家族の病気や怪我、進学、結婚、介護など、突発的な出費が続いて資金に困るときもあるでしょう。
突然の出費で自己資金だけでは足りないのなら、金融機関のローン商品を使う方法があります。そんなローン商品の1つであるのが「不動産担保ローン」です。
ただし利用するならメリットやデメリットを踏まえたうえでの慎重な検討が必要になります。
不動産担保ローンでのメリットやデメリットなどを紹介しますので、ぜひ参考として役立ててください。
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、不動産を担保に低金利で高額な借り入れができるローン商品です。
借り入れにあたっては、金融機関が不動産に抵当権を設定して登記をおこないます。ローンの完済までは抵当権の抹消が行われません。
高額の融資を受けられると、他社の借り入れをひとつにまとめることが可能です。
また突発的にまとまった出費があるときにも活用できる便利な方法です。
ただしメリットだけでなくデメリットもあるため、慎重に検討したうえで契約をおこないましょう。
担保とは?
担保とはローンが返済不能になったときの対策として、金融機関に債務者が差し出すものです。
不動産担保ローンでは家・土地といった不動産を担保として差し出します。担保は人的担保と物的担保の2種類です。
- 人的担保…保証人や連帯人など
- 物的担保…土地や建物など
担保が使われるのは、ローンの返済ができなくなってしまったときです。
人的担保では、保証人や連帯人などが債権者の代わりとなって返済の義務を負います。
物的担保の場合には、債権者が担保の換金によって債権を回収する仕組みです。
不動産担保ローンの必要書類は?
金融機関で不動産担保ローンを申し込むのなら書類の準備が必要です。
代表的な必要書類には以下が挙げられます。
- 本人確認書類
- 収入証明書
- (ローン残高証明書)
- (ローン返済予定表)
住宅ローンがないのなら、ローン残高証明書・ローン返済予定表は必要ありません。
上記以外にも印鑑登録証明書や実印などが必要な場合もあります。
ただし、状況によって本審査で必要となる書類は違ってくるものです。
また、金融機関によっても異なります。
そこで金融機関から仮審査通過の連絡が入ったら、必要書類を確認しながら準備を進めましょう。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンを利用するにあたっての代表的なメリットを紹介します。
利用によって考えられる代表的なメリットとなるのが次の3つです。
- 一般的に保証人不要で借りられる
- 高額な融資が受けられる
- 無担保ローンより金利が低い
- 資金使途が自由である
自分の目的にあっているか、まずはメリットをチェックしていきましょう。
一般的に保証人不要で借りられる
金融機関にもよりますが、一般的に保証人不要で借りられるのが不動産担保ローンのメリットです。
ただし、物上保証人の捺印や署名が必要になる場合があります。
また、担保物件の共有者は連帯保証人になる可能性があるので注意してください。
- 物上保証人…財産上に担保を設定した担保提供者
- 連帯保証人…債権者が返済しないとき代わりに借金を返済すると約束した人
物上保証人には返済義務がないものの、主たる債務者が返済できないと、抵当権が実施されます。
高額な融資が受けられる
高額な融資が実現するのも不動産担保ローンでのメリットです。
通常の無担保ローンであれば年収に応じて審査で借り入れ額が決定されます。
そのため年収によっては、借り入れ限度額は多くても数百万円程度になるのが一般的です。
しかし、不動産担保ローンは担保の評価額で、借り入れの上限が決まります。
担保次第では、数千万円という単位での融資も受けられるでしょう。
無担保ローンより金利が低い
無担保ローンより金利が低いのも、不動産担保ローンが持つ大きなメリットとなります。
金利が低いのは、担保となる不動産があり金融機関にとってはリスクが少ないからです。
万が一返済が滞っても、金融機関では担保となる不動産を売却できます。
そのため金融機関では、無担保ローンと比較するときわめて低い金利を設定しているのです。
金利は金融機関や借り入れ額によって違ってきます。
不動産担保ローンで金利を比較したうえで借り入れをすると、返済負担の軽減が可能です。
資金使途が自由である
不動産担保ローンは資金使途が自由であるのもメリットです。
次のような用途でも使えますので困ったときには検討してみましょう。
- 住宅のリフォーム
- 投資
- 子どもの教育費
ただし、見積書などで用途の確認をしている金融機関もありますので、確認が必要です。
また通常なら、事業資金は不動産担保ローンの対象外となります。
申込みにあたっては、用途が限定されているかを確認してみてください。
不動産担保ローンのデメリット
高額な融資も可能で金利も低い不動産担保ローンですが、デメリットもあります。
借り入れを検討しているのなら、必ずデメリットも確認しておきましょう。
代表的なデメリットとして挙げられるのが次の4つです。
- 強制売却のリスクがある
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 諸費用の負担がある
- 売却する際はローンを完済する必要がある
デメリットについても1つずつ紹介しますので、失敗を防ぐための検討材料としてご確認ください。
返済状況によっては強制売却のリスクがある
返済状況が悪いと「強制売却」のリスクがあるのも、不動産担保ローンでの大きなデメリットです。
担保の不動産は、ローン返済ができなくなると売却を打診されます。
不動産を売却しなくても返済ができるのなら、問題はありません。
しかし、金融機関による打診にも応じず返済も滞っていると、担保の不動産を強制売却される恐れがあります。
金融機関が抵当権を行使すると、売却が可能になるため、注意してください。
諸費用の負担がある
不動産担保ローンの利用にあたっては、諸費用の負担があるのもデメリットです。
融資を受けるために必要な費用には次のようなものがあります。
- ローン事務手数料
- 抵当権設定での登記費用
- 印紙税
- 司法書士報酬
具体的な金額は、金融機関や借り入れ額などによって違ってきます。
借り入れ額によっては諸費用の負担も大きくなりますので、注意しましょう。
融資を受けるまでに時間がかかる
融資を受けるまでに時間がかかってしまうのも、不動産担保ローンのデメリットです。
仮申込から融資の実行までは、3週間から1か月を目安に考えておきましょう。
仮審査・不動産の評価・本審査などを経て、融資が実行されます。
申込状況や担保物件の状況などによっては、融資実行までに1か月以上かかる可能性もあります。
「今日中にまとまったお金を借りたい」といった要望には対応できません。
用途が決まっており不動産担保ローンを検討しているのなら、なるべく早めに手続きを開始しましょう。
売却する際にローンを完済する必要がある
不動産担保ローンでは、売却する際にローンを完済する必要があるのもデメリットです。
今後も使う見込みがない不動産であれば、「売却したい」と考える可能性もあるでしょう。
しかし、抵当権を抹消していない不動産は売却できないため、まずはローンの完済が必要です。
借り入れ額が大きくなってしまうと、完済するのにも時間がかかるでしょう。
将来的に売却の予定がある不動産を担保にするなら、特に注意が必要です。
売却したいタイミングで完済できるよう、綿密に借り入れの計画を立てる必要があります。
手軽に不動産の査定額を知りたい方は、不動産一括査定サイトを利用してみてください。
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不動産担保ローンの返済ができないときの対処法
不動産担保ローンの返済ができないときの対処法を紹介します。
誰でも契約当初は「問題なく返済できる」と考えて契約しているはずです。
しかし仕事や家庭などの状況が変化して収入が激減し、返済が難しくなってしまう人も大勢います。
ローンの返済ができなくなったときの対処法として考えられるのが次の3つです。
- ほかのローンに借り換えをする
- 任意売却をする
- 債務整理をする
どのような対処法があるのか、内容を確認してみましょう。
ほかのローンに借り換えをする
不動産担保ローンの返済が難しくなったら、別のローン商品に借り換えをする方法があります。
借り換えでは、金利を下げたり返済期間を長くしたりして月々の返済負担を軽減することが可能です。
金利や返済期間は金融機関により違ってきますので、まずは比較をおこなってみましょう。
ただし借り換えに無担保ローンを使ってしまうと、不動産担保ローンより返済負担が大きくなってしまうでしょう。
また借り換えを申し込んだとしても、必ず審査に通るとは限らない点にも注意が必要です。
特に返済が滞っている状態ならば、審査に通るのが難しくなってしまいます。
月々の返済が難しくなるのであれば、あらかじめ予測できる可能性が高いでしょう。
滞納する前に、借り換えの手続きを進めるのがおすすめです。
任意売却をする
月々の返済が難しいときには、任意売却をするのも対処法の1つです。
任意売却とは、返済不能時に金融機関の合意を得て不動産を売却する方法を意味します。
不動産担保ローンの返済が滞ると、最後には金融機関によって不動産が競売にかけられ、強制売却されてしまいます。
競売にかけられてしまうと、不動産の売却価格は相場よりも下がってしまいます。
そこで強制売却前に任意売却をすると、競売での売却よりも、相場に近い金額で売却ができます。
ただし任意売却をするにあたっては、金融機関に相談したうえで承諾を得る必要があります。
また期間は限られていますので、早めに銀行へと相談して手続きを進めてください。
債務整理をする
不動産担保ローン以外の借り入れもあって返済が厳しいのなら、債務整理を選ぶ方法もあります。
債務整理とは借金問題を解決するためにおこなう法的な手続きです。
通常は弁護士や司法書士などの専門家に依頼して手続きを進めます。
- 不動産担保ローン以外を任意整理する
- 個人再生をする
- 自己破産する
債務整理の方法によって借り入れがどうなるかは変わってきます。
個人再生や自己破産の場合は、手続きする借金を選べないので注意してください。
自己破産であれば、収入がない人でも手続きができます。しかし、任意整理・個人再生の手続きには安定した収入が必要です。
さまざまなパターンが考えられますので、まずは専門家に相談すると確実です。
なお、司法書士は取り扱いができる金額に上限があります。
高額な借り入れを整理したいのであれば相談先は弁護士です。
法的な手続きが必要になるため、債務整理は専門家に相談のうえで慎重に進めましょう。
ローン担保の不動産を高く売却する方法
不動産担保ローンで担保にした不動産を売却する方法についても紹介します。
「現在は不動産担保ローンを使っているが将来は売却したい」と考える人もいるでしょう。
担保にしていた不動産を高く売却する方法として考えられるのは、次の2つです。
- ローンを完済する
- 複数の不動産会社に査定依頼をする
売却を前提として考えているのなら、ぜひ内容を確認してみてください。
ローンを完済する
不動産担保ローンで担保にした物件を売却したいのなら、まずローンの完済を目指しましょう。
返済が滞ってしまうと、不動産が強制売却されてしまう恐れがあります。
強制売却では、売却価格が相場よりも下がってしまうので注意してください。
ローンを完済して抵当権を抹消すると、通常通り仲介や買取などでの売却ができます。
将来的に売却を予定しているのでしたら、不動産担保ローンの借り入れ額を高額にしないよう注意しましょう。
借り入れ・返済とも計画的におこない、ローンを完済したうえで売却をおこなってください。
複数の不動産会社に査定依頼をする
不動産を高く売却したいのであれば、複数の不動産会社へと査定を依頼するのがおすすめです。
なぜなら、不動産会社によって、不動産の査定価格には大きな違いがあるからです。
査定の依頼先を1社に限定してしまうと、安い価格を提示されても気づきにくくなるでしょう。不動産会社によっては数百万もの違いが出る可能性もあります。
査定を複数の会社に依頼するのであれば、一括査定サービスを活用すると、手間もかからずスムーズに進められます。
ただし金額だけでなく、不動産会社の対応や実績などもチェックしておいてください。
一括査定サービスで提示された価格をもとに、対応や評判が良く、安心して依頼できる不動産会社を選びましょう。
不動産を売却するなら一括査定を活用しよう
不動産担保ローンを利用しても完済後は担保にした不動産の売却が可能です。
もし完済後に不動産を売却するのなら、ぜひすまいステップの一括査定を活用してみましょう。
すまいステップには、厳しい基準をクリアした不動産会社が1000社以上加盟しています。
売却したい物件に合わせた加盟店を紹介してくれるため、ベストな不動産会社を探すことが可能です。
すまいステップでの一括査定は無料で、実績や評判も確認できます。
また売却に強い担当者が、それぞれの要望に合った対応をしてくれるのも大きな魅力です。
不動産の売却を考えているのなら、ぜひすまいステップの一括査定を活用してみてください。