築古の中古マンションを売却する際、「リフォームをしたほうが良いのか」と悩まれる方は少なくなりません。
室内に古さが目立つ場合は特に、「リフォームを行ったほうが高くマンションを売却できるのではないか」と考えるのではないでしょうか。
しかし、リフォームをしてもマンションの売却価格はそれほど変わらない場合があります。
リフォームにかけた代金がそのまま売却価格に上乗せされて売れることはほとんどありません。
この記事では、その理由を踏まえつつリフォームをしてからマンションを売却するべきか解説していきます。
マンション売却でリフォームは基本的に不要
結論、ほとんどのマンションで売却前のリフォームは不要です。
下の図は、国土交通省が中古住宅を購入した人に「購入した物件はリフォーム済みだったか」を尋ねた結果です。

仲介でマンションを購入した人のうちリフォーム済みのマンションを購入した人(上の図の「売主が個人で『リフォーム済み』」と答えた人)は、6.2%に留まりました。
その理由を詳しく見ていきましょう。
- マンションの売却代金にリフォーム費用を上乗せできない
- マンションのリフォーム費用が高額
- リフォーム前のマンションが売却しやすい
- マンションを売却するまでの期間が延びる
【理由①】マンションの売却代金にリフォーム費用を上乗せできない
そのまま売却すれば3000万円のマンションがあるとします。500万円かけてリフォームした場合、3500万円で売却できると思いますか?
答えは否です。マンションの売却代金にリフォーム費用を上乗せできるとは限りません。
マンションの購入検討者は、SUUMOやホームズなどのポータルサイトで購入候補のマンションを検索します。
購入希望者は「駅からの距離」や「築年数」などの条件で絞り込みをかけます。
これらの条件は、リフォームを行っていてもいなくても一緒です。
むしろ、リフォームに使った費用分を回収しようとマンションの売却価格を高く設定すると、「価格」による絞り込みではじかれてしまう可能性があります。
リフォームにかけた費用を必ず回収できると限らないため、マンション売却前にリフォームは行わないことをおすすめします。
【理由②】マンションのリフォーム費用が高額
マンションをリフォームする際の費用は高額になることが多いです。
下の図は、宅建協会が不動産会社に対して「自社で買い取った物件をリフォームして売却する際、リフォームにどのぐらいの費用をかけているか」を尋ねた結果です。
数百万円単位で費用がかかっていることが分かります。
参考までに、リフォーム箇所と費用の相場を見ていきましょう。
リフォーム箇所 | 費用相場 | |
---|---|---|
水回り | キッチン | 50~150万円 |
トイレ | 10~50万円 | |
洗面所 | 20〜50万円 | |
浴室 | 50〜100万円 | |
床・壁 | 床(6帖) | 6~18万円 |
壁紙(6帖) | 5万円 |
フローリング・クロスの張り替えの費用相場
フローリングや壁紙の張り替えは比較的安価に行えます。
リフォームの内容 | 費用相場 |
---|---|
6畳の部屋の壁紙を貼り替える | 4.5~6万円 |
6畳の部屋のフローリングを貼り替える (※張り替え工法の場合) | 9~18万円 |
6畳の畳の部屋をフローリングにリフォームする (※複合フローリングの場合) | 約18万円 |
喫煙やペットを飼っていることによって、部屋にニオイがついているケースでは壁紙の張り替えが有効なことも。
また、購入希望者から嫌厭されがちな和室がある間取りは、畳をフローリングに変えるだけでも印象は大分変えられます。
壁や床のリフォームは、一定のメリットがあり費用も比較的安価であるため、もし気になる場合は不動産会社に相談した上で行ってみても良いかもしれません。
水回りのリフォーム相場
水回りは、マンションの購入希望者がよくチェックする箇所です。
家族向けの物件の場合、キッチンの設備は重要視されます。
購入希望者はキッチンに対して独自のこだわりのある人もおり、消費者のニーズを把握していない方が独断でリフォームを行うとかえって嫌厭される原因となることも。
お風呂や洗面台のリフォームも決して安い金額ではないため、不動産がお
【理由③】リフォーム前のマンションが売却しやすい
築古のマンションを購入する買主の中には、「マンションを自分好みにリフォームしたい」と考えて物件を探している人も少なくありません。
下の図は、国土交通省が中古物件を購入した人に対して、「中古物件を購入してよかったこと」を尋ねた結果です。

中古物件を希望した人は『価格の安さ』の次に、『自分好みにリフォームできる』点をメリットとして挙げている人が多いことが分かります。
そのような買主にとって、リフォームされたマンションは「余計なお世話」として購入対象から外れてしまいます。
【理由④】マンション売却にかかる期間が延びる
リフォームを行う場合、マンションの売り出しはリフォーム後となる可能性もあります。
つまり、リフォームにかかる期間を考慮して売却スケジュールを立てることが必要があるということです。
リフォーム箇所 | 期間の目安 |
---|---|
クロス張り替え | 1~2日 |
キッチン交換 | 2~3日 |
お風呂の交換 | 4~7日 |
トイレの交換 | 数時間~ 1日 |
フルリフォーム | 2~4カ月間 |
リフォーム箇所によって期間は異なりますが、お風呂の交換など大掛かりな場合は1週間程度かかることもあります。
また、フルリフォームの場合は事前に管理組合に届け出を出すなどの手続きも必要です。
そのためフルリフォームには、準備期間を含めて数カ月かかるケースもあるため注意しましょう。
リフォーム期間も当然、住宅ローンや固定資産税の支払いは続くため、売却までの期間が延びるほど損をしてしまいます。
マンション売却前にリフォームが必要なケース
ここまで、マンションを売却する際にリフォームをしないほうがいい理由を見てきました。
しかし稀に、売却前のリフォームを考えたほうがよいケースもあります。
- 売却価格が1,000万円以下の物件
- 安価できる部分的な補修をする場合
売却価格が1,000万円以下の物件は、劣化のために著しく価格が下がっていることもあるので、些細な修復でも大きく価格が上昇することがあります。
他に、一部分を安価で補修できる場合もリフォームをしてみてもいいでしょう。
例えば、ドアノブなど細かい部品や、狭い範囲の壁紙張替なら大きくお金はかかりません。
10万円程度のリフォームであれば、その費用を回収できる可能性も高くあります。
いずれの場合も、まずは不動産会社に相談して見ましょう。
その地域に根付いた不動産会社であれば、最近の需要の変化や傾向などから適切なアドバイスを頂けるでしょう。
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直接物件を見てもらい、リフォームについて相談してみましょう。
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まとめ
この記事ではリフォームは基本的に不要とお伝えしてきました。
一方で物件の状況は様々なので一概に全ての場合で不要と言い切ることはできません。
この記事を読んでもなお、リフォームすべきか迷ったら不動産会社に相談してみることをオススメします。
また、リフォームするかどうか判断する際は複数の不動産会社の意見を聞きましょう。
様々な企業の提案を聞くことで、あなたの中古マンションが最も高く・早く売却できる提案が見つけやすくなります。
ただ、自分で複数の不動産会社を探すのは難しいと思います。そこでオススメしたいのが不動産一括査定サイトです。
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