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不動産の価格査定について徹底解説|売却活動の最初のステップ

  • 更新日:2023年2月6日
不動産の価格査定について徹底解説|売却活動の最初のステップ

住み替えや引っ越しなどの理由から不動産の売却を考えている時、一番気になるのは現在住んでいる物件や土地にどのくらいの価値があるのかということだと思います。
そんな時、不動産の売却価格の相場を知るために出来るのが、不動産会社や不動産鑑定士などに依頼して行う価格査定。さまざまな方法によって、その不動産の評価額を知ることが出来る売却活動の最初のステップです。
今回はそんな価格査定の基礎知識からその査定方法・査定に必要なものなど、価格査定について徹底解説していきます。不動産の売却を考えている方必見の情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。

なお、不動産鑑定については以下の記事で詳しく解説しています。

不動産鑑定とは?内容と不動産査定・簡易鑑定との違いを解説

1. 不動産における価格査定とは

価格査定という言葉は聞いたことがあっても、実際にどうやってその価格を決めているのかまでは知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、理解を深めるために価格査定についての基礎知識を見ていきましょう。

1.1 価格査定とは

価格査定とは、不動産の売買などの取引を行う際に、不動産会社などの専門家がその不動産につける価格を査定することを指します。これは売買などを目的にした時にしか行わないもので、この評価額によって売却を進める価格を決めていくこととなります。
しかし、価格査定で出た金額はあくまで売却を進める際の相場の価格のため、必ずしもこの価格が実際に売却を行う際の成約価格になるとは限らないということを覚えておきましょう。

1.2 机上査定と訪問査定

価格査定を行い出される価格は、机上査定と訪問査定という2つの方法により不動産会社などの専門家に依頼することが出来ます。

机上査定

まず、机上査定とは、周辺の不動産価格や不動産会社が売買のために使用しているレインズと呼ばれるサイトの情報をもとに、おおまかに査定価格を出す査定方法のことを指します。実際にその不動産の状態をチェックして出される価格ではないため、本当に初期的な段階で使用される予想売却価格となります。
不動産会社に机上査定を依頼した場合、レインズの情報をもとに価格を出すため、どの会社に依頼しても同程度の価格が提示されると考えて良いでしょう。あくまで大まかな相場的な価格しか知ることが出来ない方法のため、真剣に売却を考えているのであれば、机上査定のみで価格査定を行うのは難しいと言えます。

【机上査定とは】訪問査定との違い、メリット・デメリットなど紹介!

訪問査定

もう1つの価格査定を行う方法は、訪問査定です。これはその名前の通り、査定対象となる不動産に、不動産会社や不動産鑑定士などが訪問して、その物件の細かい状態をチェックして査定価格を出す方法です。
机上査定とは異なり、その物件をデータだけでなく直接目で確かめることが出来るため、不動産会社はより細かく査定価格を割り出すことが出来ます。
そのため、不動産会社によって提示される価格は異なってきます。周辺環境や日当たりなど、細かい所まで査定対象に含めるため、多くの場合、この訪問査定で出た価格は机上価格よりも成約価格に近くなると考えられます。

【訪問査定とは?】メリット・デメリットや注意点を解説!

1.3 売却を行いたいなら訪問査定を

メールなどで簡単に依頼が出来るということで、机上査定を行う方が多いですが、実際に不動産の売却を考えているなら、訪問査定で細かいところまでチェックしてもらうのがおすすめです。
机上査定はあくまで予想価格であり、その価格よりも下がることがほとんどです。現在住んでいる不動産を売却して住み替えをしようと思っている方なら、売却後の計画を早めにたてるためにも、机上査定ではなく最初から訪問査定を依頼した方が良いでしょう。

・売却の相場価格を査定
・机上査定と訪問査定
・訪問査定は詳しい金額

不動産査定とは?査定方法の選び方から手順・査定額の計算方法をわかりやすく解説

2. 訪問査定を行う時にチェックされるもの

価格査定を行うのであれば訪問査定がおすすめと紹介しましたが、実際に査定を行う際には不動産のどのような点をチェックされるのでしょうか。ここでは、訪問査定の際に不動産会社がチェックするポイントをおおまかに分けて見ていきましょう。

2.1 建物の状態

査定価格を大きく左右するチェックポイントの1つに建物の状態があります。いくら築年数が浅いとしても、建物や部屋の中の状態が悪いと資産価値は下がるため、それに合わせて査定価格も下がっていきます。
建物の状態をチェックする際に不動産会社が確認するのは主に、戸建てであれば外の壁などをキレイに保っているか・建築方法に不備がないか・床に傾斜がついていないかなどをチェックする傾向にあり、マンションであれば部屋内の床や柱などの建築構造に老朽化が進んでいないかなどを確認します。

2.2 周辺環境

次に価格査定を行う際にチェック項目となるのは、その不動産の周辺環境です。これは不動産の所有者が変更できるようなものではないため、事前に準備をしたり修復をしたり出来ないというのがネックなチェック項目となります。
周辺環境の評価を決めるのは、周辺に大きな道路等があり騒音があるか・その建物が建っている近くに商業施設などがあるか・近隣に大きなマンション等が建つ予定で日照がさえぎられないか・近隣の住民同士のトラブルが多くないかなどです。周辺環境は資産価値を大きく左右するもののため、査定価格にも大きな影響を与えます。

2.3 築年数

戸建てとマンションのどちらの査定価格にも影響を与えるのが、その不動産が建ってからどのくらいの年数が経っているかを示す築年数です。築年数が経つにつれて、その不動産の資産価値は下がっていく傾向にあります。
一番査定価格が高いのはやはり新築で、そこから築5年・10年と大きな価格の減少があります。築20年を過ぎると、査定価格がガクッと落ちるため、売却をする際にはリフォーム物件として売り出したりと、少し工夫が必要となるでしょう。

2.4 間取りや建物の構造

その物件の間取りや建物の構造も、訪問査定を行う際に不動産会社が重要視するポイントです。特に間取りは物件の価値を大きく左右するもので、流行りの間取りのものほど査定価格は高くなるでしょう。
部屋の数が多い間取りが高くなるというわけではなく、生活動線が良い間取りや生活がしやすい間取りが評価額を上げる傾向にあります。古い間取りの築年数が経った物件で、出来るだけ査定価格の額をを上げたいという場合は、流行りの間取りに近くリフォームするのも手かもしれません。

2.5 内装や設備

配管やキッチン設備など、部屋内部の付帯設備も訪問査定の際にはチェックされます。ここでもやはり、最新式に近い型の設備を設置している不動産物件は評価額が高くなる傾向にあるため、内部設備も古くなってきている築年数を重ねた物件は、マイナスポイントが増えてしまうと言えます。
普段生活しているだけではよく見ることが出来ないような、壁の裏に通っている配管類も不動産会社はしっかりと確認します。配管の寿命は平均して15年ほどとされているため、それを超えた築年数の物件は配管を交換した履歴があるかなどを伝えておくと、訪問査定がスムーズに進むでしょう。

2.6 付加価値があるかどうか

不動産物件の評価額にプラスの影響を与えるのは、その物件に付加価値があるかどうかです。長い期間住むことを予定して建てられた構造の長期優良認定住宅や、ホームセキュリティシステムが導入されているかなどが、この項目にあてはまります。
最近導入する家庭が増えている太陽光発電システムや、エネファームなどの省エネ設備もこの付加価値に含まれており、価格査定時点の金額を大きく左右するとされています。

・建物の状態をチェック
・周辺環境も評価を左右
・付加価値があるか

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3. 不動産の価格査定に必要なもの

不動産の価格査定を行う際、依頼主は何か用意をするものがあるのでしょうか。インターネットなどを使用した机上査定では、特に必要な書類はありませんが、訪問査定の場合は書類が必要となります。ここでは、訪問査定の際にスムーズに評価をしてもらうために必要な書類等を紹介していきます。

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3.1 建物の図面

その不動産物件が販売されていた時のパンフレットや間取り図など、間取りを一目で見て確認できるような図面は、査定をスムーズに進めるために必要な書類の1つです。戸建てを新築で建てた場合は、その設計図や工事記録など、細かくその建物の構造について記載されている書類があると良いでしょう。
リフォームや増築などを行った場合は、その時に使用した設計図面なども必要となります。売却を進める際、リフォームを行ったという事実を提示できる図面はとても重要になってきます。不動産の売却を考えているなら、その建物の図面や設計図はなくさないように気を付けましょう。

3.2 土地の測量図

戸建てを所有していてその土地が建っている土地の所有権も保有している場合や、土地の価格査定を行う時に提示したいのが土地の測量図その土地の形状や面積・測量を行った際の方法などが細かく記載されている書類で、土地の登記を行った際の記録に付属されていることが多いです。土地によっては測量図がない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

3.3 登記簿謄本

その土地や建物の広さや所有者・担保にとっているのは誰かなどの、不動産に関する詳細が記載されている登記簿謄本も、価格査定の際には必要となります。この登記簿謄本は、不動産の登記を行う法務局で手に入れることが出来る書類で、別名は全部事項証明書と呼ばれています。

3.4 公図

登記簿謄本と同じく法務局や法務局ホームページで入手することが出来るのが、土地の形状や地番などの位置関係を知ることが出来る公図です。これは土地の詳細を示すものとなるため、戸建ての所有権のみを持っている場合やマンション物件の場合は必要ありません。

・建物の図面が必要
・登記簿謄本も必要
・あれば公図や測量図も

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4. 査定額は不動産会社によって異なる

机上査定で出された査定価格は、基本的に同じデータベースを使用したもののため、どの不動産会社に依頼しても同じような価格となります。しかし、訪問査定を依頼した場合は、不動産会社によってチェック項目や評価の重みが異なるため、査定額も変わってきます。ここでは、なぜ不動産会社によって査定額が異なる理由や、複数の不動産会社に査定依頼をするメリットなどを見ていきましょう。

4.1 使用する査定方法が異なる

不動産価格を査定する際に使用される査定方法は複数あるため、どの査定方法を使用するかはそれぞれの不動産会社が自由に選ぶことが出来ます。そのため、査定価格にも違いが出てくると考えられます。
代表的な査定方法は、査定対象となる不動産に似た過去物件と比較し価格を査定する取引事例比較法・新築で購入した時の価格から築年数による原価修正を行って査定額を出す原価法・賃貸用にした場合将来的に出す利益から査定価格を求める収益還元法の3つがあります。それぞれ査定額を求める考え方が異なるため、最終的に出てくる評価額も異なってくるということとなります。

4.2 会社のポリシーによっても違う

査定を行った会社のポリシーや営業スタイルの違いによっても、査定価格の違いが出てくると考えられています。例えば、出来るだけ早く売却を進めることをメリットとして売り出している会社では、スピーディーに買主を見つけるために比較的安く査定額を付けます。
それに比べて、なるべく高値での売却を売りにしている会社では、スピードよりも金額の高さを重視しているため、比較的高い評価額がつきます。
このように、その会社の営業に対する考え方で査定額は変わってくると言えるでしょう。自分がこの不動産の売却において、なにを重視しているのかを考えると、仲介を依頼する会社を探しやすくなるはずです。

4.3 価格査定の対応で仲介依頼を決める

価格査定を依頼した時にチェックしておきたいのは、査定後に伝えられる評価額の数字だけでなく、その査定価格はなにを根拠につけられたのかなどの詳細を、丁寧に説明してくれる態度であるかという点です。
不動産会社の中には、素人相手だからと言ってなるべく安く査定価格をつけようとする業者もいます。そのため、専門用語だけを並べて複雑な説明をする担当者よりも、分かりやすく合理的に説明してくれるような担当者がいる会社に仲介依頼をした方が良いかもしれません。

4.4 複数の不動産会社に価格査定を

使用する査定方法やその会社のポリシーなどによって査定価格の金額は変わるため、不動産の売却を考えているのなら、複数の不動産会社に価格査定の依頼をし、どこの会社が良いのかを比較しながら選ぶのがおすすめです。最初から1社のみに限定して査定をしてもらうと、その査定価格が相場に合っているのかを知ることが出来ません。
しかし、ここで注意しておきたいのが、より高い査定額を付けた不動産会社を選べば良いという訳ではないということです。査定価格の高さよりも、その査定の内訳やその価格が相場と合っているかなどを重視して、売却の仲介依頼をする不動産会社を決めると良いでしょう。

・査定方法が違う
・会社のポリシーで変動
・複数に査定依頼をする

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5. 価格査定は不動産売却の第一歩

不動産売却を考えているのであれば、その物件の価格査定を行い、どのくらいの金額で売却を進めることが出来るのかを知るということが最初のステップとなります。価格査定により大まかな売却価格を知ることで、売却後の計画が立てやすくなるでしょう。メールやサイト上で簡単に行うことも出来るため、売却を考えているのであれば、ぜひ価格査定から始めてみませんか。

不動産を一括査定することについて気になる方は「不動産一括査定を解説!サイトの選び方や利用時の注意点を知ろう」も参考になります。

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