「住宅ローンの支払いがキツイ……」
「滞納し続けたらどうなるの?」
住宅ローンの返済で困っている方はこのような疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。
この記事では、競売の詳細や解決策について解説します。
- この記事でわかること
- 競売について
- 滞納から競売までの流れ
- 払えないときの解決策
- 滞納中のNG行動
- 実際に払えない人の体験談
住宅ローンの返済で困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
住宅ローンが払えないと最終的に競売にかけられる
住宅ローンを滞納し続けると、最終的に競売にかけられてしまいます。
競売に関しては、裁判所の公式サイトで以下のように記載されています。
不動産の競売手続とは,債権を有している人(債権者)の申立てにより,裁判所が,債務を弁済することができなくなった人(債務者)の所有する不動産を差し押さえて,これを売却し,その代金を債務の弁済にあてる手続です。
引用:裁判所
つまり、住宅ローンを借りている人の家を強制的に売却して、売却資金を住宅ローンの返済に充てる法律です。
住宅ローンが払えなくなってから競売までの流れ
住宅ローンを滞納してから滞納までの流れを解説します。
滞納期間に応じて以下のように進みます。
【1~3ヶ月】督促状が届く
住宅ローンの返済が滞ると、債権者である銀行や信用金庫などの金融機関から、支払いを求める電話や通知書類が届きます。
滞納から2ヶ月を過ぎると、店舗にて事情を説明することを求める来店依頼状や、督促状が届きます。
また、金融機関にもよりますが、概ね3ヶ月以上住宅ローンを滞納すると、個人信用情報機関に返済の遅延情報が記録されます。
【3~6ヶ月】残高の一括返済を求められる
滞納を続けて3~6ヶ月が経過すると、「期限の利益の喪失」の通知が届きます。
「毎月分割払いでローンを返済できること」を表します。
つまり、期限の利益を喪失すると分割払いの権利を失い、その時点での住宅ローンの残債務を一括で返済しなければならなくなるのです。
ローン借入時に保証会社と契約している場合は、期限の利益の喪失後に「代位弁済」が行われます。
以降は金融機関に代わって保証会社が債権者となり、債務者に一括返済の請求を行う一方で、競売に向けた準備を始めます。
【9ヶ月~】競売開始決定通知が届く
代位弁済後も債務が返済されない場合、保証会社は裁判所に対して競売の申し立てを行います。
競売の申し立てが受理されると、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。
競売の手続きを開始したことと、不動産を差し押さえたことを知らせる書類のこと
また、競売に向けて「現況調査」が実施されます。
裁判所の執行官と不動産鑑定士が自宅に訪れて、写真撮影・間取りの確認・周辺環境調査などの調査を行うこと
【1年半】強制退去を命じられる
滞納開始から約1年半で、差し押さえられた家の競売が実施され、落札者(買受人)が決定します。
債務者が家に居残り続ける場合には、買受人から裁判所に対して「引渡命令」や「強制執行」の申し立てが行われます。
引渡命令や強制執行の申し立てが受理されると、執行官によって債務者は家から強制退去させられることになります。
住宅ローンが払えないときの解決策
住宅ローンを払えないときは以下の方法で解決しましょう。
銀行等に相談する
まずはローンを借り入れている銀行・信用金庫などの金融機関に相談しましょう。
ローンを組んだ当初から収入状況が悪化し、返済が苦しくなってしまっている場合は、金融機関に返済計画の変更(リスケ)を依頼するとよいでしょう。
具体的には、以下のような方法で支払いの負担を緩和します。
- 借入期間(返済期間)を延長する
- 返済額を減額する
- ボーナス払いを中止・減額する
- 元金の返済を据え置きして利息のみ支払う
注意しなければならないのは、これらはあくまでも返済に猶予を設けてもらう対応であるという点です。
むしろ、返済期間が延長される分、利息を含めた支払い総額は膨らみます。
今後も返済が厳しい場合は、現在の家を売却して住み替えるなど、暮らしの在り方の根本的な見直しが必要となります。
保険金が適用できないか確認する
病気や事故によって住宅ローンの返済が困難になりそうな方は、加入している保険が適用できないか確認してみましょう。
住宅ローンを組む際、多くの金融機関では「団体信用生命保険(団信)」という保険への加入を義務付けています。
ローン名義人が死亡した場合に保険金でローン残高が弁済される保険
加入者の死亡時以外にも、所定の高度障害あるいは身体障害に認定された場合も保険適用の対象となります。
また、団体信用生命保険と併せて特定疾病保障のオプションをつけて契約した方や、「住宅ローン返済支援保険」に加入した方は、保険金の支払い対象となっている可能性も考えられます。
住宅ローンを借り換える
借入している住宅ローンの金利負担が大きい場合は、今よりも金利の低い住宅ローンに借り換える手段があります。
以下のようなケースでは、住宅ローンの借り換えによって月々の返済額や総支払額が安くなるメリットを受けやすいです。
- 借り換え前後の金利差が1%以上ある
- 返済期間が10年以上残っている
- ローンの残高が1,000万円以上ある
ただし、住宅ローンの新規借入時と同様に、借り換え時にも審査が行われます。
また、現在借り入れているローンを一括返済したり、抵当権を設定し直したりするための費用がかかることにも留意しておきましょう。
仲介で売却する
住宅ローンを返済し続けられる見通しが立たない場合には、現在の家を売却して手放すことを検討してみましょう。
売却代金でローン完済できるなら、金融機関に売却することを伝えた上で問題なく売却可能です。
持ち家を手放さなければならないのは大きなデメリットに感じられるかもしれません。
しかし、売却代金でローンを一括返済できれば債務は清算されるため、金融事故が起きるリスクを解消できます。
任意売却する
住宅ローン債権者の同意が得られれば、ローンを一括返済できなくても抵当権を抹消してもらって家を売却できる方法
任意売却したい場合は任意売却の実績が豊富な不動産会社に相談するのがおすすめです。
詳しくは、以下の記事をご参照ください。
リバースモーゲージを利用する
リバースモーゲージとは以下の制度です。
所有する住宅を担保に融資を受け、利用者(高齢者等)の死亡等で契約が終了したときに、担保不動産の処分等によって元金又は元利一括返済する融資。
住宅ローンを払えないときの注意点
住宅ローンの返済が困難になってしまったとしても、以下の行動はやってはいけません。
ここからは住宅ローンが払えない時にやってはいけない注意点について、更に詳しく見ていきます。
金融機関からの連絡を無視する
住宅ローンを滞納してしまうと、債権者である金融機関から連絡が来ます。
しかし、そのまま連絡を無視して放置していると個人信用情報に傷がつきます。
まずは金融機関にすぐに返済できない事情を説明し、相談しましょう。
新たにお金を借り入れる
住宅ローンの返済に充てるために、キャッシングやカードローンを利用してお金を用意するのはやめましょう。
また、キャッシングやカードローンの利用履歴は、住宅ローンの借り換えのための審査に影響します。
これらのことから、新たなローンで借り入れるのはやめた方がよいでしょう。
夜逃げする
住宅ローンの返済が滞ってしまい、最終的に「夜逃げ」をする人もいます。
しかし、夜逃げしたとしても残された家は競売にかけられ、負債は残り続けます。
絶望的な気持ちになってしまったとしても、夜逃げや放置をせずに専門家に相談して対処しましょう。
住宅ローンが払えない人の体験談
実際に住宅ローンが払えなくなった人の体験談をご紹介します。
返済できなくなった経緯や解決した方法を参考にしましょう。
離婚により住宅ローン返済が困難に……
45歳・男性
金銭面での離婚、住宅ローンの滞納、なにもかもが不安だらけでした。そんななか担当セールスの方が親身になって相談に乗ってくれ色々と不安な気持ちを減らしていただけたことにすごく感謝してます。
結局は人と人との間でおこなわれることなので会社はもちろんだとは思いますが担当者がどれだけ信頼できるかどうかってのがおおきいと思います。あたりまえのことですが私はそう改めておもいました。
和歌山県岩出市 / 40代 / 離婚 / 一戸建て / 築10年~15年 / 3LDK
査定額1,780万円→売却価格1,580万円
不動産会社 | (担当者:) |
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不動産会社の決め手 | 信頼できる担当者だった |
担当者の特徴 | 返信が早かった |
満足度 | 2.3 |
うつ病を発症して返済が困難に……
50歳・男性
うつ病を発症し、仕事が出来なくなりました。療養期間が長期になり、住宅ローンを払うことが困難なので売却を決断しました。売却して住宅ローン完済して、新居の資金と今後の生活費がどの位残るのか不安でした。
人それぞれの事情があるのでしょうが、売却するしない関係なく、期間に余裕をもって複数の不動産会社に査定してもらうのがよいです。
大阪府四條畷市 / 40代 / 金銭的な利用のため / 一戸建て / 築10年~15年 / 5LDK以上
査定額1,900万円→売却価格1,920万円
不動産会社 | (担当者:) |
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不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 積極的に販売活動を実施 |
満足度 | 4.3 |
連帯債務者の息子が独立して返済が困難に……
59歳・女性
住宅ローンの連帯債務者の息子が独立して住宅ローンの支払いが困難になったのをきっかけに財産整理も兼ねて売却しようと思った時、最終的にどのくらいで売れるかが不安だった。
私の場合は担当者ととても相性が良かったのだと思います。自分の条件を満たしてくれる会社や担当者を見つけることが良いと思います。
東京都町田市 / 50代 / 金銭的な利用のため / マンション / 築6年~10年 / 3LDK
査定額3,600万円→売却価格3,600万円
不動産会社 | (担当者:) |
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不動産会社の決め手 | 信頼できる担当者だった |
担当者の特徴 | 積極的に販売活動を実施 |
満足度 | 5 |
まとめ:住宅ローンが払えなくなる前に相談を
住宅ローンが払えなくなった場合の状況や解決策を解説しました。
最後にまとめて確認しておきましょう。
住宅ローンは長期的に組むケースが一般的であり、病気や怪我などにより払えなくなる可能性もあります。
万が一払えなくなってしまった場合は、早めに銀行に相談したり任意売却したりすれば最悪の事態は免れます。
今現在ローンを滞納している方は、落ち着いて返済計画を確認して借入先の金融機関へ相談しましょう。