ローン残債の残っているマンションを売却する場合、「手持ち資金の持ち出しなく売却できるのか」と不安に感じる方は多いです。
結論、売却代金でローンを一括返済できれば、手持ち資金の持ち出しなくマンションを売却できます。
どうやって一括返済をするのでしょうか?
もし売却代金でローン残債を完済できない場合はどうすればいいのでしょうか?
この記事では、マンション売却時にローンを一括返済する方法や、完済が難しい場合の解決策を解説します。
マンション売却の手数料はいくら?その他の費用・税金も分かりやすく解説!
マンションのローン残債は売却時に一括返済する
一般的に、ローンが残ったマンションを売却する場合は売却代金で住宅ローンを一括返済します。
マンションの売却代金がローン残債より多い場合は、売却代金でローン残債を一括返済します。
ローン残債と売却にかかった費用を売却代金から差し引いた残りが利益として手元に残るイメージです。
例えば、2,000万円のローンが残っているマンションを5,000万円で売却したとします。
5,000万円が入金されると同時に、ローン残債2,000万円を完済し、手元には3,000万円が残ります。
つまり、手持ち資金の持ち出しなくマンションを売却できます。
そもそも、ローンが残っているマンションには金融機関が抵当権が設定されており金融機関の許可なく売却できません。
抵当権とは、ローンの支払いが滞った場合に金融機関が不動産を担保にすることのできる権利です。
マンションを売却するにあたって抵当権を外す必要があるため、売却と同時に住宅ローンを完済し抵当権を抹消してマンションを売却します。
しかし、まれに住宅ローンの残債額がマンションの売却代金を上回ることがあり、その場合は手持ち資金などで不足分を補う必要があります(詳しくは「マンション売却のローンを一括返済できない時の対処法」の章で解説します)。
予想外の持ち出しが発生しないよう、まずはローン残債額を把握することから始めましょう。
住宅ローンの完済額は金融機関のwebサイトや、10~11月に金融機関から送られてくる残高証明書で確認できます。
マンションの正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社から査定を受けることがオススメです。
すまいステップから査定申し込みをすると、不動産会社のプロが最新の相場を踏まえてマンションの売却相場を算出してくれます。



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マンション売却時のローン残債一括返済手続き
一括返済でマンションの住宅ローンを完済するには、事前に手続きが必要です。
この章では、ローン残債を一括返済する手続きの流れを紹介します。
準備をするものなどについて、詳しくは不動産会社の担当者が教えてくれるのでここでは概要を抑えましょう。
①金融機関に一括返済をしたい旨の連絡をする
マンションを売却することを決めたら、金融機関にマンションを売却する予定があることを連絡します。
決済日は決まっていなくても構いません。
遅くともマンションを引き渡したい日の2カ月前までには金融機関にコンタクトを取りましょう。
②引き渡し日を決め、金融機関に報告する
買主が見つかり引き渡し日が決定したら、引き渡し日の1カ月前までに金融機関に引き渡し日を伝えましょう。
引き渡しと同時にマンションの一括返済と抵当権抹消手続きをするためです。
引き渡し日までに金融機関からは抵当権抹消手続きに必要な書類が送られてきます。
抵当権抹消手続きを司法書士に依頼するときは、司法書士が書類の作成をしてくれます。
③返済金額を確定する
変動金利で融資を受けていると、一括返済をするタイミングや市況によって清算しなければいけない利息(=未払い利息)が発生することがあります。
返済日が決まったら、金融機関は未払い利息を日割りした分を含めて最終的な返済額を確定します。
また、多くの金融機関では住宅ローンを一括返済するために1~3万円の手数料がかかります。
ネットから手続きをすると手数料が無料になる銀行も増えているので早めに調べて手続きしましょう。
④引き渡し日に売却代金でローンを一括返済する
引き渡し日当日は金融機関の応接室に売主・買主・不動産会社が集まって代金の支払いとローンの返済をします。
抵当権抹消手続きを司法書士に依頼する場合は売主がすることは特にありません。
登記内容が変更されマンションの売却が完了します。
ローンの完済が難しい場合の対処方法
マンションの売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の場合の対処方法を、下記のフローチャートに従って見ていきましょう。
- 手持ち資金で補う
- 住み替えローンを利用する
- 任意売却する(※)
※一般的に、任意売却はローン返済が遅延している方が対象です。また任意売却を判断するのは、債務者より債権者(抵当権者)が判断します。
手持ち資金で補う
まずは、売却金の不足分を手持ち資金から補ってローンを完済する方法です。
売主から売却金が振り込まれると同時に自己資金と合算され、ローンが完済されます。
これにより、ローンがあってもマンションを売却できるのです。
自己資金としては以下のようなものが使えます。
- 貯金
- 両親から借りたお金
新たな借り入れが不要のため、利息分の出費を抑えられる点がメリットです。
どのぐらいの持ち出しでマンションを売却できるのかを調べるために、まずはマンションを査定しましょう。



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住み替えローンを利用する
売却と同時に転居先の購入も行なう買い替えの場合は、各金融機関の「住み替えローン(買い替えローン)」を利用してローン残債のあるマンションを売却できます。
住み替えローンとは、マンション売却後のローン残債と新居の住宅ローンをまとめて一緒に組めるローンのことです。
現在のマンションのローンと新居の購入資金まとめて借りられる点が特徴です。
ただし、二重にローンを借りることになるため、通常の住宅ローンに比べて金融機関による審査が厳しいです。
審査では以下のような要素がチェックされます。
- 年齢
- 年収
- 現在のマンションローン残高
- 新たに購入する物件の価格と担保評価額
- 過去の借入履歴
- ローンの延滞記録
くれぐれも、住み替えローンを検討する際は「借りすぎ」に気をつけてください。
マンションの売却価格やローン残高をもとに返済計画をしっかりと立てましょう。



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任意売却する
ローン残高の支払いがどうしても難しい場合、「任意売却」という方法があります。
任意売却とは、金融機関の合意のもとローンの残った不動産を売却する方法です。
先述の通り、ローンの残っているマンションには通常、抵当権がついており売却ができません。
そこで、抵当権を外して売却してくれるよう交渉した上で売却します。
これが任意売却です。
ただし、任意売却は金融機関との交渉によって可否が左右されてしまうため、なるべく避けたい方法です。
その理由は、任意売却する過程で個人の信用情報に傷がつくケースが多いからです。
金融機関は抵当権を外すにあたり、売主に本当にローンを返す能力がないかを確認します。
たとえば、「ローンを滞納している事実があるか」などです。
また任意売却をしても、残ったローンは支払い続けていく義務があります。
任意売却を行うかどうかは、メリットやデメリットを考慮した上で慎重に判断するようにしましょう。
任意売却とは?通常売却と比較して流れやメリット・デメリットを解説!
まとめ
ローン残債のあるマンションを売却する方法をご紹介してきました。
はじめに取り掛かるべきことは「自分のマンションがいくらで売れるか」を知ることです。
マンションを手持ち資金の持ち出しなしで売却するには、正確な売却価格を知る必要があります。
マンション査定を受ける時は、複数の不動産会社から査定を受けましょう。
下のグラフは、株式会社Speeeが不動産売却を行った経験者1500人にアンケートを取った結果です。
複数社に査定依頼を行った人のうち、およそ7割の人が査定額に100万円以上の差が出たと答えています。
1社だけから査定を受けると、その査定額が相場感に照らして正しいのか分かりません。
必ず複数社から査定を受けて査定額を比較しましょう。
複数社から査定を受けるなら、「不動産一括査定」がおすすめ
複数社から査定を受ける場合は、不動産一括査定がおすすめです。
不動産一括査定とは、一度の入力で複数社に査定依頼ができるWeb上のサービスです。
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「宅地建物取引士」や「不動産仲介業の経験5年以上」などの厳しい条件をクリアした担当者を厳選しているため、「ローンのあるマンションの売却について相談したい」という方におすすめです。
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記事のおさらい
ローンが残っていても手持ち資金の持ち出しなくマンションを売却できますか?
売却代金がローン残債を上回る場合は、売却代金でローンを一括返済することで持ち出しなくマンションを売却できます。詳しく知りたい方はマンションのローン残債は売却時に一括返済するをご覧ください。
マンションのローン残債を一括返済できない場合はどうすればよいですか?
マンションのローン残債を売却代金で返済できない場合は、手持ち資金などからマンションを売却します。詳しくはローンの完済が難しい場合の対処方法をご覧ください。