築50年のマンションを売却したいけれど、果たして需要はあるの?価値はあるの?と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。確かに、マンションは築年数が経過するほど価値が下がる傾向にあります。しかし、築50年だからといって全く売れないわけではありません。条件次第では、買主を見つけることも可能です。
本記事では、築50年のマンションの売却について、以下の点を詳しく解説します。
- 築50年のマンションは価値があるのか?
- 築50年のマンションはなぜ売れにくいのか?
- 築50年でも売れるマンションの特徴とは?
- 築50年のマンションを売却するコツと注意点
- 最終的に売れなかった場合の選択肢
マンション売却の基礎知識から、築年数の古い物件ならではの売却テクニックまで、幅広くカバーしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
築50年のマンションに価値はあるのか?
結論から言えば、築50年のマンションにも一定の価値はあります。ただし、新築や築浅のマンションと比べると、その価値は大きく下がってしまうのも事実です。
以下の画像は、中古マンションの築年数経過に伴う売却価格の変化を示しています。画像から分かる通り、築31年よりも古いマンションは、新築時と比較して約40%の価値となります。

マンションの価値を決める要因は、大きく以下の4つです。
要因 | 説明 |
---|---|
立地 | 都心部か郊外か、駅からの距離、周辺環境など |
建物の状態 | 築年数、設備の老朽化、大規模修繕の有無など |
管理状況 | 管理会社の有無、管理費の滞納率、修繕積立金の残高など |
専有面積・間取り | 広さ、部屋数、バルコニーの有無など |
築50年のマンションは、建物の状態や管理状況の面で大きなマイナスポイントを抱えています。築年数が古いほど、建物の老朽化や設備の陳腐化が進み、大規模な修繕工事が必要になるケースが多いからです。
しかし、立地条件が良ければ、それだけで一定の価値を維持できます。都心部の人気エリアにあるマンションなら、築50年でもニーズは十分にあるでしょう。
つまり、築50年のマンションの価値は、物件の個別事情によって大きく変わるということです。一概に「築50年だから価値がない」とは言えないのです。



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築50年のマンションが売れにくい理由とは?
とはいえ、築50年のマンションは売れにくいのが現状です。その理由は、主に以下の3つが挙げられます。
建物の老朽化・陳腐化が進んでいる
築50年も経てば、建物の傷みは避けられません。外壁や屋上の防水、配管、エレベーターなど、様々な箇所で経年劣化が発生します。これらを放置すれば、建物の安全性や居住性は大きく損なわれてしまいます。
また、間取りや設備も現代の needs に合わなくなってきます。狭い洋室、和室中心の間取り、お風呂とトイレの未分離など、築50年当時の仕様では、現代の生活スタイルに適応しきれません。
大規模修繕などの費用負担が大きい
老朽化が進んだマンションを維持するには、大規模な修繕工事が不可欠です。しかし、その費用は決して安くありません。
1回の大規模修繕に要する費用は、1戸あたり100万円から200万円ほど。築50年のマンションでは、今後10年から15年の間に、2回から3回の大規模修繕が必要になるケースも珍しくありません。
この費用負担の大きさが、築古マンションの大きなデメリットと言えます。新築マンションに比べ、将来の支出リスクが格段に高いのです。
購入者の好みから外れている
新築や築浅のマンションに比べ、築50年のマンションは購入者の好みから大きく外れています。
その背景には、「新しいもの好き」「性能重視」といった日本人の住宅観があります。老朽化した設備や古臭い間取りでは、若い世代のニーズを満たせないのです。
加えて、耐震性や省エネ性など、建築基準の変化も無視できません。現行の基準を満たさない古いマンションは、安全面での不安から敬遠される傾向にあります。
築50年でも売れるマンションの特徴は?
築50年でも売れるマンションは存在します。それらに共通する特徴は、主に以下の4つです。
都心の人気エリアに立地している
都心の一等地にあるマンションは、築50年でも十分に人気があります。山手線沿線や都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)など、利便性の高いエリアに対する根強いニーズがあるからです。
職場に近い、買い物や娯楽が充実している、医療機関へのアクセスが良いなど、立地の利点は古いマンションの弱点をカバーします。築年数よりも、「どこに住むか」を重視する購入者も多いのです。
適切に維持管理されている
定期的な修繕やメンテナンスが行き届いているマンションは、築50年でも市場価値を維持しやすいです。
具体的には、以下のような点がポイントになります。
- 大規模修繕が計画的に実施されている
- 日常の清掃や設備の点検が欠かさず行われている
- 修繕積立金が適切に積み立てられ、財政状況が健全である
- 管理組合の運営が円滑で、区分所有者のトラブルが少ない
こうした維持管理の良さは、建物の性能を長く保つだけでなく、資産価値の下落を防ぐ効果もあります。古いマンションほど、管理状況の優劣が価値を大きく左右するのです。
専有面積が広い・間取りが良い
築50年でも、専有面積が広いマンションは人気があります。ゆとりある住空間へのニーズは根強く、古い物件でも需要を集めやすいのです。
加えて、間取りの良さも重要なポイントです。開放感のあるリビング、使い勝手の良いキッチン、収納スペースの多さなど、現代の暮らしに合う間取りなら、築年数の古さをカバーできます。
特に、ファミリー向けの3LDKや4LDKなど、ニーズの高い間取りは築50年でも売れやすい傾向にあります。
リノベーション済み・リノベーション向き
老朽化した設備や古い間取りを、リノベーションで一新できれば、築50年のマンションでも十分に売れる可能性があります。
リノベーション済みの物件なら、購入者は手間とコストを掛けずに新しい住まいを手に入れられます。また、リノベーション向きの物件なら、購入者の好みに合わせて自由に住空間を作り上げられるメリットがあります。
「フルリノベーション済み」「スケルトンリノベーション可」など、リノベーションに関する付加価値は、築古マンションの強力な武器になるのです。



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築50年のマンションを売却する際のコツ
それでは、築50年のマンションを売却する際のコツを見ていきましょう。
まずは査定で現状の価値を知る
築50年のマンションがいくらで売れるのか、まずは査定で確認しましょう。複数の不動産会社に依頼し、客観的な価値を把握するのがおすすめです。
その上で、売却価格の設定方法を検討します。「少しでも高く売りたい」なら上限価格を提示し、「早く売却したい」なら若干安めの価格を付けるなど、優先順位に合わせて価格設定を工夫しましょう。
長所を最大限にアピールする
築50年のマンションを売るには、物件の長所を最大限にアピールする必要があります。
例えば、以下のような点は大きな強みになります。
- 都心の人気エリアに立地している
- 最寄り駅が徒歩5分以内と近い
- 大規模修繕が最近行われた
- 管理状況が良好で、修繕積立金も潤沢
- 専有面積が70㎡以上と広い
- リノベーション済み・リノベーション向き
これらの長所は、物件情報の前面に押し出し、写真や図面でわかりやすく訴求すると効果的です。逆に、老朽化した設備や古い間取りなどの短所は、できるだけ控えめに伝えましょう。
リノベーション提案であらゆる可能性を示す
築50年のマンションは、リノベーションで生まれ変われる可能性を秘めています。その潜在的な魅力を購入者に伝えることが、売却成功のカギとなります。
具体的には、以下のようなリノベーションプランを提案するのがおすすめです。
- 水回りの設備を一新し、使い勝手を向上
- 壁を取り払い、開放的なオープンフロアに
- 窓を大きくして、採光と通風を改善
- 収納を増設し、ゆとりある暮らしを実現
イメージパースや見積もりを添えて、リノベーション後の暮らしをイメージしやすく伝えましょう。購入者の想像力を刺激し、物件の可能性に気づかせる工夫が肝心です。
仲介ではなく買取で売ることも検討する
築50年のマンションを売却する際は、仲介売却だけでなく、買取売却も選択肢に入れましょう。買取なら、売却スケジュールを大幅に短縮でき、確実に物件を処分できるメリットがあります。
買取価格は仲介売却に比べて低くなる傾向にありますが、販売期間中の維持コストや価格下落リスクを考えると、トータルでは良い選択となるケースもあります。
特に、以下のような場合は買取売却が向いています。
- できるだけ早く売却したい
- 管理費や修繕積立金の負担を減らしたい
- 販売活動の手間を省きたい
- 仲介売却で思うような価格がつかない
複数の買取業者から見積もりを取り、条件を比較検討してみるのがおすすめです。築50年でも高値で買い取ってくれる業者が見つかるかもしれません。仲介一辺倒にならず、売却方法は柔軟に考えましょう。
築50年のマンションを売却する際の注意点
最後に、築50年のマンションを売却する際の注意点をまとめておきます。
売却までに時間がかかることを覚悟する
築50年のマンションは、新築や築浅の物件に比べて売れにくいのが現状です。売却までに半年から1年以上かかることを覚悟しておきましょう。
焦って無理な価格設定をすると、かえって売れ残るリスクがあります。長期戦になることを念頭に、粘り強く売却活動を続けることが大切です。
買主の資金力を見極める
築50年のマンションを購入する際は、ローンの審査が通りにくいケースがあります。老朽化が進んだ物件は、金融機関から担保価値が低いと判断されがちだからです。
年齢が高めの購入者も、ローンの借り入れ制限があります。年収が多くても、返済期間が短くなるため、審査に通らない可能性が高くなります。
購入希望者の資金力をしっかりと見極め、確実に売買代金を受け取れるかどうかを確認しておくことが肝要です。
瑕疵担保責任を限定する特約を検討する
通常、売主は物件の隠れた瑕疵(欠陥)について責任を負います。しかし、築50年のマンションの場合、老朽化に伴う不具合は避けられません。
これらの瑕疵について、売主が無制限に責任を負うのはリスクが高すぎます。そこで、売買契約書に「瑕疵担保責任を限定する特約」を盛り込むのがおすすめです。
例えば、「築年数相応の劣化・不具合は瑕疵に含まない」「一定の金額以下の修繕は買主が負担する」など、責任の範囲を限定しておくと安心です。ただし、特約の内容は事前に弁護士や宅建士に相談し、トラブルを防ぐことが大切です。
売れない場合の選択肢は?
築50年のマンションは、売却活動を頑張っても、なかなか売れないケースがあります。その場合、以下の選択肢を検討してみましょう。
賃貸に出す
売れないマンションは、賃貸に出すのも一つの手です。築50年でも、立地条件が良ければ、一定の需要が見込めます。
ただし、入居者の入れ替わりが頻繁だと、都度のリフォームなどで管理コストがかさみます。長期的に安定した賃料収入を得るには、物件の魅力を高める工夫が必要です。
リースバックを利用する
リースバックとは、マンションを売却した後、売主が借り主となって住み続ける仕組みです。高齢の売主にとって、住み慣れた場所に住み続けられるメリットは大きいでしょう。
ただし、売却価格が低くなりがちなのがデメリットです。「安く売って高く借りる」リスクもあるため、条件は慎重に吟味する必要があります。



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まとめ
築50年のマンションは、売却が難しいのが実情です。しかし、立地条件が良く、適切に管理されているなど、一定の条件を満たす物件なら、売却できる可能性はあります。
物件の魅力を最大限にアピールし、リノベーションの提案を行うなど、買い手の心をつかむ努力が肝心です。一方で、売却までに時間がかかることを覚悟し、価格設定や売却活動は慎重に進める必要があります。
どうしても売れない場合は、賃貸や土地売却などの選択肢も視野に入れましょう。状況に応じて柔軟に方針を変えることが、築古マンションを手放すコツと言えます。
築50年のマンションを売却するのは、簡単なことではありません。しかし、適切な戦略を立てることで、高値での売却も不可能ではないのです。プロによるアドバイスを参考にしつつ、時間をかけて良い売り先を見つけていきましょう。