不動産査定について、こんな悩みはありませんか?
不動産売却は多くの方にとって初めての経験。査定がどういうもので、何を準備すればいいのかなど、悩むのも当然です。
不動産査定の基礎知識をまとめたこの記事を読んで、高く不動産を売却させましょう。

- 監修木村 ゆり
- 地方銀行に勤務後、都内の不動産鑑定士事務所でマンション等の評価を数多く経験。現在は千葉県内で独立開業し、土地活用や相続対策など不動産に関するお悩み解決に尽力している。【保有資格】不動産鑑定士【URL】株式会社よつば不動産鑑定
不動産査定とは
不動産売却がはじめてという方の中には、「そもそも査定ってどういうもの?」と疑問に思われる方も少なくないと思います。
そこでまずは、不動産査定がどのようなものなのかをご説明します。
「不動産査定」は不動産の市場価値を調べるためのもの
不動産査定とは、「不動産がいくらで売れそうか?」を不動産会社に無料で予想してもらうことです。
この「いくらで売れそうか?」の予想額を査定金額と呼びます。
不動産査定を行うことで、売却価格が予想でき資金計画が立てられるようになります。
そのため、不動産の売却を考えている場合は、まずはじめに不動産査定をうけることが一般的です。
不動産査定は不動産の名義人でなくても依頼できるので、例えばご両親名義のご実家の査定をお子様がご依頼することなども可能です。
不動産査定については、下記の動画でも紹介しています。
不動産査定が必要な理由
不動産の売却の前に不動産査定が必要なのは、不動産査定が不動産会社の担当と接することのできる重要な機会だからです。
不動産業界においては、「不動産売却が成功するかどうかは、不動産会社選びにかかっている」とよく言われます。
これは、同じ不動産でも、担当者の力量や熱意などによって売却価格が大きく変わるためです。
不動産は定価販売ではなく、「仲介」という特殊な方法で売却されるので、高く売るためには担当者がその不動産の魅力をいかにアピールできるかが重要なのです。
不動産査定には、査定額を知るだけでなく、「自分の家を一番高く売ってくれそうな不動産会社を探す機会」という側面があることも覚えておきましょう。
不動産査定を受けるべきタイミング
不動産査定は、主に不動産を売却したい時、不動産の価値を知りたいときに依頼するものです。
具体的には、以下のようなケースでは不動産査定を受ける方が多いです。
【不動産査定を受けるタイミング】
- 不動産の売却を考えているとき
- 離婚で財産分与を行うとき
- 相続で遺産分割をするとき
- ライフプランニングをしたいとき
このことから分かるかと思いますが、不動産査定後に必ずしも不動産売却をする必要はありません。
なお、裁判等で証拠書類として提出する場合は、不動産会社による不動産査定ではなく、不動産鑑定士による「不動産鑑定」を受ける必要があります。
これは、法的な効力を持つのが不動産鑑定書に限られるためです。
不動産鑑定書を取得するには10万円~30万円ほどの費用がかかるので、裁判の予定がないのであれば、無料の不動産査定で十分です。
無料の不動産査定は、以下のフォームから無料で受けることができます。



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不動産査定で分かること
不動産査定を受けることで、主に以下の4つのようなことが分かります。
- 不動産の査定額
- 査定額の根拠・計算方法
- 条件の似た物件の売却実績
- 査定額で売却できた場合の手取り額
いずれも不動産の売却計画を立てるのにとても重要な情報なので、直近の売却を考えていない方でも、査定を受けるのには意味があります。
なお、注意していただきたいのが、「査定額=売却価格ではない」ということです。
古本やブランド品の場合、査定額はそのまま売却価格になりますが、不動産の査定額は予想価格にすぎません。
不動産は一物五価といって、「地価公示」「標準価格」「相続税路線価」「固定資産税路線価」「実勢価格(時価)」の5種類の価格がつけられます。
この中で売却相場に最も近いのが実勢価格で、査定額はこの実勢価格を不動産会社に算出してもらったものと言えます。
また、査定額と混同しやすいほかの言葉として、「売出し価格」「成約価格」などがあります。
「売出し価格」は市場に出す際のスタート価格、「成約価格」は売却価格のことなので、間違えないようにしましょう。
不動産査定の種類
不動産査定には机上査定と訪問査定の2種類の査定方法があります。
査定方法 | 費用 | 所要時間 | 精度 |
---|---|---|---|
机上査定 | 無料 | 即日~2日以内 | あまり高くない |
訪問査定 | 無料 | 3日~4日 | 高い |
おすすめは、まず複数社の机上査定を受け、候補を絞り込んだうえで訪問査定を受けることです。
それぞれの特徴を抑え、自分に合った査定方法を選んでください。
以下で、それぞれの査定方法についてもう少し詳しく見てみましょう。
机上査定(簡易査定)
机上査定(簡易査定)は実際に物件を見ることなく価格相場や過去の売り出し事例などのデータをもとにおおよその価格を算出する方法です。
早ければ当日中に査定結果が分かります。
また、机上査定を受ける場合、準備に手間がかからないことが魅力の一つです。
匿名AI査定
机上査定の一つに、Web上でAIが不動産価格を査定する「匿名AI査定」という査定方法があります。
不動産査定額は計算式や条件を組み合わせて算出されるため、匿名AI査定の正確性は劣る可能性があります。
詳しくは「不動産査定は匿名で依頼出来る!適した匿名査定の方法と注意点を解説」を参考にして下さい。
訪問査定
訪問査定は文字通り、不動産会社の担当者が実際に現地を訪れて査定する方法です。
机上査定に比べ、訪問査定には査定に立ち会う手間がかかりますが、より正確な不動産価値を知ることができるというメリットがあります。
訪問査定の結果は、過去の取引事例や実際の物件の状態など多くの情報を加味して算出されるので、結果が出るまで3~4日の時間がかかります。
ここまで記事を読み、「うちも不動産査定を受けたい」と思われた方には、不動産一括査定サービス「すまいステップ」がおすすめです。
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不動産査定の流れ
続いて、不動産査定の流れを確認していきましょう。
ここでは、より手順の多い訪問査定の場合の流れを詳しく説明していきます。
訪問査定の場合の流れは以下の通りです。
- 不動産会社に査定依頼をする
- 不動産会社に査定をしてもらうために訪問日時を決める
- 不動産会社に家に来てもらい現地調査をする
- 不動産会社から家の査定結果を報告してもらう
それぞれのステップについて詳しく解説していきます。
STEP1 :不動産会社に査定依頼
まずは不動産会社に査定を依頼します。
ポイントは複数の不動産会社に査定を依頼することです。
査定価格は不動産会社によってズレが生じます。必ず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
自分で不動産会社を探すのが面倒という方は、すまいステップなどの不動産一括査定サイトを利用すれば簡単に査定額を知ることができます。
STEP2: 訪問日時を決める
訪問査定を依頼する不動産会社が決まったら、現地調査の日取りを決めましょう。
査定時に立ち合いが必要で、大体2時間はかかるとみて時間に余裕がある日時にしましょう。
STEP3 :不動産会社の現地調査
指定した訪問日時で、不動産会社の担当者による現地調査が行われます。
この際担当者から査定依頼した不動産の状況について質問されることがあります。
質問への回答が査定額に影響する場合もあるので、正直に質問に答えましょう。
STEP4 査定結果の報告
現地調査から3~4日後に査定結果が届きます。
査定額が提示されたら「何故その価格になったのか」の理由を納得できるまでしっかり聞いてください。
もし、その質問に対して曖昧な返答をするようだと信用できない担当者の可能性が高いです。
不動産査定にかかる時間
不動産査定を受ける時、どのくらいの時間がかかるか気になる方も多いと思います。
所要時間がわからないと、予定も立てにくいですよね。
そこでこの章では、不動産査定にかかる時間をお伝えします。
訪問査定には30分から最大2時間をみておく
AI査定・机上査定の場合は情報入力のみなのですぐに査定が終わりますが、訪問査定の場合は物件を見て回る時間が必要になります。
そのため、訪問査定のみ少し時間が長くなります。
訪問査定にかかる時間は営業マンの仕事の熟練度や物件の広さなどによっても変わりますが、大体30分~1時間ほどです。
査定のあとに不動産売却に関する質問・相談などをする場合は、余裕をもって2時間を見ておくのがよいでしょう。
訪問査定の結果はおおよそ5日~1週間で受け取れる
当日に結果が分かるAI査定・机上査定と異なり、訪問査定の査定結果は受け取るまでに5日~1週間ほどかかります。
これは、物件個別の情報や近隣の不動産売買の状況などを加味した細かな計算が必要になるからです。
時間がかかる分精度の高い結果が出やすいので、売却計画の参考には訪問査定の結果を使うのがよいでしょう。
ちなみに、マンションは比較的結果が出るのがはやく、戸建ては少し時間がかかるという傾向があります。
不動産査定の前に行うべき準備
不動産査定を受ける前に準備しておくとよいことは3つあります。
- 周辺の相場を調べておく
- 自分の不動産の長所を理解する
- 戸建て・土地は境界を確認する
- 必要書類をそろえる
①周辺の相場を調べておく
不動産査定の前に周辺物件の「相場価格」を調べておきましょう。
不動産会社が提示する査定価格は必ずしも正しいとは限りません。査定結果が妥当な価格か判断するためにも、自分でも相場を把握しておくことが大切です。
下記のサイトから調べることができます。
サイト名 | 特徴 |
---|---|
レインズマーケットインフォメーション | 過去の取引実績から、戸建て・マンションの売却価格を調べられる。 |
土地情報システム | 過去の取引実績から、土地・戸建て・マンションの売却価格を調べられる。 |
②最低限の清掃を行っておく
訪問査定を受けるまで、最低限の清掃を行っておきましょう。
訪問査定では、建物や設備の不備がないかをチェックしています。
以下の箇所に関しては、評点にも影響が出る可能性があるため最低限の清掃や手入れを行っておきましょう。
- キッチン
- 水回り
- ゴミ捨て場
- 植木
また、設備に不備がある部分は、簡単に直せる部分だけ直して、修理するかどうか迷う部分は査定時に不動産会社に相談してみましょう。
③訪問査定までになるべく書類をそろえておく
不動産会社によりますが、訪問査定は特別な書類を準備しなくても受けることができます。
ただし、以下の書類をできるだけ揃えておくことをおすすめします。
査定に有利な情報が含まれていることもありますし、売却活動をスムーズに進めることができるからです。
種類 | 書類の説明 | 取得場所 |
---|---|---|
権利証または登記識別情報 | 所有者であることを確認するため | 購入時に入手 |
建築確認済証・検査済み証(一戸建ての場合) | 建物の遵法性を確認する書類 | 購入時に入手 |
測量図・境界確認書類(一戸建て・土地の場合) | 測量を行ったり、隣地所有者と境界について話し合ったことがある場合 | 購入時または測量時 |
間取り図・パンフレット(マンションの場合) | マンション購入時の書類があれば用意すると参考になる | 購入時に入手 |
住宅ローンの返済予定表 | 現在の残高を確認するため、できれば用意 | 金融機関 |
耐震診断・地盤調査・住宅性能評価書など | 第三者の作成した報告書等があれば査定が有利になる可能性があるため、あれば提示 | – |
本人確認済証 | 免許証やマイナンバーカードなど | – |
③修繕履歴や診断実績を確認する
リフォームやガス・洗面台・給湯器などを新しいものに変えている場合は査定額が上がる可能性があります。
以下のようなポイントはプラスで評価されるのでアピールしましょう。
- リフォーム実績
- シロアリ防除の定期点検
- 耐震診断の証明
- 住宅診断の実績
- 設備の更新(ガス給湯器など)
不動産の長所を伝えれば査定額が上がる可能性もあり、売却活動中にも不動産会社から購入希望者へ物件の魅力を伝えてもらえます。
リフォームを行うかは査定に判断でOK
これからリフォームを行うかを考えている場合、査定を受けて不動産会社に相談をしてから判断しましょう。
なぜなら、リフォーム代を上乗せした額で売却できるとは限らないからです。
不動産会社によってはリフォーム代を負担してくれるサービスのある会社や、リフォームなしで不動産を買い取ることを提案してくれる会社もあります。
建物の現状を踏まえた上での販売戦略を不動産会社に相談してみましょう。
④不動産に瑕疵がないかを簡単に確認する
瑕疵とは、本来備えられている性能が発揮できない欠陥があることを指します。不動産の売主には瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が課せられます。
売買契約をする物件や土地に、購入した時点では明らかになっていない欠陥があった場合、売り主が買い主に対して負う契約解除や損害賠償などの責任
つまり「購入者が不安を感じたり不快に思うような瑕疵(かし)がある」にも関わらず、その理由を隠したまま不動産を売ると、後から売主の責任問題となり損害賠償の支払いや契約解除へ発展します。
例えば、以下のような点が瑕疵に該当します。
- シロアリの被害
- 雨漏り
- 木部の腐蝕
- 事故物件(過去にその物件で事故があった)
- 周辺の騒音
- 土壌汚染・地下埋設物
査定時に不動産会社に瑕疵を隠したままにすると、後々損害賠償を請求されるかもしれないので注意してください。
心当たりがある場合、査定時に不動産会社に伝えられるように写真などを取っておきましょう。
2020年4月より瑕疵担保責任は契約不適合責任に変わりました。
基本的な内容はほぼ同じと考えて問題ありませんが、瑕疵担保責任が、瑕疵が隠れている必要があったのに対し、契約不適合責任は瑕疵が隠れているかどうかは問わないなど、細かな点で違いがあります。
また、契約不適合責任は契約書の内容と契約の対象物(不動産)の状況が異なる場合に責任を負うものなので、より契約書の内容が重要になっています。
不動産査定で見られるポイント
不動産の売却価格は事例比較法や原価法によって算出されることが分かりました。
実際にはより正確な査定額を出すために、査定したい建物と比較対象の物件を比べて査定額を微調整します。
下の図は、公共財団法人不動産流通センターが作成した不動産査定書のサンプルです。
※不動産流通推進センター 「戸建住宅価格査定マニュアル」より。
過去の取引事例と調べたい不動産の違いを、「評点」として加味しています。
過去の事例と比べて、評点が高ければ価格を値上げし、評点が低ければ査定額を値下げします。
評点を左右する要素や配点は不動産会社により異なりますが、例えば以下のようなポイントが見られます。
- 築年数
- 立地
- 面積
- 耐震性
- 日照・眺望
- 管理状況
- 周辺環境(騒音振動・眺望)
それぞれ、詳しく確認していきましょう。
①築年数
過去の取引事例に比べ、査定した建物の築年数が新しければ査定額を上方修正し、古ければ下方修正します。
下の図は、戸建ての築年数と築年数の相関を示したグラフです。
国土交通省のデータより編集部が作成
築年数が経つにつれ建物の価値は減少し、築10年で新築時の約半分の価値になります。
なお、マンションの場合は築年数による価値の減少が戸建てに比べて緩やかになります。
築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年|東日本不動産流通機構)を基に編集部が作成
②立地
不動産のある地域や路線、最寄り駅、最寄り駅からの距離によっても査定額は変わります。
下の図は、国土交通省の調査をもとにNHKが作成した、最寄り駅からの距離と地価の関係を調査した結果です。
駅から近いほど価格が高くなる傾向があるということです。
駅からの距離以外にもバスなどの交通の便なども、不動産の査定額に影響します。
③面積
同じ条件の不動産なら、面積が広いほど価格が高くなります。
不動産査定時では「平米単価」を用いて、面積の違いを補正した査定額を算出します。
平米単価とは、1平方メートルあたりの売却価格のことです。
平米単価は以下の計算式で求められます。
平米単価
= 売却価格 ÷ 専有面積
④耐震性
耐震基準に適合しているかも、評点を左右します。
下の図は、不動産流通推進センターが作成した査定書のサンプルです。
※不動産流通推進センター 「戸建住宅価格査定マニュアル」より。
耐震基準について、評点がついていることが分かります。
一般的に、2000年以降に建設された建物に対しては、新耐震基準を満たしているとして加点評価になります。
2000年以前に建てられた建物に対しても、耐震適合証明書があれば加点対象となります。
耐震適合証明書がある場合、査定額が上がる可能性があるため不動産会社にコピーを提出するようにしましょう。
⑤日照・展望
南向きの大きな窓があるなど、日当たりが良い場合は評点が加点されます。
マンションの場合は、高層階で眺望が良かったりする場合も加点評価になります。
※不動産流通推進センター 「マンション価格査定マニュアル」より。
訪問査定の際には、不動産会社の担当者に「思ったよりも日当たりが良い」と感じてもらえるよう、カーテンを開けたり、日光が入りやすい時間帯にアポイントを設定するとよいでしょう。
⑥管理状況
不動産の管理状況も不動産の査定額に影響します。
※不動産流通推進センター 「戸建住宅価格査定マニュアル」より。
特に、下記のようなライフラインの供給に差し支えがある場合は評点が減点されます。
- 電気が通っていない
- 水道が通っていない
- 給排水管に不具合がある
- 雨漏りやシロアリによる被害がある
修繕費を負担できる場合は、最低限の補修を行いましょう。
また、リフォームを行っている場合は加点評価の対象となることも。不動産会社に伝えるようにしましょう。
⑦周辺環境
騒音や振動などの外部環境によっても評点が変わります。
道路の幅や、建築に当たって法律上の制限がないかも見られます。
担当者によっては、周辺の施設(工場や宗教法人の有無)や学区をチェックする場合もあるそうです。
治安が良い、近所に広い公園があるなど、アピールできる点がある場合は不動産会社の担当者に伝えましょう。
不動産査定額の算出方法
「必ずしも査定額通りに売れるわけではない」とは言え、査定額はどの程度信頼できるのでしょうか?
「査定額と売却価格が同じだった人」は51%と過半数を占めます。
誤差が200万円未満だった人と合わせると、ほぼ8割を占めます。
この結果から、不動産査定額の正確性はある程度信頼できることが分かります。
不動産会社が査定額を算出する方法は3つあります。
査定額の算出方法 | 特徴 | よく使用される物件種別 |
---|---|---|
取引事例比較法 | 過去にあった類似物件の取引から算出する。 | マンション、土地 |
原価法 | 築年数と売却価格の相関から査定額を算出する方法。 | 一戸建て |
収益還元法 | 将来生み出されると予想される純収益の総和から査定額を算出する。 | 投資用物件 |
①事例比較法
実際の売買取引の事例と査定物件を比較して価値を算出するのが取引事例比較法です。
特にマンションを査定する際に使用されます。
例えば、査定したい物件の近くに過去に「3000万円」で売却できた物件があるとします。
しかし、過去に3000万円で売却できた土地は南側がビルであるため日当たりが悪く、路地の奥で交通の利便性も良くありません。
その点、査定したい土地は日当たりが良く、2方面の道路に接している点を考慮して100万円を上乗せした「3100万円」として査定額を出します。
どの物件を比較対象にするかで査定額が左右される方法のため、地元に精通した企業に査定をしてもらうことが大切です。
しかし不動産取引が活発ではない場所では、正確性が落ちやすいです。
②原価法
原価法は、今ある物件を仮にもう一度建設した場合にかかる費用から、経年劣化によって原価償却された金額を差し引くことで、物件の価値を算出する方法です。
=平米単価 × 総面積 ×残存年数÷耐用年数
例えば、建築総額が1億円の築10年の木造戸建てがあるとします。
木造戸建ての場合、10年で建物の価値のおよそ半分が経年劣化で原価償却されます。
上記の式に当てはめて計算すると、この戸建ての売却価格は約4500万円です。
③収益還元法
収益還元法は物件を活用した際の収益をもとに査定額を算出する方法です。
主に投資対象の不動産で用いられる算出する方法です。
収益還元法には直接還元法とDCF法の2つがあります。
DCF法は複雑な計算式になるため、一般的には直接還元法が用いられることが多いです。
収益還元法は 査定額 = 純収益 ÷還元利回り で求めることができます。
例えば、一年間の収益が500万円で、一年間の経費が100万円、
不動産査定書の見方
訪問査定のあとは、査定内容に関する詳しい情報が書かれた「査定書」を不動産会社からもらうことができます。
査定書の形式は会社によって異なりますが、ここでは多くの会社の査定書で共通する項目について、どのようなものなのかをご説明します。
査定書には、以下のような項目が含まれるケースが多いです。
不動産査定書の項目 | 内容 |
---|---|
売出し価格 | 不動産会社がすすめる、市場に売り出す際の価格 |
査定金額 | 土地・建物の査定金額 |
事例不動産情報 | 査定額の算出の際に参考にされた不動産の成約事例 |
査定額の根拠 | 査定時の評価ポイントをもとに、どのような減点・加点が行われたのかを示すもの |
査定不動産の特徴 | 不動産会社の担当者が記入する、査定した不動産の売却に関する提案や意見 |
査定書では、査定額・売出し価格を確認するのはもちろんですが、それらの根拠が適切かどうかもしっかりと確認しましょう。
査定額の根拠が薄い場合や、提案・意見などが弱い場合は、担当した営業マンに力量がない可能性もあります。
不動産売却の成否は不動産会社選びで大きく変わるので、納得できる査定書を出す不動産会社と話をすすめましょう。
「そうは言っても、そもそもどんな不動産会社に声をかけるべきか分からない……」
そういった場合は、不動産一括査定サイト「すまいステップ」をご利用してはどうでしょうか。
すまいステップなら、厳正な審査を通過した売却に強い不動産会社のみを無料でご紹介することが可能です。
不動産会社探しに困っている方は、ぜひ以下のフォームから問い合わせてみてください。



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自分で不動産の査定額を調べる方法
「不動産の価値は知りたいけど、不動産会社に相談するのはまだはやいかも……」
この記事をお読みの方の中には、そんな気持ちのかたもおられるかもしれませんね。
実際、売却希望時期が1年以上先という場合は、不動産会社と連絡をとるのは負担に感じるかもしれません。
そこで、自分で不動産のおおよその価値を調べる方法もご紹介します。
自分で不動産の価値を調べる方法としては、以下のようなものがあります。
【自分で不動産の価値を調べる方法】
- 路線価から調べる
- 公示地価から調べる
- レインズ(不動産流通標準情報システム)で調べる
それぞれの方法について、詳しく見てみましょう
路線価から調べる
路線価とは、相続税や贈与税の基準となる土地の評価額(相続税評価額)の計算に用いるものです。
路線価は国税庁のサイトや全国地価マップなどで確認することができます。
路線価は「1㎡あたりの土地の価額」なので、面積をかけ合わせることで全体の価値を調べられます。
公示地価から調べる
公示地価とは、国土交通省が毎年3月に発表している全国の標準値の土地価格のことです。
さきほどご紹介した路線価と公示地価はいずれも公的機関が発表している土地の値段ですが、前者は国税庁が調査主体であり、おもに税の計算に用いられるのに対し、後者は国が調査主体であり、一般的な土地の売買の際の基準として用いられます。
公示地価は、国土交通省のウェブサイト「標準地・基準地検索システム」で検索することができます。
レインズで調べる
レインズ(東日本不動産流通機構)は不動産情報を正規の不動産会社同士で共有するためのシステムのことです。
レインズに掲載されているすべての情報は不動産会社しか見ることができませんが、中古不動産の成約事例などは個人でも確認可能です。
「REINS Market Information」にアクセスし、物件種別と住所を選べば近隣の中古不動産の成約事例を見ることができます。
2022年に不動産を売るのは正解なのか
最後に、参考情報として2022年の不動産市場の動向をお伝えします。
どうせ不動産を売却するのであれば、より市場の良いときに売りたいという方が多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、不動産価格指数の推移や最新のトピックをもとに、2022年の不動産市場の動向を見ていきましょう。
2022年の不動産市場は売り手市場!
まず結論からお伝えすると、2022年は不動産の売り時です。
今売ったことで損をするということは考えにくいでしょう。
今が不動産の売り時と考えられる理由としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 新型コロナウイルスの影響が弱まっている
- 超低金利の住宅ローンが終了する可能性がある
- ロシアのウクライナ侵攻によるウッドショックの加速
それぞれの理由について、以下でもう少し詳しく見てみましょう。
新型コロナウイルスの影響が弱まっている
まず理由のひとつとして、新型コロナウイルスの不動産市場への影響が弱まっていることが挙げられます。
以下は、国土交通省が公表している不動産価格指数の推移グラフです。この指標により、不動産取引の活発さを見ることができます。
このグラフによると、2022年はいずれの種別においても不動産価格指数は上昇していることが分かるかと思います。
2020年~2021年には新型コロナウィルスの影響で一時的な下降・停滞が見られましたが、現在は上昇傾向となり、影響が薄れつつあるのが表れています。
超低金利の住宅ローンが終了する可能性がある
2022年7月現在、日本の住宅ローンは超低金利の状態が続いています。
この住宅ローンの超低金利化は、2013年の異次元金融緩和政策の一環として行われ、不動産取得のニーズを高めるのに大いに貢献しました。
そんな超低金利の住宅ローンが、来年の春以降に終了する可能性があります。
金融緩和政策を打ち出していた日銀の黒田総裁の任期が、2023年4月で終わるためです。
現在、米国をはじめとする欧米諸国では金融引き締めの路線を取る国が多く、歴史的な円安状態も続いているので、日銀総裁の交代とともに金融緩和を取りやめることが考えられるのです。
住宅ローンの金利が上がると、不動産を購入したい人のニーズは弱まり、結果として不動産価格の下降につながります。
不動産は、住宅ローンの金利が低い今のうちに売ってしまう方が安全と言えるでしょう。
ロシアのウクライナ侵攻によるウッドショックの加速
2022年2月からはじまったロシアのウクライナ侵攻により、現在木材の価格高騰が加速しています。
ウッドショックとも呼ばれるこの減少により、新築住宅の価格も月ごとに値上がりしているような状態で、新築を買えない人々が中古物件に流れるという現象が発生しています。
その結果、需要の高まりとともに中古不動産の価格も上昇傾向にあります。
これから不動産を売りたいと考えている方には、追い風の状況と言えるでしょう。
まとめ
不動産査定とは、不動産会社に「不動産会社がいくらで売れそうか」を予想してもらうことです。
不動産査定の際に見られるポイントは、例えば以下の様なものです。
- 立地
- 築年数
- 過去の取引実績の売却価格
不動産売却をスムーズに進めるには「エリア・物件種の売却に強い」不動産会社に仲介してもらうことが大切です。
不動産会社が買主探しから、価格交渉まで売却業務の全てを担うので、仲介を依頼した不動産の力量によって不動産会社の結果が変わってくるからです。
複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果や不動産会社を比較しながら信頼できる会社を選んでいきましょう。
不動産一括査定サイトすまいステップを利用すれば、1分程度で複数社に査定依頼ができます。
不動産査定を検討している人は以下のバナーから査定を依頼してみてください。
記事のおさらい
不動産査定ってどんなもの?
不動産査定とは、「不動産がいくらで売れそうか?」を不動産会社に予想してもらうことです。詳しく知りたい方は不動産査定とはをご覧ください。
不動産査定はどのように進むの?
不動産査定の流れは以下の通りです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 机上査定を受ける
- 訪問査定を受ける
- 査定結果をもとに売り出し価格を決める
詳しくは不動産査定の流れをご覧ください。
査定の時にどんなところが見られているの?
以下のポイントがよくみられています。
- 築年数
- 立地
- 面積
- 耐震性
- 日照・眺望
- 管理状況
- 周辺環境(騒音振動・眺望)
詳しく知りたい方は不動産査定で見られるポイントをご覧下さい。
査定の前にどんな準備をしておけばいい?
査定の前には以下の4つの準備をしておきましょう。
- 周辺の相場を調べておく
- 自分の不動産の長所を理解する
- 戸建て・土地は境界を確認する
- 必要書類をそろえる
詳しくは不動産査定の前に行うべき準備をご覧ください。