マンションを売却するなら、なるべくスムーズに高く売却したいですよね。
しかし、梅雨時や真夏など買主が家探しを始めるには適さない季節や、年末など忙しさで売却活動に十分な時間をかけられない時期にマンションを売り出すとなかなか売れない可能性も。
この記事では、マンション売却に適した時期を統計データを元に探っていきます。
【2023年7月】マンション売却相場はいくら?売り時や調べ方を解説
マンション売却に適した時期は「2月~3月」
マンション売却に適した時期は、2月から3月です。
2月から3月は新生活に向けて物件を探す人が多く、マンションの需要が高まるためです。
そのためこの時期にマンションを売り出すとマンションが早く成約しやすくなります。
一方で売却価格はマンションを売却する月によって影響を受けにくいため、高く売りたい方は市況などその他の要素を加味して決めましょう。
2~3月はマンションが売却しやすい時期
先述の通り2月~3月は新生活に合わせてマンションを購入する方が増えるため、マンションが成約しやすくなります。
下記のグラフと表は、レインズが公表している2021年の首都圏地域別中古マンション(東京都)の成約件数を表したものです。
月 | 成約件数(件) |
---|---|
1月 | 1,775 |
2月 | 1,824 |
3月 | 2,221 |
4月 | 1,757 |
5月 | 1,675 |
6月 | 1,609 |
7月 | 1,555 |
8月 | 1,275 |
9月 | 1,610 |
10月 | 1,765 |
11月 | 1,782 |
12月 | 1,521 |
引用元:REINS_TOWER(東日本不動産流通機構):月例マーケットウォッチ(2021年度)
2月と3月は、他の月に比べて成約件数が伸びているのが分かります。
マンションを買う人も売る人も増え市場が活性化されるため、早くマンションを売りたい方は2月~3月にマンションを売り出すことをおすすめします。
マンションの成約価格は売り出す月の影響を受けにくい




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マンションを売却してはいけない時期
マンションが売れやすいかどうかは月によって異なることが分かりましたね。
反対に、マンションを売却してはいけない時期はあるのでしょうか?
結論、下記の時期にマンションを売却することはおすすめできません。
- マンションが売れにくい「12月と8月」
- 同じマンションから売り出しがあるタイミング
この章ではマンションを売却してはいけない時期とその理由を詳しく見ていきましょう。
マンションが売れにくい12月と8月
マンションが売れにくい12月と8月にマンションを売り出すことは避けましょう。
前章で述べた通りマンションの成約件数は月によって上下しますが、12月と8月は成約件数が減ります。
12月は年の瀬でなにかと忙しくなる方が多いでしょう。年末年始の帰省で首都圏を離れている方が多く、購入希望者の集客が行いにくくなります。
また8月も、お盆参りや実家への帰省などで購入希望者が集まりにくいです。
特に8月は厳しい暑さに見舞われるため、外出が億劫になる方は多いです。
空室のマンションであればクーラーもなく、購入希望者にせっかく内覧にきても良い印象を持ってもらえない可能性があります。
マンションは売り出したての時期が一番問い合わせが入りやすいため、1月や8月にマンションを売り出す予定の方は1カ月待ってみても良いかもしれません。
同じマンションから売り出しがあるタイミング
同じマンションから売り出しがあるタイミングは、なるべく避けたほうが無難です。
同じマンションからの売り出し物件がある場合に自室を売り出すと、他差別化を図るために「値下げ合戦」となりやすいためです。
例えば、Aマンションから5階の部屋を売り出しているタイミングで3階の部屋を売りたいとします。
同じマンションなので駅からの距離や築年数は5階の部屋も3階の部屋も同じです。
購入希望者から注目を集めるための方法の一つとして、3階の部屋の売主は5階の部屋よりも値段を下げてマンションを売り出す場合があります。
少しでも高くマンションを売るためにも、同じマンションから売り出しのあるタイミングを避けてマンションを売却しましょう。
マンションの売り時を見極めるコツ
マンションが売れやすい時期は1~2月であるものの、売却価格は季節の影響を受けにくいことが分かりました。
マンションを高く売るためにおすすめなタイミングは以下のものです。
- 市場状況が良い時期
- 築年数が20年未満の時期
- マンションの大規模修繕が終わった時期
- 結婚・転勤・定年などのライフイベントの時期
同じマンションでも、マンションを売るタイミングによって売却価格は異なります。
どうして上記の時期に売却すると、マンションが高く・早く売れるのか見ていきましょう。
売却価格の高い築20年未満のとき
築年数が浅いマンションは売却価格が高く、かつ成約しやすい傾向にあります。
売却におすすめなのは、築20年未満のマンションです。
レインズが公表している2021年の中古マンションの築年帯別平均価格のデータによると、マンションの売却価格は築20年を超えた時点から大きく下がり始めます。
出典:REINS_TOWER(東日本不動産流通機構):「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2021年)」
また、レインズが公表している”築年帯別の中古マンション成約件数構成比”を表した次のグラフによると、成約件数の割合は、築5年以内より築6年〜10年の方が多いことが分かります。
出典:REINS_TOWER:首都圏不動産流通市場の動向(2022年1月〜3月)
新築に比べて価格を抑えられ、かつ建物の劣化も少ない築6年〜10年のマンションは、中古マンションを探している層から人気が高いからです。そのため、築年数10年未満のマンションは高く、早く売却しやすいと言えます。
なお、築25年を超えると、耐震基準を満たす「耐震基準適合証明書」を取得していないマンションの場合、買主が住宅ローン控除を受けられないため注意が必要です。
築25年は、買主にとっても購入を左右する目安となるため、築20年前後のマンションを所有していて売却予定のある方は、早めに売却することをおすすめします。
市場状況が良い時
マンション取引市場の状況が良い時に売却すれば高く売れやすいです。
国土交通省が公表している不動産価格指数によれば、2013年からマンション(区分所有)の価格指数が上昇し続けています(黄緑色の線)。
出典:国土交通省_不動産価格指数(令和4年2月・第4四半期分)
戸建住宅とマンションの不動産価格指数に注目すると、マンション以外の不動産も上昇傾向にあるものの、2022年2月の前年比が戸建住宅9.8(113.6-103.8)に対し、マンションでは19.2(178.2-159.0)と大きくなっています。
2021/02 | 2021/07 | 2022/02 | |
---|---|---|---|
戸建住宅 | 103.8 | 108.7 | 113.6 |
マンション(区分所有) | 159.0 | 166.9 | 178.2 |
引用元:国土交通省_不動産価格指数(令和4年2月・第4四半期分)をもとに作成
不動産価格指数が上がるということは、不動産価格の相場も上昇しているということです。
上昇しているマンションは、現在、高く売れやすく、売却に適した時期と言えます。
また、東京カンテイが公開している主要都市別の中古マンション70㎡価格推移を表した下記の表では、2022年4月の中古マンションの平均価格は、首都圏で4,688万円(前年同月比16.6%)と上昇傾向にあります。
出典:東京カンテイ_三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格別推移
マンション(区分所有)購入の需要が高まることで、マンションの価格相場も上がっているのです。
マンションの大規模修繕を終えた後
マンションの大規模な修繕後は売却時期としておすすめです。
外壁塗装やエレベーターの整備、配管メンテナンスなど、過去数年以内に共有部分の大規模修繕があったり、近々修繕予定があったりする場合は、売却のチャンスと言えます。
マンション全体のメンテナンス状況や外観などがきれいであれば、住みやすさはもちろん、見栄えや写真映えも良く、不動産ポータルサイトなどでも買主にアピールできるので、注目を集めやすくなります。
結婚・転勤・定年などのライフイベントの時期
結婚や転勤、子供の成長やご自身の定年、離婚や相続といったライフイベントも売却のきっかけになるでしょう。
状況によっては、急いで売却せざるを得ないこともあるかもしれません。
とはいえ、マンション売却に伴う期間は一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度です。築年数や季節によっては、買い手がつきにくく、理想的な金額では売却できない場合も考えられます。
これまでにご紹介した解説を参考に、できるだけ良いタイミングで、ライフイベントに対応しましょう。
ベストな売却時期を見つけよう
築年数や売却に適した時期や税金面、マンションの周辺環境の変化など、売却時期の判断材料には、さまざまな観点があります。
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