土地を売却する時には、必ずと言っていいほどついてくるのが『値引き交渉』です。
売主は『少しでも高く売りたい』、買主は『少しでも安く買いたい』と思うことは、当然の事でしょう。そこで売主と買主の間で、交渉が行われるのです。
大切なことは、売主・買主双方にとって、納得できる交渉を行うことです。
ここでは、値引き交渉をされた時に、本当に下げたほうがよいタイミングなのか、また、どのように交渉を進めていけばよいのかなどをまとめてみました。
土地売却には値引き交渉があると考えよう
土地の売却を考える時には『値引き交渉がある事が当たり前』といわれています。では、値引き交渉がある事で、売却する時にどのような影響が出てくるのでしょうか。
価格設定は値引き交渉があると仮定して設定する
土地を売却する際には、値引き交渉は必ずされると考えておきましょう。もちろん、されない場合もありますが、通常、買主は安く買いたいと考えることを踏まえると、必ずと言っていいほど値引き交渉はされるでしょう。
この値引き交渉には、必ず応じる義務はありません。しかし、あらかじめ値引き交渉をされると想定し、高めの価格に設定することで、値引き交渉をされても冷静に応じることができ、柔軟に対応できます。また、交渉に応じることで、土地を購入してくれるかも知れない買主と、良好な関係を保つことができるでしょう。
値引きの相場は?
値引き交渉といっても、どの程度の金額を値引くのかは、売却する土地の価格でも異なってきます。実際に、値下げ交渉を経験した5名の事例をみていきましょう。
売出し価格 | 実際の売却価格 | 値引き額 |
3,680万円 | 3,350万円 | 330万円 |
1,300万円 | 1,250万円 | 50万円 |
2,500万円 | 2,320万円 | 180万円 |
3,200万円 | 3,050万円 | 150万円 |
720万円 | 720万円 | 0円 |
このように売出し価格によっては、値引きをせずに売却した例もあります。2,000万〜3,000万円台の土地の値引き額は、100〜200万円程度が相場となっています。一般的には、売り出し価格が低くなるほど値引き額が少なくなり、高くなるほど大幅に値下げされる傾向にあるようです。急を要するなどのタイミングもありますが、値引きの金額は慎重に考えることが大切です。
値引きを想定した価格設定の考え方
値引きが当たり前となると、設定する売出価格は、その値引きする予定の金額を踏まえたうえで。考えなければなりません。売出し価格は、どのように決めて行けばよいのでしょうか。
売却したい価格を決める
周辺の市場価格を知る
土地の売出し価格を決める時には、適当に考えるのではなく、市場の価格を調べて設定しましょう。売りたい土地の周辺の市場価格を知ることで、売出し価格の目安となります。また、その土地と同じような土地が、どの位の価格で売出されているのかを知ることができ、同じような土地を検討している方の目にとまりやすくなります。
ここで、市場価格に値引き交渉をされることを想定して、高めに設定することが大切です。例えば、市場価格が2,500万円であれば2,700万円の売出し価格が理想的です。
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売りだす理由を価格に反映させる
『相続して何年も経つがなかなか使い道がない』『その地域を離れるので売ってしまいたい』など、土地を売却する理由は、人によって様々です。売出し価格を設定する時には、このような売却理由も加味することが大切です。例えば、転勤などで早急に手放したい場合は、値引きの金額を踏まえながら、相場より少し金額を下げて価格を設定しましょう。
もちろん、高く売れるに越したことはありませんが、売れなければ元も子もありません。あなたがが決定した価格で売れるまで、待てる余裕があれば別ですが、急ぐのであれば値引き幅を低く設定しましょう。例えば2,000万円の土地を売りたいと考えた時に、時間に余裕があれば値引き幅は200万円、急ぐようであれば50万円といったイメージです。
迷ったときには相談することが大切
市場価格を知るためには、実勢価格を参考にすることをおすすめします。
実勢価格とは、実際に市場で売買されている価格のことを指します。取引事例から得られる価格なので、その時に合わせて変動することが特徴です。
実勢価格は、以下から知ることができます。
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ただし、国土交通省の土地総合情報システムは、取引事例の少ない地域だとデータが少なく、正確性に欠けてしまうので、その場合は販売価格や査定価格を参考にしましょう。仲介業者に依頼する査定は、無料で行う業者が多いので、一社ではなく複数の業者に相談するようにしましょう。
実勢価格とは?調べ方から公示地価など他の価格との違いまで解説
複数社に相談することで、市場価格から大きく外れてしまうことを避けることができ、長期にわたって売れないといった事態も避けることができます。また、依頼するときには、信頼できる不動産会社を選びましょう。
なかなか良い不動産会社を、複数探すことは難しいものです。そんなときは、すまいステップを利用してみてください。信頼できる不動産会社と出会えるかもしれません。
値引き交渉の進め方
値引きには当たり前ですが、買主との交渉が必要となってきます。値引き交渉は、どのように進めて行くのでしょうか。詳しくみていきましょう。
買主が見つからない場合
買主が見つからないといっても、1カ月や2カ月の短期間で売出し価格を下げることは、やめておきましょう。まずは、不動産会社との契約期間で、反響があるか様子をみましょう。ちなみに、契約期間は基本的には3カ月です。
中には、依頼した不動産会社が値下げを勧めてくることがありますが、本当に良い不動産会社であれば、売り急ぐことはさせません。また、値下げをしないと分かると、積極的に売出しをしなかったり、土地を放置したりするような不動産会社もあります。しかし、大切な土地を預けて売るのですから、売主の意向を尊重してくれる不動産会社を見極めましょう。
もし、売却に関して急く必要がなければ、不動産市場が活発になる1月から4月を待つこともおすすめです。信頼できる不動産会社に依頼をして、半年経っても市場の反応がなければ、設定価格を見直すタイミングです。
買主から値下げ交渉があった場合
買主から『土地を購入するので値下げして欲しい』などの値引き交渉をされた場合は、まず交渉に応じるかどうかを検討しましょう。検討する材料としては、次のようなものがあります。
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また、なかなかあることではないのですが、仲介業者を通さずに、買主から直接値引き交渉された時は、すぐには応じず、仲介業者である不動産会社に、相談してから決めるようにしましょう。また、価格は高めに設定して売出すので、300万円の値引き幅を持っていて、買主の値引き希望額が200万円ということもあります。したがって値引き交渉は、まず買主の希望の金額を聞いて、その金額に応じた値引きをするようにしましょう。
例えば、売出し価格が3,680万円の土地を、3,500万円で購入したいといった問い合わせが来た場合。値引き幅が収まっていても、3,500万円にいきなり対応するのではなく、『100万円引いた3,580万円ではいかがでしょうか』と持ち掛けるようにしましょう。買主からすれば、本当に値引きをしてくれるとは思っていないことが多いので、高い確率で交渉が成立するでしょう。
価格を市場よりも、高く設定しているにもかかわらず『値引き交渉には応じない』といった考えは改めましょう。反響がなく、相場より高い価格で売り出しているのに、値引きに応じないといった態度でいると、仲介している不動産会社から、見放されてしまうこともあります。
値下げをしたら価格は戻らない
一度値引きをしたら、値上げをすることは非常に難しく、ほぼできないということを頭に入れておきましょう。価格を下げ過ぎたからといって、安易に高くすることもできないので、値引きをする時には慎重に行うことが大切です。
また、徐々に値引きしていく交渉だと、「この程度ならいいかな」と、自分が決めた価格より下回った価格で取引してしまう可能性が高まります。「この金額で売るつもりはなかった」と後悔しないためにも、値引きは『ここまでなら下げるが、これ以上は絶対に下げない』といった、ボーダーラインの金額を決めましょう。
値引き交渉をされた時の注意点
値引き交渉が、自分にとって有利な交渉でなければ、元から考えていた金額より、大幅に値下げしてしまったりなど、損をしてしまう可能性が出てきます。有利な交渉にするためにも、注意したいポイントを把握しておきましょう。
値引き交渉で損をしないためには?
売出して直ぐの値引き交渉には応じない
売出してすぐは、他に買いたいといった方から問い合わせがくる可能性が高く、値引きをせずに買ってくれる方が現れるかもしれません。できれば値引きをせずに、想定より高めの価格で売れたほうがよいです。
どうしても特定の買主に売りたい、なるべく早急に売りたいというような、特別な理由がない限り、売出してすぐに買主から値引き交渉をされた場合は、応じないようにしましょう。
高額な値引きを要求された場合
高額な値引き交渉をされた場合、応じることはありません。値引き幅を200万円と設定しているのに、500万円の値引きをしてしまったら、市場価格より下回って売却することになります。かたくなに値引き幅を守る必要はありませんが、大切な土地を売り渡すのですから、損をする売却は控えましょう。
直接交渉には応じない
近しい方であったり、連絡先を交換した買主の場合、直接値引きの交渉を持ちかけてくる方もいます。そんな時は、安易に口約束をせずに仲介業者に相談しましょう。口約束は、言った言わないの水掛け論になってしまい、トラブルになりかねません。また、直接値引き交渉を進めてしまうと、不動産の売却に知識を持った相手であった場合、損をしてしまうかもしれません。
値引きは一気に行う
値引きをする際に、徐々に下げていくほうがよいのか、一気に下げたほうがよいのか悩みますよね。その際には、価格は一気に下げることがおすすめです。買主が見つからない場合、一気に下げることでインパクトが強く、買主の目を引くことができます。ただし、『何かあったのか?』『いわくつきの土地なのでは』などのマイナスな印象も生まれやすいので、下げ過ぎには注意しましょう。
また、買主から値引き交渉をされた場合も、一気に下げるようにしましょう。徐々に下げてしまうと『粘ればもっと下がるのではないか?』という印象を与えてしまい、なかなか売却にたどり着けないといったことになりかねません。
介入する不動産会社選びは慎重に
土地を売却する際に大切なことは、介入してもらう不動産会社です。不動産会社は大小様々ありますが、大手だからよいというわけではありません。不動産会社によっては、手数料がかかったり、なかなか売れないとすぐに値下げを要求したりするような業者もあります。
たとえ小さくても、地域に密着しているような不動産会社で、草むしりやチラシ配りを手数料なしで行ってくれるような会社もあります。一概に、どういった不動産会社が良いとは言い切れませんが、自分の意向に沿って、売地を管理・売却してくれるような不動産会社を選びましょう。
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土地売却の値引き交渉は信頼できる不動産会社選びから
値引き交渉も含めて、土地の売却は信頼できる不動産会社へ依頼しましょう。不動産会社を決める目安の一つが、土地の査定です。査定を出してみて、自分が想定していた価格に、近い価格で査定してくれる不動産会社や、やりとりするメール、やりとりにかかる対応の速さなどを比べて、自分に合った不動産会社を見つけましょう。
また、一社ではなく複数の不動産会社へ査定をお願いすることをおすすめしますが、一社ずつお願いすることは時間がかかってしまいます。そこでおすすめなのがすまいステップです。
値引きは最後の手段として使う
土地を売却すると決めたら、売るための努力をできることから始めましょう。例えば、草むしりなどを行って土地をきれいに保ったり、買主が見つかるように、売却したい土地に立て看板を立てたりすることで、周りに売地ということを知らせることができます。そのうえで、反響がこなかったりなかなか売却に繋がらなかったりした場合は、値引きを行うようにしましょう。
市場価格や値引き額の金額、交渉の進め方などを知識として頭に入れているだけで、土地の売却をスムーズに進めることができます。ポイントを押さえ、大切な土地を気持ちよく売りましょう。
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