この記事では、不動産の「実勢価格」について詳しく解説します。
- 実勢価格とは?
- 実勢価格の調べ方
- 公示価格やその他の価格との違い
土地売却相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法をわかりやすく解説!
実勢価格とは?
実勢価格とは、不動産が実際に売買された価格、つまり売主と買主の間で取引が成立した価格のことを指します。
国が毎年公表している地価の目安である公示地価や、不動産の販売価格などとは異なります。なぜなら、公示地価は不動産の特徴などを反映しておらず、また不動産は必ずしも販売価格のままで取引が成立するとは限らないからです。
実勢価格とは、その時の市場の動向や売主の希望、買主との価格交渉なども含めた「実際に売買が成立した価格」なのです。
実勢価格はどうすれば分かる?
では、実勢価格はどうすれば分かるのでしょうか?
結論から言うと、実勢価格は「取引が成立した価格」なので、実際に売ってみないと分かりません。
しかし、色々な方法で実勢価格の目安を調べることは可能です。
ここでは、実勢価格の目安を調べて計算する方法をいくつか紹介します。
公示価格を調べて算出する
公示価格とは、国土交通省が毎年公表している「土地の正常な取引の指標の価格」です。また、同じ目的で都道府県が公表している価格を「基準地価」といいます。
実勢価格は、一般的に公示地価の1.1~1.2倍程度が目安となります。
ただし、人気のエリアの場合は1.5倍以上になることもよくありますし、不動産の特徴や状態によって価格が大きく変動することもあります。あくまで目安として知っておきましょう。
公示地価は、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」から調べられます。「地価公示・都道府県地価調査」を選択して、ご自身のエリアの公示地価を把握してみましょう。
路線価を調べて算出する
路線価とは、相続税や贈与税の課税のベースとなる相続税評価額を計算するための価格のことです。国税庁が毎年公表しています。
路線価は基本的に公示価格の80%程度に設定されているため、公示価格の水準に直すことで、実勢価格の目安を算出できます。
路線価は、国土交通省の「全国地価マップ」から調べることができます。
固定資産税評価額から算出する
固定資産税評価額とは、建物や土地の固定資産税・都市計画税の課税のベースとなる評価額です。3年に1回、市町村が公表しています。
固定資産税評価額は基本的に公示価格の70%程度の水準で設定されているため、公示価格の水準に直すことで、実勢価格の目安を算出できます。
固定資産税評価額は、毎年4~6月ごろに市区町村から送られてくる「固定資産税納税通知書」に記載されています。
また、国土交通省の「全国地価マップ」からも調べることができます。
不動産の査定を受ける
実勢価格の目安を正確に知りたい方は、不動産会社の査定を受けるのがおすすめです。
不動産の査定では、土地の立地や形状を調査し、市況や周辺環境を加味した価格を査定額として提示してもらえるため、実勢価格にかなり近い価格がわかります。
以下のフォームから、いつでも簡単に、最大4社の不動産会社に査定依頼をまとめて送れます。
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実勢価格と公示地価、その他の価格との違い
実勢価格の他に、「公示地価」「固定資産税評価額」「路線価」などの用語があります。
ここでは、実勢価格と他の価格の違いをそれぞれ解説します。
公示地価とはどう違う?
代表的な土地の価値の目安として、国土交通省が公開している公示地価というものがあります。
公示地価は国が定めた土地の価値、実勢価格は実際に取引されるときの土地の価格という違いがあります。
また一般的に、実勢価格は公示地価の約1.1~1.2倍であると言われています。しかし、実勢価格はリアルタイムでの不動産市場の動向に影響されるため、全ての土地に当てはまる訳ではありません。
先ほど述べたように、自分の土地の正確な実勢価格を知りたい場合は、不動産会社に依頼して査定してもらう必要があります。
土地の正確な査定額を把握したい方は、複数の不動産会社の査定額を比較しましょう。
土地の査定額は、不動産会社が直近その土地がいくらで売れそうかを周辺の事例などから算出した金額です。しかし、高すぎる査定額を信じ込んでしまうと査定額どおりに土地が売れず事前に立てた資金計画が狂ってしまうかもしれません。
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実勢価格と公示地価で差があるのはなぜ?
実勢価格と公示価格の価格に差がある理由として、以下の3つが挙げられます。
- 公示価格は年に1回の発表なので、最新の市場動向は反映されていない
- 公示価格は急変動しないように決められている
- 実勢価格には売主と買主の事情が影響する
公示価格(公示地価)は年に1回、毎年1月1日時点の価格が、3月に発表されています。一方で、土地は通年で取引されています。
土地の価格は、市況の影響を受けます。公示価格の調査時点から経済情勢に大きな変化があり、土地の価格が変動した場合、公示地価に反映されるのは次の年の3月になります。
また、公示地価の主な役割は「公共事業用に土地を収用する価格を決める基準」「相続税路線価や固定資産税評価額を決める基準」なので、大きく変動しないようにしています。そのため、常に変化している実勢価格とは異なるのです。
さらに、土地の実勢価格には売主や買主の事情、交渉が影響します。公示価格はこれらを加味しないため、実勢価格と公示価格の金額に差が生じます。
他の不動産評価額とはどう違う?
土地には「一物四価」や「一物五価」といって、使う目的や公表する機関の異なる価格が複数あります。
土地の5つの価格の違いについて、以下の表にまとめました。
それぞれの不動産評価額は、指標の目的や決まる時期、決め方などが異なっているのです。
実勢価格と販売価格は同じ?違う?
実勢価格は、販売価格とは異なります。
販売価格とは、土地の売主が「この価格で売りたい」として決めた売却希望価格のことを指します。
土地は必ずしも希望価格で売れるとは限りません。実際に売買が成立する価格が実勢価格ですので、販売価格とは違うということを認識しておきましょう。