住宅の購入では大きな金額が動くため、住宅ローンの契約から融資実行までの流れがわからず、不安に感じる人も多いでしょう。
住宅ローンの融資実行日とは、金融機関から借入金が実際に支払われる日です。
住宅の売買では、融資実行日に売主へ残代金を支払い、鍵の引き渡しや登記手続きを進めることが多くあります。ただし、融資実行、決済、引き渡し、所有権移転、返済開始の時期は同じとは限りません。金融機関の商品説明と売買契約書、金銭消費貸借契約書で日程を確認しましょう。
- この記事でわかること
- 住宅ローンの融資実行日と、決済・引き渡し・登記の関係
- 物件探しから融資実行までの手続き
- 注文住宅・土地購入の資金準備と、融資前の注意点
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住宅ローン融資実行日とは融資金額が口座に入金される日
住宅ローンの融資実行日は、金融機関と金銭消費貸借契約を結んだ後、借入金が実際に支払われる日です。商品によっては借入人の口座を経由せず、売主などの指定口座へ直接振り込まれる場合もあります。
住宅の売買では、融資実行、残代金決済、鍵の引き渡し、所有権移転登記、抵当権設定登記を同日に進めることが多くあります。しかし、所有権が移る時期は当事者の合意や契約内容によって決まり、融資実行日だけで一律には決まりません。
また、住宅ローンの返済開始日も契約条件によって異なります。融資実行日、初回返済日、当日の資金移動と手続きの順序は、金融機関・不動産会社・司法書士へ事前に確認してください。
注文住宅やリフォームでは、完成・引き渡し時に住宅ローンが実行される商品がある一方、土地代や着工金などを先に支払うため、つなぎ融資や分割融資を利用する場合があります。
住宅ローンが融資されるまでの流れ
住宅ローンを利用する際は、物件探しから融資実行まで複数の手続きを進めます。一般的な流れは次のとおりです。ただし、順序や必要書類、審査期間は金融機関や取引条件によって異なります。
購入したい物件を探す
まずは、家計から無理なく返せる金額を考えたうえで、購入する物件と予算を検討します。借入可能額は年収だけでなく、他の借入、返済期間、物件の担保評価、金融機関の審査基準などによって変わります。
住宅金融支援機構の「2025年度 フラット35利用者調査」では、フラット35利用者の所要資金を世帯年収で割った年収倍率は次のとおりです。
| 住宅の種類 | 年収倍率 |
|---|---|
| 注文住宅 | 6.9倍 |
| 土地付注文住宅 | 7.8倍 |
| 建売住宅 | 6.9倍 |
| マンション | 7.5倍 |
| 中古戸建 | 5.3倍 |
| 中古マンション | 5.6倍 |
これは借入上限ではなく、2025年度にフラット35を利用した35,553件の平均的な利用状況です。自己資金や諸費用も含め、返済を続けられる予算を検討しましょう。
住宅ローンを組む金融機関を探す
物件と予算の候補が決まったら、住宅ローンを比較します。自分で金融機関へ申し込む方法と、不動産会社の提携ローンを紹介してもらう方法があります。
提携ローンでは手続きが進めやすい場合もありますが、必ず有利とは限りません。金利だけでなく、事務手数料、保証料、団体信用生命保険、繰上返済の条件、融資実行日や分割融資の可否を比較しましょう。
金融機関の事前審査を受ける
多くの金融機関では、本審査の前に事前審査(仮審査)を受け付けています。事前審査は売買契約前に借入の見込みを確認する手続きですが、通過しても本審査の承認を保証するものではありません。
結果までの日数や確認項目は金融機関と申込内容によって異なります。希望額で承認されない場合は、借入額、物件、金融機関などを見直します。売買契約後に資金調達で困らないよう、申込時期と必要書類を早めに確認してください。
売買契約をする
事前審査で借入の見込みを確認したら、購入希望物件の売買契約へ進みます。宅地建物取引士から重要事項説明を受け、契約書の内容を確認して署名・押印します。
疑問点は署名前に確認し、必要な事項は契約書へ反映してもらいましょう。売買契約時には手付金を支払うことがあります。手付解除と債務不履行による解除は扱いが異なるため、手付金が常に戻らないとは限りません。解除条件・期限と違約金を契約書で確認してください。
売主と買主が同席して契約するほか、双方が別々に署名・押印する持ち回り形式の場合もあります。
住宅ローンの本審査を申し込む
売買契約後は、金融機関の案内に従って本審査を申し込みます。本審査に必要な日数は金融機関、物件、申込内容、書類の状況によって異なるため、引き渡し日に間に合うよう早めに準備しましょう。
事前審査に通っても本審査で承認されない場合があります。住宅ローン特約があっても、対象となる金融機関、申込期限、解除期限などの条件を満たさなければ利用できないことがあります。契約前に条項を確認し、期限を管理してください。
住宅ローンの契約をする
本審査で承認され、借入額や金利、返済方法などを確認したら、住宅ローンの契約を結びます。正式には金銭消費貸借契約と呼ばれます。
本審査の承認だけでは融資は実行されないため、契約日、融資実行日、初回返済日、当日の持ち物を金融機関へ確認しましょう。契約方法は店舗、オンラインなど金融機関によって異なります。
融資実行と引き渡し
売買契約とローン契約を終えたら、決済日に購入代金の残金と諸費用を支払い、書類や鍵の引き渡しを受けます。
融資金の入金後に売主へ残代金を支払い、司法書士が登記に必要な書類を確認して、所有権移転登記や抵当権設定登記を申請するのが一般的です。
融資実行、残代金決済、引き渡し、登記申請を同日に進めることは多いものの、具体的な順序と完了時期は取引ごとに異なります。振込先、必要書類、着金確認の方法を事前に確認しましょう。
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リフォームや土地購入時の融資で知っておくべきこと
住宅ローンは新築分譲住宅や中古住宅の購入だけでなく、注文住宅、土地購入、リフォームに利用できる商品もあります。ただし、住宅ローンの融資実行前に土地代や工事代金の支払いが生じる場合があります。支払時期と資金の準備方法を契約前に確認しましょう。
住宅ローン実行までに複数回支払いが生じる
注文住宅では、土地の売買契約時の手付金と引き渡し時の残代金、建物の工事請負契約時の契約金、着工金、中間金など、完成前に複数回の支払いが生じることがあります。リフォームでも契約内容に応じて着手金や中間金が必要になる場合があります。
支払いの名称・回数・時期・割合は、売買契約や工事請負契約によって異なります。住宅ローンが完成時にまとめて実行される場合は、自己資金、つなぎ融資、分割融資などで途中の支払いに備えます。
つなぎ融資を利用する
つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでに必要な土地代や工事代金を一時的に借りる方法です。すべての金融機関が扱っているわけではなく、対象となる支払いも商品ごとに異なります。

金利、事務手数料、利息の支払時期、融資回数、住宅ローン実行時の精算方法を確認し、総支払額で比較しましょう。住宅ローンとつなぎ融資を別の金融機関で自由に組み合わせられない場合もあるため、土地や建物の契約前に相談してください。
土地先行融資という手段もある
つなぎ融資以外に、住宅ローンを複数回に分けて実行する分割融資や、土地代を先に融資する土地先行融資を利用できる場合があります。
土地分の融資後から返済や利息の支払いが始まる商品もあり、建物完成まで現在の住居費と重なる可能性があります。建築計画の提出期限、融資回数、抵当権設定の時期、返済開始時期を金融機関へ確認しましょう。
住宅ローンが融資されるまでの注意点
本審査で承認されても、融資実行までは支払いや契約条件の確認が必要です。諸費用を含む資金計画、信用情報に影響する支払い、適用金利を確認しておきましょう。
住宅ローンが実行されるまでの諸費用を把握しておく
新築分譲住宅や中古住宅、注文住宅、土地の購入では、物件代金以外にも次の費用が発生する場合があります。
諸費用の種類と金額は、物件、契約方式、金融機関、保険内容によって異なります。見積書や資金計画表で、支払先と支払日まで確認してください。
紙の金銭消費貸借契約書にかかる印紙税は、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下なら2万円、5,000万円を超え1億円以下なら6万円です。電子契約など、文書を作成しない方式では扱いが異なります。
登記費用は、所有権移転登記・保存登記・抵当権設定登記にかかる登録免許税と司法書士報酬などで構成されます。詳しくは登記費用の解説も確認してください。
火災保険料と地震保険料は、建物の構造、所在地、補償内容などで変わります。現在、火災保険と地震保険の保険期間はいずれも最長5年です。必要な補償を整理して見積もりを比較しましょう。
信用を傷つけるようなことはしない
住宅ローンの審査では、申込内容に加えて信用情報が確認されます。融資実行までの間も、クレジットカードやローン、携帯電話端末の分割払いなどの支払期日を守りましょう。
公共料金を銀行口座から支払っているだけでは信用情報機関に登録されませんが、クレジットカード払いの延滞や端末代金の分割払いの延滞は信用情報に影響する可能性があります。レンタル品の返却遅延が住宅ローン審査で一律に減点されるという根拠は確認できません。
新たな借入や転職・退職など、申込後に状況が変わった場合は金融機関へ相談してください。
適用される金利を知っておく
住宅ローンの適用金利が申込時に決まるか、融資実行時に決まるかは商品によって異なります。例えばフラット35は資金受取時の金利が適用されます。
申込時の試算より金利が変動する可能性があるため、適用時点と、金利が上がった場合の返済額を確認しましょう。固定金利・変動金利の仕組みや優遇条件も含め、契約前に商品説明書を確認してください。
- 融資実行日と決済・引き渡し・登記・返済開始日は、契約条件によって異なる
- 注文住宅や土地購入では、融資実行前の支払い方法を先に確認する
- 融資実行までは諸費用、支払い状況、適用金利を確認する





