マンションを売却する際、気になる点がいくつも出てくるでしょう。なかでも費用がかかるハウスクリーニングをしたほうがよいかどうかは悩みどころです。ハウスクリーニング費用にも相場があり、どんな業者に依頼すればよいのか迷うところでしょう。
この記事では、マンション売却時のハウスクリーニングについて解説します。ハウスクリーニングのメリットや相場価格についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マンション売却する時クリーニングは必要?
マンションを売却する際に、クリーニングを行う義務はありません。クリーニングする義務はないとしても、買い主に引き渡す前には、可能な限りきれいな状態にしておきたいと思う人もいるでしょう。
自分たちで掃除をして引き渡す方法でも、もちろん構いません。ただ、長年暮らした住宅であれば、プロでなければ落とせない汚れもあるでしょう。
自分たちでできる範囲のことはして、部分的にハウスクリーニングを依頼するという方法もあります。
クリーニングをしないと売却額に関わる
マンション売却をする際、前述ではクリーニングする義務はないと言及しましたが、クリーニングをしておかないと、売却額に影響する場合があります。
売却活動中に買い手がチェックするのは、立地条件や築年数はもちろんですが、水回りなど綺麗に保たれているかもチェックの対象となります。
他にもクリーニングをしておかないと、売却の値引き材料になり、本来売却したい価格よりも低い売却額になってしまいます。(2章にて詳しく解説しています。)
売却時ハウスクリーニングが必要な場合
マンションを売却する際に「ハウスクリーニング必要なの?」と思う方もいるのではないのでしょうか。状況によってはハウスクリーニングが必要な場合があります。
部屋が汚い場合
自分で掃除して部屋がきれいになるくらいであれば、クリーニングは不要ですが、目に余るくらい部屋が汚いとハウスクリーニングが必要になってきます。
長く住んでる場合、特にキッチンや浴室、洗面所などの水回りや壁、天井には落としにくいカビなどが発生しています。
そのような頑固な汚れが残っていると、買い手は値引き交渉を行ってくるでしょう。自分で掃除をして汚れが取れないと感じたらハウスクリーニングが必要になってきます。
築年数が浅い場合
築5年ぐらいまでのマンションは、キッチンや浴室などの設備も新築マンションの設備と大きく変化はありません。また住んでいる期間が短いため、部屋や水回りの劣化はそれほど進んでいないという物件がほとんどです。
このような物件に対して、検討している買主はリフォームやリノベーションをする方は少ないため、事前のハウスクリーニングが効果的になり、内覧時に清潔感を与えることができます。
売却時ハウスクリーニングが不要な場合
上記ではハウスクリーニングが必要な場合について解説しましたが、逆に不要な場合もあります。以下では売却時にハウスクリーニングが不要な場合について解説しています。
部屋がきれいな場合
常日頃から部屋を綺麗にしている方はハウスクリーニングは必要ないです。
部屋を綺麗にしている場合、ハウスクリーニングを依頼せずに自分で掃除をした方が費用が浮き、節約ができます。
それでも心配な方は、部屋全体だけではなくピンポイントでハウスクリーニングを依頼することができるので、気になるところだけクリーニングしてみてはいかがでしょうか。
築年数が古い場合
築年数が30年を超えた物件は、売却を考えるのであれば、部屋内のほとんどのものを交換する必要があると言えるでしょう。比較的、需要は少な目です。
また築年数が古いマンションが売れる判断基準は、クリーニング以前に新耐震基準かどうかといった問題もあります。
しかし例外があり、マンションの老朽化によって修繕や耐震補強工事をする場合や人気エリアに立地しているマンションは売却することができる可能性があるので、クリーニングする価値はあります。
リフォーム・修繕をする必要はなし
マンション売却をする際、リフォーム・修繕をする必要はありません。
リフォームや修繕を行えば、見た目の印象が良くなります。しかし費用の額はクリーニングよりも高額であり、費用を回収できるとは限りません。
またマンションの購入希望者の中には、「リフォーム前の部屋が良かった」「購入してから自分で手を加えたい」という場合が多々あり、リフォームなどは必ずしもおすすめするものではありません。
マンション売却前にクリーニングをするメリット・デメリット
マンションの売却前に、クリーニングを行うかどうか迷っている人もいるでしょう。クリーニングは義務ではありませんが、行っておいたほうがよい理由はたくさんあります。ここでは、ハウスクリーニングをするメリット・デメリットについて解説していきます。
- マンション売却前にクリーニングをするメリット
- マンション売却前にクリーニングをするデメリット
マンション売却前にクリーニングをするメリット
メリット①:値引きの材料にされないため
売却前にクリーニングを行っておく理由のひとつは、少しでも高値で売却できるからです。内覧の際に、汚れが目立つ場所があった場合、購入希望者からそれを理由に値引きの交渉をされてしまうこともあります。
空室の状態でマンションを売却する場合、基本的には売主が立ち会うことはありません。不動産会社の営業スタッフが立ち会います。業者相手であるため、購入希望者も値引き交渉がしやすい状況ということです。
少しでも、高値でマンションを売却したい場合には、目立つ汚れがある場所は少し費用をかけてでもクリーニングをしておくことをおすすめします。
メリット②:買い手が増える
マンションの売却活動のひとつに、広告があります。広告にはできるだけきれいな写真を掲載するように、不動産会社も工夫はしてくれます。
ただ、画像を加工したり、偽ることはできないため、ありのままの状態を掲載するのは当然のことです。
室内がきれいな物件は、内覧希望者も必然的に増えます。リフォームまではできなくても、せめてクリーニングをして、清潔な状態の写真を掲載することで、買い手を増やすことができるでしょう。
メリット③:早く売れる
マンション販売広告を見てみるとわかりますが、部屋数や構造など、よく似た条件の物件が多く並んでいるケースがほとんどです。築年数や部屋数などが同条件であった場合、あとは何を見て購入を検討するでしょう。
やはり室内のきれいさではないでしょうか。同条件のマンションであれば、きれいな状態のマンションを購入したいと思うことは、自然なことです。
もし、少しでも早くマンションを売りたいのであれば、クリーニングを行って室内をきれいな状態にしておくことがおすすめです。
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メリット④:売主の印象を良くする
引越しをしながら、マンションの売却活動を進めることもあるでしょう。荷物が完全に片付かない状態で、内覧をしてもらわなければならないケースもあるかもしれません。
そんな場合でも、荷物が整理整頓されていて、床や水回りがきちんときれいに清掃されていれば印象はかなりよくなります。
いくら引越しの途中だからといって、荷物が部屋に散乱していたり、壁や床、水回りが汚れた状態では、売主がだらしないのでは、と疑われてしまうこともあります。
引越しの途中でも、大きな家具などを出してしまっているのであれば、クリーニングを依頼して、水回りなどだけでもきれいな状態にしておくとよいでしょう。
前に住んでいた人が、だらしない人だったのでは、と思われてしまうと購入意欲が減退してしまう可能性もあります。
メリット⑤:売れ残りを防ぐ
売却したいと考えているけれど、長年売れずにいるという人は全体の3割ほどいます。これを考えると、売却活動が長くなればなるほど、売れなくなってくるということがいえるでしょう。
売れない理由のひとつが、室内の汚れです。新しい生活をしたいと考えて、マンションを購入する人にとって、以前住んでいた人がつけた汚れがそのまま残っているというのは、あまり好ましい状態ではありません。
そのため、少し費用がかかっても目立つ汚れはクリーニングで落としておくことがおすすめです。売れ残りにならないため、少しでも早く売却するためには、売主側も努力する必要があるということです。
マンション売却前にクリーニングをするデメリット
デメリット①:費用がかかる
マンション売却前にハウスクリーニングを依頼すると、当然ですが費用がかかってしまいます。
クリーニングを行う箇所や会社によって料金は異なりますが、部屋全体のクリーニングを行う場合、部屋の面積によっても変わりますが、平均3万円~5万円程度、水回りのみのクリーニングで6,000円~2万円程度とピンキリです。
マンション売却までにかかるコストが高くなってしまうと、売却価格で損してしまうこともあります。
デメリット②:ハウスクリーニングしても売却価格とはあまり関係ない場合も
ハウスクリーニングを行うと、購入希望者に良い印象を与えることができます。
しかし、ハウスクリーニングでかけた費用が必ず売却価格に繋がるとは限りません。
例:10万円以上かけてハウスクリーニングを行ったとしても、10万円以上が売却価格に上乗せされるとは限りません
どちらかというと、値下げ交渉の材料にされない・早期売却といったところが、ハウスクリーニングを行う効果になるでしょう。
マンションのクリーニングにかかる費用相場
上記ではハウスクリーニングの必要性、メリットについて解説してきました。
マンション売却をする際に、クリーニングにかかる費用はどのくらいなの?と考えている方も多いのではないのでしょうか。
以下ではハウスクリーニングにかかる費用・相場について解説しています。
他にもハウスクリーニングに依頼する際に料金を安くする方法や大手業者と地元業者の料金比較も掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
マンションの間取り別の費用相場
同じ住宅でも、住んでいるか空室かでハウスクリーニングにかかる費用相場には差があります。また、部屋の間取りでも相場は変わり、広いほどコストは高くなります。
部屋の広さ | 空室の費用相場 | 居住中の費用相場 |
1R~1DK | 15,000円~22,000円 | 15,000円~28,000円 |
1LDK~2LDK | 28,000円~39,000円 | 40,000円~50,000円 |
3DK~4DK | 42,000円~45,000円 | 53,000円~65,000円 |
4LDK・5DK~ | 46,000円~ | 65,000円~ |
上記の表を見てもわかりますが、空室の場合は部屋に物がなくスムーズに作業がしやすいために費用相場は安くなっています。
また大手クリーニング業者と地元クリーニング業者ではかかる費用も異なってきます。
業者にハウスクリーニングを依頼する場合、複数社の見積もりを取り寄せて、掃除の内容や範囲、料金を比較して決めることが重要になってきます。
水回りのみ依頼した場合の費用相場
ハウスクリーニングでは、マンションのお部屋全体の掃除以外にも特定の場所だけ掃除することも可能です。
水回りの費用は広さや、設備の種類、汚れ度合いで料金が変わってきます。
場所 | 費用相場 |
浴室 | 12,000円~18,000円 |
トイレ | 6,000円~9,000円 |
洗面所 | 7,500円~10,000円 |
キッチン | 12,000円~20,000円 |
水回りパック | 3点セット15,000円~38,000円/5点セット18,000円~75,600円 |
作業箇所が増えるほど費用は高くなってきます。複数の箇所を依頼する場合、「水回りパック」などのパックなら複数を依頼するよりもお得にクリーニングすることができます。
大手業者と地元業者の相場費用の差
間取り別:大手業者と地元業者の相場費用の差(居住中の場合) | ||
間取り | 大手業者 | 地元業者 |
1R~1DK | 15,000円~28,000円 | 17,000円~24,000円 |
1LDK~2LDK | 40,000円~50,000円 | 25,000円~32,000 |
3DK~4DK | 53,000円~65,000円 | 32,000円~56,000円 |
水回りの場所別:大手業者と地元業者の相場費用の差 | ||
水回り場所 | 大手業者 | 地元業者 |
浴室 | 12,000円~18,000円 | 12,000円~14,800円 |
トイレ | 6,000円~9,000円 | 6,000円~9,000円 |
洗面所 | 7,500円~10,000円 | 6,000円~9,500円 |
全体的に見れば、大手業者よりも地元で営業しているハウスクリーニング業者の方が料金は安いです。
しかし「安ければ良い」というわけでもありません。安くてサービスが悪ければ、依頼した意味がなくお金の無駄になってしまうからです。
依頼前にしっかり業者について調べておく必要があり、業者の口コミ評判などを調べておくと、費用の無駄やトラブルを事前に防ぐことができます。
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閑散期に依頼をする
クリーニング業者にも繁忙期があります。みんなが一斉に大掃除をしはじめる12月や、引越しをする人が多くなる3月などは繁忙期にあたります。
この時期に重なると、予約が取りにくいだけでなく、料金も業者によっては、少し高くなる可能性もあります。
また、料金についても値下げ交渉をしやすい時期であるため、急ぎでなければ閑散期をねらったほうがよいといえるでしょう。
マンションをクリーニングする際の注意点
マンションのクリーニングを依頼する場合、いくつかの注意点があります。マンションを早く売却するには、クリーニングを依頼したほうがよいことは解説しました。
ただ、焦って依頼業者を決めてしまったり、クリーニングのタイミングを間違えると、損をすることもあります。
ここでは、マンションをクリーニングする際の注意点について3点解説します。
ホームページの価格よりも高くなるケースがある
マンションのクリーニングを検討している場合、まずはホームページなどで料金を検索するでしょう。ここで注意したいのは、ホームページに記載されている価格です。記載価格は、基本的には最低価格であることには注意しましょう。
記載してある価格が安いからと、それだけで契約をしてしまうと、後から追加料金が必要あったことなどを知らされるケースもあります。
クリーニングを依頼するなら、まずは見積もりを取ってしっかりと金額を把握してからにしましょう。
内覧前に行う
クリーニングを行うには、タイミングも重要です。マンションの売却を決めたら、できるだけ早めにクリーニングを行いましょう。売却活動がスタートすると、いつ内覧希望者が現れるかわかりません。
内覧の時点で、マンションがまだきれいにできていないと、せっかくの売却のチャンスを逃してしまう可能性もあります。
購入希望者が内覧に来る前に、しっかりとクリーニングをしてきれいな状態を見てもらうことがスムーズな売却のためのポイントです。
自分で掃除できるところは自分でやる
クリーニングには、それなりの費用がかかります。ハウスクリーニングのように家全体の掃除を頼むとなると相当の予算が必要です。
マンション売却を行う場合、引越しをともなうケースでは引越し費用、新居の準備費用などほかにも多くのお金が必要となるでしょう。
そのため、できることは自分でして節約することも大切です。クリーニングは、1カ所からでも依頼可能です。
自分でできる掃除については、可能な限り自分で行い、どうしてもプロの手を借りたい場所だけをクリーニング業者に依頼すれば節約につながります。
クリーニング業者の選び方
クリーニングを依頼するには、まず業者を選ばなくてはなりません。クリーニング業者は多数あるため、どのような点を比較すればよいのかわからないという人もいるでしょう。
ここからは、クリーニング業者の選び方について詳しく解説します。
賠償責任保険に入っている業者を選ぶ
クリーニング業者を選ぶ際、まず確認したいのは賠償責任保険に加入しているかどうかです。たとえば、クリーニング中に何かを壊してしまう可能性もあります。
この場合、賠償責任保険に加入している業者であれば、壊れたものの修理代が保証されます。
保険に加入していない業者の場合は、自己負担で修理しなくてはならないケースもあるため注意が必要です。
見積もりは複数社から取る
クリーニングにかかる費用は、業者によって異なります。そのため、複数の業者から見積もりを取って1社に絞る必要があります。ただ、自分だけではどの業者を選べばよいかわからないという人も多いでしょう。
そうした場合に便利なのが、一括見積もりサイトの利用です。一括見積もりサイトであれば、自宅にいながらwebサイト上で情報を入力するだけで複数社にまとめて見積もりを依頼することが可能です。
見積もりを取った上で、料金、サービスをよく比較して業者を決めるとよいでしょう。
口コミを確認する
ハウスクリーニングを依頼する場合、見積もりだけでなく、口コミも参考にしてみましょう。口コミサイトには、いろいろな情報が記載されているため、すべてを信頼するかどうかは自己判断です。
あくまでも、参考程度にはなりますが、口コミを参考に業者を絞り込むという方法もあります。
きれいにして早く買い手がつくようにしよう
マンションをできるだけ早く売却したい場合には、クリーニングをして室内をきれいにしておくことがポイントです。
マンション売却を希望している人のうち3割が売れ残った物件を抱えている状況です。マンションが売れない理由のひとつが、室内の汚れです。
汚れたマンションよりも、少し高額でもきれいにクリーニングされたマンションのほうが売れやすいということでもあります。予算を決めてクリーニングを依頼することで、できるだけ早く買い手がつくようにしましょう。