土地を売却する際、土地の境界が定まっていないと後々大きなトラブルにつながります。
そのため、土地の売却前に確定測量を行い、境界線を明確にしておきましょう。
測量登記の専門的資格である土地家屋調査士によって土地の境界を確定させる測量のことです。
また、確定測量のほかにも「現況測量」と「境界確定測量」の2種類があり、それぞれ方法が異なります。
現況測量 | 境界確定測量 |
現地にある境界標や杭を測量して面積を求めたり、過去の測量図等から境界点と思われる場所を想定して作成したりする測量です。 | 隣地所有者に立ち会ってもらい、土地の所有者と土地家屋調査士の三者で境界を確認しながら測量することです。 |
この記事では、確定測量が必要な場面や不要な場面、費用などについて分かりやすく解説します。
などの疑問を抱えている方はぜひ参考にしてくださいね!
確定測量が必要な場面と不要な場面
確定測量には、必要な場面と不要な場面があります。
ご自分の土地の状況と照らし合わせて確認しましょう。
確定測量が必要な場面
確定測量が必要となる代表的なケースは以下のとおりです。
確定測量が必要な場面
- 隣地との境界が不明な場合や曖昧な場合
- 抵当権を設定しようとしている場合
- 評価が高い土地の場合
- 土地や建物を相続する時
境界が不明だったり、曖昧だったりする場合は確定測量した方が良いです。
例えば、前回の測量から数十年経過していて、境界杭やフェンスなどがはっきりしていない場合などに、境界を明確にするために確定測量を行います。
また、所有している土地に抵当権を設定する際にも確定測量が必要です。
抵当権を設定するには、正確な評価額を算出する必要があります。
その他にも、評価の高い土地を売却する際や相続する際にも確定測量が必要です。
特に、市街地のような人気のエリアで土地の売却をする際には、正確な面積を明確にすることで損をせずに売却できるメリットもあります。
土地を相続する場合、相続税の申告に確定測量図を添付する必要があります。
確定測量が不要な場面
確定測量が不要となる代表的なケースは以下のとおりです。
確定測量が不要な場面
- 土地の価格よりも確定測量の費用が高くつく土地
- 行政の承認まで時間がかかる土地
- 公募売買の場合
土地の売却額よりも高い場合は、確定測量が不要となることもあります。
地方などの広大な土地を売却する際は、面積も広いため、確定測量の費用も非常に高くなることがあります。
また、行政が管理している道路や川、官有地が隣接している場合も確定測量は必要ありません。
これは、行政が管理している土地であり、立ち合いまでに時間がかかるためです。
確定測量は、隣地所有者の立ち合いが必要ですが、行政が管理していることもあり、スムーズに立ち会ってくれないのが実情です。
ほかにも公簿売買の際にも確定測量は不要です。
公募売買とは、法務局に登録されている土地登記簿の表示面積によって売買代金を確定して契約することです。
公薄売買によって取引した後に、実際の面積に差異が生じても買主は請求できない点が特徴です。
この公薄売買を行う際は、確定測量は不要ですので理解しておきましょう。
確定測量図と現況測量図の違い
確定測量図と現況測量図の違いを以下にまとめましたので確認しましょう。
確定測量図 | 現況測量図 | |
特徴 | 土地の境界を明確に測量する | 敷地の面積や構造物の状況を簡易に測量する |
面積 | 正確な面積を測れる | おおまかな面積を測れる |
費用 | 35~75万円 (官民立ち合いの場合は80~100万円) | 10~20万円 |
期間 | 1ヶ月半~3ヶ月 | 1週間程度 |
一般的に不動産売買時は確定測量図が必要
不動産の売主は、買主に対して境界の明示義務があります。
明示とは、売主が買主に「境界はここからここまでです」と示すことです。
売却時に境界を明示しなければならないため、自然と確定測量図が必要となります。
また、現況測量図でも明示できるため問題ありませんが、買主からすると境界が確定していない不動産を購入しようとする人は少ないため、どちらにしても確定測量図が必要といえます。
「不動産売却時には確定測量図が必要」と覚えておきましょう。
買主の合意を得れば現況測量図でもよい
売主は確定測量図が必要ということをお伝えしましたが、買主の合意を得れば現況測量図でも問題ありません。
「売主は境界の明示義務が必要」と前述しましたが、境界の確定義務は定められていません。
つまり「明示」できればよく、「確定」させる義務はないということです。
そのため、買主の合意を得られれば、「確定」されていない現況測量図でも問題ありません。
確定測量にかかる費用
次に境界測量の費用面を見ていきましょう。目安となる金額はあるものの、確定測量の費用は大まかに下記の3つの要素によって決まります。
- 隣地所有者の数
- 境界点の数
- 道路等の公との境界の有無
また、基本的には測量費は、買主が負担するものではなく、売主負担です。こうした境界確定における費用について、さまざまな角度から解説します。
土地売却で測量費用はどちらが払う?費用の相場や節約方法を解説
土地の隣地所有者の数や境界点の数で費用に差が出る
土地境界の測定量は、隣接している土地の隣地所有者の数、境界点の数、道路等の公との境界の有無で決まります。
費用感では東京の場合、35~70万円ほど、官民立ち合いが必要な80~100万円ほどが目安です。
業者によっても測量費用は異なるので、何社かに見積もりを取っておくとよいでしょう。
費用が高額になるケース
土地が広かったり形が複雑だと境界点が多く、隣地所有者が多くなるので隣地確認の手間暇が生じるため、確定測量の費用が高額となるケースが多くなる傾向にあります。
土地の広さや形だけではなく、「古い資料しかない」、「そもそも資料がない」というケースも高額になりがちです。
短期納期を求めた際も、通常よりは高くなります。
また、相続や裁判でトラブルを起こしている場合も同様です。
費用負担は買主と交渉も可能
土地の売買が目的で確定測量をする場合、基本的には、売主が費用を支払います。
しかし、売り出し前に買主が現れた場合は、買主側に費用を要求することも可能です。
費用については、売主と買主でしっかり交渉してください。
確定測量の流れと期間
ここまでで、確定測量をする理由や重要性、そして、費用について解説してきました。
では次に、実際に確定測量を行う際にどのような流れで進めていくかを紹介していきます。
確定測量のステップは表にまとめた通り4つのステップに分かれています。
アクション | 誰が | 期間 | |
---|---|---|---|
ステップ1 | 土地家屋調査士に測量依頼 | 依頼者 | 1~2日 |
ステップ2 | 現況測量 | 土地家屋調査士 | 2~3週間 |
ステップ3 | 立ち合いのもと境界確認 | 土地家屋調査士、隣地所有者、依頼者 | 1カ月程度 ※官民立ち合いが必要な場合は2~3カ月 |
ステップ4 | 確定測量図の完成&捺印 | 土地家屋調査士、売主 | 1カ月程度 |
まずは、確定測量の専門家である土地家屋調査士に測量の依頼をします。
確定測量図を作るには隣地所有者の立ち合いも必要になり、日程調整などで時間がかかりるため、3~4ヶ月程度かかります。
次に、法務局や市区町村役場で取得した資料を見ながら、現況の調査をし、境界点の位置に仮杭を設置します。
土地家屋調査士や隣地所有者の立ち合いともと、仮杭を設置した境界の確認を行います。
また、隣が公共用地であれば、市区町村役場の職員(国や都道府県の所有ならその職員)が立ち会うことになります。
境界について立ち合い人が納得したら、コンクリート杭等の境界標を設置します。
定まった境界線をもとに土地家屋調査士が土地境界確定図を作成し、その内容に問題なければ捺印押印をします。
以上が確定測量の流れとなります。
境界確認をしてトラブルを防ごう
土地の境界は、「境界確定測量」によって決まります。
隣接地所有者の立ち合いなども含まれますので、日頃からコミュニケーションをとっておくとスムーズに行えるでしょう。
知っている土地家屋調査士がいなければ、不動産会社から紹介してもらいましょう。
境界確認のすべての工程を終えるまでには、3〜4カ月程度かかります。
状況次第では、1年以上かかることもあり、最悪の場合は、境界確認できないこともあります。
土地の広さや形によって測量の費用が異なり、「隣地との境界点が多い」、「測量の手間がかかる複雑な形状」といった場合は、高額になる可能性があります。
費用負担は、基本は売主側ですが、交渉することも可能です。
境界確認の注意ポイントは、できるだけ早めに対応しておくこと、測量図の種類について理解を深めることが挙げられます。
分割で売却するためには、境界確認は必須ですので、この点も注意が必要。いずれにせよ、境界確認はトラブル防止になりますので、事前に行っておくことをおすすめします。
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依頼する企業としっかりとコミュニケーションをとり、土地家屋調査士を紹介してもらったり、境界確認について相談してみてください。
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