税金や売却価格を調べるにあたり「土地評価額」という言葉を目にすることがあります。
あまり馴染みがある言葉ではないので、「土地評価額ってなんだろう?土地の価値や値段をを表すようだけど、どう調べたらいいの?」と疑問を持たれる方は多いと思います。
この記事では、土地評価額の概要や種類、調べ方を解説しています。
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土地の評価額とは?目的別に種類を解説
冒頭で述べた通り、土地評価額とは「土地の価値を数字で表したもの」です。
土地評価額には6つの種類がある
そもそも土地は「一物五価」と呼ばれており、「公示価格」「基準地価」「実勢価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」という5つの異なる価格があります。
土地評価額は、この「五価」に「不動産鑑定評価額」を加えて6つの種類があります。
▼6種類の土地評価額と目的
種類 | 目的 | 概要 |
---|---|---|
公示地価 | 売却価格の算定 | 国土交通省が毎年1月1日に全国各地点の価格を調べて公開している価格 |
基準地価 | 売却価格の算定 | 自治体が毎年7月1日時点に同都道府県内の価格を調べて公開している価格 |
実勢価格 | 売却価格の算定 | 過去に実施された実際の土地の取引価格 |
相続税路線価 | 相続税・贈与税額の算定 | 国税庁が定める、相続税や贈与税の目安とするために、毎年1月1日に定めた土地の価格 |
固定資産税評価額 | 固定資産税額の算定 | 各市区町村が3年に1回の頻度で定める、固定資産税の目安となる土地の価格 |
不動産鑑定評価額 | 不動産価値の法的証明 | 不動産鑑定士がプロの視点から評価した土地の価格。法的効力をもつ。 |
なぜ同じ土地なのに6つも種類があるの?
同じ土地に評価額が5つもある理由として、税金や売却価格などの目的に応じて土地の価値を測る基準が異なることが挙げられます。
土地の価格は市況によって変動しやすいです。よって、売却価格と税金額を決める基準をわけておかないと、税金額まで乱高下してしまい、納税者も、税金を財源とする自治体も困ってしまいます。
また、税金でも、固定資産税のように毎年支払う税金と、相続税のように特別な場合のみに支払う税金とでは、参考にする価格の種類は異なります。同じ価格を基に決めてしまうと、毎年負担する固定資産税額が多くなりすぎたり、相続税の支払いが少なくなりすぎたりして、安定的に納税や徴税ができなくなってしまうからです。
さらに、土地の価格を法的に証明したいかどうかによっても、調べるべき価格は決まります。裁判や物的担保などで法的証明が必要な場合は、プロの不動産鑑定士に調べてもらった評価額を用います。
このように、売買か納税か、納税のなかでも相続か固定資産税の支払いか、法的証明を必要とするか、などの用途によって、基準となる土地の価格(土地評価額)は異なってくるのです。



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土地評価額の調べ方①公示地価・基準地価を調べる方法
本章では、公示地価・基準地価を調べる方法を解説します。
公示地価・基準地価から全国の売買取引価格指標がわかる
公示地価・基準地価はまとめて「地価公示価格」と呼ばれており、全国の不動産の売買取引価格指標として公的に活用されています。
公示地価とは、地価公示法に基いて国土交通省が毎年1月1日時点の標準地(調査地点)の価格を、その年の3月中旬~下旬に発表した価格のことです。
このとき調査される地点は全国2万5,000地点以上となっており、不動産鑑定の国家資格を有する2名以上の不動産鑑定士が現地を調査して算出し、ぞの後審査や調整を経て正常な価格が公示されています。
一方、基準地価は各都道府県が毎年7月1日時点の基準値(調査地点)の価格を調べ、国土交通省がまとめて9月中旬~下旬に公表する価格となっています。
公示地価は国が、基準地価は各都道府県によって調査されているため、基準地価のほうがより地方の地点がより網羅的に調べられています。
使い分けとしては、都心の価格は「公示地価」、公示地価の情報がない地方の価格は「基準地価」で調べることがおススメです。また、公示地価と基準地価で同地点の価格がわかる場合、両者を比べることでその地点の価格がどう変遷したかも調べることもできます。
地価公示価格とは?路線価・実勢価格との違いや国土交通省サイトの閲覧方法を詳しく解説
「地価公示・都道府県調査」から調べる
公示地価・基準地価は国土交通省が管轄するサイト「地価公示・都道府県地価調査」から調べられます。調べたいエリアを絞り込んで検索すると、そのエリアで算定された地価を閲覧できます。自分の土地に近い地点の公示地価・基準地価を参考に、評価額を算出してみましょう。
公示地価・基準地価から売却価格の目安を調べる3ステップ
- 土地情報総合システムから「地価公示・都道府県地価調査」を選択
- エリアの条件を指定
- 検索結果の地価公示価格を参考に「地価公示価格×面積×1.1」で売却価格を計算
まずは、土地総合情報システムの「地価公示・都道府県地価調査」(赤枠部)を選択します。
「地価公示・都道府県地価調査」にアクセスすると、自分の土地が所在する都道府県と市区町村を選択できます。
※林地の場合、市区町村を指定する必要はありませんので注意してください。
表示された検索結果から、調べたい土地の最も近隣の地価情報「価格(円/㎡)」を確認します。(赤枠部)

近隣の調査地点の「㎡単価」がわかったら、以下の計算式に当てはめて、売却相場を計算しましょう。
▼地価公示価格から売却相場を計算する式
売却相場
=地価公示価格(㎡単価)×面積×1.1
土地評価額の調べ方②実勢価格を調べる方法
本章では、まず実勢価格を調べる方法を解説します。
実勢価格からは過去の売買取引価格がわかる
実勢価格とは、「実際に市場で売買が成立する価格」のことです。別名で「時価」ともよばれ、「いまの市場で売り出したときにいくらで取引されるか」を指しています。
実勢価格は近隣エリアの実際の取引価格から類推できるもので、売主の売りたい価格と買主の買いたい価格が一致し、取引が成立したときにはじめて決定されます。例えば、「2000万円で売りたい」売主と「2000万円なら買える」という買主が取引を成立させると、その土地の実勢価格は2000万円ということになります。
実勢価格は過去の売買取引価格であるため、売却価格を算定する際の参考になります。しかし、調べた実勢価格どおりに売れるわけではないことは注意しておきましょう。
土地の売買取引価格は市況や売主買主の事情、その土地の周辺環境、形状や接面道路の幅、建築制限など個別の条件に左右されます。全く同じ条件で取引されることはないため、過去の実勢価格はあくまで参考程度に捉えましょう。
「不動産取引価格情報検索」から調べる
最新の実勢価格は、国土交通省が管轄している土地総合情報システムの「不動産取引価格情報検索」で無料で調べられます。
土地総合情報システムの「不動産取引価格情報検索」では、国土交通省が土地の価格や広さ、建築条件をまとめて、詳細な住所が特定されないように加工したうえで過去の土地の取引情報が公開されています。
ここで見られる取引情報は、不動産を実際に購入した人にアンケート調査を行い、結果をデータベース化したものです。宅地や土地などの種別や、不動産の所在地は市町村よりもさらに細かな地区で検索できるのが特徴です。
実勢価格から売却価格の目安を調べる3ステップ
- 土地情報総合システムから「不動産取引価格情報検索」を選択
- エリアなどの検索条件を指定
- 検索結果から周辺エリアの実勢価格を確認
土地の取引時期と種類、都道府県と市区町村を選択し、【この条件で検索】をしましょう。(赤枠部)
表示された検索結果に掲載されている、「取引総額」が土地の売買取引価格に該当します。
なお、実勢価格を調べる方法については以下の記事でも詳しく解説しています。
土地評価額の調べ方③相続税路線価を調べる方法
本章では、相続税路線価を調べる方法を解説します。
相続税路線価からは相続税や贈与税の基準となる価格がわかる
相続税や贈与税の課税のベース(相続税評価額)がいくらになるか知りたい人は、「相続税路線価」を調べましょう。相続税路線価とは、「市街地の路線(道路)に面する土地1㎡あたりの価格」のことです。
相続税や贈与税の課税の基準となる土地の評価額(=相続税評価額)の算定に用いられます。国税庁が毎年1月1日時点の価格を評価し、その年の7月に発表しています。
相続税評価額とは?計算対象とその方法、節税のポイントや注意点を解説
「全国地価マップ」から調べる3
相続税路線価は国税庁が管轄する「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」や、全国地価マップから調べられます。
相続税評価額から相続税額の基準となる価格を調べる3ステップ
- 全国地価マップにアクセスし、ホーム画面から「相続税路線価」を選択
- エリア条件を指定
- 検索結果から「路線価×面積」で相続税・贈与税の基準となる価格を計算
出典:「全国地価マップ」
調べたい相続税路線価の年度や住所を選択しましょう。
出典:「全国地価マップ」
検索すると、画面に地図が表示されます。
地図上に「38G」「29A」「9280B」など「数字+アルファベット」の表記が表示されていますが、この数字の部分が相続税路線価です。
▼相続税路線価の表記
相続税路線価は1,000円単位で表記されているため、例えば「52F」であれば「52,000円/㎡」という意味になります。
相場とは関係ない表記だから気にしなくても大丈夫!
土地評価額の調べ方④固定資産税評価額を調べる方法
本章では、固定資産税評価額を調べる方法を解説します。
固定資産税評価額からは固定資産税の基準となる価格がわかる
固定資産税評価額とは、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税の課税の基準となる土地の評価額のことです。
また相続税路線価が設定されていない地域で、相続税額を算出するための土地の評価額を求める際にも用いられます。市区町村によって3年に1度の頻度で評価が行われ、基準年の1月1日時点の価格が、その年の4月初旬に公表されます。
固定資産税課税明細書から調べる
固定資産税評価額を調べる手順は以下の通りです。
固定資産税評価額から固定資産税額の基準となる価格を調べる2ステップ
- 手元に固定資産税課税明細書書を用意
- 「評価額」欄から固定資産評価額を確認
固定資産税課税明細書は毎年4月~6月に自治体から納税対象者に送付されています。自宅に保管されていないか確認してみましょう。
固定資産税評価額は課税明細書の「評価額」(薄赤色箇所)を確認しましょう。
確認の際は「家屋」の固定資産税評価額や、「課税標準額」と間違えないように気をつけましょう。
※課税明細書の書式は自治体ごとに異なります。



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土地評価額の調べ方⑤不動産鑑定評価額を調べる方法
本章では不動産鑑定評価額を調べる方法を解説します。
不動産鑑定評価額とは
不動産鑑定評価額とは、不動産鑑定士試験に合格して国家資格を取得した不動産鑑定士が、国の定める評価基準に則り、適切な手順を踏んで算出した不動産価格となります。
公的な規定に則ってつけられた価格となるため、裁判や金融機関に対して土地の価値を法的に証明する際に役立つ唯一の価格となります。
不動産鑑定が必要になるのは、主に以下のようなタイミングです。
- 財産分与の際
- 不動産を担保として金融機関から融資を受ける際
- 相続税の節税のために適切な不動産価値の算出が必要な際
- 収益用不動産の家賃等の決定をする際
- 不動産を証券化する際
適正かつ妥当な不動産価値が求められる場合において不動産鑑定は用いられます。また、所有不動産の価値を公的機関に提出する必要がある際に必要になります。
不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する
不動産鑑定は精密かつ信頼性の高い不動産評価方法ですが、作成できるのが資格者のみと定められているため、かなり費用がかかります。
不動産鑑定にかかる費用は、不動産の種別や規模によって大きく異なりますが、1億円未満の不動産であれば、おおよそ20万円~90万円前後になります。
不動産鑑定の費用の相場はいくら?無料の不動産査定との違いも紹介!
土地評価額より正確に売却価格を知るには
2章にわたって土地の売却価格の試算の仕方をご紹介しましたが、実際の売買取引における価格には、土地の面積だけでなく、さまざまな条件が影響します。
そのため、より正確に土地の売却価格を知りたいのであれば、不動産会社に査定依頼をしてもらうことをおすすめします。
土地を査定してもらう場合、不動産会社は現地の様々な土地の評点を踏まえたうえで、査定価格を提示します。
査定は複数社に依頼をするのがおすすめです。不動産会社によって見積もり金額に差が出ることは珍しくなく、複数社が提示した査定結果を比較することで土地の売却相場を把握しやすくなるからです。
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