個人が行うマンション売却では、リフォームはしないことが一般的です。
- マンション売却ではリフォームは基本的に不要
- 小さな傷や汚れはリフォームしても査定額には影響しないことが多い
- 好みが分かれる箇所のリフォームはかえって売却しにくくなる
- 大がかりなリフォームは費用を回収できない恐れがある
マンションを売却する時、古さや傷みが目立つと「リフォームしないと売却できないのでは…?」と不安に思う方が少なくないでしょう。
中には、「マンションはリフォームしたほうが高く売却できるのでは?」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、マンション売却では「リフォームは不要」と言われており、実際にリフォームせずにそのまま売り出されることが多いです。
この記事では、マンションの売却前のリフォームについて徹底解説します。
マンションはリフォームしても高く売却できるわけではない
マンションを売却する時、できるだけリフォームしてから高く売却したいと考える方もいるでしょう。
なぜなら、マンションの価格相場は主に立地と築年数で決まるからです。
売り出し価格にリフォーム代金を上乗せしてマンションを売り出すと、買主には同じエリア・同じ築年数の物件に対して割高に映って売れ残ってしまいます。
築年数が古いマンションでも、立地などの条件が良ければリフォームなしでも高く売却できる可能性があります。
まずは、そのままの状態でマンションがいくらで売れるのかを知るために、複数の不動産会社の査定を受けましょう。
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マンション売却ではリフォームしないことが一般的
以下のグラフは、不動産流通経営協会が行った「不動産流通業に関する消費者動向調査」をもとに、すまいステップ編集部が作成したものです。
(参考:不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査」)
一般社団法人不動産流通経営協会が、中古マンションを購入した人にリフォームの実施状況を尋ねたところ、個人のマンションのうちリフォーム済みのマンションを購入した人は6.5%に留まりました。
このことから、マンションを売却したほとんどの人は「リフォームせずに売り出した」と言えます。
一方で、「買主が自分でリフォームした」という回答が最も多いことから、「マンションを自分の好きなようにリフォームしたい」というニーズが強いことが分かります。
つまり、マンションはリフォームしていなくても十分に売却できる可能性が高いため、リフォームは不要というわけです。
さらに、売り出されているマンションは、既に不動産会社がリフォームして売り出しているものが多いので、リフォーム前のマンションは「掘り出し物」として需要が高い傾向です。
- 買主によって好みやニーズが異なるから
- リフォーム以外でも高く売却できる方法があるから
買主によって好みやニーズが異なるから
先にも述べているように、マンションの購入希望者には「自分でリフォームしたい」というニーズが強い傾向です。
以下のグラフは、マンション購入希望者のリフォーム意向です。
(参考:公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果」)
このように、リフォーム済みマンションが欲しい購入希望者は全体の約14%で、約半数が「必要があれば行いたい」と回答しており、購入時点ではリフォーム済みマンションを求めていないことが分かります。
マンション売却では、買主の好みに合わないリフォームはかえって売却しにくくなる可能性があります。
大切なことは、同じ築年帯のマンションに対していかに差別化するかという点です。
以下の記事では、築年数ごとのマンション売却の特徴を解説しているので、合わせて読んで参考にしてみてください。
リフォーム以外でも高く売却できる方法があるから
マンション売却ではリフォームしないことが一般的ですが、内覧時に買主へ良い印象を与えるための努力は大切です。
どうしてもリフォームしないまま売却することが不安な方にもおすすめの方法なので、ぜひ実施を検討してみてください。
- ハウスクリーニングで室内をきれいにする
- ホームインスペクションを実施する
- ホームステージングで印象を良くする
ハウスクリーニングで室内をきれいにする
室内の古さや汚れが気になる場合は、ハウスクリーニングの実施がおすすめです。
ハウスクリーニングは、リフォームよりもずっと安く・短期間で、内覧時の印象を良くできます。
以下の表に、ハウスクリーニングにかかる費用の相場をまとめました。
実施箇所 | 費用相場 |
---|---|
キッチン | 2~4万円(換気扇込み) |
浴室 | 1.4~2万円 |
洗面所 | 8,000円~1万円 |
トイレ | 8,000円~1万円 |
リフォームにかかる費用と比べると、圧倒的に安く実施できます。
特に「水回り」は、汚れや劣化が目立ちやすく、また買主からも状態を重視されやすいポイントです。
ハウスクリーニングをしてもらうためには、基本的に1週間~10日前の申し込みが必要です。
(特急料金で即日~3日以内に対応してくれる業者もあります。)
直前では対応が難しい場合があるため、内覧を受け入れ始める前にハウスクリーニングしておくことがおすすめです。
ホームインスペクションを実施する
築年数が古いマンションを売却する場合は、インスペクションを受けることもおすすめです。
インスペクションを受けると建物の状態が明らかになるため、買主は安心してマンションを購入できます。
また、売却後のトラブルを防ぐ予防策としても効果的です。
売却後にマンションの設備の不具合が見つかると、売主は買主から不具合箇所の補修費用の負担を求められてしまいます。
また、設備の不具合箇所や状況により、高額な保守費用が必要になる場合があります。
想定外の出費を防ぎトラブルを事前に回避するためにインスペクションは有効です。
インスペクションには5~8万円の費用がかかりますが、その分高く・早く・安心してマンションが売却できれば十分に元が取れるでしょう。
ホームステージングで印象を良くする
マンションを売却するには、何より買主への印象が非常に重要です。
買主に良い印象を与えるには内覧時の第一印象が大切なので、室内をきれいに掃除したり広く見せるなどの工夫をしましょう。
掃除や片付けも大切ですが、より良い印象を与えるにはホームステージングもおすすめです。
マンション売却でリフォームが効果的な場合
マンション売却ではリフォームは不要と言いつつも、もちろんリフォームしたほうがよいケースもあります。
以下の3つのケースに当てはまる場合は、売却する前にリフォームを検討してみましょう。
- 激しく劣化または汚れている
- 近隣で同じようなマンションが売り出されている
- 売り出してから6か月以上経っている
激しく劣化または汚れている
マンションは築年数が経つごとに価値が下がっていきますが、築年数よりも著しく劣化している・汚れているなどの場合はリフォームしたほうがよいかもしれません。
たとえば以下のようなケースでは、内覧時に買主の印象を下げてしまう可能性があります。
- 付帯設備が故障していて使えない
- 壁や床に大きな穴・くぼみがある
- ペットによる壁の傷や汚れが目立つ
- 喫煙による壁の黄ばみや臭いが気になる
買主が生活する上で不便であったり、怪我をする恐れがあるような劣化や破損は、売却前にリフォームしておくべきだと言えます。
ただし、以上のケースに当てはまる場合でも必ずリフォームしなければ売却できないわけではないので、まずは不動産会社に相談してみましょう。
近隣で同じようなマンションが売り出されている
マンションを売却する時、近隣で同じような条件のマンションが売り出されている場合は、競合マンションと差を付けるためにリフォームすることが効果的な場合があります。
また、競合マンションと比較して立地や広さなどが劣ってしまう場合でも、リフォームすることで条件を近づけることができます。
リフォームすることで早く売却できる可能性はありますが、交渉次第では値引きのほうが安く済むこともあります。
リフォーム費用をかけることと値引きすることのどちらが売主・買主にとって最善策か、不動産会社ともしっかり話し合って決めましょう。
売り出してから6か月以上経っている
マンションを売り出してから、「内覧はあるのになかなか成約に繋がらない」「すでに6か月以上経っている」という場合はリフォームを検討してみましょう。
特に、内覧はあるのに成約に繋がらない場合は、内覧時に買主に与える印象が良くない可能性が高いです。
そんな時は、壁紙の張替で印象を大きく変えてみることを検討してみましょう。
ただ値下げするよりも、安価で簡単にできるリフォームのほうが効果的なことがあります。
また、古くなっていたり使用感があるなら水回りのリフォームも効果的です。
水回りは比較的高いリフォーム費用がかかりますが、3点セットなどのお得な料金を提示している業者もあります。
リフォームが必要だと感じたら、まずは不動産会社に相談してアドバイスを求めましょう。
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マンション売却のリフォーム費用の相場
マンションを売却する時、リフォームしたほうがよいと判断した場合は費用がどのくらいかかるか気になりますよね。
マンションの傷み具合にもよりますが、リフォーム箇所ごとの費用相場は以下の通りです。
リフォーム箇所 | 費用相場 |
---|---|
キッチン(全体) | 80~400 万円 |
浴室(システムバス交換) | 50~100万円 |
洗面所 | 20~100万円 |
トイレ(全体の改装) | 20~100万円 |
タンクレストイレへの交換 | 30~50万円 |
畳の交換 | 6~12万円 |
壁クロスの張り替え | 6~30万円 |
(参考:国土交通省「リフォームの内容と価格について」)(2022年9月12日閲覧)
マンション売却のリフォーム費用は、箇所によっては高額になる上に、基本的に費用は売主の負担で行います。
国土交通省が、マンション・戸建てを売却した個人と宅建業者の事例876件を調査したところ、住宅売却前の平均リフォーム費用は290万円でした。
マンション売却でリフォームする時の注意点
マンション売却でリフォームする場合は、以下の3つの点に注意しましょう。
- 好みが分かれない箇所に限定する
- 売主の独断では行わない
好みが分かれない箇所に限定する
リフォーム箇所は、人によって好みが分かれにくい箇所に限定しておくと安心です。
また、マンションのリフォームは、全てリフォーム業者に依頼すると費用がかさんでしまいます。
そのため、簡単な修繕は自分で行うこともおすすめです。
フローリングや壁に付いた小さな傷であれば、ホームセンターなどで販売されているDIY用品で簡単に修繕できます。
売主の独断では行わない
マンションのリフォームは、どんな場合であっても売主の独断で行うことは避けましょう。
特にキッチンや洗面所などの水回りは、自分好みのデザインにリフォームしたいと考える方が多く、最新のものにリフォームすればよいというわけではありません。
良かれと思って全面フローリングにしても、「1部屋は畳が良かった」など、好みは大きく分かれます。
このように、水回りや床に限らず、マンションをリフォームすることで買主のニーズに合わなくなって売れ残る可能性があることは十分理解しておきましょう。
まずは不動産会社に相談して、リフォームしたほうがよいかアドバイスしてもらうことが大切です。
マンション売却時のリフォームは不動産会社に相談しよう
マンション売却にあたってリフォームをするべきかどうか迷ったら、まずは不動産会社に相談してみることがおすすめです。
不動産会社なら、素人には難しい「費用に対して効果的なリフォーム」「したほうが良いリフォーム」も判断できます。
もしも、ご自身のマンションが「リフォームした方が売却できるマンション」だった場合は、効果的なリフォームについて相談できます。
また、マンションの売却が得意な不動産会社の営業マンは、リフォームに限らず様々なプランやノウハウを持っています。
相談を通じて「この担当者に安心して売却を任せられるか」を測ることもできます。
マンションを売りに出してから実施したリフォームの費用は、確定申告の時に経費(譲渡費用)として扱うことができます。
そういった理由からも、リフォームを実施する場合は、まずは信頼できる不動産会社を見つけて相談してから実施することをおすすめします。
まだ不動産会社に依頼していない方は、不動産一括査定サイトなどを利用して複数社の査定を受けましょう。
そして、不動産会社から査定結果を聞く時に、リフォームの実施を含めた売却プランを相談しましょう。
不動産会社と契約してしまってからだと、契約の形態によっては3ヶ月間、他の不動産会社に変更できなくなるからです。
大切なマンションを少しでも高く売却するために、複数の不動産会社の査定額を比較して、より高値で売却してくれる不動産会社を選びましょう。
マンションを売却をした方の約75%以上が、3社以上の不動産会社で査定を受けています。
『すまいステップ』は、「市場価格より高値で売却をした経験がある」など独自の基準で厳選した不動産会社最大4社に査定を依頼できます。
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