家を売りたいと考えた時、「4,000万で買った家はいくらで売れるのか?」「自分の家はいくらの価値があるのだろう?」と疑問に思ったことがある方はいるのではないでしょうか。
できるだけ正しい価格を知りたいですよね。
結論、4,000万円で買った家はマンションなら築10年で3,670万円、戸建てなら築10年で3,652万円万円前後で売れます。
この記事では3,000万円で買った家がいくらになるのか、築年数ごとの推移を家・マンションそれぞれ解説していきます。
4,000万で買った家がいくらで売れるかは築年数が重要
家の売却価格を決める上で最も重要なのは築年数です。
一般的に家の売却価格は、購入価格に限らず築年数が経つにつれて低下し、新築で購入しても一度でも人が住んでしまうと中古とみなされて価格が低下します。
ただし、低下するのは建物部分の価格のみで、土地の価格は市場の動向で変化します。
以下のグラフは、国土交通省が出した築年数の経過により中古住宅の市場価値がどのくらい低下するか示したものです。
(引用:国土交通省 「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」)
このグラフを見ると、戸建て住宅は一定のペースで価格が下がっていることが分かります。
また、築20年を過ぎると建物部分はほとんど価値のないものとなるので土地の価格のみで売却されることが多いです。
家を売却して手元にいくら残るか知りたい方は、不動産会社で査定を受けましょう。
家の売却にかかる税金・費用などは、売却額によって変わります。
正しい手取り額を知るためには、正確な査定額を把握する必要があります。
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4,000万円で買った戸建ていくらで売れる?
下の表は、レインズを使って調べた平均売却価格を、4,000万で買った家に置き換えて売却相場を算出したものです。
あくまで平均価格で計算したものであり、売却する家の条件次第で売却相場は変わるので参考程度にしてください。
築年数 | 築0年~築5年 | 築6年~築10年 | 築11年~築15年 | 築16年~築20年 | 築21年~築25年 | 築25年~築30年 | 築31年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 4000万円 | 3652万円 | 3497万円 | 3261万円 | 3163万円 | 2578万円 | 1908万円 |
下落率 | 100% | 91% | 87% | 82% | 79% | 64% | 48% |
(参照:レインズ 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)「中古マンション成約物件、築30年超の比率が3割超える」)
4,000万円でマンションはいくらで売れる?
次はマンションの築年数別売却相場を見てみましょう。
以下はREINSが公表している「築年数別の売却相場」をもとに、3000万円で買った中古マンションの売却相場の推移を表した図です。
築年数 | 築0年~築5年 | 築6年~築10年 | 築11年~築15年 | 築16年~築20年 | 築21年~築25年 | 築25年~築30年 | 築31年~ |
価格 | 4000万円 | 3670万円 | 3367万円 | 3039万円 | 2773万円 | 1962万円 | 1273万円 |
下落率 | 100% | 91% | 83% | 78% | 63% | 43% | 33% |
マンションの構造は鉄骨コンクリートで構成されているため法定耐用年数が戸建てと比較して長いですが、マンションは木造戸建てと違い土地の持ち分が極端に少ないため、建物の価値が売却価格に直結します。2773
マンションの場合は築年数と立地条件が売却価格に大きく影響することがわかります。
【築年別】4,000万円で買った家はいくらで売れる?
この章では築年数ごとの売却相場と売却する際に気をつけるべきポイントについて解説します。
築5年以内の売却相場:4,000万円
築5年以内の売却相場は、4,000万円です。
築0年と同等の価値を維持しており、高い価格での売却に期待できます。外観や室内状況も新築同様の物件もあるため、買い手からの需要もあるのが特徴です。
「家を高く売りたい!」と考えている方におすすめの築年数です。
▼築5年以下で売却すると税金が多くかかるので注意
家を売却して売却益を得た場合は譲渡所得となり、譲渡所得税が課せられます。
譲渡所得税とは、譲渡所得に対して所得税と住民税が課せられることで、不動産の所有期間によって以下のように税率が異なります。
短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
---|---|---|
所得税 | 15.315% | 30.63% |
住民税 | 5% | 9% |
合計 | 20.315% | 39.63% |
参考:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
短期譲渡所得と長期譲渡所得で約2倍も税率が異なるため、売却後の税金を抑えたい方は所有期間が5年を超えたタイミングで売却するのがよいでしょう。
築6~10年の売却相場:3,652万円
築6~10年の売却相場は、3,652万円です。
この築年数を迎えると「築浅」ではなくなるため、9%ほど価格が低下します。
外観や室内状況は綺麗でも建物としての価値が低下しているため、高く売りたくても値下げされる場合が多くなるでしょう。
それでも、立地状況次第では高い価格での売却も可能なので売却しやすい築年数といえます。
また、成約率に関しても築31年に次いで高い数値のため、売却に適した時期といえるでしょう。
築11~15年の売却相場:3,497万円
築11~15年の売却相場は、3,497万円です。築6~10年から4%ほどしか価格が低下しておらず、依然として高額売却に期待できる築年数です。
築11年を超えると建物の劣化や損傷が見え始め、設備も古くなってきている時期でもあります。
それでも、しっかり管理できていれば外観や室内状況も綺麗な状態を維持できるため、買い手はまだまだ見つかりやすい時期といえます。
築16~20年の売却相場:3,261万円
築16~20年の売却相場は3,261万円です。
この築年数を迎えると外観や室内状況に劣化が生じているケースが多くなり、築浅物件よりも大きく価格が低下する場合があります。
実際、築0~5年よりも約500万円も価格が低下しているため、買った価格よりも安く売れる可能性が高いといえるでしょう。
それでも、必要な修繕や管理をおこなっていれば、まだまだ外観や室内状況は綺麗な状態を保てるため、売却自体はできる可能性は十分にあります。
築21~25年の売却相場:3,163万円
築21~25年の売却相場は3,162万円です。
築20年とあまり変わらない価値を維持しており、まだ売却しやすい時期といえます。
立地状況によっては相場よりも高く売れる場合もあるため、売却を検討している方は早めに売却の準備を始めましょう。
▼戸建ては築23年で建物の価値はゼロになる
建物には耐用年数が定められています。
耐用年数を迎えると、使用できるかどうかに関係なく建物としての価値が「0」とみなされてしまいます。価値がないとみなされてしまえば売却価格にも当然影響するため、高額売却にも期待できなくなります。
なお、耐用年数は建物の種類によって以下のように異なります。
構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造(店舗用・住宅用) | 22年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(住宅用) | 47年 |
築26~30年の売却相場:2,578万円
築26~30年の売却相場は、2,578万円です。
この築年数から価格が大きく下落し、築0~5年と比べて64%の価値しかありません。価格も1,900万円近く下落しているため、高く売るのは難しいでしょう。
また、建物の状態も悪くなっている傾向があり、場合によってはリフォームしなければ買い手が付かない可能性もあるでしょう。もしくは、安い家を探している買い手にターゲットを絞って、リフォームしないで相場より安い価格で売り出せば買い手が見つかるかもしれません。
どちらにせよ、普通に売り出しても買い手が付きにくい築年数のため、売却のためには工夫が必要になるでしょう。
築31年~の売却相場:1,908万円
築31年~の売却相場は、1,908万円です。
築31年を超えるとさらに価格が低下し、48%の価値しか残っていません。建物自体の価値もなくなっており、土地の価値のみでの売却となるでしょう。
売却したい場合はリフォームして売り出したり、相場よりも安く売り出したりするなどの工夫が必要になります。
当然買い手の需要もなくなってきていますが、「安く家を購入したい」と思う買い手からは非常に需要のある時期でもあります。
4,000万円で買った家がいくらで売れるか調べる方法
不動産の売却相場をより詳しく調べるにはいくつかの方法があります。
- 不動産ポータルサイトで周辺物件の売り出し価格を調べる
- レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる
- 不動産情報ライブラリで調べる
- 不動産一括査定サイトを利用する
不動産ポータルサイトで周辺物件の売り出し価格を調べる
「SUUMO」や「ホームズ」などの不動産ポータルサイトを使って調べられます。
ポータルサイトでは全国の売り出し物件情報が掲載されており、自分の地域に絞って検索すれば周辺で売り出されている物件の価格が把握できます。
また、どの地域のどの物件が売り出されているかも把握できるので、競合物件の売り出しが少ない時期を見極める際にも活用できます。
レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる
レインズ・マーケット・インフォメーションとは国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産取引情報提供サイトです。
実際に取引された不動産情報が閲覧できるので、より詳細な価格を知りたいときに活用できます。
自分の物件のエリアや間取り、専有面積などと似たような物件の取引実績を見ればおおよその価格が把握できるので活用してみましょう。
不動産情報ライブラリで調べる
不動産情報ライブラリとは、国土交通省が運営している不動産情報サイトです。
取引価格や地価公示などを詳細に掲載しており、さまざまな観点から相場を把握できます。
建物だけでなく土地の価格まで閲覧できるので、より具体的な売却相場を把握できるでしょう。
不動産一括査定サイトを利用する
不動産一括査定サイトとは、複数の不動産会社へ同時に査定依頼できる査定サイトです。
エリアや間取り、専有面積などの物件条件を入力するだけで査定依頼できるので、手間なく複数の不動産会社へ査定依頼したいときにおすすめです。
また、査定額は不動産会社によって異なり、大きいものだと100万円単位で違う場合もあります。複数の査定額を比較することは売却を成功させるために重要なポイントであり、査定次第では損をする可能性もあります。
「複数の査定額を比較したい」と思う方は不動産一括査定サイトを利用してみましょう。
すまいステップの不動産一括査定サイトなら、最大4社の優良企業へ同時に査定依頼できます。
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4,000万で買った家を高く売る方法
4,000万で買った家を高く売るための3つのポイントを紹介します。
- できるだけ早めに売り出す
- 適正価格で売り出す
- 内覧準備をしっかり行う
できるだけ早めに売り出す
家の売却価格は築年数が経つにつれて低下するので、売ることを決めたらできるだけ早めに売り出すことをおすすめします。
築浅物件であれば買主が見つかりやすく、設備などの不具合も少ないので高く売却できる可能性が高まります。
適正価格で売り出す
家の売り出し価格が高すぎると最初から購入の候補から外されてしまい、買主が見つかりにくくなる可能性があります。
できるだけ周辺地域の相場に合った価格を設定することが重要です。
値引き交渉があることも想定した価格設定が必要なので、不動産会社と相談して決めていくとよいでしょう。
内覧準備をしっかり行う
中古物件を売る時はとにかく見た目のきれいさが重要です。
内覧前はできるだけ家の片付けや掃除をして、購入希望者に良い印象を与えられるようにしましょう。
特にキッチンやお風呂などの水回りは重要でなので、念入りに掃除しておくとより良い印象を与えられます。
買った時よりも高く売れる家とは?
家を売る時、買った価格よりも高く売りたいと誰でも思うでしょう。
以下のような家は、買った時よりも高く売れやすいと言えます。
それぞれ解説します。
- 再開発が予定されているエリアの家
- 人気で話題のあるエリアの家
- 築10年以内の家
再開発が予定されているエリアの家
住んでいる家の近隣地域で再開発されたり、再開発の予定が決まっていると、その周辺エリアの不動産の価値が上がることがあります。
大きな商業施設が増えると人口も増えるので、その分住宅の需要も増えます。
不動産の価値が上がると、買った時よりも高く家を売れる可能性が見込まれるので、周辺エリアで再開発が決まったなどの情報は常にチェックしておきましょう。
人気で話題のあるエリアの家
テレビや雑誌、SNSなどで注目を集めているエリアの家は需要があり、高く売れやすい傾向です。
また、オリンピックなどの世界的なイベントが行われると、イベント終了後も不動産の価格に大きく影響します。
以下のグラフは、中古住宅の購入者に聞いた「中古住宅を購入した理由」です。
不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査」を参照して、すまいステップ編集部が作成しました。
(※複数回答)
(参照:不動産流通経営協会「第27回不動産流通業に関する消費者動向調査」)
グラフを見れば分かるとおり、「希望するエリアだったから」という理由が1番多かった回答です。
人気で話題のエリアであれば、中古住宅でも早く高く売れることが期待できるでしょう。
4,000万で買った家を売る時の注意点
4,000万で買った家を売る時の注意点を4つ紹介します。
- 住宅ローンは完済しておく
- 欠陥や欠点は必ず伝える
- 売却理由を明確にする
- スケジュールに余裕を持つ
住宅ローンの残債を確認しておく
家を売る時に住宅ローンが残っている場合は完済させる必要があります。
当権の抹消が家を売る大前提としてあり、抵当権を抹消するには住宅ローンを完済させなければなりません。
家の売却代金で完済させることも可能なので、住宅ローンがいくら残っているのか早めに確認しておきましょう。
家の売却代金だけで完済が難しい場合は自己資金を用意する必要があります。
欠陥や欠点は必ず伝える
家の欠陥や欠点がある場合は必ず不動産会社に伝えましょう。
欠陥や欠点があるのに伝えずに家を引き渡してしまうと、売主は契約不適合責任に問われることになります。
契約不適合責任とは、引き渡した家と契約内容が適合しない時に売主側が負う責任を定めたものです。
契約解除や損害賠償、代金の減額などを請求されるリスクがあるので、欠陥や欠点は隠さず伝える必要があります。
売却理由を明確にする
家を売る時は売却理由を明確にしておくことも大切です。
何か不具合や周辺でトラブルがあったのではと不安に思う買主も多くいます。
特に購入してからすぐに売却する場合は、買主が納得できる売却理由を伝えられると印象は良くなります。
スケジュールに余裕を持つ
早めに売り出すことも大切ですが、スケジュールに余裕を持って売却活動を行いましょう。
売却期限に余裕がないと買主からの値下げ交渉に応じやすくなり、相場よりも安い価格で家を売却してしまうことがあります。
家の売却期間は一般的に約3か月と言われていますが、家の立地や条件によってはそれ以上かかる場合もあるので1年程度の余裕があると安心です。
まとめ
家の売却価格は、購入時の価格に限らず築年数が経つにつれて低下します。
また、家の立地や条件次第で売却価格は大きく変わるので、より正確な売却相場を知りたい時は不動産会社に査定依頼しましょう。
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