不動産を売却する前に相場を把握しておくことは非常に大切です。
事前に相場価格を把握しておくと、売却価格の交渉を行う際に話し合いを有利に進める事ができます。
しかし、「不動産の相場価格ってどうやって調べるの?」と疑問に思っている人も多いかと思います。
インターネットにはたくさんの情報が点在しているので、「どの相場情報を信用していいか分からない……」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「不動産売却の相場の正しい見方」と「不動産売却相場を調べられる信頼性の高いサイト」をご紹介します。

- 監修逆瀬川 勇造
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。
【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士
【URL】P.D.Pの金融・不動産情報ブログ
不動産売却の売却相場を調べられるサイト
不動産売却の相場は自分で調べることができます。
おすすめのサイトは下記の5つです。
サイト | 不動産種別 | おすすめ度 |
---|---|---|
レインズ・マーケット・インフォメーション | 戸建て・マンション | ★★ |
土地情報総合システム | 戸建て・マンション・土地 | ★★ |
SUUMO | 戸建て・マンション・土地 | ★ |
Howma | 一戸建て・マンション | ★ |
すまいステップ | 一戸建て・マンション・土地 | ★★★ |
どのサイトがおすすめかは、調べたい不動産の種別や立地によって変わります。
5つのサイトの特徴を見ていきましょう。
レインズマーケット・インフォメーション
戸建てやマンションの売却相場を知りたい場合は、レインズマーケット・インフォメーションがおすすめです。
仲介で不動産を売却する場合には、レインズ・マーケット・インフォメーションへの登録が義務図けられています。
つまり多くの過去の売却実績が登録されており、不動産会社の営業マンもレインズのデータを参考に査定額を算出するほど。
レインズ・マーケットインフォメーションでは、以下のような条件で絞り込み位を行うことができます。
- 駅からの距離
- 間取り
- 築年数
- 成約時期
そのため、調べたい物件に類似する物件を簡単に探すことができます。
- 一戸建ての相場を調べたい
- マンションの相場を調べたい
- 類似物件に絞り込んで相場を調べたい
土地情報総合システム
国土交通省が運営する「土地情報システム」では、不動産の取引価格や地価公示を検索することができるWebサイトです。
マップ上で土地をはじめとした不動産の過去の取引件数や売却価格を調べることができます。
もし取引がない場合でも、マップに記載されている「公示地価」から、およその相場を知ることができます。
そのため、不動産の売却事例が少ない地方などに住んでいる人におすすめです。
- 土地を売却したい
- 田舎の不動産を売却したい
SUUMO
SUUMOは掲載物件数が600万件を超える、国内最大の不動産ポータルサイトです(東京商工リサーチ2019年調べ)。
購入希望者向けのページを見ることで、「現在売り出し中の不動産」の売り出し価格をリアルタイムで見ることができます。
また、物件写真が多い点もSUUMOの特徴。自分の物件の外観や内装と見比べることで相場のイメージがつきやすいです。
ただし、実際に売却された価格ではないことには注意が必要です。
- 現在の相場感をリアルタイムで掴みたい
- 写真で売り出し中の物件を確認したい
Howma
Howmaは匿名でAIが査定を行う不動産査定サイトです。
メールアドレスの入力のみで不動産査定を受けられることから、不動産会社からの営業を受けたくない人におすすめです。
ただし、匿名査定には査定額の正確性に疑問が残ります。
不動産の売却を考えているなら、より正確な相場を掴むために不動産一括査定を受けることをオススメします。
- およその査定額を知りたい
Howmaについては下記の記事で詳しく解説しています。
自宅マンションの価格を手軽に知りたいけど、わざわざ不動産会社に査定を依頼するのはちょっと面倒…..。そんな人には、AI(人工知能)による査定サービス「自動シミュレーション」がおすすめです。本記事では、マンション査定に時におす[…]
すまいステップ
すまいステップは、無料で複数の不動産会社への査定依頼ができる不動産一括査定サイトです。
一度の申し込みで複数の不動産会社に査定依頼ができることから、その結果を見比べて相場感を掴むことができます。
すまいステップでは対応に当たる担当者を厳選しています。
- 宅地建物取引士の資格保有者
- 不動産売買仲介営業歴5年以上
- 累計100件以上の売買仲介実績
- 市場相場よりも高値で販売した経緯あり
上記のいずれかに該当する不動産のプロが不動産を査定します。
そのため、売却を考えていて正確な査定額を知りたい人には最もおすすめなサービスです。


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不動産売却の相場の調べ方
ここでは例として、レインズ・マーケット・インフォメーションを使った相場の調べ方を手順に沿って解説します。
- 「レインズ・マーケット・インフォメーション」にアクセスする
- 条件を絞り込む
- 過去の事例の平米単価を算出する
- 調べたい不動産の面積で相場を算出する
Step1:レインズ・マーケット・インフォメーションにアクセスする
「レインズ・マーケット・インフォメーション」にアクセスします。
マンションの場合は左側の枠、戸建ての場合は右側の枠で、「都道府県」と「地域」を指定し、「検索する」ボタンをクリックします。
Step2:条件を絞り込む
「追加検索条件」部分で条件を絞り込み、「検索する」ボタンを押しましょう。
市町村や駅で絞り込むと、グラフ上に取引事例が表示されます。
カーソルを充てると、物件の詳細情報も表示されます。
例では、青が同じ地域で行われた取引、緑が同じ区内、赤が同じ駅で行われた取引を表しています。
Step3:過去の取引事例から平米単価を算出する
Step2の同画面で下へスクロールすると、取引情報の一覧が表示されます。
調べたい物件と似ている物件をピックアップし、相場を確認しましょう。
そんな時は、平米単価を計算してみましょう。
例えば、上の図の枠線内の平米単価は以下のように求められます。
平米単価
= 売却価格 ÷ 専有面積
= 520万円 ÷ 100平方メートル
= 52万円
Step4:調べたい不動産の相場を算出する
Step3で出した平米単価をもとに、調べたい不動産の相場を算出しましょう。
例えば、調べたい物件の専有面積が150平米、類似物件の平米単価が50万円だとすると、以下のように求められます。
調べたい不動産の相場
= 類似物件の平米単価 × 調べたい物件の専有面積
= 50万円 × 150平米
= 7500万円


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不動産売却の相場を調べる際のポイント
不動産売却の相場を自分で調べることは、大まかな資金計画を立てる際に役立ったり、不動産会社に提示額が適切かを見抜けるようになります。
実際の手順を見ていく前に、まずは前提知識として2つのポイントを押さえておきましょう。
- 類似物件の売却価格を調べる
- 「売り出し価格」と「売却価格」の違いをおさえる
類似物件の売却価格を調査する
不動産には一つとして同じものがないため、「この間取りなら価格はいくら」という明確な基準がありません。
そのため不動産売却の相場を掴むためには、調べたい物件になるべく類似した物件を調査することが有効です。
類似物件の探し方
類似物件は、以下の観点で探しましょう。
項目 | 重要度 |
---|---|
最寄駅・立地 | ★★★ |
最寄り駅からの距離 | ★★★ |
築年数 | ★★★ |
面積 | ★★ |
間取り | ★ |
もし、類似物件がない場合は以下の方法を試してみましょう。
類似物件がない場合の対処方法
①エリアを広げる
近くに類似する物件がない場合は、もう少し範囲を広げて調べてみましょう。
②平米単価で考える
広さが同じぐらいの物件がない場合は、平米単価で考えましょう。平米単価とは、その不動産の1平方メートルあたりの価格です。そのため平米単価が分かれば、面積が異なってもおよその相場を算出できるのです。
③地価を参考にする
もしどうしても類似物件を見つけられない場合は、地価を参考にしましょう。ただし、地価は税額を定めるための金額であるため、売却した場合の相場とはズレることがあります。
「売り出し価格」と「売却価格」の違いを押さえる
不動産売却では、買主と売主の間で価格交渉が行われる場合があります。
そのため、売り出したときの価格(=売り出し価格)と実際に売却できる金額(=売却価格)が異なるのです。
レインズ・マーケットインフォメーションのデータによると、売り出し価格は売却価格より1割ほど高くなります。
そのため相場を調べる場合、基本的に売却価格を調べましょう。
高めに見積もって、資金計画が狂うことを避けるためです。
ただし、これから売り出し価格を決める際には「売り出し価格」を参考にしてください。
不動産を売るならできるだけ高いく売りたいと多くの方が考えるでしょう。不動産は高額であるため、売り出し価格を少し変えるだけで利益が大きく変わります。一方、適正な売り出し価格を設定しないと損に繋がります。しかし、適正な売り出し価[…]
まとめ
不動産のプロに相場を調べて欲しい時は、不動産一括査定もおすすめです。
不動産一括査定とは、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができるWebサービスのことです。
査定を依頼する際に非常に便利なシステムが「不動産一括査定」です。
複数の不動産会社の査定結果を比べることができるため、売却価格の相場を掴むことに役立ちます。
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しかし、現時点で国や国税庁が発表している不動産の価格に関する指標を見てみると、また新型コロナウイルスの感染が拡大する前の時期の評価額を対象としており、状況が分かりません。
とはいえ、相場は売主と買主が希望する価格で形成されていくものなので、現況がどうなっているかについては、不動産取引の最前線に立つ不動産会社に聞くのが一番よいでしょう。
売却を検討している不動産がある場合、対象の地域でより豊富な売却実績を持つ不動産会社に相談を持ちかけ、相場について聞いてみることをおすすめします。
また、不動産全般の売却について詳しく知りたい方は不動産売却の押えるべき基本知識。決断する際に考えるべきポイントを解説しますをご覧ください。
記事のおさらい
不動産売却の相場はどのように調べたらいいですか?
特に、以下の2つのサイトがおすすめです。
- レインズ・マーケットインフォメーション
- 土地情報システム
詳しく知りたい方は不動産売却の相場の調べ方をご覧ください。
売りたい不動産と類似した取引事例が見つかりません。どうしたらいいですか?
以下の3つの方法がおすすめです。
- エリアを広げる
- 平米単価で考える
- 地価を参考にする
詳しくは類似物件がない場合の対処方法をご覧ください。
売り出し価格と売却価格はどう違うのですか?
売り出し価格は物件を売り出した際の価格です。不動産売却の場合、値下げ交渉が行われることがあるため、売主と買主双方が合意した価格を売却価格と言います。
三菱地所が行ったアンケートによると、住みながら自宅を売却している人が7割近くいるというアンケート結果もあります。
詳しく知りたい方は売り出し価格と売却価格をご覧下さい。