフですが、2013年以降、その価格は上昇を続けています。
東京都の価格は大きく跳ね上がる事によって、周辺県の価格上昇が抑えられるほど、現状東京の不動産の価値が高くなっている状況にあります。
それでは、今後もこのような上昇は続いていくのでしょうか?
過去の動向を認識できたところで、今後の推移についても考えていきましょう。
今後の不動産価格はどうなる?
過去の価格動向を理解したうえで、次に今後の不動産の価格推移について考えていきましょう。
一時的に停滞する可能性がある
今後の不動産価格の変動については様々な見解がありますが、現状では「これまで上昇し続けていた価格が一時停滞する」という意見が最も多いようです。
こうした不動産の価格変動に大きな影響を与える要因は主に以下の2つ。
- コロナウイルスの影響
- 2022年問題
本章ではそれぞれの観点から今後の動向を詳しく見ていきましょう。
コロナウイルスの影響
一つ目の大きな要因は「コロナウイルスの影響」です。
現在、コロナウイルスは経済に大きな影響を及ぼしており、このような経済状況が不動産取引にも強く影響を与えています。
コロナウイルスの影響で景気が悪くなった事によって、金銭的な余裕がなくなっている人が多く生まれている現状があります。
こうした状況が生まれると、不動産取引にお金を使おうとする人の割合が減り、不動産の取引件数が減少するのではないかと予測されています。
取引件数が少なくなると、不動産の需要が低くなってしまい、不動産の価格もどんどん下がってしまいます。
現状かなりの経済的なダメージがあると予測されている為、不動産価格の一時的な下落は避けられないのではないかと考えている専門家も多いようです。
しかし、この下落も一時的なものである、という声が多く、下落、停滞をしてもすぐに回復するのではないかという見解も多くあります。
その理由として、今回のコロナショックでは、金融システムのダメージが非常に少なく、資金の供給が円滑におこなわれている事があげられます。
バブルの崩壊や、リーマンショックでは金融システムが大きなダメージを受けたために回復に非常に時間がかかってしまった事例がありますが、今回のコロナショックではそこが大きな違いとしてあげられるため回復が見込まれているようです。
また、コロナの影響で在宅での時間が増えたことにより、新規住宅受注が増加している傾向も見受けられるようです。
新宿区に本社を置く三栄建設設計では、2020年4月は前年比80%まで落ち込みましたが、その後の4か月は120%~150%まで程度上回っており、停滞からの回復の兆しが見えているようです。
とはいえ、今後第2波、第3波の感染爆発が起こる可能性も否定できない為、今後の動向をしっかりと見守っていく必要がありそうです。
2022年問題
次に懸念されるのが「2022年問題」です。
2022年問題とは、2022年を目途に宅地が急増し土地の価格の下落や空き家が増える可能性があるという問題です。
1992年施行の改正生産緑地法により、市街地にある農地は宅地よりも、固定資産税が大きく減免されていました。
30年間にわたる営農義務が切れることで、大半の生産緑地は自治体での買い戻しが可能になります。そうなると、大量の農地が宅地転用されることが予想されるでしょう。考えられる影響としては、一戸建てを買いたい人は、土地代が安くなってメリットを享受しますが、すでに一戸建てを所有している人は、資産価値の下落が懸念されます。
エリアによって変動に差がある可能性も
コロナや2020年問題など、全体的にみた価格変動も大切ですが、今後はエリアごとの価格選別がより進んでいくとみられています。
現状は「都心が上昇エリア」と「郊外が下落エリア」と分かれていますが、コロナの影響によって在宅ワークが拡大してきている今、在宅場所にもなる家を広く持ちたい、という需要から郊外エリアのニーズが高まる可能性が考えられています。
中でも、都心まで交通機関を使えば1,2時間で移動出来、不動産の価格もリーズナブルに収まる都心付近の郊外に注目が集まっています。
その為、今後はエリアごとの価格を確認する必要が生まれてきそうです。
用途別にみる今後の価格動向
これまでも国内外の経済状況を如実に反映して、変動してきた不動産価格。コロナの影響を受けて、マンションや戸建てなど、それぞれの用途の動向はどのようになっていくのでしょうか。
本章では「中古マンション」「戸建て」「土地」にわけて、これまでの価格変動を踏まえて今後の動向を考えていこうと思います。
中古マンション
中古マンションの価格変動は以下のグラフのようになっています。
コロナショックを受けて、中古マンションの成約件数や単価は一時的には下がりましたが、その後徐々に回復の傾向があることが見て取れると思います。
コロナ以前の価格、成約件数にまではまだ回復していないものの、現状の傾向からみて今後第2波、第3波が来なければ順調に回復していくと思います。
また、新築マンションの価格は、都心を中心に頭打ち気味と言われてはいるものの、マンション需要は依然として旺盛です。ただし、海外の政策や経済状況は重要な要素であり、たとえば米国の金利上昇による影響を受ける可能性は、否定できません。
住宅ローンについても、金利の低水準を抑制するようにと、金融庁・日銀による介入があるため、これらの引き締めによる影響で、借りにくくなるリスクがあります。新築マンションの供給数は、東京都心を中心として、僅かながら増加傾向にあったものの、最近ではこれが緩やかに減少する傾向にあるようです。
マンション価格を左右するその他の要因
2019年10月の消費税増税に向けて、駆け込み需要を見込んだ供給が、増加する見込みがある一方で、東京オリンピックのための大型施設建築ラッシュがあります。そのため、必ずしも需要を満たせるだけの戸数が、供給されるとは限りません。マンション価格の高騰がこのまま続くのか、今は見極めが非常に難しい局面です。
一戸建て
中古一戸建については、コロナショック後の回復が見られるようです。
4月時点では、成約件数、単価ともに過去数か月で最低に達しましたが、その後成約件数は2か月連続向上、単価も6月には向上し超回復を見せています。
その為、順調に回復していくものであると考えられるでしょう。
また、昨今では、高騰するマンションから戸建てへと、ターゲットを切り替える人が増えてきています。投資や節税目的としても、需要のあるマンションとは異なり、戸建ての場合は売買のほぼすべてが、実際の住まいとしての需要となります。その結果、売買価格が安定しているということが、背景にあるでしょう。
次に新築の戸建てについても同様に上昇傾向にあるようですが、新築は価格、成約件数ともにここ数年で過去最高の数字になっているようです。
これは、前述した通り、自粛によって家で過ごす事が増えた事をきっかけに、すまいの環境をより充実したものにしようとする動きが現れているのではないかと予測できます。
土地
土地についても他の用途と同様に順調に回復を見せています。
その為、コロナによる大きな落ち込みは一時的なものであると考えてよいでしょう。
また、国税庁から発表された、2018年の路線価によると、全国の標準宅地の変動率の平均値は、3年連続で上昇しています。都道府県別の平均値を見ると、最も上昇率が高かったのは沖縄県で5.0%の上昇。次いで東京都が4.0%、震災復興が進む宮城県が3.7%の上昇となりました。
地価の上昇率が高かったエリアは、大都市圏または観光地で、訪日外国人客が多い地域が目立ちます。代表的なのは沖縄で、訪日客の増加を見込み、ホテルなどの開業が相次いでいることが、要因と言えるでしょう。
また、沖縄ではモノレールの延伸工事が進められ、人口が増加していることなども、地価を上昇させる原因につながっているようです。一方で、地価の下落が続く地域では、下落傾向が拡大している地域もあり、地価相場は引き続き二極化が進んでいます。
不動産価格が変動する要因
ここまでで、過去の不動産価格の変動や今後の動向の推移などについてお話をしてきました。
様々な要因によって変動する不動産価格ですが、具体的にどのような要因が特に影響を及ぼしているのでしょうか。
価格の変動につながる要因は大きく2つ。
- 経済や情勢の変化
- イベントの影響などによる需要の変化
それぞれについて詳しくお話していきましょう。
経済や情勢の変化
1つ目の価格変動の要因は「経済や情勢の変化」です。
不動産の価格に限らず、多くのものの価格は経済によって変化が伴います。
実際に、現在コロナウイルスの影響で経済が打撃を受けている為、不動産を含む多く物の価格は下落する現象がみられています。
また、社会情勢なども価格変動には大きくかかわってきます。
例えば、人が都心に集まるような動きが近年見られており、その影響から都心の不動産価格は上昇している傾向にあります。
逆に、都市郊外からは人がいなくなるため、その不動産価格はその情勢に合わせて下がっています。
このように社会全体でみた情勢によっても不動産価格は変動する事が多いです。
イベントの影響などによる需要の変化
2つ目の価格変動要因は「イベントの影響などによる需要の変化」です。
不動産価格は、大きなイベントなどが行われる事によって変化する事が多いです。
最もわかりやすい例として挙げられるのは、オリンピックです。
1章のグラフを見ると分かる通り、オリンピックが開催される年度に近付くにつれて不動産価格は上昇し、特に開催される東京都の不動産価格は高騰しています。
これは、オリンピックの開催によって人が多く東京都に集まる事が予測され、それによって不動産の需要も同時に上昇する事から生まれる変化の動向であると言えます。
オリンピックのような大きなイベントは特に価格変動に与える影響が非常に強いです。
このように、大規模なイベントなどが起こる際には不動産の価格変動が起きる可能性が高くなります。
まとめ
今回は、不動産価格の動向や推移、そして調べ方などについてお話してきました。
現在コロナウイルスなどの影響で、不動産価格の変動が激しくなる事が予測されるからこそ、こうした知識をしっかりと持っている事が非常に重要になります。
価格変動の原理や、実際の価格の調べ方を把握し、売却を行う上でのタイミングをしっかりと見計らって不動産売却の成功を目指しましょう!
なお、不動産売却の成功のコツを知りたい方は、不動産売却の押えるべき基本知識。決断する際に考えるべきポイントを解説しますの記事を確認してみて下さい。