「家族が増えて今の家が手狭になってきた」「子供のためにマンションから戸建てに引っ越したい」
住宅ローンを組んで購入した家であっても、ライフステージが変わればより良い環境の家に住み替えたいと思うことがありますよね。
そんな時、気になるのは「今の家の住宅ローンが残っている場合はどうやって住み替えるの?」ということだと思います。
本記事では、住み替えローンの概要や利用する際のメリット・デメリット、利用時の注意点などを詳しく解説します。
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住み替えはローンが残っていてもできる?
住み替えローンを利用すれば、ローンの残債があっても家を売却して住み替えることができます。
原則として、家を住み替えるには、現在の家のローンを家の売却と同時に完済する必要があります。
なぜなら、ローンを完済して抵当権を抹消しなければ家を売却できないからです。
しかし、現在の家を売却して得た売却代金をローンの返済に充てても、ローンの残債が残ってしまうことは少なくありません。
そんな時に活用したいのが「住み替えローン」です。
今回は、ローンの残っている家を売却して住み替えを検討している方に向けて、住み替えローンについて詳しく解説します。
住み替えローンとは
「住み替えローン」とは、現在の家を売却しても住宅ローンを返済しきれない場合(オーバーローンの場合)に、残ってしまう現在の家の住宅ローンを完済する資金と住み替え先の新居の購入代金をまとめて融資してくれるローンです。
住み替えローンはオーバーローン状態でも家の住み替えができる便利なサービスですが、新居の購入価格よりも多い金額の融資が必要なので、一般的な住宅ローンよりも審査が厳しく、金利も高くなる可能性があります。
住み替えの流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【住み替え完全マニュアル】住み替えの流れや住宅ローンまで徹底解説!
住み替えローンのメリット
住み替えローンを利用するメリットは以下の4つが挙げられます。
- ローンの残債があっても住み替えられる
- 自己資金がなくても住み替えられる
- 二重ローンを組まずに済む
- 希望するタイミングで売買できる
住み替えローンを利用する大きなメリットは、ローンの残債があっても住み替えを行えることです。
住み替えローンを利用すれば、現在の家のローンの残債分と新居に住み替えるための費用を合わせて融資してもらえるので、自己資金がなくても住み替え可能です。
自己資金を用意する間に欲しかった新居が売却されてしまったり、現在の家の売り時を逃してしまうこともあるでしょう。
子供の進学や転勤などですぐに住み替えが必要な場合でも、自己資金を用意できるまで待たずに希望するタイミングで住み替えられます。
また、ローンの支払いを現在の家のローンと一本化できるので、二重ローンにならないことも大きなメリットです。
大切に暮らしてきた家を高く売りたい方は、複数の不動産会社に査定を依頼して査定額を比較しましょう。家の査定額は、不動産会社によって数百万円ほど違うことがあります。
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住み替えローンのデメリット
一方、住み替えローンを利用するデメリットとしては以下の4つが考えられます。
- 購入価格以上のローンを組まなければならない
- 審査が厳しい
- 金利が高い
- 住み替えスケジュールがタイトになる
住み替えローンを利用すると、新居の購入価格に現在の家のローンの残債分を上乗せして借り入れることになります。
そのため、ローンの残債が多いほど月々の返済額が増え、家計への負担が大きくなることはデメリットと言えるでしょう。
通常の住宅ローンよりも金利が高くなることや審査が厳しくなることにも注意しなければなりません。
また、住み替えローンを利用する際の条件の1つとして、「現在の家の売却と新居の購入の決済・引き渡しを同日に行わなければならない」というものがあります。
売却と購入という別々の契約を同日に行うので売買スケジュールの調整が必要です。
たとえば、購入したい新居を先に見つけて契約した場合は現在の家の売却を急いで行い、一方で、先に現在の家の売却を済ませた場合は、決済・引き渡し日までに購入する新居を見つけなければなりません。
売却と購入のどちらを先に行うとしても、短い期間で売却活動と新居探しを行う必要があるので難易度は高くなります。
結果として期限に焦り、あまり良くない条件で売却や購入をしてしまうというケースもあります。
住み替えローン利用の流れ
住み替えローン利用の流れは以下の通りです。
それぞれの手順を解説します。
- ローンの残債を確認する
- 不動産会社に相談する
- 住み替えローンの取り扱い金融機関と新居を探す
- 住み替えローンの事前審査を申し込む
- 本審査と新居の購入手続きをする
- 融資を受ける
ローンの残債を確認する
住み替えローンを利用するには、まずは現在の家の住宅ローンがどのくらい残っているのか確認しましょう。
家の売却代金でローンを完済できるのか、完済できない場合はいくら必要なのかを把握することが重要です。
ローンの残債は、融資先の金融機関から送られてくる「返済予定表」で確認できます。
また、金融機関によってはWebサイトからも確認可能です。
不動産会社に相談する
ローンの残債が分かったら、家を売却してくれる不動産会社を探して相談しましょう。
住み替えを成功させるには、売却実績や営業力のある不動産会社を選ぶことが大切です。
住み替え希望であることを伝えて、住み替えのサポートをしてくれる不動産会社であるかも確認しましょう。
不動産会社によっては住み替えローンを扱っている金融機関を紹介してくれたり、融資日や売買のタイミングを調整してくれるところもあります。
不動産会社選びのコツは複数社を比較して選ぶことです。
提示される査定額だけでなく、不動産会社の実績や信頼関係を築ける担当者であるかなどを総合的に比較しましょう。
住み替えローンの取り扱い金融機関と新居を探す
不動産会社を決めたら、住み替えローンを扱っている金融機関を探しましょう。
住み替えローンは金融機関によって審査基準やサービスに違いがあり、メガバンクから地方銀行まで様々な金融機関が取り扱っています。
自分に合った住み替えローンを選び、審査に通らなかった場合も考慮していくつか候補を見つけておくと良いでしょう。
金融機関探しと同時に新居探しも始めましょう。
住み替えローンの事前審査を申し込む
新居を見つけたら住み替えローンの事前審査を申し込みましょう。
事前審査では、利用者の収入や勤務先、頭金の有無などの様々な項目から返済能力があるか審査されます。
事前審査の結果が出るまでは通常2~3日程度かかります。
本審査と新居の購入手続きをする
事前審査に通過したら、本審査と新居の購入手続きに進みます。
本審査は信用保証会社によって行われ、事前審査よりも厳しく返済能力を審査されます。
本審査には2~3週間程かかることが一般的であり、以下は本審査の主な審査内容です。
- 現在の家のローン残債
- 個人の信用情報や健康状態
- 年収や勤務先、雇用形態
- 新居の担保評価額
- 団体信用生命保険に加入可能か
融資を受ける
新居の購入の契約が締結されて本審査に通過すると融資を受けられます。
融資を受けた当日中に、現在の家の売却手続きと新居の購入手続きを同時に行います。
現在の家の売却が予定通りいかないこともあるので、その場合は「買い替え特約」を利用すると良いでしょう。
買い替え特約とは、家を売却する前に新居を購入する際に、買主と売主の合意によって付けられるものです。
期日までに一定の金額で家を売却できなかった場合は新居の購入契約を無効にできるので、安心して売却活動を行えます。
住み替えローンの取り扱い金融機関
住み替えローンはメガバンクから地方銀行まで、様々な金融機関が取り扱っています。
複数の金融機関を比較して検討しましょう。
金融機関 | ローン名 | 特徴 |
---|---|---|
三井住友銀行 | Web申し込み専用住み替えローン | 夫婦どちらかに万一のことがあった場合や8大疾病と診断され条件を満たした場合はローン残高0円、自然災害による被災時に返済を一部免除などの保証あり。 |
みずほ銀行 | みずほ買い替えローン | 50万円以上3億円以内(1万円単位)で借入可能。産休や育休時、子供の進学時などで変化するかけい 収支に応じて返済額の変更可能。 |
りそな銀行 | りそな住みかえローン | 前年の税込年収100万円以上で借入可能。親子2世代型の取り扱いあり。 |
横浜銀行 | 住宅ローン(お住み替え) | 借り入れ時の年齢が満18歳以上で最終返済時の年齢が満82歳未満で借り入れ可能。借入対象の物件は原則として神奈川県全域および東京都の一部。 |
千葉銀行 | 住み替えコース | 家の売却や新居の購入費用以外の住み替えに伴う資金(保証料や事務手数料、家具・家電の購入費など)に利用可能。すでに千葉近郊を利用している場合は乗り換えられる。 |
中央ろうきん | 借換・買替ローン | 団体信用生命保険が4つのタイプから選択可能。 |
関西みらい銀行 | 住み替え住宅ローン | 現在の家の住宅ローンの借り入れから3年経過で申し込み可能。新居購入資金とローン残債分または新居の担保評価額の300%のいずれか低い金額まで借入可能。 |
池田泉州銀行 | 住み替えローン | 借り入れ時の年齢が満25歳以上~満55歳以下で最終返済時の年齢が満80歳以下で借入可能。 |
福岡銀行 | 住み替えローン | 親子2世代(同居または同居予定の親と子)に渡るリレー返済が可能。また、夫婦ペア返済や同性パートナーペア返済など返済方法が豊富。 |
大垣共立銀行 | 住宅ローン「住み替え専用プラン」 | 30万円以上1億円以内(10万円単位)で借入可能。債務返済支援保険やローン返済生活サポート保険(別途保険料)に希望により加入可能。 |
北海道銀行 | 道銀住宅ローン(住まい住み替えプラン) | 保証プランにより上乗せ金利が変わり、死亡・高度障害保障は融資時の年齢が満18~71歳未満の場合は上乗せなし。 |
住み替えローンをシミュレーションしよう
住み替えローンを利用した時、どのくらいの借入額になるのでしょうか?
以下の条件で借入額をシミュレーションしてみます。
借入時の年齢 | 40歳 |
---|---|
世帯年収 | 800万円 |
自己資金 | 300万円 |
ローンの残債額 | 2500万円 |
家の売却予定額 | 2,000万円 |
新居の購入予定額 | 3,600万円 |
返済期間 | 35年 |
金利 | 2% |
上記の条件で借入額をシミュレーションした結果、以下のようになりました。
項目 | 計算 | 算出金額 |
---|---|---|
使える金額 | 自己資金+家の売却予定額 | 2,300万円 |
家の売却費用 | 売却予定額×4% | 80万円 |
新居の購入費用 | 新居の購入予定額×5% | 180万円 |
支払い総額 | ローンの残債額+諸費用+新居の購入予定額 | 6,360万円 |
借入額 | 支払い総額-使える金額 | 4,060万円 |
シミュレーションの結果、必要な借入額は4,060万円でした。
無理な借入額ではないか、少しでも抑えられる費用はないかなど、シミュレーション結果からもう一度検討すると良いでしょう。
住み替えローン利用時の注意点
住み替えローンは住み替え先の家の購入額以上の融資を受ける特殊なローンであるため、利用する際にはいくつか注意すべきことがあります。
以下の4つを解説します。
- 余裕のある返済計画を立てる
- 新居を早めに探し始める
- 住宅ローン控除の適用を忘れない
- 決済日のスケジュールを頭に入れておく
余裕のある返済計画を立てる
住み替えローンを利用する際の最も注意すべき点は、「余裕のある返済計画を立てる」ということです。
住み替えローンは通常の住宅ローンよりも金利が高く、借入額も一度目の住宅ローンよりも高くなりやすいです。
しかし、働ける年数から逆算すると、住宅ローンの返済にかけられる期間は一度目の住宅ローンよりも短いことが多いです。
また、年齢を重ねるにつれて介護保険料や子供の進学費用、親の介護費などの出費が増えていきます。
このようなライフイベントを加味した上で、余裕をもって返済できる範囲の借入額と返済期間を検討しましょう。
家計が厳しくて住宅ローンを払えなくなると、せっかく手に入れた住み替え先も手放さざるを得なくなります。
住宅ローンを払えない時はどうすればいい?返済できない時の対処法・注意点を解説
新居を早めに探し始める
住み替えローンを利用する際には、新居探しを早い段階で始めるようにしましょう。
先述の通リ、住み替えローンの利用には「古い家の売却と新しい家の購入の決済・引き渡しを同日に行わなければならない」という条件があります。
新居探しを現在の家に買い手がつくまで先延ばしにしてしまうと、新居探しにかけられる時間が非常に短くなります。
不動産の購入において、「時間が足りなくて希望通りの物件が見つけられなかった」というのはよくある失敗です。このようなことがないよう、早め早めに新居探しに動き出すのがよいでしょう。
なお、購入したい物件が見つかった場合には、「買換え特約」という条件をつけられないか物件の売り主に聞いてみることをおすすめします。
買換え特約とは、「定めた期限内に現在の住居が売れなければ新居の売買契約を無効にできる」という契約上の条件です。
この条件をつけることにより、「売買のタイミングが合わず住み替えローンが利用できない!」というケースを避けることができます。
住宅ローン控除の適用を忘れない
住み替えローンは、通常の住宅ローンと同じく住宅ローン控除(住宅ローン減税)の対象になります。
住み替えローンで家を買い替える場合にも、確定申告を行って住宅ローン控除を適用させるのを忘れないでください。
住宅ローン控除の対象となる不動産については、以下の記事で解説しています。
決済日のスケジュールを頭に入れておく
住み替えローンの利用で大変な手続きとして、「不動産の売却と購入を同日に完了させる」ということが挙げられます。
要するに現在の家の買い主・新居の売り主・ご自身の三者のやりとりをすべて一日で完了させなければならないので、決済日は非常にタイトなスケジュールになります。
当日にトラブルが発生してしまわないよう、事前に決済日のスケジュールは不動産会社に確認しましょう。
【住み替え完全マニュアル】住み替えの流れや住宅ローンまで徹底解説!
まとめ
住み替えローンを利用すれば、ローンの残債があっても住み替えは可能です。
ただし、通常の住宅ローンと比べて審査が厳しく金利も高い点に注意しましょう。
また、住み替えを成功させるには家の売却がスムーズに進むかどうかが大切です。
家の売却をスムーズに進めるには不動産会社を慎重に選ぶことがポイントです。
不動産会社選びに迷ったら、すまいステップの不動産一括査定を利用することをおすすめします。
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記事のおさらい
住み替えローンってなに?
「住み替えローン」とは、現在の家を売却しても住宅ローンを返済しきれない場合(オーバーローンの場合)に、残ってしまう現在の家の住宅ローンを完済する資金と住み替え先の家の購入代金をまとめて融資してくれるサービスのことです。詳しく知りたい方は住み替えローンとはをご覧ください。