『他の人はどんな理由で家を売ることを決めたのかな…?』
『家を売却したいけれど、売却理由ってどういうことを伝えればいいのかな…?』
家を売却する時に、購入希望者から必ずと言っていいほど尋ねられるのが、「家を売却する理由」です。
すまいステップでは、サイトを利用して不動産を売却した人を対象にアンケートを実施しています。
実際に売却を経験した人が「どんな理由で売却したのか」生の声をお届けします!
また、購入希望者に対して、どんなことを伝えればいいのか、売却する理由の伝え方のコツも解説します。
順位 | 売却理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 住み替え | 42.75% |
2位 | 不要物件の処分 | 19.85% |
3位 | 離婚 | 10.49% |
4位 | 転勤 | 8.40.% |
5位 | 相続 | 6.87% |
6位 | 金銭的な利用のため | 5.34% |
7位 | その他 | 3.82% |
8位 | 住宅ローンで困っている | 2.29% |
参考:すまいステップ編集部 不動産売却に関するアンケート(2022.5.24配信)
家を売る理由1位:住み替え(42.75%)
30代前半・男性
2人目の出産を機に、よりお互いの実家に近い場所に住み替えることを決めました。3階建て住宅ということもあり家事など移動が大変で、2階建て住宅に引っ越しをしたいというのもありました。
50代前半・女性
一人暮らしの母親と同居することがきっかけです。建て替えも検討したのですが、土地の形状がいびつであったため、理想とする家屋が建築できないため、住み替えをすることにしました。
50代後半・男性
定年退職を迎えるにあたり、移住を検討したことがきっかけとなりました。いくつかの候補先のマンションを探しましたところ、良い物件があり、売却して引っ越しをすることにしました。
他にも、住宅ローンの完済がきっかけで住み替えを思い立った方や、ご近所トラブルが原因で住み替えを決めた方がいらっしゃいました。
また、近年ならでは回答として、リモートワークが増加し、部屋を確保する必要ができたため住み替えをしたという回答も、複数頂きました。
家を売る理由2位:不要な物件の処分(19.85%)
相続したまま所有している実家や、ご家族の施設入所に伴い空き家になってしまっている家について、維持や管理の難しさや出費が理由で売却を決める方が目立ちました。
60代前半・男性
相続した家屋でしたが、将来的にも住むことはないため、しばらく放置していました。そのうち老朽化もすすみ、毎年税金などの維持費もかかるので、売却しようと思いました。
他には、貸家として所有していたものの、家賃収入よりも維持費がかさむようになったため、処分を決める方もいらっしゃいました。
50代前半・男性
当初長期の保有を考えていたが、賃貸の空室が長期間続いたため、賃貸収入がない中で住宅ローンの支払いだけが続き、損切りを覚悟して売却を検討するに至った。
家を売る理由3位:離婚(10.69%)
離婚がきっかけで売却する方は、新しい生活を始めるために、離婚と共に売却する方が多いようです。
中には、離婚後も家に住み続けていたものの、再婚をきっかけに売却を決めた方もいらっしゃいました。
また、財産分与のために家を売却をする方もいらっしゃいました。
30代前半・男性
離婚をきっかけに別々に住む為、購入したマンションが不要になり、売却を始めた。
40代後半・男性
離婚で財産分与のためにマンションを売却することにした。
家を売る理由4位:転勤(8.40%)
転勤が決まった時、家を売却するかどうか、悩まれる方は多いと思います。
すまいステップのアンケートの回答者の中にも、転勤が決まった後すぐに売却を決めた方、転勤後しばらくしてから売却を決断した方、どちらの方もいらっしゃいました。
40代後半・男性
東京から大阪への転勤がきっかけです。賃貸に出すのは色々面倒と聞いていたので、売却を決めました。
30代後半・女性
マイホームを購入後に転勤になりました。最初は戻ってくるつもりでしたが、戻らないことになり、売却を考え始めました。
すぐに売却した方は、希望価格での売却が決まったことや、賃貸との2択で売却を選んだことを理由に挙げられていました。
転勤後しばらくしてから売却を決めた方の理由としては、当初は持ち家に戻るつもりだったものの、転勤が長引き、戻らないことが確かになったご事情を回答される方が多かったです。
家を売る理由5位:相続(6.87%)
相続した時点で家の売却を決めた方は、現在の住まいから離れているため維持が難しいことや、防犯面の懸念を理由に挙げられていました。
40代前半・男性
親族の死後、相続することになったが現在住んでいるところからかなり距離が遠くて維持していくことがとてもできなくなり、売却にいたりました。
60代後半・男性
売却のきっかけは、近所の方の強い要望によるものでした。空き家のままでは、固定資産税が高くなる話もあり、売る事にしました。草取り等庭の管理も大変で、年をとると体調面でも不安でした。
また、遺産分割のために家を売却する方もいらっしゃいました。
複数の会社に査定を依頼できるため、金額を比較して、納得のいく売却を目指せます。
今回アンケートに回答してくださった売却経験者も、7割以上の方が3社以上に査定を依頼しています。
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家を売る理由は売却価格に影響する?
家を売る理由は、必ず買主に伝えなければならないものですが、理由や伝え方によって、売却価格に影響するのでしょうか。
残念ながら、家を売る理由によって、価格に色をつけて売ることはできません。
しかし一方で、家の売却価格を下げてしまう理由があります。
家にネガティブな理由があると売却価格が下がる
住宅や敷地、立地環境にネガティブな理由があって売却する場合は、価格が相場より下がってしまう可能性が高いです。
家にまつわるネガティブな売却理由の例
- 住んでみると生活が不便だった
- 日当たりがよくなかった
- 住宅や土地に欠陥があった
- 隣人とソリが合わなかった
家にネガティブな理由がある場合、購入検討者も同じ理由で購入を避けようとするため、売却が決まりづらくなります。
売却を成功させるために、価格を周辺相場よりも割安になるように値下げしたり、購入希望者から「こういった理由があるのなら値下げをしてほしい」といった値引き交渉を受けた結果、売却価格が下がることが多いのです。
家が高く売れなくなってしまうような理由は、買主には伝えたくないと思われるかもしれませんが、告知義務のある「瑕疵」に該当する場合は、必ず買主に伝えなければなりません。
離婚や金銭面が理由でも価格が下がることがある
売却理由が家ではなく、売主個人の事情にある場合は、直接値下がりの理由にはなりません。
しかし、離婚や、住宅ローンを支払えないことが理由で売りに出される家の売却価格は、しばしば相場よりも安くなります。
これは、売主が売却を急いでいることが多いからです。
離婚が理由で売却する場合は、財産分与を急いだり、できる限り早く関係を解消するために家を売り急いだ結果、相場よりも安い価格で売却を決めてしまう方が多いです。
住宅ローンの返済が困難で、返済が滞ってしまっている場合も同様に、売却の期限が差し迫っている事情から、安い価格で売却を決めてしまうのです。
できる限り価格を下げずに家を売却をするには、その地域の戸建ての売却実績が豊富な不動産会社に売却を依頼しましょう。
すまいステップの一括査定では、独自の基準で厳選された不動産会社の中から、最大4社の査定金額を比較して、売却を任せる不動産会社を選べます。
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住宅ローン払えず売却できる?家を売ってローンが残る場合どうする?
家を売る理由別!買主への伝え方のコツと注意点
ここからは、気になる売却理由について、買主に伝える際のコツを紹介していきます。
「離婚・別居」が理由で家を売る時
離婚や別居がきっかけで家を売る時は、理由を詳細に伝える必要はありません。売主の個人的な事情で、買主の購入後の暮らしに影響を与えないからです。
理由を知られたくないのであれば、「家族の都合」や「住み替えをするため」というような伝え方で構いません。
ただし、家を売る理由を知りたい買主は「物件に問題があるのではないか」と心配をしています。
離婚が売却の理由であるとわかれば、むしろ物件に瑕疵がある訳ではないと安心できるため、どうしても隠したいというこだわりがなければ、正直に伝えることにメリットがあります。
なお、中には縁起を重視して、前の持ち主が離婚をしている家を避けたいという買主もいます。
買主が「離婚で売却されていない家」を条件にしている場合、偽って売却するのはトラブルの元になるので気をつけましょう。
「ローンの返済が困難」で家を売る時
ローンの返済が困難で家を売却する時は、「経済的な理由で」「住み替えのため」とぼかした伝え方で大丈夫です。
支払いが難しくなった理由についても、説明は不要です。
また、「お金に困っているから早く売りたい!」という場合、それを大っぴらに伝えてしまうと、「この金額ならすぐに決めますよ」と、価格交渉の主導権を取られてしまいかねません。
売主個人の事情であり、買主にも影響しない理由なので、物件の瑕疵が理由でないことが伝われば、大まかな説明で構いません。
「家の老朽化」がある時
家にガタが来ている部分がある場合は、きちんと説明すると同時に、改善策を合わせて伝えるのがおすすめです。
「雨戸の開閉が引っかかるようになってきているので、修理するか、この機会にシャッターに取り換えるとよいかもしれません」
家の劣化の状況は、「物件状況等報告書」に記入することで、買主に説明します。
大雑把に「全体的に劣化してきたので」という説明で済ませるのはNGです。
過去にリフォームや修繕した箇所があれば、行った時期と合わせて申告します。
抜け漏れなく記入できるように、家の状態や、過去の修繕歴を全てチェックしておきましょう。
築年数の古い家は、買主もリフォームやリノベーションを前提に購入を考えていることが多いです。どこを改善すればいいか予めわかるようにきちんと伝えて、購入を前向きに検討してもらいましょう。
「ご近所トラブル」が理由で家を売る時
近隣住民との人間関係が原因で家を売却する場合、トラブルが個人間のものであれば、瑕疵になりづらいです。
「環境的瑕疵」は、判断が難しいものが多いです。なにが日常生活の支障になるかは、人によって異なるからです。
しかし、たとえば騒音や悪臭の原因を作っている住民が近隣にいる場合には、「環境的瑕疵」に当たる可能性があります。
心当たりがある場合は自己判断せず、不動産会社の営業担当者に伝えて、判断を仰ぐのがおすすめです。
「立地や環境の悪さ」で家を売る時
家の周辺環境に「嫌悪施設」がある場合には、きちんと売主に説明する必要があります。
一方で、生活に便利な施設(スーパーや病院、銀行など)がない、保育園や学校がない、駅が遠い、といった理由については、明確に伝える必要はありません。
なにを良いと思うか悪いと思うかは、個人の主観によるところが大きいからです。
自分にとっては悪い環境でも、買主にとっては良い環境になる可能性もあります。
駅や学校が遠い⇒閑静な住宅地
「事故物件」が理由で家を売る時
家で自殺や事故死があった場合は、「心理的瑕疵」に該当するため、必ず買主に伝える必要があります。
隠して売却し、後から発覚した場合は契約を解除されたり、損害賠償を請求される可能性があります。
ちなみに、老衰や病気による「自然死」の場合は、「心理的瑕疵」のある事故物件には該当しません。そのため、告知義務はありません。
ただし、遺体の発見が遅れてしまった場合には、「心理的瑕疵」に該当する可能性があります。
床や壁が汚損したり、臭いが移ったりしてしまった場合には「物理的瑕疵」にも当てはまるようになります。
現状では、明確な基準は決められていないため、どのように売り出していくか、不動産会社に相談をするのがおすすめです。
参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(pdf)(2022年9月15日閲覧)
まとめ
人が家を売る理由はさまざまですが、中にはネガティブな理由で売却を決める人も、少なくありません。
告知義務のある「瑕疵」が原因の場合には、きちんと伝える必要があります。
隠したり、偽って売却すると、後々トラブルに発展します。
売主は「契約不適合責任」を問われ、買主は家の購入を失敗したと感じ、双方にとってメリットがありません。
個人的な事情が原因である場合には、購入希望者に全て伝える必要はありませんが、営業担当者には伝えておくとよいでしょう。
家の売却プランを考えるのが得意な担当者は、一括査定を通じて見つけましょう。
査定金額や、査定時の対応を比較して、あなたの家を一番上手に売却してくれる不動産会社を探せます。
記事のおさらい
みんなが家を売る理由は?
すまいステップが2022年の1月から5月にかけて行ったアンケートでは、「住み替え」を理由に売却した人が1番多く、4割以上に上りました。
その次に多かったのが、不要物件を処分したい人で、約2割でした。以降は3位が離婚、4位が転勤、5位が相続と続きました。
詳しく知りたい方はみんなの《家を売る理由》ランキング【2022年最新版】をご覧ください。
家を売る理由は必ず伝えなければいけないの?
売却する家に「告知義務」のある「瑕疵」がある場合は、必ず買主に伝えなければいけません。
告知義務のある瑕疵は、「物理的瑕疵」「心理的瑕疵」「環境的瑕疵」「法律的瑕疵」の4種類があります。
ただし、離婚やローン返済が困難になったなど、売主の個人的な事情が理由で売却する場合は、全て正直に伝える必要はありません。
詳しくは必ず伝えるべき理由と正直に話さなくてもよい理由をご覧ください。