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住宅ローンで離婚できない?ローンと離婚の問題点・対処方法を分かりやすく解説

  • / 更新日:2022年7月26日
住宅ローンで離婚できない?ローンと離婚の問題点・対処方法を分かりやすく解説

離婚の際に、住宅ローンが残っている場合、誰が家を所有し、住宅ローンを返済するのか、といった問題が発生しやすくなります。

そのため、離婚ができないと悩む方も少なくないでしょう。

しかし離婚の成立とローンの返済とは法律上の関連はないため、離婚は可能です。

本記事では、住宅ローンが残った状態で離婚する際の基礎知識と、財産分与上の問題点や対処方法について解説します。

住宅ローンが残っていても離婚は法律上可能

住宅ローンが残っていても、法律上、離婚をすることに問題はありません。

しかし、離婚時に住宅ローンが残っていると、今後の返済や家の所有権など、財産分与を巡るトラブルに発展することも多くあります。

そのため、まずは当事者間でじっくり話し合うことが必要です。

話し合いの前に確認しておきたい3つのポイント

本格的な離婚の話し合いに入る前に、住宅について確認しておきたい主なポイントは、次の3点です。

  • 登記簿謄本の取得
  • 住宅ローンの契約内容を確認
  • 売却時の価格を確認

それぞれ解説します。

登記簿謄本の取得

まず、法務局で登記簿謄本を取得しましょう。

登記簿謄本とは、土地や建物の概要、住所や所有者の氏名、所有権や抵当権といった登記情報が記載された書類です。

登記簿謄本を確認することで、現在の所有権や抵当権などの情報を把握できます。

法務局に行く時間が無い場合は、登記情報提供サービスを活用することでインターネット上から登記情報を閲覧(PDFファイル)できます。

ただし、公印などが付加されないため、PDFファイルでは証明書にはならないことに注意しましょう。

参照:登記情報提供サービス:https://www1.touki.or.jp/gateway.html

住宅ローンの契約内容を確認

次に、住宅ローンの契約内容を確認し、債務を負う人物や連帯保証人は誰なのかを改めて把握しましょう。

気づかない間に変更されている可能性もあるため、細部まで確認しておくことが大切です。

売却時の価格を確認

最後に、自宅の売却を視野に入れている際には、不動産を売却した場合の価格も調べておきましょう

売却によって得たお金を住宅ローンの返済に充てることで、住宅ローンの問題を解決できる場合があります。

話し合いで決着が付かない場合

離婚については、夫婦間での話し合いによって離婚が成立する「協議離婚」が9割を占めます。

しかし、話し合いで決着が付かない場合には、家庭裁判所の調停委員が第三者として間に入り、調停委員も含めて話し合いによって解決する「調停離婚」という方法があります。

さらに調停離婚でも決着が付かない場合、揉めている内容を裁判官に審判してもらい解決する「審判離婚」や、調停・審判でも解決できない場合に裁判で解決する「裁判離婚」もあります。

住宅ローンや離婚に伴う5つの問題点

住宅ローンや離婚に伴う主な問題点には、次の5つのポイントが挙げられます。

  • 住宅ローンの名義変更が困難
  • ペアローンの場合の名義変更
  • 住宅ローン返済に伴うトラブル
  • 税金に関するトラブル
  • 共有名義の際に注意

それぞれ分かりやすく解説していきます。

前提として、住宅ローンの返済義務は、住宅ローンの名義人にあります。そのため、もし名義人が夫の場合は、住宅ローンの残債を夫婦間で折半する必要はありません。

住宅ローンの名義変更が困難

離婚を理由にした住宅ローンの名義変更は、基本的にはできません

名義人の返済能力を審査した上で、金融機関は融資を決定しており、契約途中で審査を受けていない第三者に変更するのは危険と判断されるからです。

他にも、”住宅ローンの名義人が自宅として住み続けること”が条件に組み込まれている場合があります。

その際には、契約途中で名義変更をすることは、契約違反ともみなされます。

ペアローンの場合の名義変更

夫婦2人が別々に住宅ローンを契約し、お互いが連帯保証人となっている「ペアローン」のケースでは、片方が住み続けたい場合、ローンの名義変更・一本化が必要となるでしょう。

この場合、出ていく側が負担していたローンを、所有する側がまとめて負担することになります。その際には、ローンの借り換えや、出ていく側の残債を一括返済することなどにより、名義変更をすることとなります。

ただし、これまで以上に増える返済額を、所有する側が支払えるのか、審査で認められる必要があります。

あるいは、返済が可能と認められる新しい連帯債務者を見つけることで、対応できる場合もあります。

住宅ローン返済に伴うトラブル

離婚後の返済を夫婦間で話し合う際、口約束だけで済ませることは避けましょう

離婚後に名義人が住宅ローンを返済しなくなり、連絡も取れなくなってしまう事例が後を絶ちません。

例えば、元配偶者が再婚するケースでは、新しい家庭に意識が向いてしまい、返済の義務感が薄れてしまう可能性も考えられます。

また、名義人と連帯保証人が夫婦になっているご家庭も注意しましょう。名義人の返済が滞った場合、連帯保証人である元配偶者が債務を負うことになります。

そのため、住宅を維持し、住宅ローンを払い続ける選択をする場合は、今後の返済について十分な注意と見通しを立てることが必要です。

税金に関するトラブル

離婚後、長い期間を経て、名義人の元配偶者によって住宅ローンが完済された場合、住宅が贈与されたとみなされて課税対象になることがあります。

これは、名義人である元配偶者の方が家を出た際に起こり得るケースです。

離婚時点の財産分与に相続税は発生しませんが、離婚から長い期間が経った場合は、離婚時点とはみなされず、贈与とみなされる点に注意が必要です。

なお、贈与税とは、1年間に受けた贈与額が110万円を超えた場合、超えた金額分に対して課される税金です。

共有名義の際に注意

住宅の名義人が夫婦共有名義の場合、不動産の売却時には双方の同意が必要なことに注意が必要です。

また、住居を維持したまま、元配偶者が再婚をした後に亡くなり、相続が再婚相手に発生した際の対応など、住居の処分や、その後の所有について煩雑な手間が発生します。

離婚時に住宅ローンが残っている場合の対処方法

離婚時に住宅ローンが残っている場合の対処法は以下の通りです。

  • 金融機関によっては名義変更ができる場合がある
  • 住宅ローンを借り換える
  • 法的効力を備える書類の作成
  • 最善策は住宅を売却してローンを一括返済

それぞれ詳しく解説していきます。

金融機関によっては名義変更ができる場合がある

前述のように、基本的に離婚による住宅ローンの名義変更はできませんが、金融機関によっては名義変更に対応してくれる場合があるため、契約内容を確認し、問い合わせてみましょう。

他にも、新しい名義人に従来通りの返済能力があると認められれば、対応してくれる可能性があります。

住宅ローンを借り換える

名義変更の方法の一つとして、住宅ローンの借り換えでも対応が可能です。

借り換えとは、別に住宅ローンを組み、借り直すことです。

例えば、元配偶者の残債を受け継ぎ、新しく住宅ローンを契約することで名義変更ができます。

なお、借り換えには融資手数料や住宅ローン保証料、抵当権設定費用といったさまざまな諸費用が発生します。諸費用の金額は契約する金融機関や内容によって変わりますが、数十万円〜百万円以上と高額です。

また、契約者の返済能力が低ければ、借り換えの審査に通らない可能性もあります。

他にも、“新しい名義人が住居に住み続けること”といった条件や、離婚協議書のコピーの提出を求められる場合もあるため確認しておきましょう。

離婚協議書とは、財産分与や慰謝料、親権や養育費など夫婦間で取り交わした内容を書面に記したものです。離婚協議書の形式に決まりはなく、自身で作成しても、法律の専門家に作成してもらうのでも、どちらでも可能です。

法的効力を備える書類の作成

前述の離婚協議書以外に、離婚公正証書の作成もおすすめします。

離婚公正証書とは、公証役場に所属する公証人が作成した、離婚に伴う取り決めを定めた書類のことです。

離婚公正証書は、公証役場でのみ作成できる法的効力を備えた公文書のため、自身で作成できる離婚協議書より高い信用力が得られます。

さらに、お金の支払いに伴う契約を公正証書に定めることで、返済が滞った場合には裁判の手続きを経ることなく、財産差し押さえの手続きが可能です。

なお、離婚公正証書の作成には、夫婦双方の同意が必要であるため、片方のみの判断だけでは作成できません。

また、作成費用は公正証書の目的価格に定める金額を元に計算されます。日本公証人連合会によれば、1,000万円〜3,000万円の財産の場合に発生する基本手数料は2,3000円です。

引用元:「日本公証人連合会」​​Q. 法律行為に関する証書作成の基本手数料
https://www.koshonin.gr.jp/business/b10

最善策は住宅を売却してローンを一括返済

住宅を売却して得たお金を住宅ローンの返済に充てる方法もあります。

住宅の売却額が、住宅ローンの残高を上回る場合は、売却によって住宅ローンを一括返済できるため、トラブルに発展する可能性は極めて低く、最善の対処法といえます。

ただし、住宅の状態や立地、築年数、業者によって査定額は異なるため、業者選びは1社だけではなく、複数社に依頼して査定額を比較しましょう。

一方、住宅ローン残高よりも売却金額が低い(オーバーローン)場合、不動産の売却(抵当権の抹消)にはローンが完済されていなければならないことから、名義人が住み続けて返済していくことが一般的となります。

あるいは、金融機関との交渉次第で、任意売却という方法を利用できれば、家の売却額がローンの残高より低くても、売却金をローン返済に充てることで住宅ローンを大幅に減らし、残りのローンを毎月返済していくことも可能です。

しかし、任意売却にはさまざまなデメリットもあるため、行うには慎重な判断が必要です。

お互いに気持ち良く再スタートをするために

住宅ローンが残ったままでも離婚は可能とはいえ、住宅ローンの名義変更は、基本的にはできません。

さらに、返済を約束した元配偶者が返済をしなくなったり、連絡が取れなくなったりすると、連帯保証人となっていた場合は代わりに返済を請求されてしまいます。

そのため、最もトラブルに発展しにくい対処法としては、住宅の売却が最善です。

売却金額によって住宅ローンの一括返済ができれば、両者ともに気持ちよく再スタートがしやすくなります。あるいは売却額が残債よりも低い場合でも、任意売却ができれば、残りの返済額を大きく減らせることがメリットです。

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