築5年の木造戸建ては築浅と言えますので、比較的好条件で売却できる可能性があります。
需要が高く、資産としての価値も十分に残っている状態だからです。
ただし、戸建てはマンションに比べて売りにくい不動産ですので、コツや注意点を把握しておく必要があります。
この記事を読んでいただければ、築5年の戸建て売却の不安はなくなり、より好条件で売却する方法が把握できます。
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築5年の戸建てはすぐに売却するのがおすすめ
戸建ては、築年数経過による価格の下落度合が大きいため、できる限り早く売却するのがおすすめです。
また、築5年での売却であれば築浅の部類に入るため、築浅物件の強い需要を享受できるほか、住宅ローンの総支払額も最小限に抑えられます。
築5年戸建てを早く売るべき理由
- 戸建ては築年数の経過で価値が大幅に下落する
- 築5年までは築浅なので需要が高い
- 住宅ローン支払い総額を減らせる
戸建ては築年数の経過で価値が大幅に下落する
戸建ては、建物の耐用年数が短いため、築1年の差で価値が大幅に下落します。
できる限り早く売却した方が手取り額を増やせると言えます。
下の表は、築年数の経過と建物価値の関係性を表したグラフです。

築5年の時点では、購入時の価格の70%程になっています。
築7年の時点で、購入時の価格の60%程となってますので、1年で5%ほど下落することが分かります。
例えば、建物価格2,000万円,土地価格1,000万円の計3,000万円で購入した戸建ての場合、築5年時点で2,400万円、築6年で2,300万円あたりが売却相場になります。
築5年までは築浅なので需要が高い
一般的に築5年以内の建物を築浅と言います。
築浅物件の需要は、築年の古い家に比べて当然高く、スムーズに高額で売却できる可能性が高まります。
住宅ローン支払い総額を減らせる
戸建てを売却する際は、住宅ローンを完済する必要があります。
手持ち資金や売却金額を合わせて住宅ローンを完済する場合は、一括返済の手数料こそかかりますが、将来的に支払う金利分で得できます。
また、住宅ローンを早期で一括返済すると保証金の一部が返礼される場合があります。
ここまで解説してきた通り、築5年の戸建て売却は基本的におすすめできます。
ただし、売却する際注意が必要なケースもあります。
次の章で解説する注意が必要なケースが気になる方は、不動産会社によく相談して売却するようにしましょう。
売却するもしないも、自己判断ではなく、不動産会社の力を借りるとよいでしょう。
築5年の戸建て売却を成功させるポイント
築5年の戸建ての適正価格での売却を成功させるためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
ここからは、築5年で売却を成功させるための5つのポイントについて詳しく解説します。
築5年戸建て売却成功のポイント
- 売却には住宅ローン完済が必須
- 購入希望者と相談して設備を残す
- 内覧時に好印象を持たれる清潔な家にする
- 3月、9月の売れやすい時期を狙う
- 確定申告で節税する
売却には住宅ローン完済が必須
戸建てを売却する際は、原則として住宅ローンを完済する必要があります。
手持ち資金で完済できない方は、以下の方法で完済し、引き渡しをします。
- 買主から受け取った売却金額で完済する
- 住み替えローンを利用して完済する(住み替えする人のみ)
一つ目は最も一般的な方法で、買主から売却金額を受領したタイミングで住宅ローンの完済手続きを行います。
二つ目は、住み替えを行う方のみ使える住み替えローンを使用するものです。
住み替えローンは、住宅ローン残債分と、住み替え先の購入資金をまとめて借り入れられるローン商品です。
スムーズに売却を進めるためにも、不動産会社に査定を受ける前にローン残高を確認しておきましょう。
購入希望者と相談して設備を残す
エアコンや照明などの設備を、次に引越す家で利用しない場合には、通常は売主が退去するときに撤去します。しかし、築5年程度の築浅物件の場合には、買主が持っているものよりも設備が新しい場合があります。
エアコンなどの設備を残したほうが家の価値を少しでも高められるなら、残してもいい設備もあわせて購入希望者と価格交渉を行うと良いでしょう。
内覧時に好印象を持たれる清潔な家にする
中古住宅の市場の中では築5年程度の築浅の物件は割高です。しかし、中古住宅としては価格が高額にもかかわらず、築5年の築浅物件が人気なのは、築浅物件の方が清潔感があるためです。
より良い条件で売却したいのであれば、築5年ならではの清潔感を全面に押し出せるように心がけましょう。住みながら売却活動をするときでも、荷物は整理しておきます。
少しでも住むと汚れが目立ってしまうトイレや風呂、キッチンといった水回りは事前にハウスクリーニングを入れておくと良いでしょう。
広告用の写真を撮影するときには、清潔感のある写真を撮影します。また、内覧のときにも、できる限りきれいな状態を見てもらえるようにしましょう。売却活動をしている期間は、毎日の掃除をいつもよりも丁寧に行うように心がけましょう。
3月、9月の売れやすい時期を狙う
3月、9月は繁忙期と言われるシーズンです。
進学や転勤など住宅の購入需要が増す為です。
早く高く売却したい方は、この繁忙期に売買できるよう調整しましょう。
3月ちょうどに売り出しても遅いので、繁忙期の1カ月前には売り出す様にしましょう。
下記の表は、レインズが公表している、2021年の首都圏地域別中古マンション(東京都)の成約件数を表したものです。
3月は、他の月に比べて成約件数が伸びているのが分かります。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|---|
成約件数 | 1,775 | 1,824 | 2,221 | 1,757 | 1,675 | 1,609 |
月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
成約件数 | 1,555 | 1,275 | 1,610 | 1,765 | 1,782 | 1,521 |
引用元:REINS_TOWER(東日本不動産流通機構):月例マーケットウォッチ(2021年度)
確定申告で節税する
築5年戸建てを売却したら確定申告を行いましょう。
確定申告の義務が発生するのは、売却で利益が出た場合のみですが、節税につながるので申告をおすすめします。
確定申告をすべき理由
- マイホーム売却なら3,000万円の特別控除を申請できる
- 売却損が出た場合は、損益通算と繰越控除が申請できる
3,000万円の特別控除
購入から5年以下の戸建ての場合、譲渡所得税の39.63%と高めに設定されています。
例えば、1,000万円の売却益に対しては、3,963,000円の譲渡所得税がかかります。
3,000万円の特別控除の特例を利用すると、売却益3,000万円までを非課税にできます。
ただし、『マイホームを売却する場合』など、条件があるため、事前に適用できるか確認しておきましょう。
関連:3,000万円特別控除の特例とは
参考:国税庁『No.3302 マイホームを売ったときの特例』
損益通算と繰越控除
単純な計算になりますが、4,000万円で買った家を3,000万円で売った場合、1,000万円の売却損が出ています。(実際は、減価償却やその他経費等も計算に含みます。)
マイホームの売却で売却損が発生した場合は、売却損を給与所得や事業所得と相殺できる損益通算と、損益通算で相殺しきれない売却損を3年間にわたって繰り越す繰越控除の特例を申請できます。
所得税や住民税の節税が可能なので、売却損が出た場合も確定申告をおすすめします。
築5年の戸建てを売却する流れ
築5年の戸建てを売却するときには、売却はどのような流れで進んでいくのでしょうか。築5年の戸建て売却の流れについて見ていきましょう。
戸建て売却の流れは以下の通りです。
順に解説していきます。
1.事前準備をする(相場を調べる)
不動産会社に相談に行く前に簡単に事前準備をしましょう。
事前準備は以下の3点。
- 売却相場を調べる
- アピールポイントをまとめておく
- 必要書類をそろえる
査定額は不動産会社ごとに異なるため、後悔を残さないためには不動産会社の比較が重要です。
基準となる売却相場を知っておくと、査定額を比較しやすくなります。
まずは、『一戸建ての売却相場はいくら?』の記事を参考に一戸建ての売却相場を調べておきましょう。
次にアピールポイントを紙やスマホのメモに書きだしておきましょう。
物件の住みやすさに関しては、不動産会社よりもあなたの方が知っていることが多いからです。
また、必ずではありませんが売却に必要な書類をそろえておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
ただし、スピードが重要な築5年の戸建て売却では、書類取得と査定は同時並行で行った方が期間を短縮できる他、書類を参考により正確な査定を期待できます。
戸建て売却に必要な書類
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- 測量図または境界線確認書
- 建築確認済証
- 間取り図
- 維持管理費用書類、管理規約書類
2.不動産会社に相談する(築5年の戸建て売却に強い不動産会社を探す)
不動産会社に相談し、査定をしてもらいましょう。
この際、複数の不動産会社を比較して、戸建ての売却に強い不動産会社を探しましょう。
マンション売却に強い会社、商業用物件売却に強い会社、土地や戸建てに強い会社と、それぞれ得意分野があるためです。
不動産会社の、ホームページには今までの取扱い物件の実績が必ず掲載されています。
実績の中で築浅の戸建ての高額売却にどのくらい成功しているかをよく確認しましょう。
また、不動産一括査定サイトのすまいステップから依頼すると、全国から厳選された売却に強い不動産会社にのみ査定を依頼できます。
下のバナーより、最大4社に一括で査定を依頼できるため、査定額の比較も簡単です。
3.選んだ不動産会社と契約する
売却の仲介を依頼する不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。
媒介契約とは仲介をしてもらうための契約です。
契約した時点で費用が発生することはなく、売却が成立した際に成功報酬的に支払います。
媒介契約の種類には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類あります。それぞれの特徴は次のとおりです。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | × | × | 〇 |
他社への通知義務 | × | × | ○ ※明示型の場合 |
自己発見取引 | ○ | × | 〇 |
契約の有効期間 | 3か月以内 | 3か月以内 | 指定なし |
指定流通機構への登録 | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 | 任意 |
業務状況の報告義務 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 | 任意 |
複数の不動産会社と契約できるのは一般媒介契約です。
ただし、報告義務やレインズ(不動産会社が売買情報を共有するサービス)への登録義務もありません。
媒介契約の選び方は、人気物件であれば、複数の不動産会社を競争させて良い買い手を見つけてきてくれる可能性が高い一般媒介契約がおすすめです。しかし、あまり人気がない物件では、1社との契約でじっくりと買主を探してもらう方が良いでしょう。中古の一戸建てとして人気がありそうかどうかをよく考えて媒介契約の選び方を検討しましょう。
4.売り出し価格を決めて売り出しを開始する
媒介契約を結んだら、売り出し価格を自分で決めます。不動産会社からの意見は参考として聞くことはできます。しかし、いくらで売りに出すのかを決めるのは売主自身です。
近隣の相場を参考にして、実際に売れそうな価格から少し高めの価格で売り出すといいでしょう。購入希望者の多くが、価格交渉を申し入れてきます。価格交渉の結果、相場なりの価格に落ち着くように売り出し価格を調整しましょう。
また、売れない場合には値下げをしていくことになります。
売却して金額でローンの残債を完済しなければいけない場合や、次に購入する物件の頭金をまかないたい場合など、それぞれが抱える事情があるでしょう。値下げに応じられる下限の価格も最初に決めておくと、価格交渉にも落ち着いてのぞめます。
5.購入希望者の内覧対応
売り出し価格を決めたら、いよいよ売却活動を開始します。売却活動は不動産会社がチラシを作成して配布したり、不動産情報サイトやタウン誌へ物件情報を掲載したりします。売主自身が宣伝活動を行うことはありません。
興味を持ってくれた人から問い合わせがあったら、スケジュールを合わせて内覧を行います。内覧には売主の立ち会いが必須です。購入希望者は売主に聞きたいこともあるので、質問にもしっかりと答えましょう。
6.買主と売買契約を結ぶ
内覧に来た人が購入を決めたら、売買契約へと進みます。
売買契約では、最終的な売却金額や引渡しの日程等を取り決めます。
売買契約が完了すると、買主から手付金(売却金額の5%~10%が相場)を受け取ります。
その後、不動産会社に仲介手数料の半金を支払います。
7.物件を引き渡す
売買契約時に決めた引渡しの日程通りに物件の引渡し手続きを行います。
当日は司法書士に登記手続きを依頼するのが一般的で、買主から売却金額の残代金を受け取った段階で、法務局にて所有権移転登記が行われます。
これにより不動産は買主のものとなります。
その後、全ての鍵を渡して引渡し、同時に売買完了となります。
なお、引渡しの後に不動産会社への仲介手数料や、司法書士への報酬を支払います。
8.利益が出たら確定申告する
戸建てを売却したら、翌年に確定申告を行いましょう。売却によって利益が出た場合は必ず申告です。利益が出ない場合は申告は不要です。正式な日程は毎年国税庁のホームページなどで発表されるので確認しましょう。
売却したことによって利益が出た場合には、譲渡所得が発生するので確定申告を行って納税する義務が発生します。
また、住宅を売却したことで、控除や特例を受けたい場合には、確定申告で申告しないと控除や特例を受けられないので注意しましょう。
築5年の戸建て売却する注意点
築5年の戸建てを売却するなら、必ず知っておくべき注意点を5つ解説いたします。
築5年戸建て売却の注意点
- 戸建ての売却には目安6カ月かかる
- 売却には費用がかかる
- 欠陥と思える点は正直に告知する
- リフォームはしない
- 火災保険は自分で解約する
戸建ての売却には目安6カ月かかる
戸建てはマンションに比べて買い手が付きにくい傾向にあるため、平均的な売却期間も長くなります。
すまいステップ編集部が実施した調査では、45.5%の人が6ヶ月以内に売却できているこが分かりました。
又、東京都に絞ると、6ヶ月以内に売却できた人が72.09%という結果になりました。
地域差がありますが、目安6カ月はかかると意識しておきましょう。
物件が「築浅」と言われるのは築5年までですが、売却期間中に6年を迎えてしまう場合もあります。
売却期間が6ヶ月かかることを見越して、早目早目に行動を開始するようにしましょう。
売却には費用がかかる
引越しにかかる費用はもちろん、売却にかかる費用も用意しなければいけません。
売却にかかる費用は、売却金額に対して5~7%程度と言われています。
費用 | 説明 |
---|---|
仲介手数料 | 売却金額の約3%+消費税 |
住宅ローン繰り上げ返済手数料 | 高くて約3万円。インターネットバンキングであれば0円の銀行もある |
印紙税 | 売買契約書作成にかかる税金。売却金額1~5千万円の場合1万5千円 |
譲渡所得税 | 売却益が発生した場合にかかる税金。 所有期間5年以下:39.63% 所有期間5年越え:20.315% |
登録免許税 | 抵当権抹消にかかる費用。司法書士に依頼する場合報酬含め1~2万円 |
この中で最も高額になりやすいのが仲介手数料です。
3,000万円で戸建てを売却する場合、最大で1,056,000円かかります。
高税率な譲渡所得税ですが、多くの場合で税金は発生しません。
譲渡所得税は売却益にかかる税金ですが、売却益は購入にかかった費用と相殺して求めるため、大きくはなりません。
加えて、マイホーム売却の場合売却益3,000万円まで非課税にする制度があるため、税金が発生する人は少ないでしょう。
その他、引っ越し費用や、次の住処を用意する費用など、余裕をもって支払いができるか確認しておきましょう。
欠陥と思える点は正直に告知する
戸建てに何らかの欠陥がある場合には、その欠陥を隠してはいけません。都合の悪いことは隠したくなるものですが、売却後に見つかると契約不適合責任を問われてしまいます。契約不適合責任を問われると、損害賠償を請求されたり、売買契約が解除になってしまうこともあります。
何らかの欠陥がある場合には、不動産会社に事前に伝えて、重要事項説明書等へ記載しておくことが大切です。
リフォームはしない
売却前に軽いリフォームを考える方がいますが、築5年の戸建てであればほとんどの場合でリフォームをすべきではありません。
中古一戸建ての購入者の多くは、購入後自分でリフォームやリノベーションをしようと考えているからです。
築5年の戸建てであれば劣化も少なく、そのまま使う方も多いでしょう。
下のグラフは、購入した戸建てのリフォーム実施状況の調査結果です。
売主が事前にリフォームしている戸建てを購入している人は殆どいません。
不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査」
を元にすまいステップ編集部が作成
火災保険は自分で解約する
戸建てを売却しても、契約している火災保険や地震保険は勝手に解除されません。
売却をしたら自ら解約手続きを行いましょう。
解約時に保険の残存期間がある場合は、前払いしている保険金の一部を返金してもらえます。
また、万が一があってはいけないので、保険の解約は売買が成立した後に行いましょう。
まずは不動産会社に査定を依頼しよう
築5年の戸建て売却について理解が深まりましたら、さっそく不動産会社に査定を依頼してみましょう。
査定依頼時のポイントは、大手・中小問わず複数の不動産会社に査定を依頼することです。
査定額は会社や担当者によって異なるため、必ず比較しするようにしましょう。
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まとめ
築5年の戸建ては通常であればまだまだ新築に近いきれいな状態なので人気があります。売却するのであれば、適正価格で売却したいところです。適正価格を知るためには、周辺地域の不動産の売却相場をしっかりと調べることが大切です。
しかし、忙しくて自分で調べていられない、プロの不動産会社の意見もしっかりと聞きたいという場合もあるでしょう。そのような場合には、まずはすまいステップで一括査定を申し込んでみましょう。
すまいステップなら、お住いの地域でも厳選された良心的な不動産会社に査定依頼できます。適正価格を知ることで、オーバーローンでの売却を回避できる可能性がも高まるでしょう。ぜひ、一度すまいステップの一括査定をご利用ください。