戸建てを売りたくても契約が決まらないと不安になってしまいますよね。
一般的に戸建ての売却までの期間は3~6ヶ月、長くて11ヶ月程度が一般的です。
もしもこれよりも売却が長引いてしまっているのなら、なにか原因があるかもしれません。
以下の状況で、ご自身に当てはまるケースはないでしょうか?
- そもそも内覧希望者が現れない
- 内覧希望はあるけれど、成約につながらない
- 不動産会社の担当者からの連絡が少ない・ずさん
この記事では、戸建てが売れにくい理由や原因、対策を詳しく解説します。
戸建て売却でお悩みの方はぜひ参考にご覧ください。
戸建てを売却した人の3人に1人以上が6ヶ月以上かかっている
まずは、実際に戸建てを売却した人のアンケート結果を見てみましょう。
以下は、実際に戸建てを売却した人に向けて「売却までにかかった期間」を集計した結果です。
1ヶ月以内~6ヶ月以内の割合が全体の約63%を占めているのがわかります。
一方で、それ以上の期間と答えた割合は約37%であり、3人に1人以上の割合で売却するまでに時間がかかっています。
そもそも不動産の売却期間は3~6ヶ月が一般的であり、それ以上の期間がかかると「売れ残り物件」のイメージが付きやすくなり、余計に売れにくくなります。
これから戸建てを売却しようとしている方は、6ヶ月を目安に売却活動を進めてみるのがよいでしょう。
戸建て売却が難しいといわれる理由
戸建て売却は3人に1人以上の割合で長期化していることwお伝えしましたが、なぜ売却が難しくなるのでしょうか。
ここでは、戸建て売却が難しいといわれる2つの理由について解説します。
- マンションより価値の減少が早い
- 都心部に少ない
それぞれを詳しく解説します。
マンションより価値の減少が早い
戸建てはマンションと比べて価値の減少が早い特徴があります。
そもそも建物には「法定耐用年数」が定められており、鉄筋コンクリート造マンションは47年、木造の建物は22年です。
引用:国土交通相『中古住宅流通、リフォーム市場の現状』
都心部に少ない
戸建ては都心部よりも郊外の方が多く建てられています。
人口の多くない郊外での売却となるため、購入希望者が現れづらい傾向にあります。
また、都心部と比べても利便性や交通の便でも不利となるケースが多いのも売却が難しい理由のひとつです。
戸建て売却が難しい原因と対策
戸建て売却が難しい理由をお伝えしましたが、売れない原因はそれ以上に多くあります。
ここでは、戸建て売却が難しい原因と対策を併せて解説します。
- 築年数が古い
- 売り出し価格が高い
- 需要が少ないエリアにある
- 個性的な間取りの戸建て
- そもそも内覧希望者が現れない
- 内覧希望はあるけれど成約につながらない
- 不動産会社の担当者からの連絡が少ない・ずさん
原因①:築年数が古い
築年数の古い戸建ては売れにくい傾向にあります。
以下はREINSが公表している情報をもとに作成した、戸建ての築年数別成約価格のグラフです。
REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」(pdf)を参考にすまいステップ編集部が作成
築年数の経過とともに成約価格が下落しているのがわかります。
特に築26年を超えると新築時より約30%も価値が減少しています。
このように、戸建ては古くなるほど価値もなくなっていくので、どうしても売れにくい状況となってしまうのです。
対策①:リフォームする
築年数の古い戸建てを売りたいのであればリフォームが効果的です。
リフォームすることで、古い家でも新築同様の外装や内装に仕上げることができます。
また、設備も最新のものに変更できるため、外装も内装もボロボロば戸建ての場合はリフォームを検討してみましょう。
対策②:ホームインスペクションを受ける
ホームインスペクションとは、住宅診断士や建築士が住宅の劣化状況を診断してくれる制度をいいます。
住宅診断のプロによる診断を受けられるため、築年数の古い家でも安全性をアピールできます。
一般的には「古い家=欠陥がある」と認識されやすい傾向にあるため、ホームインスペクションを受けて安全性を担保することも大切です。
対策③:既存住宅売買瑕疵保険に加入する
既存住宅売買瑕疵保険とは、建物の引き渡し後に構造耐力上主要な部分に関して瑕疵(欠陥や不具合)が見つかった際に売主が買主に対して負う責任を保証する契約をいいます。
本来、売主は買主に対して一定の期間において「契約不適合責任」を負います。
そして、万が一売却後に不適合が見つかれば買主から補修の請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。
築古物件は劣化が進んでいる傾向にあるため、契約不適合責任に該当する可能性が高いです。
それでも、既存住宅売買瑕疵保険に加入していれば責任を免れることができるので、安全性をアピールできます。
原因②:売り出し価格が高い
売り出し価格が相場と比べて高いのも売れにくい原因のひとつです。
以下のグラフは、レインズが発表している、首都圏における中古マンションの成約価格と新規登録価格(新規で売り出した価格)の推移です。
※公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」|公益財団法人東日本不動産流通機構「季報 Market Watch サマリーレポート <2023 年 4~6 月期>」を参考にすまいステップ編集部が作成
すべての年において売り出し価格より成約価格が下回っているのがわかります。
差額に関しても500万円以上も差があるため、当初の売り出し価格よりもかなり値下げされて成約すると考えた方がよいでしょう。
このように、売り出し価格のまま成約できるのは稀で、値下げされてから成約するのが一般的です。
そのため、売り出し価格を高く設定しても相場と比べられてしまい、大きく値下げせざえるを得ない状況になる可能性が高いので、あらかじめ相場を調べて価格を設定するのがよいでしょう。
対策①:売却相場を自分で調べてから価格を設定する
売却相場を自分で調べてから売り出し価格を設定しましょう。
調べ方は以下3つの方法があります。
- 不動産ポータルサイトで調べる
- レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる
- 土地総合情報システムで調べる
「ホームズ」や「SUUMO」などの不動産ポータルサイトには、全国の不動産情報が掲載されており、売り出し価格も参考にできます。
自分の地域に絞って調べればある程度の相場を把握できるので試してみましょう。
レインズ・マーケット・インフォメーションは、全国の不動産会社のみが閲覧できる「レインズ」を一般ユーザー向けにした不動産情報サイトです。
実際に取引された不動産情報が掲載されているので、不動産ポータルサイトより正確な売却相場を把握できます。
土地総合情報システムは、全国の土地価格に関する情報を閲覧できます。
戸建てを売る際は土地も併せて売ることになるため、土地の価格を把握できれば売り出し価格も正確に設定できるようになります。
このように、売却相場は自分でも調べられるので不動産会社へ依頼する前に調べてみましょう。
対策②:不動産会社の訪問査定を受けてから価格設定する
自分で調べるのが面倒だったり、より具体的に相場を知りたかったりする方は不動産会社の訪問査定がおすすめです。
不動産会社の担当者が実際に家を訪れて外観や内観を細かく見て査定するので、精度の高い査定を受けられます。
また、利便性や治安などの周辺環境まで考慮されるため、「具体的な査定額や相場が知りたい」と思う方は受けてみましょう。
原因③:需要が少ないエリアにある
需要が少ないエリアにある場合も売れにくくなります。
戸建てが売れるかどうかは、物件自体の価値だけでなく、利便性や治安などの周辺環境も大きく影響します。
例えば以下のようなエリアにある場合は売れにくくなります。
- 駅から遠い
- 近くにコンビニやスーパーがない
- 役所や病院が近くにない
- 治安が悪い
自分のエリアは需要があるかどうかを確認してみましょう。
対策:そのエリアに詳しい不動産会社へ依頼する
需要の少ないエリアの戸建てを売却するなら、そのエリアに強い不動産会社へ依頼しましょう。
不動産会社によって得意なエリアや物件は異なり、実績もバラバラです。
需要の少ないエリアだとしても、少なからず不動産会社はあるはずなので相談してみましょう。
原因④:個性的な間取りの戸建て
個性的な間取りの戸建ては売れにくい傾向にあります。
個性的な間取りは人によって捉え方が異なるのでなかなか好印象を持ってもらえない可能性があります。
例えば、二世帯住宅の戸建てを売却する場合、ターゲットも二世帯住宅を探している人に絞られてしまいます。
戸建ては注文住宅やリフォームなどで自分好みの間取りにできる分、売却時に買い手探しに困るケースがあることを理解しておきましょう。
対策:仲介実績豊富な不動産会社へ依頼する
個性的な間取りを売却するなら、仲介実績が豊富な不動産会社へ依頼しましょう。
仲介実績豊富な不動産会社なら、これまで培ったノウハウや取引データを用いて広範囲に買い手を探してくれる可能性があります。
依頼する際は、戸建て売却実績が豊富な大手不動産会社に依頼するのがよいでしょう。
原因⑤:そもそも内覧希望者が現れない
そもそも内覧希望者が現れないのも売れにくい原因の一つです。
内覧は、購入希望者が家を訪れて家の外観や室内状況を見て、実際に住んだ際のイメージをします。
そのため、売れるかどうかに大きく左右する重要な要素ですが、そもそも内覧希望者が現れなければ当然売却にもつながりません。
内覧希望者を募るためにも以下の対策をしましょう。
対策①:広告でのアピール方法を変える
物件を売り出すと、不動産ポータルサイトやレインズなどに売り出し物件として情報が掲載されます。
しかし、掲載方法は不動産会社によって異なり、広告の出し方やチラシの配り方もさまざまです。
買主に対して広告でアピールできていない可能性も十分にあるため、現在の広告の出し方を担当者に聞いてみましょう。
また、この際に以下の点についても聞いておくとより原因を掴みやすくなります。
- 戸建ての魅力が伝わる写真が使われているか
- 家の中も隅々まで分かる枚数の写真が掲載されているか
- 掲載されている写真や間取り図を補強するコメントがあるか
対策②:媒介契約の種類を変える
媒介契約の種類を変えるのも一つの方法です。
理由としては、契約している媒介契約によって不動産会社の対応が変わるからです。
一般媒介契約の場合、そもそもレインズへの登録義務がないため、物件を広い範囲に掲載できていない可能性があります。
また、売却活動の業務報告義務もないため、現在の売却活動の状況も把握できません。
もし、確実に売却したいのであれば「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」に変更するのがおすすめです。
詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。
原因⑥:内覧希望はあるけれど成約につながらない
実際に家の見学が何度も行われているにもかかわらず、成約につながらない場合、内覧時に原因があると考えられます。
このような場合は、家の掃除や整理整頓が行き届いているか、内覧当日の対応の仕方について見直してみましょう。
また客観的な視点で、戸建ての劣化状態も再点検してみましょう。
対策①:内覧前に掃除しておく
内覧希望者がいるのに成約できない場合は、内覧前に掃除をしておきましょう。
前述のとおり、内覧は買主が実際に住んだ際のイメージをするため、成約できるかどうかを左右する大きなポイントです。
部屋が極端に散らかっていたり水回りが汚かったりすれば内覧者の購入意欲は大きく低下してしまいます。
せっかくのチャンスを逃さないためにも、内覧前に掃除しておきましょう。
対策②:物件のアピールポイントを確認しておく
いくら部屋を掃除したからとって成約につながるとは限りません。
より成約確立を上げるために、内覧者に対して物件のアピールをしましょう。
「駅から徒歩5分以内」「設備は最新のものに変えたばかり」「治安が良くて過ごしやすい」などアピールポイントはいろいろあります。
最後の一押しをするためにも事前に確認しておきましょう。
原因⑦:不動産会社の担当者からの連絡が少ない・ずさん
不動産会社の担当者からの連絡が少なかったり、ずさんだったりする場合も売れにくくなる原因のひとつです。
担当者の実績は人それぞれで、実績豊富なベテランの担当者がいれば、新人で経験の浅い担当者もいます。
また、そもそもやる気のない担当者にあたる可能性もあり、物件がいくら好条件だとしても担当者によっては売却できない可能性があります。
自分の担当者はどんな実績があってどんな対応をしているか再度確認しておきましょう。
対策:担当者を変える
もし、やる気のない担当者や知識や経験の浅い担当者だった場合は、担当者を変更しましょう。
基本的にどの不動産会社でも担当者の変更は可能です。
変更したい理由を明確に説明して変更したい旨を伝えましょう。
どうしても戸建ての売却が難しいとき
以上のような対策をすでに行っていても、うまくいかないという場合があるかもしれません。そうしたときはどうすればいいでしょうか。
「買取」での売却も検討してみる
信頼できる不動産会社のもとでも「仲介」による売却が難しい場合、「買取」での売却も検討しましょう。
買取の仲介との大きな違いは、不動産会社が買主となることです。不動産会社が査定したうえで買取価格を示すため、金額に納得できればすぐに売却できます。仲介業務自体が発生しないため、仲介手数料もかかりません。
また、契約不適合責任(瑕疵担保責任)も免除されるため、売却する戸建てに万が一瑕疵があったとしても、補償の義務はありません。トラブル発生のリスクが回避できます。
ただし、仲介による売却に比べて価格は安くなってしまうというデメリットもあります。以下の記事をご参考に、検討してみてください。
むやみなリフォームはNG
リフォームをした方がいいかどうかは、まずは不動産会社に相談するようにしましょう。
外壁や床、給湯器など重要な設備が壊れている場合は、修繕することで購入希望者が現れることもあります。
しかし、リフォーム工事にかかる期間は数ヶ月を超えることもあり、その間は売却活動が行えません。今でも長くなってしまっている売却期間が、さらに長引くおそれがあります。
また、買い手の中には「多少修繕が必要だけれど、その分価格が安いので買いたい」「自分で自由にリノベーションを行いたい」という人もいます。
独断でリフォームを行う前に、専門家である不動産会社に相談し、売却につながるリフォームとはどのようなものか相談してみましょう。
むやみな解体もNG
戸建ての売却が難航していても、解体を急ぐのはやめましょう。
解体費用の相場は、木造住宅の場合、1坪あたり4万円から5万円ほどかかります。物件が奥まった住宅地にあれば、重機が使えずにより高額になることもあるため、決して安くはありません。
また、土地に住宅が建った状態であれば受けられる固定資産税の減税も、翌年以降受けられなくなってしまいます。
築年数が古い戸建てでも、「中古の戸建て」としてではなく、「古家付き土地」として売却するという売り出し方もあります。なかなか売却が決まらない場合も、焦って更地にしてしまわないようにしましょう。
空き家バンクの利用には注意
「不動産会社と契約して売却活動をする」以外に空き家を手放す方法として、空き家バンクの活用が挙げられます。
空き家バンクとは、自治体や自治体から委託された団体を通じ、空き家が欲しい人と空き家の所有者をマッチングする仕組みのことをいいます。空き家の有効活用が目的のため、費用をかけずに利用できるのが最大の違いです。
しかし、交渉や契約書の作成に専門家が携わってくれるわけではありません。客観的なアドバイスが受けられなかった結果、大きなトラブルにつながることもあります。
また、購入希望者の対応も自分で行う必要があるため、交通費や時間・労力の負担も考えなければなりません。
助成制度や自治体が運営する空き家バンクの制度について詳しく調べたうえで、利用すべきか検討するようにしましょう。
戸建ての売却が難しいなら、原因を突き止めて対策しよう
本記事では戸建ての売却が難しい原因を、「内覧希望者が現れない」「内覧希望はあるけれど成約につながらない」「不動産会社からの連絡が少ない・ずさん」という3つのケースから検討し、対策をご紹介しました。
場合によっては原因はひとつではなく、複数当てはまることもあります。現状をひとつひとつ確認してみましょう。
いちばんの対策は、やはり信頼できる不動産会社に販売を依頼することです。
信頼できる不動産会社探しが難しいと感じている方は「すまいステップ」を利用してみましょう。
また、売却が長引いてしまっていると、以前に査定を行ったときから、状況が変わってしまっていることもあるかもしれません。査定をやり直して現状を再確認するとともに、売却を成功させられる不動産会社を見つけましょう。
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記事のおさらい
戸建ての売却が難しい原因は?
戸建ての売却が難しい原因は以下の通りです。
- そもそも内覧希望者が現れない
- 内覧希望はあるけれど成約につながらない
- 不動産会社の担当者からの連絡が少ない・ずさん
詳しく知りたい方は戸建ての売却が難しい原因と対策【ケースで早見】をご覧ください。
どうしても戸建ての売却が難しいときどうすればいい?
どうしても戸建ての売却が難しいとき
- 「買取」での売却も検討してみる
- 「買取」での売却も検討してみる
- むやみな解体もNG
- 空き家バンクの利用には注意
詳しくはどうしても戸建ての売却が難しいときをご覧ください。