「マンションを売却するのにどのくらいの費用がかかるんだろう……」
マンションを売るには仲介手数料や税金など様々な費用がかかるので、売却して得た金額がすべて利益になるわけではありません。
そこで今回は、マンション売却でかかる費用と、費用を安く抑えるコツを解説していきます。
各費用の概算料金も計算しているので、参考にしてみてください。
なお、先にご所有のマンションの査定額を知りたい方は、以下のフォームから不動産一括査定を依頼することができます。

- 監修:有田 美津子
- 大学卒業後、地方銀行にて融資業務担当。出産後、住宅販売会社、損保会社、都市銀行の住宅ローン窓口を経て独立。 現在は高齢になっても安心して暮らし続けられる住まい計画、資金計画の相談に力を入れている。
【保有資格】ファイナンシャル・プランナーCFP® 1級FP技能士 相続診断士 住宅ローンアドバイザー
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マンション売却にかかる費用一覧
マンション売却にかかる費用をまとめると次の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ( 売却額 × 3% + 6万円 )+ 消費税 |
譲渡所得税(所得税・住民税・復興所得税) | 譲渡所得× 税率(20.315%または39.63%) |
印紙税 | 1,000円〜6万円 ※売却金額によって変動 |
登録免許税 | マンション一室につき2,000円~ |
司法書士に支払う報酬 | 5,000~2万円 |
ローン一括返済手数料 | 5000円~3万円 |
引越し費用 | 10万円程度 |
ハウスクリーニング費用 | 2万円∼6万円 |
一般的に、マンション売却にかかる費用はマンションの売却金額の5%~7%と言われています。
例)3000万円で家を売却した場合の費用の一例
1.仲介手数料(不動産会社に支払う手数料)
費用:105万6000円(3000万円×3%+6万円+消費税)
2.印紙税(売買契約書作成のために支払う費用)
費用:1万円(軽減後)
※2014年4月1日~2022年3月31日までの間に作成される不動産譲渡に関する契約書について軽減税率が適用されます。(参考:国税庁)
3.抵当権抹消費用(抵当権の抹消に伴う費用:登録免許税+司法書士に支払う報酬)
費用:2万円
4.住宅ローン一括返済費用(住宅ローン返済の事務手数料)
費用:5,500円
※三井住友銀行:インターネットバンキングの場合
5.譲渡所得税
費用:0円
※売却額が3000万円以下のため、「3000万円特別控除」の適用で非課税になります。
6.その他
引っ越し費用:10万円
ハウスクリーニング費用:5万円
合計費用: 124万1500円
以下では、マンション売却にかかる費用をより詳しく説明していきます。
マンション売却の仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に仲介を依頼してマンションの売買契約を結んだ場合に、不動産会社への報酬として発生する費用です。
仲介手数料以外にも、「媒介報酬」「媒介手数料」「約定報酬」などの呼び方がありますが、すべて同じものです。
一般的には、売買契約時に仲介手数料の50%を支払い、その後物件の引き渡しを終えたタイミングで残りの50%を支払うのが一般的です。
仲介手数料の計算方法
売買価格が1000万円~1億円の場合の仲介手数料は、以下のようになります。
売買価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の場合 | (売却価格×5%)+消費税 |
200万円を超え400万円以下の場合 | (売却価格×4%+2万円)+消費税 |
400万円を超える場合 | (売却価格×3%+6万円)+消費税 |
仲介手数料の概算
売買価格が1000万円~1億円の場合の仲介手数料は、以下のようになります。
売買価格 | 仲介手数料 |
---|---|
1000万円 | 39.6万円 |
3000万円 | 105.6万円 |
5000万円 | 171.6万円 |
7000万円 | 237.6万円 |
1億円 | 336.6万円 |
仲介手数料は値引きが可能
基本的には法定の上限額の通り計算される仲介手数料ですが、交渉次第では値引いてもらえることもあります。
仲介手数料を値引くには、具体的には以下のようなコツがあります。
【仲介手数料を値引くコツ】
- 値引きを条件に専任媒介契約を結ぶ
- 大手ではない不動産会社と契約する
- 住み替え先の購入も同じ会社に同時に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仲介手数料を値引くコツ①:値引きを条件に専任媒介契約を結ぶ
不動産会社に仲介を依頼してマンションを売却する場合には、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約の締結時に、「専任媒介契約にするから手数料を割り引いて欲しい」と交渉してみましょう。
媒介契約には「一般媒介契約」と「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類あります。
一般媒介契約は同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できます。
一方、専任媒介契約とは、「1社の不動産会社のみと媒介契約を結ぶ」という契約です。
不動産会社からすれば、仲介でマンションを売却した際の手数料が必ず自社に入ってくるという大きなメリットがあります。
そのため、「専任で契約してくれるなら……」と交渉に応じてくれる可能性は十分あります。
ただし、専属専任媒介契約については、自分で買主を見つけたとしても、契約した不動産会社に仲介手数料を払わなくてはならないので注意しましょう。
仲介手数料を値引くコツ②:大手でない不動産会社と契約する
不動産会社に仲介を依頼する際、大手の不動産会社を検討する方も多いと思います。
しかし、仲介手数料を値引きたいのであれば大手より中小の不動産会社がおすすめです。
大手の場合は対応ネットワークが広く、媒介契約獲得のために無理をする必要がないので、値引き交渉に応じてもらいにくいからです。
値引きの話をするのであれば、大手の不動産会社よりは中小の不動産会社で交渉してみましょう。
「そうはいっても、大手も魅力があって決められない!」という方は以下の記事も参考にしてください。
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仲介手数料を値引くコツ③:住み替え先の購入も同じ会社に同時に依頼する
最も値引きをしてもらいやすい交渉として、「住み替え先を探すための媒介契約も同時に締結する」というものがあります。
売却と購入の両方の仲介を同じ不動産会社にした場合、二度仲介手数料をもらえるチャンスがあるので、不動産会社が2倍の仲介手数料を得られる可能性は大きく上がります。
また、売却を成功させないと住み替え先の購入ができず、売却と購入両方での仲介手数料獲得ができません。優先的に広告活動を行ってもらいやすいというメリットもあります。
さらにくわしく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
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マンション売却にかかる税金
マンションの売却には、「譲渡所得税」「印紙税」「登録免許税」の3種類の税金がかかります。
以下ではそれぞれの計算方法や概算価格をそれぞれ見ていきましょう。
マンション売却でかかる税金について詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
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譲渡所得税
マンションを売却した際に売却益が発生すると、「譲渡所得税」と呼ばれる税金を支払わなければなりません。
譲渡所得税は、譲渡所得にかかる所得税・住民税・復興所得税の3つを総称したもののことです。
売却益は「譲渡所得」とも言い換えられ、以下のような計算で確認することができます。
上記の計算で算出した譲渡所得に譲渡所得税率をかけると譲渡所得税額が計算できます。
譲渡所得税は所有年数で変動する
譲渡所得税はマンションを売却するまでに所有していた期間によってかかる税率が変わります。
具体的には、マンションの所有期間が5年を超えるかどうかで以下のように変わります。
項目 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
なお、譲渡所得に用いる所有期間は、売却した年の1月1日時点が判断基準になります。
例えば、2017年4月1日に購入したマンションを2022年4月1日に売却した場合、2022年1月1日時点の所有期間は4年なので短期譲渡所得となります。
所有期間が10年超など一定の要件を満たすと、3000万円控除を越えた譲渡所得について、長期譲渡所得より税率が低い軽減税率の特例を受けることができます。
その場合、長期譲渡所得の金額が6,000万円の部分について10%、6,000万円超の部分について15%+600万円の税率となります。
所有期間に関係なくマイホームを売った時は譲渡所得から最高3000万円まで控除できます。
譲渡所得税の概算 ※1
譲渡所得額 | 譲渡所得税額 (短期所有) | 譲渡所得税額 (長期所有) | 譲渡所得税額 (所有期間10年超)※2 |
---|---|---|---|
3000万円 | 0円 | 0円 | 0円 |
5000万円 | 792.6万円 | 406.3万円 | 284.2万円 |
7000万円 | 1585.2万円 | 812.6万円 | 568.4万円 |
1億円 | 2774.1万円 | 1422.05万円 | 994.7万円 |
※1 すべて「3000万円特別控除」を適用した税額
※2 所有期間10年超の譲渡所得税額については「所有期間10年超の軽減税率」を適用し計算
((所得税10%+復興所得税0.21%+住民税4%)=14.21%)
印紙税
印紙税とは、一定額以上の契約書や領収書といった一定の文書にかかる税金です。
売買契約書に貼る収入印紙を購入すれば納税を果たしたことになります。
税額はその文書に記載された金額によって異なります。
以下は2022年3月31日までに不動産の譲渡に関する契約書に適用される軽減税率が適用された場合の金額です。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
10万円を超え 50万円以下 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下 | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 5千円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 6万円 |
印紙税は契約書1通ごとに課税されます。売主買主1通ずつ保管する場合は、売買契約書が2通になります。
たいていの場合は、売主・買主の各々が自らが保管する売買契約書に印紙を貼るので費用は折半となり、1通分の印紙代を負担します。
印紙税納入のための収入印紙は契約当日に仲介業者が用意するので、売主は必要な印紙税額相当の現金を持っていきましょう。
印紙税を納めないと、印紙税の3倍の過怠税が課されるので注意しましょう。
登録免許税
マンションを売却する際、マンションの所有権を売り主から買い主に移す必要があります。
この手続きを「所有権移転登記」とよび、所有権移転登記の際には「登録免許税」という税金が必ずかかります。
また、売却するマンションに住宅ローンが残っていた場合は、「抵当権抹消登記」も必要になり、こちらにも登録免許税が課せられます。
所有権移転登記にかかる登録免許税
所有権移転登記にかかる登録免許税は、土地は売却するマンションの固定資産税評価額に対して1.5%(2021年3月31日までの軽減税率)、建物は0.3%(2022年3月31日までの軽減税率)の税率をかけることで計算することができます。
ただし、所有権移転登記にかかる登録免許税は、通常不動産の買い主が負担することになっています。
そのため売主は、「所有権移転登記は売り主が負担する」という特約がない限りは支払わないと考えてよいでしょう。
抵当権抹消登記にかかる登録免許税
売り主が負担する登録免許税は、「抵当権抹消登記」にかかる登録免許税です。
抵当権とは、住宅ローンを組む際に、金融機関が購入するマンションを担保にする権利を指します。
抵当権付きの物件は、住宅ローンを返済できないと金融機関によって売却され、その売却代金をローン返済に充てるため売主は勝手に売却できません。
そのため、抵当権付きの物件を売却するにはローンを完済して抵当権を抹消しなければいけません。この抹消の手続きが抵当権抹消登記です。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
マンションの場合、部屋1個につき1,000円、敷地権1個につき1,000円です。
金融機関から融資を受けて不動産を購入する時、返済が滞った際の担保として、不動産に「抵当権」が設定されます。この抵当権は、ローンの返済が行われない場合に債権者である金融機関が対象の不動産を差し押さえて貸付額を回収できる権利を指していま[…]
その他の費用
マンションの売却には、仲介手数料や税金以外にも細かな費用がかかります。
司法書士に支払う報酬
所有権の移転登記や抵当権抹消の登記を司法書士に依頼する場合、司法書士に報酬を支払う必要があります。
登記変更で司法書士に支払う報酬は、1万円~4万円ほどです。
ローン一括返済手数料
売却するマンションにローンが残っている場合、一括返済のための金融機関の事務手数料が必要になります。
なお、繰り上げ返済の手数料は窓口で行う場合、テレビ窓口等で行う場合、ネット経由で行う場合で異なります。
例えば、三菱UFJ銀行の場合、窓口は33,000円、テレビ窓口は22,000円、ネット経由は16,500円。
三井住友銀行は窓口22,000円、窓口専用パソコン11,000円、ネット経由5,500円となっています。(2021年1月時点)
引越し費用
仲介手数料や税金のことを考えると、つい忘れてしまうかもしれませんが、物件の買い換えを考えているのであれば、引っ越し費用も必要です。
引越し費用の相場は距離や荷物の量、時期によって異なりますが4人家族であれば10~15万円程となります。
また、新居に入居するまでに仮住まいをするのであれば、その間の家賃はもちろん、引っ越し費用も当然2回かかってくるため注意が必要です。
ハウスクリーニング費用
マンション売却に向けて部屋をキレイにしておきたい人はハウスクリーニングがオススメです。
同じ住宅でも、住んでいるかどうかで費用相場は異なります。また、部屋の広さでも相場は変わり広いほどコストは高くなります。
例えば、ハウスクリーニング業者であるおそうじ本舗の料金は以下の通りです。
空室クリーニング料金一例
部屋の広さ | 空室の費用相場 |
---|---|
マンション・アパート 1K/1DK | 24,000円~48,000円 |
マンション・アパート 1LDK/2K | 32,000円~64,000円 |
マンション・アパート 2LDK/3DK | 44,000円~88,000円 |
マンション・アパート 3LDK/4DK | 56,000円~112,000円 |
マンション・アパート 4LDK・5DK | 68,000円~136,000円 |
一戸建て 2LDK/3DK | 55,000円~110,000円 |
一戸建て 3LDK/4DK | 67,000円~134,000円 |
一戸建て 4LDK・5DK~ | 79,000円~158,000円 |
ハウスクリーニングは、居住中と空室状態で費用が異なります。
居住中だと荷物が邪魔になりやすいため、空室時よりも費用は20~30%程度アップすると考えましょう。
住宅はよりきれいな状態のものほど高値で売れるため、売却に向けてハウスクリーニングを行うのは大切なことです。しかし、ハウスクリーニングには費用がかかり、相場がいくらか分からないために、やるべきか迷ってしまう人は多いです。ハウスクリーニ[…]
なお、「マンション売却の前に専門家の意見を聞きたい……」という方は、すまいステップの利用がおすすめです。
すまいステップでは経験豊富な不動産会社のみをご紹介しているので、マンション売却を検討している方に対して適切な費用感をお伝えすることができます。
もちろん利用は無料なので、気軽に相談してみて下さい。
マンション売却時に戻ってくる費用
マンション売却の際に様々な費用がかかりますが、逆に戻ってくる費用も存在します。
具体的には、以下の4つの費用はマンション売却時に戻ってくる可能性があります。
- 住宅ローン保証料
- 管理費・修繕積立金
- 火災保険料
- 固定資産税・都市計画税
住宅ローン保証料
住宅ローンを利用してマンションを購入した際、返済が滞った場合のために住宅ローンの保証料をあらかじめ支払います。
マンション売却によってローン残額を一括返済した場合は、保証が不要になるので金融機関から残期間分の保証料が戻ってきます。
具体的にいくら戻ってくるかは、金融機関や契約内容によって異なるので窓口で確認してもらいましょう。
火災保険料
住宅ローンでマンションを購入した際には火災保険への加入が必須になることがほとんどです。
支払った火災保険料は残りの保険期間に応じて返金されます。
特に長期間分を一括で支払った場合はまとまった金額が戻ってくることもあります。
なお、火災保険料は自分から解約を保険会社に申し出ないと返金されないので、忘れずに手続きを行いましょう。
管理費・修繕積立金
マンションに住んでいると管理費・修繕積立金を毎月支払うのが一般的ですが、その日割り分を売却時に買主に精算してもらえます。
たとえば6月5日引き渡しの場合、5日~30日の支払い分を買主の負担となります。
管理費の精算は決済時に行われます。
固定資産税・都市計画税
固定資産税や都市計画税は、その年の1月1日時点の物件保有者が一括で納税しているため、引き渡し以降にかかる分は売却時に買主に精算してもらいます。
法律による定めはないので、仲介業者が間に立って両者で負担するのが一般的です。
負担額の精算は日割り計算となりますが、計算にあたっての起算日を1月1日からにするか4月1日からにするかはマンションの所在地によって変わってきます。
関東は1月1日、関西は4月1日が一般的です。
あとからトラブルにならないよう、売買契約の際、起算日を忘れずに確認しておきましょう。
土地や建物など、不動産を所有していると毎年固定資産税を支払わなければなりません。固定資産税額は人によって異なるため、平均ではどれくらいなのかと気になる人は多いです。周囲と比較して自分の納付額が多すぎないか確認するには、計算方法を知っ[…]
税金を節約する制度
マンション売却で譲渡利益が発生した場合の譲渡所得税については、国が4つの特別控除を用意しています。
これからご紹介する特別控除を利用すれば譲渡所得税の負担を軽くできるので、積極的に活用しましょう。
3,000万円の特別控除
マンションを売却して譲渡所得が出た場合に、譲渡所得から3000万円までが控除できる特例です。
この特例を利用すると、譲渡所得にかかる税金は次のような計算式になります。
例えば、マンションを売却して出た譲渡所得が3000万円以下であれば実質税金はかかりません。
ただし、この控除を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。
その条件とは、「自分が居住していたマンションであること」「売却した年をさかのぼって、前年と前々年にこの特例や他の譲渡損失の特例を受けていいないこと」「買主と売り主が夫婦・親子のような特別な間柄でないこと」などです。
細かい条件に関しては以下の記事をご覧ください。
マイホームを手放したり、相続した土地や家を売ったり。不動産の売買に応じて利益が出た場合は譲渡所得税という税金の支払義務が発生します。この税金に対して特例の控除措置があるのをご存じですか?もし理解が足りないとお思いでしたらこの[…]
特定居住用財産の買い換え特例
買い替え特例とはマンションを売却とセットで居住用マンションを購入したときに活用できる制度で、一定条件を満たすことで、譲渡利益の課税が繰り延べできます。
繰り延べなので、非課税になるわけではありません。
将来買い換えたマンションを譲渡したときに、このときの譲渡利益の課税がまとめて課せらます。あとで困らないように、その点はしっかり理解しておきましょう。
買換え特例を利用する場合は、一定条件を満たす必要があり、条件としては主に以下のようなものとなります。
- 新たに取得する住宅は築年数25年以内
- または一定の基準を満たす耐震住宅
- 床面積50m2以上
- 売却年の前年から翌年までの3年の間に、新しいマイホームを取得する
- 新たに取得する土地面積が500m2以下
- 一定期間の居住期間や所有期間を満たすなど
また、買換え特例は前述の3000万円特別控除と併用することはできません。
「マンションを買い替えたいけど、ローンが残っていても買い替えられるのかな?」「売るのと買うのどんな順番で進めたらいいの?」などなど、絶対に失敗できないだけに不安もたくさんありますよね。というのも、買い替えは物件の購入[…]
所有期間10年超の軽減税率
所有期間が10年を超えるマンションを売却する場合、譲渡所得にかかる税率が14.21%まで下がります。
3,000万円の特別控除と併用することもできます。
ただし、この制度で控除を受けると「特定居住用財産の買い換え特例」は利用できなくなるので注意してください。
「不動産売却時に支払う税金を安く抑えたい!」「税金対策のためにどんな手続きが必要なの?」不動産を売却して得た譲渡所得に対して税金がかかりますが、税金の控除特例を利用すれば税金を安く抑えることができます。しかし、どんな特例[…]
譲渡損失の損益通算と繰越控
マンションを売却すると、譲渡損失が出る(購入した金額より売却した金額の方が少ない)こともあります。
こうしたケースを救済するのが「居住用不動産の譲渡損失の損益通算と繰越控除」です。
損益通算とは、ある所得で損失が出たとき、他の所得からその損失を差し引くことです。
この特例を受けると、売却の損失と他の所得(例えば給与所得)との間で損益通算ができます。
その分課税対象となる所得金額が抑えられ、支払う税額を少なくできます。
さらに、その年の所得から引ききれなかった損失金額があれば、翌年以降に繰り越して、その年の所得から差し引くことができます。
繰越期間は最長3年間です。
マンション売却の費用に関するFAQ
最後に、マンション売却の費用に関してよくある質問とその回答をご紹介していきます。
Q1.マンション売却に消費税はかからないの?
個人が自宅や別荘などの居住用物件を売却する場合、消費税は課せられません。
ただし、売却したマンションが賃貸マンションやテナントなどの事業用物件だった場合、課税事業者の条件を満たすと消費税の納税義務が発生します。
課税事業者の条件は以下のようになっています。
売り主が個人の場合:
- 個人事業主の場合、前々年の課税売上高あるいは前年の1~6月の課税売上高が1000万円を超えている
- サラリーマンの場合、前々年の課税売上高あるいは前年の1~6月の副業での課税売上高が1000万円を超えている
売り主が法人の場合:
- 前々事業年度の売上高、あるいは前事業年度開始の日以後半年間の課税売上高が1000万円を超えている
- 会社の資本金が1000万円以上
より詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
不動産を売却する際、消費税がかかるのかどうかは大きな問題ですよね。不動産売却では大きなお金が動くので、課税されるかどうかで数百万単位で得られる金額が変わってきます。「自分の不動産に消費税がかかるかどうかすぐに判断したい!」と[…]
Q2.マンションの売却を途中でやめた場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はある?
媒介契約中にマンション売却を取りやめた場合、仲介手数料は発生しません。
これは、仲介手数料が成約報酬であるためです。
ただし、仲介業務の範囲外で不動産会社に広告活動などを依頼していた場合、その広告活動に関する費用を請求される可能性はあります。
Q3.買取でのマンション売却にも仲介手数料はかかる?
不動産会社に買い取ってもらう形でマンションを売却する場合、仲介ではないので仲介手数料は請求されません。
ただし、買取によるマンション売却は仲介による売却相場の6~7割ほどの価格になるので、利用の際には注意が必要です。
マンションの買取については下記の記事で詳しく解説しています。
「マンションを早く売って現金化したいのに、なかなか売れない…」というのはマンション売却によくある悩みです。マンションを売る際、一般的なのは不動産会社を通して買い手を探す「仲介」ですが、早く売りたい人には「買取」という選択肢があります[…]
Q4.共有名義のマンションの売却の場合、費用は誰が負担する?
共有名義のマンションを売却する場合、持分割合に応じてかかった費用を負担します。
持分割合とは、物件の所有する権利の割合を示したもので、登記簿上に記載されています。
また、売却で得た利益も持分割合に応じて分配されます。
マンション売却で得た利益や費用の配分を持分割合とは別で設定する場合には、その旨について名義人全員に同意を得ましょう。
書面などで同意を得たことを分かりやすくしておくと、トラブルが発生したときに解決しやすくなります。
また、持ち分割合と利益や費用の配分が大きく異なると、
Q.マンション売却をするときは何からはじめたらいいの?
マンションを売却するときは、まずはマンションの査定からはじめましょう。
マンションの査定をし、「自分のマンションがいくらほどで売れるのか」を知った上で資金計画を立てるのがマンション売却の第一歩です。
以下では、おすすめのマンション査定方法として、「すまいステップ」を利用した不動産一括査定をご紹介します。
一括査定サイトのすまいステップは大手から地域密着まで、全国の不動産会社を扱っており、クレームの多い悪徳業者を除く厳選した審査も実施されているため、初心者でも安心です。
また、不動産売却をするにあたって、最初の関門である複数の不動産会社への査定を、ウェブサイト上でカンタン60秒で行えることが大きな魅力です。
あとはそのなかから納得のいく不動産会社を選ぶだけです。
不動産売却の初心者のかたにこそ利用して欲しい一括査定サービスなので、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
なお、マンション売却を検討している方は以下の記事も合わせてご覧ください。
また、マンションを高く早く売る方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「マンションを売りたい!」と思った時、そもそも何から始めればよいか迷ってしまう人も多いと思います。情報を調べようにもインターネットにはたくさんの情報が溢れていて、何を参考にすべきか困ってしまいますよね。この記事では、「マンシ[…]