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一戸建てが売れない11の理由と打つべき対策を解説

  • 更新日:2022年12月9日
監修逆瀬川 勇造

大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。

【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

【URL】P.D.Pの金融・不動産情報ブログ
一戸建てが売れない11の理由と打つべき対策を解説

一戸建ての売却にかかる期間は平均6カ月です。
「6カ月過ぎても売れていない」「内覧もなく売れる見込みがない」など、戸建てが売れない時は、何かしらの売れない理由があります。

この記事では、戸建てが売れない理由と対策を解説していきます。

戸建てが長い期間売れない場合、様々な売れない理由が絡みあっている場合がありますので、一通り目を通していただけると適格に改善していけます。

監修逆瀬川 勇造

大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。新築や土地の仕入れ、不動産売買に携わる。

【保有資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

【URL】P.D.Pの金融・不動産情報ブログ

一戸建てが売れない11の理由

一戸建てが売れない理由が分かれば改善方法もおのずと分かります。

まずは戸建てが売れない11の理由を確認していきましょう。

売り出し価格が高すぎる

まず初めに考えられるべきは価格設定に関してです。

中古戸建ての購入希望者の多くは、価格の安さに魅力を持ちます。

購入希望者は、様々な売り物件を見ているため、条件に合う中古戸建ての相場感が身についています。
近しい条件の他物件に比べて価格が高いと感じれば、検討から外れやすくなります。

1年や2年時間をかけてもいい人であれば、多少高い価格でチャレンジしてみてもいいですが、そうでない方は適切な相場価格をとらえて価格設定をしましょう。

閑散期に売買している

戸建てには、売りやすい時期と売りにくい時期があります。
2~3月、9~10月は、進学や転勤のようなイベントが関係し需要が高まり売れやすくなります。
それ以外の時期は比較的売りにくく、中でも7~8月、12月は非常に売れにくい時期と言えます。

首都圏での直近1年の成約件数(売買が成立した数)を見てみましょう。
3月が売れやすく、8月が売れにくいことが分かります。

広告に魅力がない

購入希望者が不動産会社で紹介される物件だけでなく、SUUMOのようなポータルサイトで多くの物件を閲覧しています。

内見まで至るには、広告に魅力を感じ興味を持つ必要があります。

写真の多さやキレイさ、周辺のお店やサービス情報、その地域の福祉の充実さなど、アピールできていない魅力を見つけ出しましょう。

すまリス
バーチャルホームステージングというサービスを使うと、広告で使う写真にインテリアコーディネートを合成してくれるよ!魅力的になるね!

内覧準備や対応で印象を落としている

内覧は行っているのに購入まで至らない場合は、内覧の準備や対応が悪く印象を落としているのかもしれません。

中古戸建ては直接見ると分ける傷や汚れがたくさんあります。
そのため、写真とのギャップを感じやすい状態にあります。

また、購入を決める際「誰から買うか」を非常に気にしています。
売主に感じる印象も購入の決断い大きく影響するのです。

徹底的に掃除を行うかハウスクリーニングで清潔さを保ち、誠実に購入希望者の対応をしましょう。

家の劣化が激しい

近年ではDIYの需要が高まり、中古戸建てが一層注目されています。
そのため、リフォームを施さずとも売却できる可能性も高まっています。

しかし、あまりにも劣化が激しく住むのに適さないと思われる家はいつまでも売却できないでしょう。
その物件を買う場合、まず解体をする必要があるためです。

例えば、昭和56年以前に建てられた耐震基準が低い家の場合は、更地として売り出すか、不動産会社に買取してもらう方がいいでしょう。

すまリス
物件によっては、不動産会社に買取してもらえるよ!
安くはなるけど、早く確実に売りたい時はおすすめ。

リフォーム・リノベーションをしている

購入希望者の多くは、中古住宅を安く購入して自分好みにカスタマイズしたいと考えています。
DIYやリフォーム、リノベーションを自分でしようと考えているのです。

そのため、既にリフォームやリノベーションされた家が好まれず、売却期間を長引かせるケースもあります。

リフォーム状況と購入者の行動国土交通相「中古住宅・リフォ ムト タルプラン ームトータルプラン 参考資料」をもとに編集部が作成

再建築ができない土地

売却を始めている方であれば、既に不動産会社から伝えられているかもしれませんが、土地には新たに建物が建てられない(再建築不可)物件があります。

都市計画区域と準都市計画区域内にある土地で、接道義務を満たしていない土地が再建築不可となります。
接道義務は、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければいけない」というものです。

再建築不可物件は非常に売れにくいため、不動産会社に買取をしてもらうか、接道義務を満たしてから販売する方法がオススメです。

隣地を購入し間口を広げたり、土地を後退させて道路幅を広げる(セットバック)ことで接道義務を満たせる場合があります。
不動産会社に相談してみましょう。

不動産会社が地域に詳しくない

中古戸建ては新築に比べ需要が少なく、売れにくい傾向にあります。
そのため、地域の状態を知りつくし、適格に販売方法を考えられる不動産会社の方が売却を成功してくれる場合が多くあります。

大手だからと立ち寄った不動産会社が必ずしも地域に根付いているとは限りません。
地域密着の小規模な不動産会社も一緒に比較するようにしましょう。

一般媒介契約を結んでいる

前述しましたが、中古戸建ては新築に比べ売りにくい物件です。
そのため、一般媒介契約(不動産会社と結ぶ媒介契約の種類の一つ)では売れない可能があります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社に依頼することが出来る唯一の契約形態です。
一般媒介契約では、利益を得ることが出来る不動産会社は、買主との売買契約を成立させた一社のみです。
要は、依頼を受けた不動産会社のほとんどはタダ働きをすることになります。

新築物件や、都心の駅近物件であれば、不動産会社が勢力的に販売活動をせずとも売れるため一般媒介契約にメリットがあります。
一方で、多くの時間と労力を費やさないと売れない中古戸建てを、タダ働きのリスクを抱えながら勢力的に販売活動をしてくれる不動産会社はほとんどいないでしょう。

すまリス
一社のみと契約する専任媒介契約は、契約期間内に売却さえできれば不動産会社の利益が保証される。
不動産会社も力を入れやすいよね!

専任媒介契約のために囲い込みが起こっている

一社の不動産会社とかわす媒介契約を専任媒介契約といいます。
一般媒介契約に比べ、勢力的な販売活動を期待できる専任媒介契約ですが、悪質な不動産会社と契約してしまうと、囲い込みを行われる可能性があります。


囲い込とは

囲い込みは、他社に買主を紹介されないよう、正確な売り物件状況を伝えない(公開しない)ことを指します。
売主から依頼を受けた不動産会社は、全国の不動産会社に売買情報を共有し買主を見つけていきます。
この際、他社が見つけた買主でなく、自社で買主を見つけた場合は売主と買主両方から仲介手数料(報酬)と受け取ることが出来ます。

囲い込みを受けると、買主を見つけにくくなり、売却が長期化しやすくなります。

囲い込みは非常に巧妙に行われるため、素人目ではきずきにくいのが実情です。

必ずではありませんが、注意すべき不動産会社の特徴をあげておきます。

  • 大手の不動産会社(資金力が豊富で売却が長期化しても問題ない)
  • 買取保証を押す会社(仲介で売れなくても、安く買取をして再販できるため)
  • 買取業者へ仲介することが多い会社(買取業者につなぎ、買取業者からさらに消費者へつなぐことで手数料を倍増させている)

素人が優良な不動産会社を見極めるのは非常に難しいため、優良不動産会社のみと提携する査定サービスを利用すると安全です。

一括査定サイトのすまいステップは、全国から厳選した不動産会社のみに査定を依頼できるサービスです。
一度に4社の不動産会社に査定を依頼することが出来るので、査定額や態度を比較し、より自分に合った不動産会社に出会うことができます。

戸建てが売れない時の6つの対策

ここからは、戸建てが売れない時に共通して打つべき対策を紹介します。

  • 相場価格を見直し価格を再設定
  • 広告の写真やアピールポイントを見直す
  • ホームインスペクションを行う
  • 内覧に力を入れる(ホームステージングの活用等)
  • 不動産会社を選びなおし専任媒介契約を結ぶ
  • 買取をしてもらう
  • 解体・リフォーム・接道義務違反の回避等

相場価格を見直し価格を再設定

中古戸建ては価格設定が非常に大切です。
相場価格を正しく調査し、相場価格より高くならないよう価格を調整しましょう。

既に相場価格を下回っている場合は、以降で紹介する他の対策も行ったうえで値下げも考えていきましょう。

相場を調べる際は、レインズマーケットインフォーメーションが便利です。
トップページから戸建て欄に地域を打ち込み検索しましょう。
できるだけ売りたい戸建てに似た条件で絞り込み、いくつかの売却価格と坪単価を収集しましょう。

また、すまいステップの売買データベースでは、地域の相場推移を確認することが出来ます。

広告の写真やアピールポイントを見直す

ポータルサイトに掲載していても登録されている情報が魅力的ではない場合、購入希望者に魅力が伝わるように登録情報を変更しましょう。
所在地や築年数・交通の便など基本的な情報の他に、以下のような観点は魅力的な付加価値になりやすいです。

  • 近隣の利便施設(買物施設、金融機関、医療施設、公園など)
  • リフォーム・リノベーション済みの場合の工事内容(リフォームの修繕履歴)
  • 小学校・中学校学区

また、物件の状態を変更してから掲載写真を撮るのもオススメです。
立地の日当たりが悪い場合は、暖色系の照明や間接照明で明るさを増してみるといいでしょう。風通しが悪い位置なら目隠しの心配がいらないと状況を逆手にとったアピールも出来ます。騒音については、窓やサッシに見えない工夫をして防音対策をしているのであれば、それはアピールポイントになります。購入希望者が安心できるような情報を伝えるようにしましょう。

 

SUMMO物件情報

さらに、物件の魅力を伝えるためには綺麗な写真が欠かせません。不動産会社に依頼すれば、高性能のカメラで撮影してもらえるので遠慮なく相談してみると良いでしょう。
なお、ポータルサイトの登録情報は不動産会社しか修正できないため、修正点や文章を不動産会社にメールで送るなどして依頼するのがよいでしょう。

ホームインスペクションを行う

ホームインスペクションとは第三者である住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無を診断することです。

中古物件の購入検討者は「物件に欠陥がないか」と不安を感じているものです。そんな購入検討者の不安を解消するために、ホームインスペクションが有効です。第三者からの正式な調査なので、安心して購入の意思決定がしやすくなるでしょう。

そのほかにも売却後に瑕疵や不具合が発覚することによるトラブルを未然に防ぐことが出来たり、瑕疵担保保険に加入できるというメリットがあります。雨漏りやシロアリによる床の腐食など、通常有すべき品質を欠く「瑕疵」が売却後に発覚すると補修の対応や賠償金などで大きな損失を出す可能性がありますが、事前に補修が必要な箇所が分かりリフォーム費用を抑えることにも貢献します。

また、ホームインスペクションを行い瑕疵担保保険に加入すると、買主が住宅ローン控除などの税制優遇を受けることが出来るため、買主に対して経済的なメリットを訴求することができます。

実際に、ホームインスペクションを利用して不動産売却を行った5割以上の人が買主が早く見つかり売却がスムーズにできたと回答しています。

 

参考:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「土地・住宅に関する消費者アンケート調査」

基本的に約30坪ほどの住宅診断で5~6万円の費用・2~3時間の時間がかかりますが、費用対効果が高い対策だということができます。不動産会社によっては無料でホームインスペクションを実施してくれる会社もあります。

ホームインスペクションについて詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。

内覧に力を入れる(ホームステージングの活用等)

内覧前は広告写真に見劣りしない清潔な状態になるまで清掃やハウスクリーニングを行いましょう。
また、内覧時はできる限り売主も同席するようにしましょう。

売主だから分かる情報を中心に説明すると、好印象を持たれて良い成果につながります。具体的には、以下のような情報です。

  • 近隣のスーパーや病院の情報(病院の先生の人柄など)
  • 図書館など公共施設の情報
  • 最寄りの小学校や保育園までの距離
  • 周辺の環境(騒音、治安など)
  • コンセントの位置や浴室乾燥など宅内設備の使い勝手
  • 市の取り組みや福祉

インテリアコーディネートを施してくるホームステージングサービスを利用するのもよいでしょう。

有名な企業でいうと、株式会社ニトリなどもホームステージングを提供しています。

地域密着の不動産会社に依頼しなおす

戸建てを売却を、方針を変えて地元に根差した不動産会社に相談してみましょう。

地元密着型の不動産会社は、大手不動産会社と比べ資金力や集客力は劣るものの、地域特性への理解やパートナーシップの観点で優れています。

どの不動産会社も売買が完了した際の仲介手数料で利益を出しているため、効率化のため利益になりにくい不人気なエリアの売却は力を入れていないのが実情です。また、集客の範囲が広くても現状より交通の便やアクセスが悪いエリアに移住しようとする方はほとんどいないため、地方や郊外の一戸建てだと大手の強みである資金力や集客力が効果的に活かされないでしょう。

地元密着型の不動産会社は地域特性など近隣状況をよく把握しているため、地主など地元の有力者とのパイプが強いこともよくあり、範囲は狭いものの強い集客網を持っている可能性が高いです。

資金力集客力地域特性への理解パートナーシップ
大手不動産会社強い広範囲弱い担当者による
地元密着型不動産会社弱い範囲が狭い強い強い

地元密着型とはいっても、店舗に出向くのも大変ですし地元に店舗を構えるだけで廃れた不動産会社などを選んでしまっては、より売れなくなってしまいます。
そんなときは、不動産一括査定サイトを使って再び査定価格を出してもらうついでに地元密着型の優良不動産会社を探しましょう。

買取をしてもらう

物件の需要がほとんどなく売りに出していても個人の買い手を見つけることが難しければ、不動産会社に直接買い取ってもらう買取という手法を選択しましょう。
買取を利用すれば、面倒な買主探しは不要で、すぐに家を売却できます。売却価格は相場の6~7割程になってしまいますが、売れずに持ち続けるよりも良いでしょう。

不動産会社によって買取対象になる条件は異なるため、まずは現在仲介を依頼している不動産会社が買取を行っているか・自分の一戸建てが買取対象であるかを不動産会社に相談して確認しましょう。

解体・リフォーム・接道義務違反の回避等

どうしても売れない家の場合は、解体やリフォームが必要な場合もあります。
また接道義務を満たしていない土地では、接道義務を満たす為の隣地の購入やセットバックが必要になります。

いずれも、相当の費用が発生するため安直に行うべきではありません。
時間が許すのならば、通常通り売りに出してみて様子を見てみましょう。

最後は、信頼できる不動産会社と相談して、どんな対処をするべきか一緒に考えるようにしましょう。

また、早く売ることに重きを置いている方は、不動産会社に買取を検討しましょう。

まとめ

売却活動をしているのに一戸建ての住宅が売れないというのは、必ず理由があります。売れない理由は、売却価格が適正でなかった、立地や物件に問題があった、売主の対応が悪かった、不動産業者に原因があったなどですが、その物件が売れない理由を明確にすることが大切です。

一戸建ての売却期間の目安は、マンションより長く6か月と言われています。売り出してから6カ月、ましてや1年経っても一戸建てが売れないという人は、何かしら売れない理由があるはずです。売れない理由が明確になれば、対処していけばよいわけです。売主自身が改善出来るものは改善し、不動産業者が原因ならば、契約を一旦終了し、新たな不動産業者を選んでみることをおすすめします。

また、政府が近年空き家率の問題を深刻化させないために、中古物件の流通活性化に力を入れているため、売れない一戸建ても売却できるチャンスは十分にあると言えます。
具体的には中古住宅をリフォームやリノベーションする場合に補助金を出したり、減税措置を実施したりしています。

その結果、中古住宅の流通量はほぼ横ばいで下がっていません。以下は国土交通省HPで公開されている首都圏と近畿圏の中古住宅の流通量を示したグラフです。どちらのエリアも流通量はほぼ変わっていないことが分かります。

中古住宅流通量

新たな業者を探すなら厳選された業者から探せるすまいステップを活用

物件が売れないのが不動産業者だった場合は、再度不動産業者選びをしましょう。不動産会社を選ぶ時に便利なのは一括査定サイトのすまいステップです。すまいステップはクレームがあった業者は除外しているから、登録している全国の優良な不動産業者です。最大4社まで一度に比較することも出来る便利なサイトです。すまいステップなら一戸建て住宅の売却が得意な不動産会社と出会えるでしょう。

専門家

戸建てはマンションと比べて個別性が高く、事前に物件の情報を伝えきることが難しいといったことも、売却しづらい原因の一つだと言えます。

ただ、建物は時の経過によって劣化し、価値が落ちてしまいますが土地はただ時が経過しただけでは価値が落ちないといったメリットもあります。

こうした点を、より適性に査定してくれて、また適切に売却活動を行ってくれる不動産会社を探すことが重要だと言えるでしょう。

具体的には「地域のことに精通していること」や「戸建物件の売買実績が豊富なこと」がポイントとなります。

すまいステップに一括査定依頼すれば、優良な不動産会社の中から最大4社の紹介を受けることができます。

その中から、上記ポイントを満たす不動産会社を見極めるようにするとよいでしょう。

 

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