「3,000万で買った家はいくらで売れるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論、3,000万円で買った家は、築10年なら1,900万円前後で売れます。
その理由は、築年数による建物価値の減少が影響しています。
以下のグラフは、築年数の経過による建物の価値の減少率を表したグラフです。
(引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」)
戸建て、マンションともに築年数の経過とともに価値が減少しているのがわかります。
この下落率をもとに売却価格を想定すると以下のようになります。
築年数 | 建物価格の減少割合 | 購入時3,000万円の家の現在価格 (建物価格2,000万円、土地価格1,000万の場合) |
---|---|---|
築1年 | 5% | 2,900万円 |
築2年 | 12% | 2,760万円 |
築3年 | 18% | 2,640万円 |
築4年 | 22% | 2,560万円 |
築5年 | 30% | 2,400万円 |
築6年 | 34% | 2,320万円 |
築7年 | 40% | 2,200万円 |
築8年 | 44% | 2,120万円 |
築9年 | 50% | 2,000万円 |
築10年 | 54% | 1,920万円 |
築10年では新築時と比べて半分以下の価値となっており、1,900万円前後での売却となる可能性が高いです。
ただし、建物の状態や立地状況によって売却価格は大きく異なる場合があるため、参考程度に捉えましょう。
次に、各築年数ごとの計算方法を解説します。
【築年数別】3,000万円で買った家はいくらで売れるのか
3,000万円の築10年戸建ては1,900万円前後で売れるとお伝えしました。
では、その他の築年数での価格はどうなのでしょうか。
ここでは、建物価格2,000万円、土地価格1,000万円を例にして解説します。
築1年戸建ては2,900万円前後で売れる
築1年の戸建ては2,900万円前後で売れます。
築1年であれば新築と比べてもほとんど劣化がない場合が多いため、新築時の5%前後しか価値が減少しません。
例えば、3,000万円の戸建て(建物価格2,000万円,土地価格1,000万円)の場合は以下のように計算します。
築2年戸建ては2,760万円前後で売れる
築2年の戸建ては2,760万円前後で売れます。
築2年であれば劣化もあまり進んでおらず、新築と同様の外観を保っているケースが多いです。
それでも新築時よりも12%ほど価値が下がっています。
築3年戸建ては2,640万円前後で売れる
築3年の戸建ては2,640万円前後で売れます。
築3年も建物によっては新築同様の状態を維持できているものもあります。
それでも新築時よりも18%ほど価値が下がっています。
築4年戸建ては2,540万円前後で売れる
築4年の戸建ては2,540万円前後で売れます。
新築時よりも22%ほど価値が下がっており、売却価格は500万円ほど安くなります。
築5年戸建ては2,400万円前後で売れる
築5年の戸建ては2,400万円前後で売れます。
築5年が経過すると外壁が劣化してきたり設備が故障したりする場合があります。
新築時と比べて価値下落率は30%と大きくなっています。
築6年戸建ては2,320万円前後で売れる
築2年の戸建ては2,320万円前後で売れます。
価値は新築時よりも34%ほど下がっています。
築7年戸建ては2,200万円前後で売れる
築7年の戸建ては2,200万円前後で売れます。
新築時よりも40%ほど価値が下がっており、劣化や損傷も物件によっては多く見られます。
築8年戸建ては2,120万円前後で売れる
築8年の戸建ては2,120万円前後で売れます。
価値は新築時より44%ほど下がっています。
築9年戸建ては2,000万円前後で売れる
築9年の戸建ては2,000万円前後で売れます。
築9年まで進むと、外壁な内装に劣化や消耗が見られ、設備の交換も必要なケースがあります。
価値も大きく下がっており、新築時より50%ほどしか残っていません。
築10年戸建ては1,920万円前後で売れる
築10年の戸建ては1,920万円前後で売れます。
築10年を経過すると外観や室内状況の劣化が見られるケースが多く、新築時から54%程度価値が減少します。
3,000万円で買った家を売る時の注意点
購入から間もない築1年~築2年の築浅物件は、特に売却理由をよく見られます。
「こんなに早く売るのには何かわけがあるのではないか」と考えるのが普通ですし、何か欠陥がある場合、不動産会社はそれを買主に伝える必要があります。
売却理由を伝える上での注意点
- 建物の欠陥や周辺地域の問題等は不動産会社に正直に伝える
- 買主が納得する売却理由を伝える
建物の欠陥や周辺地域の問題等は不動産会社に正直に伝える
戸建てを売買する際、買主と売買契約を結びます。
売買契約後に契約の内容に含まれていない買主に不都合なことが発見された場合、売主は契約不適合責任を負います。
契約不適合責任とは
譲渡した不動産の品質等が契約内容に適合していない(例えば、契約内容にない建物の劣化・欠陥)場合に、債務不履行となり売主が買主に対して負う責任です。
契約不適合が発覚した場合、「損害賠償」「契約解除」「追完請求」「代金減額」などの対応を行う場合があります。
そのため、認知している欠陥等がある場合は必ず正直に説明するようにしましょう。
契約不適合責任に該当するかどうかは素人では判断しにくいので、まずは不動産会社に相談しましょう。
説明の必要がないネガティブな発言が売却価格や期間に影響することもあるので、慎重に不動産会社と決めていきましょう。
買主が納得する売却理由を伝える
売却の理由は人それぞれで、それらはプライベートな問題であることが多いでしょう。
どこまで説明すればいいのか悩む方も多いと思いますが、まずは買手の立場で物事を考えていきましょう。
- 「欠陥住宅だったのではないか」
- 「周辺地域になにか問題があるのではないか」
- 「事故物件なのではないか」
単なる住み替えや転勤、親の介護など、正当だと思われる理由がある場合は正直に伝えましょう。
離婚などの売却理由は、場合によって「縁起が悪い」と捉えられることがあります。
こうしたネガティブな理由は、不動産会社と相談しながら伝え方を工夫していきましょう。
隣地との境界線を明確にしておく
売却前に、隣地との境界線を明確にしておく必要があります。
境界線とは自分の所有地と隣地を分ける境界のことで、境界線が明確になっていないと売却後にトラブルになる可能性があります。
本来、隣地との境界には「境界標」が記されていますが、なんらかの原因により確認できないケースがあります。
また、登記簿謄本や地積測量図などにも境界が記載されていますが、正確な境界は記載されていないケースが多いです。
そのため、境界線を明確にするには、土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。
プロの測量士が境界線を測ってくれるため、精度の高い測量を受けられます。
まとめ
新築3,000万円で買った家が今はいくらで売れるのか、具体的な価格を知るには不動産会社へ依頼し、査定を受けたうえで売却活動をしないと、実際の価格は分かりません。しかし、相場を調べることでいくらで売れるのか売却価格の目安を知ることはできます。
相場の調べ方は、レインズマーケットインフォメーションや不動産取引価格情報検索を使い、実際の成約価格の目安を調べる方法と、複数の不動産会社へ査定依頼を行い相場の目安を知る方法の2つです。具体的な売却計画を立てる際には、不動産会社へ査定をお願いしたほうが、担当者とのやり取りの中でアドバイスをもらえるなど、情報収集も行えます。
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