家の売却を試みたものの売れないことも起こりえます。また、既に家が売れ残ってしまいそうで困っている人もいるでしょう。
不動産を売却しようと営業活動をしてみたけれども、売れ残ってしまった時にはどうすればよいのでしょうか。
ここでは家が売れない理由と、売れないときの対処方法について紹介しています。
また、売れ残ってしまった場合にはどうすればよいのかも理解して、早めの対応ができるようにしましょう。
家が売れないとどうなるか
家が売れないでいると、住宅ローンが滞納している場合だと最終的に競売にかけられます。
家の売却は3~6ヶ月程度かかる場合が多く、遅いと1年以上も売れないケースがあります。
すばやく売却するためにも、売却方法やコツ、売れ残った際の対処方法などを確認しましょう。
最終的には競売にかけられる
前述しているとおり、住宅ローンが滞納している状況で家が売れないでいると、最終的に競売にかけられます。
競売となると物件の価格はかなり下がってしまうので、金融機関としても債権(ローン残債)の回収が困難になります。
ただし、所有者が事前に金融機関と相談して任意売却ができるようなら、その後不動産会社にきちんと説明して売却を依頼しましょう。
金融機関としてもできるだけ債権を回収したいので相談に乗ってくれます。
任意売却でも売れ残ってしまうと競売となるので、信頼できる不動産会社を選んで、少しでも高く売れるように営業してもらいましょう。
空き家のまま残って余計な税金がかかる
すでに引っ越し先の家を購入しているのであれば、売れない家は空き家として残ることになります。
空き家で残した際には、いくつかのデメリットがあるので確認しましょう。
- 固定資産税がかかる
- 修繕費がかかる
- 状況によっては解体が必要
家が売れないまま空き家として放置されると、このようなデメリットが発生します。
固定資産税や経年劣化による修繕費がかかり、余計な支出にもなりかねません。
さらに、放置された空き家は、害虫が発生したり放火の原因になったりするため、地方公共団体から解体を命じられる可能性もあります。
家の価値が下がる
長期間家が売れないと、家の価値が減少してしまいます。
以下の表は、築年数の経過と建物の価値の推移を表しています。
木造戸建ての場合は築22年で建物としての価値がなくなります。
マンションであれば47年まで価値はありますが、どちらにしても築年数が経過すると価値も減少してしまいます。
売れにくい家の特徴
売れにくい家の特徴を解説します。
以下の特徴に該当していないか確認してみましょう。
- 売り出し価格が高い
- 立地がよくない
- 築年数が古い
- 建物自体の状態が悪い
売り出し価格が高い
売り出し価格が高い家は売れにくい傾向にあります。
売り出し価格には適切な価格があり、その地域の相場に合わせた価格に設定するのが一般的です。
高く売りたいからといって相場より高く設定しても、買い手からすれば「相場より高い物件」として見られてしまいます。
その結果として買い手が現れず、売却の長期化につながります。
不動産ポータルサイトやレインズ・マーケット・インフォメーションなどを活用して、相場に見合った売り出し価格を設定しましょう。
なお、自分で相場を調べるのではなく、不動産会社の訪問査定を受けるのも効果的な方法です。
気になる方は以下の記事を参考に進めてみてください。
立地がよくない
立地の良し悪しでも家の売れやすさは異なります。
例えば以下のような立地にある家は売れにくい傾向にあります。
- 最寄駅から徒歩10分以上
- コンビニやスーパーが近くにない
- 病院や役所から遠い
- 治安が悪い
利便性や交通の便が悪い立地は買い手からの需要が少ないため、なかなか買い手が現れない特徴があります。
売却時はその地域に詳しい不動産会社へ依頼するなどして工夫する必要があります。
築年数が古い
築年数が古い家は売れにくい傾向にあります。
一般的に買い手は新築物件や築浅物件を好む傾向にあるため、築30年以上の築古物件は需要が少ない特徴があります。
また、売却できたとしても大幅に値下げされる可能性も多いため、想定しているよりも安い価格での売却を覚悟しておかなければなりません。
ただし、利便性のよい物件や人気エリアの物件であれば相場より高い価格で売れるケースもあります。
建物自体の状態が悪い
建物自体の状態が悪い場合、立地が良かったり築浅物件だったりしても売れない場合があります。
例えば以下のような状態だと売れにくくなってしまいます。
- 外壁が剝がれている
- 外壁が汚い
- 設備に不備がある
- 雨漏りしている
- 防音・防火性が低い
見た目の状態だけでなく設備や雨漏りなど、実際に住むうえでの欠陥に関しても売れにくさにつながります。
売ろうとしている家が上記に該当する場合はリフォームするなどして改善してから売り出すのがよいでしょう。
家が売れ残ってしまう主な理由
ここでは家が売れ残ってしまう主な理由について紹介していきます。
家が売れ残る理由を知って、注意するポイントを把握しましょう。
- 景気が悪く不動産の需要がない
- 売り出し価格が市場価格より高すぎる
- マンションの場合は立地条件が悪い
- あまりにも古すぎる
景気が悪く不動産の需要がない
景気が悪くなると家を買いたいと思う人が減ります。
そのため、家を買いたい人はより条件の良い家に流れていきます。
反対に景気が良くなると収入が増えるので、賃貸暮らしの人でも不動産を購入しようとする人が増えます。
不動産需要はわずかに変動をしていますが、ここ30年ほど低迷している市場でもあります。
売却を焦らないのであれば、定期的に査定をしながら最適な時期を見極めるのも売れ残らないための対策となります。
売り出し価格が市場価格より高すぎる
売れ残る最も可能性の高い理由が売り出し価格にあります。
欲張って市場価格よりも高すぎる売り出し価格を設定しても、買主は見つかりません。
今は買主も不動産情報をインターネットを使って簡単に手に入れられる時代です。
検索範囲から外れた物件情報は購入希望者の目に留まらないので、価格設定には注意が必要です。
マンションの場合は立地条件が悪い
マンションを購入しようとする人は利便性を重視する傾向にあります。
駅から遠い場合やバス路線などがない場合には立地条件が悪く、買い手を見つけるのが困難です。
この場合は、立地以外で不動産のアピールポイントを不動産会社へ伝えましょう。
査定をしっかりしてもらい、売却条件が合うかを見極めて売却を進めましょう。
あまりにも古すぎる
家は築年数が30年も経過すると配管などのライフラインが損傷していたり、住宅ローン控除の適用外になったりするなど買主にとってデメリットが多くなります。
古すぎる不動産はそれだけで買主にとってデメリットが多いのです。
近年は中古市場が人気なのもあり、古すぎる物件でも購入を希望する人がいますが、価格的には購入時よりも下がる傾向にあるので、利益を出すのは難しくなります。
築古物件に住んでいる場合は、一度不動産会社に査定を依頼してライフプランを立てるのもよいでしょう。
また、耐震診断を行っていないようなら、診断をして基準を満たすと固定資産税の減免や住宅ローン控除の適用範囲が広がるなど売主、買主にもメリットがあるので検討してみましょう。
不動産一括査定サイトの『すまいステップ』で、家の査定を依頼した方の約45%が、家を売り出してから3か月以内に売却を完了しています。
すまいステップでは加盟している不動産会社を「宅地建物取引士資格保有」などの厳しい基準で厳選しているので、スピーディーな売却が実現できます。
下記のフォームに物件情報を入力して、査定を受けてみましょう。



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マンションをできるだけ早く売却するためのポイント
不動産が売れ残らないためにはできるだけ早く売却することが大切です。
ここでは不動産ができるだけ早く売却できるポイントについて紹介していきます。
事前に準備をしておくことで売却のチャンスを逃さないようにしましょう。
- 売却するまでのスケジュールをきちんと立てておく
- 売却価格相場を調べておく
- 信頼できる担当者に仲介を依頼する
- 売り出すタイミングを見極める
売却するまでのスケジュールをきちんと立てておく
不動産を売却するには買主を見つけるのが一番大切です。
一方で書類を揃えたり、内覧を受け入れたりと売却をするために必要な手続きはたくさんあります。
できるだけ売主側でできる準備は万全にしておき、手続きが滞らないように準備しておきましょう。
また、不動産売却には売り出してから3カ月から半年はかかります。
売却するまでのスケジュールをきちんと立てて、値下げをするタイミングや内覧に対応できる日程など細かく決めておくことで担当が営業をしやすい環境を整えましょう。
売却価格相場を調べておく
売却価格は基本的に不動産会社が提示してくれますが、自分でも周辺相場を調べて感覚を身につけておきましょう。
周辺相場を調べるのにはいくつか方法がありますが、複数の不動産会社に査定を依頼して比較検討することが一番です。
最近では不動産一括査定サイトが無料で簡単に使えるので便利です。
中でも「すまいステップ」なら独自の基準で厳選された不動産会社の中から最大4社に査定を依頼してくれます。
担当するのは資格を有したエース級の営業マンが付いてくれるので初心者でも安心です。
信頼できる担当者に仲介を依頼する
名前を聞いたことのある大手企業でも付いた担当者が有能とは限りません。
まだ資格のない新人が付くこともあります。
基本的には査定から売却を開始して売買契約を結ぶまでは1人の営業担当者がすべて対応することになります。
信頼できる有能な担当者に仲介を依頼できれば売れ残ることは少なくなります。
不動産会社選びで物件の売却ができるかが決まるので慎重に行いましょう。
売り出すタイミングを見極める
不動産業界にも繁忙期と閑散期があります。
特に日本では新生活が始まる4月に合わせて、2月3月に不動産購入需要が高まります。
異動や転勤、子どもの入学を機に不動産を購入する傾向にあります。
売り出す時期について制約がないのであれば、タイミングを見極めて売却活動をはじめましょう。
不動産を売り出すタイミングは不動産会社の営業担当ともよく打ち合わせをして、最適なタイミングを狙いましょう。
売れ残ってしまった際の対処方法
不動産会社に仲介を依頼したが、契約期間内に買主が見つからず、売れ残ってしまった場合の対処法についてここでは見ていきましょう。
基本的には、売れなかった原因を分析して、行動を起こしましょう。
簡単なリフォームを行う
購入希望者が内覧に来た際に悪い印象を与えない程度に修繕はしておきましょう。
リフォームやリノベーションに自信があるのであれば、手をかけて物件価格を高く売り出す事例もあります。
また、購入しそうな世代層でもリフォームの有無は変わってきます。
高齢者向けの単身住宅などはリフォームが好まれますし、若者向けならば安い方が好まれます。
リフォームが必要かどうかは複数の不動産会社に査定を依頼した段階で相談して、さまざまな意見を聞いたうえで決めるとよいでしょう。
媒介契約を変える
家の売却を不動産会社に仲介してもらう場合には、3種類の媒介契約の中から1つを選ぶのが一般的です。
契約の種類 | 内容 |
---|---|
専属専任媒介契約 |
|
専任媒介契約 |
|
一般媒介契約 |
|
媒介契約は基本、売却を依頼する時に選択します。
契約途中でも不動産会社を1社に絞って上位の契約に変更することで積極的に売却活動を進めてくれるようになるので、売却できる可能性は上がります。
なかなか営業報告が来なかったり、買主が見つからない場合には、媒介契約の内容を再度確認して見直しましょう。
不動産会社を変えてみる
不動産会社は売却を依頼する前によく比較して信頼できる担当者を見つけることが大切ですが、時には選択ミスをすることもあります。
媒介契約の期間で売れ残ってしまった時に会社の対応自体に問題がある場合には不動産会社を変更してみましょう。
もし、不動産会社が故意に売却を妨害していた場合には、媒介契約中であっても契約を解除して別の不動産会社を探しましょう。
不動産会社に非がない場合でも契約解除は可能です。
ただし、売主の都合で契約を解除する場合には、それまでかかった経費を請求される場合があります。
明らかに不動産会社に非がある場合には、無条件で解除できます。
家を解体して更地で売り出す
古屋つきの土地を安く買って活用する事例もありますが、戸建てを解体する場合には費用がかかるので、更地にした方が買手が見つかる場合もあります。
ただし、更地になると固定資産税が高くなるので解体のタイミングが重要になります。
また、建築規制で取り壊すと元の広さの建物が建てられない場合もあるので、安易に解体することが良いとも限りません。
古すぎる建物がある場合には基本的には土地価格のみで取引されます。
解体が必要かは時代の流行もあるので、不動産会社とよく相談して対応を講じましょう。
不動産買取を依頼する
売却がどうしても困難な時には不動産会社による買取を検討してみましょう。
不動産買取は不動産会社などが売却を希望する家を直接買い取る売却方法です。
直接買取るので仲介手数料がかかりません。
買い手を見つける手間がないため、1、2か月で買取してもらえる可能性もあります。
物件や条件によって大きく違いが出ますが、不動産買取は相場の6割前後で取引されています。
手間なく売却できるのですが、すべての不動産会社が対応してくれるわけではありません。
事前にホームページなどで確認しておきましょう。
不動産売却を成功させるためには万全の準備が必要
不動産を売却するにはさまざまなハードルがあります。
特にコロナ禍に入って、不動産市場が低迷する中で、売り出した家が売れ残らないようにするためには万全の対策が必要です。
まずは仲介を依頼する不動産会社をよく比較して信頼できる担当者を見つけるのが大切です。
不動産の売却は担当者の力量が大きく影響してきます。
家の査定依頼を複数の不動産会社にして、査定価格や担当者の応対などから信頼して預けられる不動産会社を見つけましょう。
査定の依頼には不動産一括査定サイトを利用するのが便利です。
不動産の売却をはじめて媒介契約期間内に売れなかった場合には、原因をよく精査して対策を講じましょう。
もし、不動産会社に問題があるのなら、媒介契約を解除して他の不動産会社に依頼するのも効果的です。
家自体の売却条件が悪い場合には不動産会社に買取を依頼するのも含めて検討しましょう。
価格は安くなるものの、手放せない不動産を所有し続けることは固定資産税や管理費などの負担が続くことにもなります。
不動産売却のノウハウは不動産会社によって大きくことなります。
自分が所有する不動産の売却を得意とする会社を見つけて、わからないことはとことん相談して家の売却を成功させましょう。