「ウチの固定資産税ってなんでこんなに高いの?」
「いつかは引っ越したいけど、ウチっていくらで売れるんだろう?」
などなど、不動産にまつわるお金の悩みは尽きないと思います。
そんな不動産価格や税金を調べる際に必要なのが、不動産評価額と総称される5つの指標です。
今回は5つの不動産評価額の調べ方から計算方法まで徹底解説していこうと思います!
なお、「自分で調べるよりまずは不動産会社に相談したい!」という方は、不動産一括査定がおすすめです。すまいステップなどの一括査定サイトを利用すれば、無料で複数の不動産会社から不動産の価値を教えてもらえます。
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目的によって調べる評価額は異なる
土地や建物などの不動産は一物五価と言われ、見る人や価値を算出する目的によって調べる評価額が変わってきます。
目的によって正しい評価額を調べることが大切ですので、以下の表を参考に調べる評価額を確認してみてください。
用途 | 調べる不動産評価額 | 調べ方 |
---|---|---|
売買などで不動産価格を知りたいとき |
| |
相続税を調べたいとき | 相続税路線価 | 国税庁「路線価図・評価倍率表」 |
贈与税を調べたいとき | 相続税路線価 | 国税庁「路線価図・評価倍率表」 |
不動産取得税を調べたいとき | 固定資産税評価額 | 固定資産税納税通知書 |
マンションの評価額を調べたいとき | 詳しくはこちら | |
購入前に税金を調べておきたいとき | 固定資産税評価額 | 仲介会社に確認 |
この表を見て、「なんだか複雑そう……」と不安を感じた方は、不動産会社に相談するのがよいかもしれません。
不動産会社は不動産のプロなので、不動産の価値・お金に関する部分の知識も豊富です。
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不動産評価額の調べ方
①固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額の調べ方は主に以下の3つあります。
- 固定資産税の納税通知書を確認する
- 固定資産税評価証明書を取得する
- 固定資産課税台帳を閲覧する
もっとも簡単なのは、毎年4~6月頃に送付される「固定資産税の納税通知書」の課税明細書の価格または評価額の欄を確認することです。
基本的には、①評価額の欄に固定資産税評価額が書いてあるので、こちらを参照しましょう。
また、②固定資産税課税標準額・都市計画税課税標準額の欄には「課税標準額」が記入されています。固定資産税評価額と課税標準額違いについては以下で解説しているので、ぜひご覧ください。
もし評価証明書を失くしてしまったりして手元で確認できない場合は、所有者本人が本人確認書類とともに各自治体の役所などで固定資産税評価証明書を取得することも可能です。ただし、発行時間だけでなく手数料も一定かかってくるので注意が必要です。
最後の固定資産課税台帳とは、不動産登記簿に登記されている事項に加えて固定資産評価額の価格など、納税上必要な事項が記載されているものです。固定資産課税台帳の閲覧は納税義務のある本人、または委任を受けた人が本人確認書類とともに各自治体の役所に問い合わせることで閲覧することが可能です。
課税標準額との違いは?
固定資産税の納税通知書を見てみると、課税標準額という金額も目に入ってくると思います。
課税標準額とは「固定資産税評価額を出す基準となる額」のことで、基本的には評価額と一致しますが、場合によっては金額が変わることもあるので注意してください。
というのも、建物の場合は評価額と一致しますが、土地の場合は所有地が小規模住宅用地・一般住宅用地や一般農地などの特例対象とされる固定資産の場合、あらかじめ決まっている各々の特例率を掛け合わせられることがあるので、評価額と数値が変わってくることがあるのです。
②公示地価・③基準地価の調べ方
公示地価や基準地価は、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」から検索可能です。
(出展:国土交通省「不動産情報ライブラリ」)
都道府県から市区町村に徐々に絞り込んでいくと、検索条件指定ができますので公示地価・基準地価のどちらか、もしくは両方検索することが可能です。
そのほかにも、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」でも同様の方法で調べることができます。ただし、全国地価マップは独自に収集したデータのため、国土交通省によるデータとは若干の金額差があることに注意しましょう。
路線価から相続税を計算する方法
相続税は二つの計算方法から算出することが可能です。
どちらの方式によって計算するかは路線価がついている地域か否かによって決まります。
- 路線価方式
路線価方式とはその名の通り、路線価をもとに土地の価格を計算する方法です。
- 倍率方式
倍率方式は地方や郊外など、路線価がついていない地域で用いる計算方法のことです。
倍率方式は固定資産税評価額に、国税局長が定める評価倍率をかけて計算するため、以下の計算式で求めることができます。
なお、倍率は国税庁の評価倍率表から確認することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
実勢価格の調べ方
固定資産税評価額から調べることもできる
実は実勢価格を簡単に調べる方法として、固定資産税評価額から計算するという方法もあります。
固定資産税評価額は不動産売買の実勢価格の70%ほどと言われているので、以下の式でおおまかな実勢価格を計算できます。
例えば、固定資産税評価額が2,000万円の場合は、2,000÷0.70=2,857万円が実勢価格の参考数値となります。
正確な実勢価格を知るなら一括査定!
固定資産税や相続税を計算すなら路線価などを使って調べることが簡単な方法ですが、売却を検討しているケースなど「自分の不動産はいくらで売れるんだろう?」という疑問に答えるもっとも簡単な方法は、不動産の一括査定サービスです。
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5つの不動産評価額の種類と用途
①固定資産税評価額とは
最初に紹介するのは、固定資産税額の基準となる固定資産税評価額です。
固定資産税評価額とは、「各市区町村の不動産鑑定士が家の劣化状況を実際に確認して評価した価格」です。
3年に一度見直され、固定資産税以外にも、都市計画税や登録免許税、不動産取得税などの算出に使用されます。
また、固定資産税は評価額の1.4%(※)と決められているため、以下の式で簡単に計算できます。
※ここでいう1.4%は標準税率と呼ばれるもので、地方自治体によって自由に定められています。もし正確な税率を調べたい場合は、お住まいの自治体のHPなどで確認してみてください。
②公示地価とは
次に、土地の価格を決める3つの不動産評価額について紹介します。
まず最初に紹介するのが、公示地価です。
公示地価とは、「国土交通省が公表する毎年一月一日時点の標準値の1㎡あたりの地価」のことです。
価格の算定は2名以上の不動産鑑定士が現地調査を行って決定し、用途としては一般的な土地売買の指標になったり、公共事業の土地取得価格の参考となっています。
③基準地価とは?
基準地価とは、「各都道府県が公表する全国2万ヶ所以上の基準地の1㎡あたりの価格」のことです。
1か所につき1人以上の不動産鑑定士が鑑定しており、基本的な用途は公示地価と同じですが、都市計画区域外も対象になっていることが特徴です。
それぞれ1年で公表する時期がズレているため、公示地価と基準地価を比較することも可能です。地価変動の参考にしてみてはいかがでしょうか。
④路線価とは?
路線価とは、「国税庁が公表する相続税や贈与税などの税金を計算するときの基準となる土地価格」のことです。
税の計算をよりスムーズに行うために税務署によって定められ、公示地価の80%となるようにあらかじめ決められています。
例えば、宅地面積が150㎡で1本の公道と面しているとします。その公道の路線価は、1㎡あたり100千円でした。
ここでいう路線価は、
ちなみにこの路線価は、国税庁が公表している「相続税路線価」と、各都道府県が公表している「固定資産税路線価」がありますが、基本的に「路線価」と言うときは相続税路線価を指すことが多いので注意しましょう。
また、固定資産税路線価は公示地価の70%程度といわれているため、ざっくりとした金額が知りたい方は公示地価から逆算してみるとよいかもしれません。
【公示地価・基準地価・路線価の比較】
基本的な違いは、「公表している団体」「用途」「公表の時期」「評価する時期」「評価方法」で比較することが出来るので、ぜひ参考にしてみてください。
公示地価 | 基準地価 | 相続税路線価 | |
---|---|---|---|
公表団体 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 |
用途 | 公共事業から民間の不動産売買の参考価格 | 公共事業から民間の不動産売買の参考価格 | 相続税や贈与税の基準となる価格 |
評価する時期 | 毎年1月1日時点 | 毎年7月1日時点 | 毎年1月1日時点 |
公表する時期 | 毎年3月下旬 | 毎年9月下旬 | 毎年7月1日 |
評価する方法 | 1か所につき2人以上の不動産鑑定士が現地調査を行い決定 | 1か所につき1人以上の不動産鑑定士が鑑定 | 地価公示価格、売買実例価格、不動産鑑定士等による鑑定評価価額および精通者意見価格などから算出 |
※ただし「全国地価マップ」は独自に収集したデータのため、土地総合情報システムとは微妙に差があるのに注意が必要です。
⑤実勢価格とは?
そして最後に紹介するのは実勢価格です。
実勢価格とは、「公的機関が公表する価格ではなく、市場で実際に売買取引が行われた価格」です。
不動産取引において実際に売買が成立した価格なので、公的機関が公表する評価額と異なるケースがあるので、注意しましょう。
取引が行われていないエリアの場合は、周辺で実際に取引が行われた金額から推定して実勢価格とする場合もあります。
実際の不動産評価額に金額差がある理由
不動産評価額は以上のように計算できるのですが、実際に計算した人の中には、
「実際の売買価格よりも固定資産税評価額が高いのはどうして?見直すべきではないか?」
「不動産鑑定士によって金額差が生まれているんじゃないの?」
などなど、評価額の間で金額差が出ていることに疑問を持っている方も少なくないのではないでしょうか?
そこで、固定資産税評価額が実際にどのようにして決まっているのかについて整理しようと思います。
固定資産税評価額の決まり方
建物の場合
大まかにいえば、建物を建てるためにコストがかかっているほど固定資産税評価額は高くなる傾向にあり、同じ床面積であっても木造よりもコンクリート造(RC造)の方が高く査定されることが一般的です。
というのも、固定資産税評価額は総務大臣が告示する「固定資産評価基準」によって、市町村がその価格を決定しなければならないとされており、建築素材、構造、用途などを考慮した11種類(木造家屋の場合)にわたる再建築費評点数を計算し、その点数に経過年数による減額補正率を乗じて評価額を計算されているからです。
合計で出た点数に市町村が決定した1点あたりの点数を掛け合わせて固定資産税評価額は決められます。
基本的には建物が古くなればなるほど固定資産税評価額は下がっていきますが、新築の場合は数年間の減税期間があることから、減税期間が終わり次第固定資産税評価額が上がるというのが一般的です。
土地の場合
土地は地目別に評価基準が定められています。地目とは、田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地のことです。
例えば、市街地にある宅地の場合であれば、まず区域ごとに標準的な土地を選定し、過去の売買実績に基づいて路線価※を決定します。
※ここでいう路線価は、相続税路線価ではなく固定資産税路線価となりますので注意してください。
続いて、上と同じく「固定資産評価基準」によって宅地ごとの点数を計算し、一点あたり市町村が定めた価格を乗じて評価額が決まります。
一般的には、評価額が下がりやすい土地の特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- 形が悪く、建物を建て難い
- 日が当たらない
- 公道に面していないなど、立地が悪い
- 土壌汚染がある
- 墓地に隣接している
これらの土地の特徴を総合的に判断して評点がつけられています。
評価額に納得できない場合は?
基本的には上の基準によって不動産評価額は決められているため「不動産鑑定士がうっかり間違えた」ということはないと思いますが、どうしても納得できない場合はどうしたらよいのでしょうか?
実は毎年4月1日から納期限までの間、自分の不動産だけではなく、他の納税者の土地や家屋の固定資産税評価額を確認できる「縦覧制度」が設けられており、土地(家屋)価格等縦覧帳簿で確認することが可能です。
また、近隣の住宅と比べてみてあまりに大きな金額差があった場合は、適正に評価されているかどうか審査を申し出ることが可能なので、ぜひ自治体に問い合わせてみてください。
以上のように計算できる固定資産税評価額ですが、基本的には不動産鑑定士が実際の取引価格や公示地価などを基礎として算定した評価額の7割と決まっています。
ですが、やはり実際の取引においては買主と売主の双方の事情により成立していたり、不動産仲介会社が安く買い取ることを希望している場合などではやはり実勢価格との差が生じることは避けられません。
どうしても納得できないような評価がなされているのであれば、一度不動産鑑定士に見てもらうことも検討してみるとよいかもしれませんね。
よくある質問
マンションの評価額の計算手順を説明すると以下の通りとなります。
- マンションの土地部分の評価額を算出
- マンションの建物部分の評価額を確認
- ①と②の評価額を合算
基本的なポイントは「土地部分と建物部分の評価額を分けて算出する」ということです。
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