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戸建ての売却相場と築年数はどう関係する?築年ごとの特徴や売るコツを解説

  • 更新日:2022年8月25日
高橋 愛子
監修三上 隆太郎
株式会社MKM代表取締役。 大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。 個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタント・インスペクターを経験し 中古+リノベーションのボランタリーチェーン展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。 著書に「自然災害に備える!火災・地震保険とお金の本」(自由国民社:共著)など。
【保有資格】宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士
【URL】株式会社MKM
戸建ての売却相場と築年数はどう関係する?築年ごとの特徴や売るコツを解説

戸建ては、築年数の経過とともに劣化していき、その価値を落としていきます。

新築需要の高い日本では、築年数による価値下落の度合いが高く、一般的な木造戸建てであれば築20年程で建物の価値がほとんどなくなります。

年々価値を落としていく戸建てですが、どのタイミングで売却できれば後悔しないでしょうか。

戸建ての築年数と売却相場の相関関係から、売却に適したタイミングを確認していきましょう。

【最新版】一戸建ての売却相場はいくら?築年や地域相場の現況と詳しい調べ方

戸建ての売却相場は築年数の経過で急激に下がる

戸建ての売却相場は、マンションに比べて築年数経過の影響を大きく受けます。
戸建ての築年数ごとに相場価格がどれほど落ち込むのか確認していきましょう。

築20年で価値がほとんどなくなる

木造戸建ては築年数経過による相場価格の下落が激しく、築20年を経過するとほとんど0円で査定されることもめずらしくありません。

住宅のような建物の資産には耐用年数が決められています。
木造の住宅は耐用年数22年とされていますが、これは「建物価値は22年間でなくなる」という所得税法上の会計の仕組みです。
この年数に応じて、毎年減価償却という形で購入費用を計上していきます。

毎年資産としての価値が減少していき、22年を過ぎると資産価値が0になるイメージです。
築22年で建物としての役目を終えるという意味ではなく、あくまでも所得税法上の会計処理の原則になります。

しかし、新築思考の高い日本では、減価償却の考え方が戸建ての売却相場にも色濃く反映します。

下のグラフは築年数経過による価値の下落度合を表しています。

中古住宅の価格査定の例
引用:国土交通相『中古住宅流通、リフォーム市場の現状』

実際の戸建て売買市場では、築20年を経過した木造戸建ての価値はほぼゼロ円近くで査定されるため、ほとんど土地の価値だけで取引されることとなります。

国土交通相が発表した資料でも、住宅市場に関わる業者へのヒアリング調査等から、木造戸建てが築20年を超えるとゼロ査定となることが分かった

まず、中古住宅の市場規模は新築住宅の 1/8 に過ぎず、住宅は中古になった時点で価格が 2 割下落し、木造戸建の場合は築 20 年でゼロ査定となる。
国土交通相:住宅の資産価値に関する研究

築25年までは需要が高く売りやすい

戸建ての築年数が20年を経過したからといって売れないわけではありません。

築年経過により建物の価値は無くなっても土地の価値は残り続けますし、築浅に比べて安く買える中古戸建てには需要があるからです。

下の図は、築何年の家が購入されているか数値化されたものです。
築年数の経過によって需要が減っていく様子が分かりますが、ゼロにはなりません。

中古住宅購入需要
引用:一般社団法人 不動産流通協会:中古住宅における住宅ローン利用等実態調査

売却する戸建ての築年数ごとの特徴

築年数ごとに価値も需要も大きく異なる戸建ては、売却時にどんな特徴があるのか正しく捉えてくと安心です。

以下では、築5年~30年越えの戸建てを売却する際の特徴を解説しています。

築5年戸建て売却の特徴

築5年までは、築浅物件といわれます。

誰かが入居し中古となった戸建ては、その時点で1割ほど価値を落とすと言われています。

築5年の築浅戸建てでも、建物価格は購入時の75%まで下がります

ただし、購入需要が高いため比較的売却しやすく、高めの売り出し価格も設定しやすいです。

開発が進む地域(ショッピングモールの新設など)では土地の需要が高まり、結果的に購入価格よりも高値で売却できる場合もあります。

築10年戸建て売却の特徴

築10年で建物価値は約半分まで減ります。
ただし、築10年までは購入需要が最も高い時期であるため、売却しやすく、高めな売り出し価格でも売れる可能性が十分にあります。

築15年戸建て売却の特徴

築15年では、建物の価値が2割ほどまで減ります。
価値の下落幅は緩やかになっていきますが、築20年を過ぎると建物価値はほとんどなくなるので、売却を検討するならできる限り早く売却するべきでしょう。

戸建ての売却期間は平均6カ月と言われていますが、1年以上かかることもあります。

築20年戸建て売却の特徴

建物の劣化度合によりますが、築20年を過ぎた戸建ては価値ゼロと査定されやすくなります。
そのため、ほとんど土地の価格で売却されることとなります。

売買における建物の価値はゼロとされますが、住むことは当然できます。
買手は新築に比べて非常に安い価格で住宅を購入でき、おのおのリフォームやリノベーションを施し住みやすい環境が手に入ります。

築25年戸建て売却の特徴

築25年までは購入需要が多いため、他の売り出し物件に比べ建物の劣化がひどくなければそのまま売り出しても買い手は見つかるでしょう。

売り手はリフォームやリノベーションを考えだしますが、安易に施すのは危険です。
中古住宅の買手には、自分好みにカスタマイズしていきたいニーズが高いので、そのまま売り出した方が早く売れる場合も多くあります。

築30年戸建て売却の特徴

築30年の戸建ては建物の価値がほとんどなくなるため、古家付き土地として売りに出されることが一般的です。
建物の価値は無いものと考え、土地物件として売りに出すイメージです。

DIY需要の高い昨今では、古家付き土地として売り出しても売却できる可能性は十分にあります。
しかし、そもそも需要が少ない田舎などでは、建物を解体し更地にした方が高く、早く売れやすい場合もあります。

土地の価格が上がれば高く売れる?

築年数で価値が下がっていくのは建物だけです。
購入から何年経とうと、土地の価格には影響しません。

そのため、建物の価値が0円になっても、土地の価格で売却できます。
場合によっては地価の高騰によって、購入時よりも高い価格で売却できるケースも稀にあります。

土地の価格が上下する理由

土地の価格が上下する理由は、大きく言うと『需要』の関係です。

例えば、人口減少が続く地域では家を購入する需要が減っていくので、物件は売れ残り、値下げを余儀なくされ価格が下落していきます。

他にも、様々な要因から土地の価値は上下します。

価格が上下する要因の例

  • 人口減少・高齢化
  • 自然災害(例:地震後の被災地)
  • 賃金低下
  • 国内・海外の経済情勢

これらはほとんど対策しようのないことですが、現在の人口減少傾向や、人口の将来推計などは参考にできるポイントですね。
人口減少が激しい地域であるなら、できる限り早く売却する決断も考えられます。

土地の価格に大きな変化がない地域が多い

土地の価格は、建物の様に大きく変動することは稀です。
下の画像は主要都市の地価推移をグラフにしたものです。

地価推移
出典:東日本不動産流通機構『月例速報2022年1月度』

1990年代のバブルの影響を除いては、東京都以外の地価推移は比較的穏やかなものとなっています。

土地の価格推移よりも、築年数による価格下落の方が激しいので、できる限り建物に価値がある状態で売却するといいでしょう。

まとめ

戸建ては一般的に木造が主流ですが、耐用年数の短さから20年程度で価値がほとんどなくなることが分かりました。
ただし、築年数による影響は建物だけが受けるもので、土地の価格には関係しません。

築年数による価格推移を知っておくことは今後の売却タイミングを決めるうえで非常に重要です。同時に土地の価格推移まで知っておくと決断しやすくなります。

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