中古物件を「リフォームして売る」と、損してしまう可能性があります。
- そもそも中古物件を売る前にリフォームする必要はない
- 査定額には影響が出ないから
- 売主の負担で高い費用がかかるから
- リフォームが買主のニーズと合わないことがあるから
中古物件をリフォームして売ることを考えている人の中には、「リフォームしないと売れないのでは」と不安を抱えていることでしょう。
中古物件は、リフォームすることで高く売れたり早く売れやすくなることがあります。
しかし、「リフォームすれば必ず売れる」というわけではありません。
この記事では、「中古物件をリフォームして売るのは間違いなのか?」「そもそも売る前にリフォームは必要なのか?」について解説します。
高く売るコツも合わせて解説するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
中古物件をリフォームして売るのは間違い?
中古物件を売る時、基本的にリフォームは不要です。
なぜ不要なのか、それは以下のような理由があるからです。
- 高い費用がかかる
- かかった費用は回収できない
- 査定額には影響がない
- 買主のニーズに合わない可能性がある
中古物件はリフォームすると高く売れる可能性が高まりますが、リフォームには高い費用がかかり、基本的にすべて売主の負担で行います。
また、リフォームしたからといってリフォーム費用を上乗せした金額で売り出すと、中古物件の安さに魅力を感じている買主からは敬遠されてしまいます。
購入した後に自分で好きなようにリフォームしたいと考えている買主も多くいるため、リフォームしたことでかえって買主のニーズに合わなくなってしまうのです。
高く売るためのリフォームだったはずが、売主が損してしまうリスクが高いので、中古物件を売る前のリフォームはおすすめできません。
しかし、以下のようなケースでは、リフォームした方が良いと言えます。
- 築年数以上に劣化している
- 設備が故障している
- 壁やフローリングに穴が開いている・目立つ傷がある
- 売り出しているがなかなか売れない
リフォームは独断では行わず、迷ったら必ず不動産会社に相談しましょう。
リフォームの必要性や、リフォームした方が良いケースについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
中古物件をリフォームせずに売って成功した事例
中古物件は本当にリフォームしなくても売れるのでしょうか?
この章では、実際に中古物件をリフォームせずに売って成功した事例を以下の3つ紹介します。
- リフォームしなかったが値引き対応で売れた
- リフォームせずに掃除だけして高く売れた
- リフォームなしで希望金額で買い取ってもらえた
リフォームしなかったが値引き対応で売れた
不動産売却のきっかけや不安
マンションは維持管理だけで、毎月お金が出ていきます。
そのため、早く売却したいが、古いのでリフォームをどこまですべきかなど、売却には何が有利か、いろいろと悩みました。
思っていたより早く購入者を見つけてきてくれて、リフォームもなく、そのままの引き渡しで良いということで、煩わしさが全くなかった。
また、売却金額の交渉も一度で終わった。
他の不動産会社の査定より高かったこと、売却までの期間が短かったこと、リフォームをせずに、そのままの状態で引き渡しが出来たことなどを考えると金額には納得している。
神奈川県横浜市保土ケ谷区 / 50代 / 不要物件の処分 / マンション / 築31年~35年 / 3LDK
査定額1,000万円→売却価格700万円
不動産会社 | ナイス住まいの情報館 星川(担当者:横山 紀文) |
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不動産会社の決め手 | 信頼できる担当者だった |
担当者の特徴 | 積極的に販売活動を実施 |
満足度 | 4.7 |
リフォームせずに掃除だけして高く売れた
不動産売却のきっかけや不安
夫の両親が亡くなり、その土地に戸建てを建てて、住むために住んでいるマンションを売りたかった。
築35年キッチンをリフォームせずにスムーズに売れるか不安だった。
マンションが高騰している中、築35年でリフォームせずに自分で掃除しただけで、内覧も2組のみで、手間をかけずにタイミング良く売れたので良かった。
価格面は上を見たらキリがないが、20年前の購入価格より高く売れたので満足。
神奈川県横浜市港北区 / 50代 / 住み替え / マンション / 築31年~35年 / 3DK
査定額2,300万円→売却価格2,150万円
不動産会社 | 住友不動産販売菊名支店(担当者:森) |
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不動産会社の決め手 | 知名度が高い会社だった |
担当者の特徴 | 金額交渉をしてくれた |
満足度 | 4.3 |
リフォームなしで希望金額で買い取ってもらえた
不動産売却のきっかけや不安
戸建てを購入したから不要物件の処分をする為です. リフォームしないで高く購入してもらいたかったです。
数社の不動産屋でたのむのに仲介が多く直接購入の所を希望しました
約2か月で、契約が完了して売却できたのだから煩わしさもなくスムーズにできたと思っています。 時間をかけてリフォームし高く売るより楽でした。 新居のリフォームのお金も欲しかったので良かったと思います。
埼玉県さいたま市南区 / 50代 / 不要物件の処分 / マンション / 築26年~30年 / 1R
査定額400万円→売却価格400万円
不動産会社 | 株式会社ラウンドネット池袋(担当者:鈴木さん) |
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不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 返信が早かった |
満足度 | 3.7 |
中古物件をリフォームして売って損した事例
次に、実際に中古物件をリフォームしてから売って損してしまった事例を以下の3つ紹介します。
- 押し切られて値下げすることになった
- 直近のリフォームは価格に反映されなかった
- リフォーム費用は想定外の出費だった
押し切られて値下げすることになった
不動産売却のきっかけや不安
すぐに売却できるかどうか? 中古物件は地方の場合どうか? リフォーム代など回収できるか? 不動産屋はちゃんと動いてくれるか? という点が心配でした。
相手方、不動産屋に価格を押し切られた。
すべて込みで販売価格を出していたので、残念。
最初は大手不動産屋に依頼したが、よい結果が出ず、変えた。
鹿児島県鹿児島市 / 60代 / その他 / マンション / 築16年~20年 / 4LDK
査定額3,700万円→売却価格3,500万円
不動産会社 | アルファエステート鹿児島(担当者:原口) |
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不動産会社の決め手 | 対応が早かった |
担当者の特徴 | 返信が早かった |
満足度 | 1.7 |
直近のリフォームは価格に反映されなかった
不動産売却のきっかけや不安
希望価格で売れるか。
売却期間中もマンション管理費などかかるため早めに売却できるか不安であった。
売却のきっかけは一軒家(空き家の実家)への引っ越し
地域の相場よりは若干高く販売できたと思います。
直近2年でも温水器やバス、トイレをリフォームしてたので本当はもう少し高く販売したかったのですが
福島県郡山市 / 50代 / 住み替え / マンション / 築31年~35年 / 3DK
査定額630万円→売却価格750万円
不動産会社 | バースランド本店(担当者:丸山さん) |
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不動産会社の決め手 | 信頼できる担当者だった |
担当者の特徴 | 積極的に販売活動を実施 |
満足度 | 4.7 |
リフォーム費用は想定外の出費だった
不動産売却のきっかけや不安
子どもの小学校入学に合わせて引越をしたが、将来的に都内にまた家を購入することは難しいのではないかという心配がありました。
でも田舎暮らしも悪くないと住んでみて感じてます。
連絡もまめにしてくれました。
ただ担当の方からの連絡やな対しこちらの回答が遅く不動産もスピードが大切なのだと痛感しました。
的確な指示ではあったと思いますが、リフォームにかけたお金は予想外であり、それをしなければ売却は難しいと言いくるめられ、出費があったことはマイナス点。
しかも勝手に販売価格を購入希望者へ下げて提示したことは納得しかねるポイントです。
東京都江戸川区 / 30代 / 住み替え / 一戸建て / 築6年~10年 / 4LDK
査定額5,780万円→売却価格5,500万円
不動産会社 | テイクワン株式会社(担当者:山本) |
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不動産会社の決め手 | 地元に強いと感じた |
担当者の特徴 | こまめに連絡をもらえた |
満足度 | 3 |
中古物件をリフォームして売るメリット
中古物件をリフォームして売ると、以下の3つのメリットがあります。
- 高く売れやすい
- 内覧時の印象が良い
- 買主が購入後すぐに住み始められる
高く売れやすい
基本的に中古物件の売却前のリフォームは不要です。
しかし、リフォームでマイナス部分を解消できればマンションの価値が上がるので、高く売れる可能性が高まります。
ただ新しくするだけでなく、蛇口や古い設備、キッチンや水回りなど、時代に合わせたリフォームであればより効果を期待できます。
内覧時の印象が良い
中古物件の売却では、買主に良い印象を与えることが大切です。
室内や水回りのきれいさを気にしている買主が多く、リフォーム次第では新築同様になります。
良い印象を与えることができれば買主の購入意欲に繋がるので、早く売ることができるでしょう。
買主が購入後すぐに住み始められる
リフォームしてから売却すれば、買主はマンションの引き渡し後にすぐ住み始められます。
購入してからリフォームすると、買主はリフォームが終わるまでの期間は別の住まいが必要になるケースがあります。
すでにリフォーム済みであればすぐに引っ越しできるので、買主にとっても都合がよく、早期売却へと繋がります。
中古物件をリフォームして売るデメリット
中古物件は必ずリフォームしたほうがよいというわけではなく、デメリットも存在します。
以下の3つのデメリットを解説します。
- 買主の好みに合わないことがある
- 費用の回収が難しい
- リフォームできるまで時間がかかる
買主の好みに合わないことがある
中古物件の売却前にリフォームしてしまうと、買主の好みやニーズに合わず、なかなか売れなくなる可能性があります。
リフォームされた中古物件を買うより、中古物件を買ってから自分でリフォームをしたいと考えている人が多いことに注意しましょう。
国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査」(pdf)を参考にすまいステップ編集部が作成
この表は、中古物件のリフォーム状況を表したものです。
売却前に売主がリフォームした事例は6.5%と非常に低い割合です。
むしろ買主が購入後に自身でリフォームする事例が45%と多く、リフォームされた物件よりも買主自身がリフォームできる余地のある中古物件の方が需要が高いことが考えられます。
また、買主が中古物件を選択する条件として、価格の安さを重視していることも覚えておきましょう。
買主は、中古物件をできるだけ安く購入して、自分で好みの家にリフォームしたいと考えていることが多いです。
リフォームしたことによって売却を困難にしてしまう可能性があるので、十分検討してからリフォームを行いましょう。
費用の回収が難しい
基本的にリフォーム費用を上乗せした価格で売ることは難しく、かかったリフォーム費用の回収ができない可能性があります。
高いリフォーム費用をかけたからといって必ず高く売れるとは限らず、リフォームしないまま売ったほうが得することもあります。
中古物件の購入を検討している買主は、新築と比べた時の価格の安さに魅力を感じています。
リフォーム済みだからといって高い価格で売り出されていれば敬遠され、売却期間が延びてしまう原因になります。
リフォームできるまで時間がかかる
リフォームによっては1~3か月程度の時間がかかるので、リフォームが終わるまでは売却活動を行えません。
住み替えなどでできるだけ早く売却したい方にとって時間がかかるリフォームは、トータルの売却期間が長くなることは大きなリスクになるでしょう。
中古物件を高く売るコツ
リフォームには費用が掛かりますが、そのぶん高く売れる可能性が高まります。
一方で、損をしてしまうリスクもあり、必ずリフォームしたほうがよいとは限りません。
リフォームするにしてもしないにしても、コツを掴めばマンションを高く売却できる可能性は十分にあります。
ここでは、以下の3つの中古物件を高く売るコツを紹介します。
- 必要最低限でリフォームする
- インスペクションを実施する
- 優良な不動産会社に相談する
必要最低限でリフォームする
劣化が激しい物件の場合、リフォームをした方が売れやすい可能性があります。
例えば、雨漏りやシロアリ被害、外壁の剥がれなど、明らかに見てわかる損傷がある場合です。
このように誰でもすぐわかるような劣化は、買主に与える印象が悪いです。
せっかく新しい家を選ぶにあたって、印象の悪い家を選ぶ人はまずいません。
このような場合、比較的費用が少なくて済む簡易的な修繕リフォームは最低限やっておきましょう。
売却に最低限のリフォームでお勧めするのは以下のようなリフォームです。
簡易リフォーム箇所 | リフォーム費用相場 |
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外壁の補修 | 3000円~5000円/㎡ |
塀の修繕 | 1.3万円~2万円/㎡ |
畳の張替 | 1.3万円/枚 |
障子の張替 | 2000円/枚 |
ドアの修繕 | 5万円/枚 |
壁紙の張替 | 1000円/㎡ |
給湯機の修繕 | 2万円 |
また、こちらの記事ではリフォーム費用を抑える方法についても紹介していますので参考にしてください。
インスペクションを実施する
インスペクションとは、住宅調査のことです。
インスペクションではホームインスペクターという専門家が、住宅の劣化状況や欠陥の現状調査を行います。
ホームインスペクションを行うことで以下の効果を得ることができます。
- 住宅の信頼性があがる
- 修繕が必要な個所が的確にわかる
買主は家を選ぶ際に、住宅に不具合がないかどうかをとても気にします。
インスペクションにより、住宅プロから家の診断書をもらえるため、家の安全性や、法律遵守の信頼を得ることができます。
また、インスペクションにより欠陥が発覚した場合、リフォームのアドバイスをもらうことができます。
そのためリフォームを、必要最低限の費用で行うことに繋がります。
不動産会社によっては無料でインスペクションを提供をしている会社もあります。
築古の中古物件を、リフォームすべきかどうかで悩んでいる方は、リフォームの前にインスペクションをしてみるのがお勧めです。
優良な不動産会社に相談する
売却にかかわることでなにか不安があったら、売却のプロである不動産会社に相談するのが一番です。
リフォームをしようかしないか迷っている方も、自分の判断でリフォームを始めるのではなく、不動産会社に一度相談してください。
また、売却価格は不動産会社によって査定額が違います。
不動産会社に査定を依頼する場合は、ご自身でも住宅の価格の相場を把握するため複数社に依頼することが重要です。
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