「住宅ローンが残っていても売れるの?」
「住宅ローンが払えないと最終的にどうなるの?」
離婚、転勤、住宅ローンの支払いがキツい、などの理由で住宅ローン中の家を売りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
結論として、住宅ローンが残っていても家は売れます。
ただし、オーバーローンとアンダーローンによって売却方法が異なるため、それぞれの状況に合った売却方法について詳しく解説します。
住宅ローン中の家を売りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
住宅ローン中の家を売る前に確認しておくこと
家を売るには現状を把握するのが大切です。
次の3ステップで現状を把握しましょう。
ステップ①:ローンの残債を確認する
まずは、ローンの残債を確認しましょう。
確認方法としては以下の3つがあります。
最も無難な方法は「返済予定表」による確認です。
借入先の金融機関から郵送で送られてきており、返済の予定まで詳しく記載されています。
手元にない場合は金融機関へ郵送の依頼をしましょう。
次の「残高証明書」は、ローン契約時に残高証明書の郵送料を預けている場合のみ毎年送られてくる書類です。
10~11月ごろに送られてくるので確認しましょう。
引用:住宅金融支援機構「住宅ローン減税を受けるための「融資額残高証明書」の発行~見本~」
ほかにも金融機関のウェブサイトでも24時間確認できます。
なお、金融機関によって確認できるかどうかは異なるので問合せてみましょう。
ステップ②:家の売却額を調べる
次に家の売却額を調べましょう。
一般的に、家の売却資金をローンの返済に充てることが多くあります。
売却額を調べるには以下2つの方法があります。
簡易査定で調べる
簡易査定は建物の条件を入力するだけで、その場で査定額がわかる方法です。
また、匿名で利用できるので査定後に不動産会社から営業電話が来る心配もいりません。
興味のある方は以下のシミュレーションを利用してみましょう。
不動産会社に査定依頼する
不動産会社が行う査定は簡易査定より精度が高いです。
訪問査定を依頼すると、担当者が実際に建物を訪れて外観や内観、部屋の内部状況まで考慮して査定額を算出してくれます。
物件の現況を見て査定してくれるので、簡易査定よりも具体的な査定額がわかります。
ただし、不動産会社により査定ポイントの捉え方や比較する事例が異なり、数百万円規模の差額がつくこともあるため、複数社に依頼して比較するのがおすすめです。
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ステップ③:売却額でローン返済できるか確認
住宅ローンの返済は、家の売却資金を充てるのが一般的です。
家の売却資金で残りのローンを返済できるのか確認しましょう。
確認する際は「オーバーローン」と「アンダーローン」のどちらに該当するかを併せて確認するのが重要です。
オーバーローンとは
オーバーローンとは、売却金額よりもローン残高が上回っている状態です。
売却金額だけでは足りないため、不足分を補填しなければなりません。
アンダーローン
一方でアンダーローンは、ローン残高を売却金額が上回っている状態です。
売却金額をそのままローン返済にあてればよいので、最も無難にローン返済できる状態といえます。
なお、家を売却して手元にいくら残るか知りたい方は、不動産会社の査定を受けましょう。
『すまいステップ』なら、厳選されたエース級の不動産会社から、無料で精度の高い査定を受けられます。以下のフォームを入力して、査定を受けてみましょう。
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費用総額シミュレーターで売却にかかる費用を算出してみよう
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
オーバーローンの家を売却する3つの方法
オーバーローンだった際は以下3つの方法で売却できます。
これらの方法であれば、オーバーローンでも売却できます。
ただし、メリットもあればデメリットもあるため、それぞれの内容をよく理解してから検討しましょう。
方法①:手持ち資金で補填する
1つ目の方法は、手持ち資金で完済する方法です。
自分の預貯金などの自己資金内で支払えるのがベストです。
それも難しい場合は、金融機関から無担保ローンを借りる方法もあります。
しかし、融資の審査も厳しく、借りられても高い金利で借りることになります。
住宅ローンの完済に目途が立たない状態で売却する場合は、ある程度の覚悟が必要でしょう。
方法②:住み替えローンを利用する
2つ目の方法は、住み替えローンを利用する方法です。
買い替え先物件の住宅ローンに「ローン残債」を上乗せした形で借りるローンのこと
デメリットとして、借り入れ金額が大きくなるため、住み替えローンは通常の住宅ローンに比べて審査が厳しくなります。
住み替えローンのメリット
- 融資条件によっては、従前の住宅ローンよりも低金利になることもある
- 従前の住宅ローンを完済するための手持ち資金がなくても、住み替えができる
住み替えローンを利用できれば、手持ち資金では従前の住宅ローンの返済ができない場合でも住み替えられます。
また、低金利の住宅ローンを利用すれば、借入額が増えても以前と変わらない返済額に抑えられることもあります。
しかし、デメリットもあります。
住み替えローンのデメリット
- 借入額が増える
- 融資の審査基準が厳しい
当然ながら以前の住宅ローンの残債分を加えた新居の住宅ローンを支払えるだけの収入がないと、住み替えローンの審査には通りません。
新居の購入前に住み替えローンを扱っている金融機関に相談して、利用できるか目途を立てましょう。
方法③:任意売却を検討する
3つ目の方法は任意売却です。
住宅ローンが返済できなくなった際に、金融機関から特別に合意を得て不動産を売却する方法。
金融機関に相談して、返済が難しいと判断された場合に任意売却が認めてもらえるケースがあります。
任意売却のメリット
- 競売ほど売却金額が下がる可能性は低い
- 競売とは違い、差し押さえはなく、近隣に売却完了までわかる心配がない
任意売却は、早めに金融機関に相談することで、差し押さえられる前に通常の仲介に近い形で売却できます。
また、競売のように相場より低い金額での売り出しとなることもありません。
さらに、一般的な仲介と同じなので売却していることが一般に公開されることはなく、近隣に知られることもほとんどありません。
しかし、もちろんデメリットもあります。
任意売却のデメリット
- 銀行の許可が下りなければ売却できない
- 任意売却を得意とする業者に依頼する必要がある
ローンを借りている金融機関に任意売却での売り出しを許可されたとしても、売却する金額や引き渡し日など売買条件についても金融機関が許可しないと売買契約や買主への引き渡しができません。
また、不動産会社によっては任意売却に対応していない会社もあるため、任意売却が得意な不動産会社を探す必要もあります。
アンダーローンの家を売る方法
アンダーローンの場合は、通常の家を売るのとほぼ同じ方法で売れます。
売却代金でローンを返済する
アンダーローンの場合は、家の売却代金からローン残債を返済します。
家の売却代金からローン残債を返却し、売却にかかる費用を支払った残りが手元に残るイメージです。
例えば、4,500万円のローンが残った家を5,000万円で売却したとします。
この場合、まず売却代金の5,000万円でローン残債の4,500万円を完済し、住宅ローンの返済手続きを行います。
ローン残材と売却代金の差額の500万円から、売却代金を支払った残金が手元に残ります。
アンダーローンの家を売る2つの方法
アンダーローンの家を売る方法は大きく2つあります。
- 家を売ってから新居を探す「売り先行」
- 新居を買ってから家を売る「買い先行」
住み替えの段取りを決めるにあたって「売り」と「買い」どちらを先に進めて行きたいか決めておくことで計画を立てやすくなります。
この章では「売り先行」と「買い先行」のそれぞれの特徴を解説します。
資金計画が立てやすい「売り先行」
今の家を売ってから新居探しを始める方法を「売り先行」と言います。
家の売却価格が決まってから新居探しを始めるので、資金計画が立てやすいメリットがあります。
売り先行で家を売る流れは、ざっくり下記のようなものです。
ローン残債の確認
家の査定を受ける
売却活動開始
買主と売買契約締結
新居探し・引っ越し
家の引き渡し・ローン完済手続き
売り先行では、家を売ってからローン探しをするので二重ローンになる心配もありません。
資金に余裕がない方は売り先行がおすすめです。
新居探しに時間が使える「買い先行」
住み替えの資金に余裕があり新居探しにこだわりがあるなら、「買い先行」がおすすめです。
新居探しの時間がじっくり取れるので、条件を妥協せずに新居を決めることができます。
買い先行で家を売る流れは下記の通りです。
新居探し
住宅ローンの借り入れ・新居の代金決済
家の査定を受ける
売却活動開始
買主と売買契約締結
引っ越し
売却代金の受け取り・今の家のローンの完済手続き
買い先行の場合、新居を購入してから今の家が売れるまでの間は、新居と今の家の二重ローンになる点に注意しましょう。
家を売っても住宅ローンが払えない場合はどうなる?
家の売却資金でも住宅ローンを完済できないと最終的にどうなるのでしょうか。
返済に困っている方は、最悪の事態になる前に対策しましょう。
最終的に競売にかけられる
住宅ローンの返済が滞ると最終的に「競売」にかけられてしまいます。
滞納から競売までの流れは以下のとおりです。
住宅ローンの滞納
督促状が届く
残高の一括返済を求められる
競売開始決定通知
競売
強制退去
すぐに競売にかけられるわけではないですが、3ヶ月程度滞納すると督促状が届きます。
その督促状を無視し続けると残高の一括返済を求められ、それすらも無視すると競売開始決定通知が届きます。
競売が開始しても取り下げてもらえるケースはありますが、非常に難しいのが実情です。
そして競売されると家から出て行かなければなりません。
競売に関しては以下の記事で詳しく解説しているので確認しておきましょう。
自己破産するケースもある
競売にかけられて持ち家が売却されても住宅ローンを完済できるとは限りません。
売却資金が返済に充てられるだけで「競売にかけられる=住宅ローンがなくなる」わけではないからです。
競売で落札された金額が低ければ住宅ローンを払いきれず、ローンが残ってしまうケースもあります。
しかし、自己資金も持ち家もない状態では返済は難しいでしょう。
そこで、最終手段として自己破産して住宅ローンの支払いを免除する人もいます。
債務(住宅ローンや借金)の返済ができなくなった個人の申し立てにより開始される破産手続きのこと
裁判所に申立をして、最終的に借金の返済を免除してもらう方法を自己破産といいます。利息制限法の定めを利用して債務を圧縮しても残債務が多く残り、弁済が困難な場合に自己破産を検討します。引用:東京弁護士会
住宅ローン中の家を売るなら不動産会社に相談しよう!
住宅ローン中の不動産売却について解説しました。
最後にもう一度確認しておきましょう。
- 住宅ローンが残っていても売れる
- 売る前に現状を把握しよう
- オーバーローン・アンダーローンの売却方法
- 任意売却も検討しよう
- 住宅ローンが払えないと競売にかけられる
住宅ローンが残っていても家は売れます。
そのためにまずはオーバーローンなのかアンダーローンなのかを把握するのが大切です。
それぞれの状況によって売却方法は大きく異なり、売却計画にも影響します。
まずは、現在の住宅ローン状況を把握することから始めてみましょう。