マンションの売却は、人生でそう何度も経験することではありません。
しかし、準備不足や誤った選択が原因で、思わぬ損失やトラブルに見舞われるケースが少なくありません。
本記事では、実際の失敗体験談をもとに、マンション売却の失敗事例15選と対策方法について分かりやすく解説します。
これから売却を検討している方、ぜひ参考にしてください。
- この記事でわかること
- マンション売却経験者が後悔した失敗事例とは?
- マンション売却で失敗しないために抑えるべきポイント
- マンション売却でよくある失敗事例と対策方法15選
- 1 マンション売却で失敗したと後悔する人は多い
- 2 マンション売却経験者の失敗体験談
- 3 マンション売却で失敗を回避するために抑えるべきポイント
- 4 マンション「売却前」のよくある失敗事例と対策
- 5 マンション「売却中」のよくある失敗事例と対策
- 6 マンション「売却後」のよくある失敗事例と対策
- 7 対策を知ってマンション売却失敗を回避しよう
マンション売却で失敗したと後悔する人は多い
参照元:アットホーム調べ「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」
マンション売却で後悔する人はどれくらいいるのでしょうか?
実は、売却経験者の約半分の人が自分の家の売却価格に不満が残ってしまったり、失敗したと後悔していると回答しています。
マンション売却はほとんどの方が売却経験の少ない場合が多いです。
自分のマンションの価格を自分で判断できなかったり、売却の流れや手続きをスムーズであるに進められなかったりと、難しいポイントが多くあります。
それでは売却経験者はどのようなポイントで後悔しているのでしょうか?次の章で体験談を紹介します。
マンション売却経験者の失敗体験談
この章では、マンション売却を失敗してしまったという方の体験談をインタビュー形式で3つ紹介します。
失敗体験談①自分で相場を把握せずに売却してしまった
神奈川県在住のAさん(30代、女性)にお話しをお伺いしました。
売却価格の相場や税金面について理解せずに不動産会社へ頼りっきりになり後悔してしまったようです。
マンション売却を検討したきっかけ
元々マンション好きのミーハーなので住み替えは2回目です。
マンションを見ること自体好きで移り気のため特に深刻な理由があるわけではないですが、住んでみて占有部の質の低さに満足できませんでした。
また、住民の質も酷く、共有部を通る度に嫌な思いをしていました。
そのため常に売りに出しており、今回の反省を活かした次のすみかは常に探していました。
世帯年収は、600~800万円です。
ローンは残っていましたが、売却金額で完済できました。
マンション売却の結果
売却は成功でしたか?
コロナ渦で、不況の噂が流れ、株などは下落が始まっている時期でした。
買い主はもろ煽りを受けそうな自営業の方で今買って大丈夫なの?とおもった程です。
とにかく買って貰えて良かったという気持ちでしたが、買値より下げた金額でした。
また、リモートワークが進み、私の売却した物件は大分需要が増え値上がりもしたと思います。
結果論ですが、もう少し待てば満足した値段で売れたと思うと後悔します。
これからマンション売却する人へのアドバイス
今回焦って税金面や相場観なく進めてしまいました。
大きな金額が動きますので納得できるよう進められると後悔なくて良いなと思います。
不動産業者は仲介手数料もそれなりですので、納得できる業者を選びたいです。
囲い込みをされている感覚は無かったですが中々決まらず、細かい情報も頂けない状態で半年過ぎ、一般に変えたら別の業者で売買が決まりました。
誠実にやって頂いたとは思いますが一社のままだと不満やあること無いこと想像して不安になってしまうことも多かったです。
Aさんは売却相場や売却にかかる税金についてを理解せず、不動産会社へ頼ってしまい、売却が失敗したと感じているようです。
マンション売却では大きな金額が動くため、売却相場をある程度把握しておかないと実際に売却する際にその売却額が適正なのかが判断できません。
また、売却時も購入時も税金がかかるので併せて確認しておきましょう。
失敗体験談②売却期間を考えていなかった
大阪府在住のBさん(50代、男性)にお話しをお伺いしました。
阪神大震災から数年しか経過していない状況で売却したため、買い手がなかなか見つからずに相場より安く売却をしてしまったようです。
マンション売却を検討したきっかけ
最初に住んでいた所は新興住宅地だったのですが、各種学校が遠く、小学校は2㎞程度と子供では通うのが厳しい環境でした。
いずれ近くに学校ができるかもしれないと思って住んでいたのですが、そうはなりませんでしたので、住み替えを検討することにしました。
世帯年収は、400~600万円です。
ローンは残っていましたが売却価格よりも高いオーバーローンになってしまった。
マンション売却の結果
私が売却した時期は阪神大震災から数年しか経過していないときであり、且つ住んでいるマンションも震災の影響を若干受けていたので買い手がなかなか見つかりませんでした。
もう数年待ってから売却活動すればもう少し高く売れたのではないかと思っています。
これからマンション売却する人へのアドバイス
焦って売却しようとしてもなかなか買い手が現れないことがあるので、売却までにある程度の余裕を持った方がよいと思いました。
また、残りの住宅ローンも把握しておくべきだと思いました。
前の物件のローン残高があったので、次の物件のローンを組むのに苦労しました。
実際には、ローンでは不十分だったので、親族からの借金もせざるを得ない状況でした。
失敗体験談③買主に足元を見られてしまった
兵庫県在住のCさん(30代、男性)にお話しをお伺いしました。
売却が具体的に進むにつれて焦ってしまい、買主に足元を見られ後悔する結果となってしまったようです。
マンション売却を検討したきっかけ
元々、子どもが2人いたのですが、3人目の子どもが出来たタイミングで住み替えを検討することになりました。
というのも、前の住居が2DKで45㎡と非常に狭かったことと、近い将来に部屋が足りなくなることが分かりきっていました。
そのため、変わるなら早い方が良いということから出産前に決断をし、住み替えを行うことにしました。
世帯年収は、400~600万円です。
ローンが残っており、売却価格よりもローン残高が高い状況でした。
マンション売却の結果
希望額より安く売却しており、やはり希望通りの価格では売れないということで成功とはいえないと思っています。
希望の物件が見つかって購入の商談を進めてしまうと、どうしても売り急いでしまう部分が生じてきて足元を見られたようにも思います。
タイミングがすごく大事だと感じましたので、やはり人が動く時期をターゲットに事前にもう少し計画的にいけばよかったなというところです。
これからマンション売却する人へのアドバイス
交渉ごとに慣れていないというのが一番の理由ですが、こちらの予定を全て情報として出してしまうと足元を見られることを痛感しました。
準備期間や計画をしっかりと立て、高値で売れる道筋を自分なりに考えておかないといけないと思います。
特に相場観も持ち合わせていなかったので、相手の話を鵜呑みにしてしまうと、思わぬ以上に損をしていると思いました。
マンション売却で失敗を回避するために抑えるべきポイント
マンション売却で失敗をしないためにはどのようなことを知っておけばよいのでしょうか?
この章ではマンション売却をスムーズに進め、満足の売却を実現するために抑えるべきポイント3つについて解説します。
回避ポイント①:売却の流れを把握しておこう
まずはマンション売却の流れを把握して、マンション売却に必要な期間を確保できるスケジュールを組みましょう。
やむを得ない事情で「早く」売る必要がない限り、焦りは禁物です。
急ぎすぎると価格を下げざるを得ない状況に陥り、売主にとって不利な条件で手放すリスクが高まります。
マンション売却は売出し前の準備に1週間~1ヶ月、売出しに1ヶ月~3ヶ月、売却後に1ヶ月かかります。
売り出し前~売却後まで少なくとも3ヶ月~6ヶ月かかる見込みで想定しておくことがおすすめです。
回避ポイント②:信頼できる不動産会社を選ぼう
マンションの売却は、多くの人にとって一生に一度あるかないかの大きなイベントです。慣れない作業を進める中で、頼りになる存在が不動産会社です。
不安を抱えながらの売却活動でも、親身になって相談に乗り、丁寧にサポートしてくれる会社を選べば、売却成功の可能性は格段に高まります。
しかし、不動産会社選びを誤ると、売主の利益を優先してくれない売却活動や、買い手との交渉の不備が生じる可能性もあります。
信頼できる不動産会社を見極めることが、マンション売却の第一歩であり、最も重要な決断のひとつです。
信頼できる不動産会社選びのポイントをは以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
回避ポイント③:売却にかかる費用や税金を知っておこう
マンション売却には売却額から費用や税金が引かれ多額が手取り額となります。
マンション売却にかかる費用は以外と高額です。
費用や税金を見込んで手取り額を想定しておかないと資金計画が崩れることもあります。
例としてマンションを3000万円で売った場合の費用を紹介します。
(3,000万×3%(税率)+6万円)+9.6万円(消費税)=105.6万円
マンション「売却前」のよくある失敗事例と対策
この章では、マンション売却でよくあるの失敗事例を見ていきます。
まずは売却前、査定依頼や不動産会社選びに関する失敗事例を紹介します。
失敗事例①不動産査定を1社しか依頼しなかった
不動産査定を1社しか依頼しないことには、どのような問題があるのでしょうか。
不動産査定が1社のみだと、マンションの査定価格を1社のみの情報で知ることになります。
この場合、査定額が適正なものかを判断することは大変難しくなります。
もしその不動産会社が実際の相場よりも低い価格で査定価格を出した場合、大きく損をしてしまい、マンション売却を失敗してしまう可能性があります。
対策:複数社に不動産査定を依頼する
マンションの不動産査定は必ず複数社に依頼し、査定額を比較するようにしてください。
できれば4社~6社に依頼するのがお勧めです。
また、不動産査定は単にマンションの査定額を知るだけでなく、不動産会社を見極める機会でもあります。
査定額の根拠はどこにあるのか、わかりやすいように説明してくれるかに注目し、信頼できる不動産会社であるかをしっかりと見極めてください。
失敗事例②査定時のマンションの印象がよくなかった
マンションは清潔感も大事です。
中古マンションであっても、生活感が少なく、きれいに掃除が行き渡っている家のほうが好印象を与えます。
基本的に売買活動を始める前に部屋を綺麗に整えるため、少し散らかっているからといって査定額を低くされることはありません。
しかし、部屋の臭いやひどい汚れは価格を下げる原因につながり、マンション本来の価値を損なってしまう可能性があるので注意しましょう。
対策:査定前に掃除をする
マンションを査定依頼の前に掃除しましょう。
査定時は部屋を隅々まで確認します。
壁や天井、台所やお風呂場に大きな破損や劣化がないか、事前に確認しておきましょう。
失敗事例③査定額の高い不動産会社を選んでしまった
マンションをできるだけ高く売りたいと考えてると、査定額のたかい不動産会社に飛びついてしまいたくなりますよね。
しかし不動産会社を、査定額の高さで選ぶのは危険です。
仲介手数料をもらうために、査定時に相場よりも著しく高い査定額を提示し、契約をさせてから価格を下げられてしまう可能性があります。
もし不動産会社が他社と比べて高い査定額を提示してきた場合、査定額の根拠はどこにあるか、その査定額で売れた実績が過去にあるのかなど説明してもらうのを忘れないようにしてください。
対策:査定額が相場の価格と近い不動産会社を選ぶ
不動産会社は、相場価格と近い価格を提示した会社を選ぶのが安心です。
査定額が他社と比べて2,3割以上もの額を提示されたら、1度疑ってみることが大事です。
マンション売却で失敗しないためには、「お客さんを大切にしてくれる不動産会社」を選ぶことがポイントです。
査定額だけで判断せず、不動産会社の営業担当者の方と、しっかりとコミュニケーションをとって、信頼できる不動産会社を見極めましょう。
失敗事例④マンション売却が得意ではない不動産会社を選んでしまった
不動産会社には、それぞれ得意分野があります。
例えば、中古マンションの売買が得意な会社、賃貸の仲介が得意な会社、商業用物件の仲介が得意な会社…など、得意分野は会社によって様々です。
これからマンションの売却しようとしている皆さんは、「マンションの売却が得意な不動産会社」を選ぶことがベストです。
対策:不動産会社の得意分野を見分ける
マンションの売却が得意な不動産会社を見つけるために、不動産会社の得意分野を見極めましょう。
不動産会社の得意分野を見極めるには、以下の方法があります。
- チラシを見る
- 店頭に掲示してある物件を見てみる
- ホームページをチェックする
チラシやホームページを見て、取り扱っている物件の種類を確認しましょう。
中古マンションの情報が多い場合は、マンションの売却が得意であると予想できます。
また、店頭での掲示やホームページを参照する際は、1番目立つところにどのような物件が載っているかに注目してみてください。
1番目立つところに中古マンションをたくさん掲示している会社は、中古マンションの売却が得意な不動産会社といえます。
失敗事例⑤マンションをリフォームしてしまった。
マンションを売却する場合、基本的にリフォームする必要はありません。
理由としては、リフォーム済みのマンションを欲しがる買主が少ないからです。
以下の表は、マンションを購入希望者のリフォーム意向について調査したものです。
上の表を見ると、リフォーム済マンションが欲しい購入希望者は全体の約14%です。
約半数がリフォームに関して「必要があれば行いたい」と回答しており、購入時点ではリフォーム済物件を求めていないと分かります。
このことからも、売却のためにリフォームするのは必ずしも効果的だとは言えないでしょう。
対策:リフォーム前に不動産会社に相談しよう
先ほど、マンション売却には基本的にリフォームは不要だと説明してきました。
一方で以下のようなケースでは、売却前に行うリフォームの効果が高く、リフォームした方が良いかもしれません。
- 劣化や汚れが目立つ
- 設備など故障・破損している箇所がある
- 印象が悪くなかなか売却できない
- 近隣物件より魅力が少ない
しかし、いずれの場合でも必ずリフォーム行わなければならない訳ではありません。
やはり、購入後に自分の好みの部屋にリフォームしたいと考える買主も多いため、リフォームする前に不動産会社に相談してみましょう。
マンション「売却中」のよくある失敗事例と対策
マンション売却中のよくある失敗事例を紹介します。
不動産会社と売買契約を結んでから買主を見つけ、引き渡しをするまでの対策にお役立てください。
失敗事例⑥価格が高く、なかなか問い合わせがこなかった
マンションの売却価格が、相場よりも高値である場合、マンションを買いたいと購入を検討する人はなかなか現れません。
以下のグラフは、買主が中古マンションを選択した理由をまとめたものです。
国土交通省「住宅市場動向調査(令和5年)」(pdf)を参考にすまいステップ編集部が作成
このグラフから、買主は中古住宅を選ぶ際に価格が適正であることを最も重視していることがわかります。
対策:売り出し価格は「希望売却価格よりも少し高め」で設定する
「できるだけ高い価格でマンションを売却したい」、「住宅ローンがこのくらい残っているから最低いくらくらいで売却したい」など、売却価格に希望があると思います。
マンションの売却価格を高く設定することは、それ自体は問題ありません。
問題なのは、売却価格に根拠や戦略がないことです。
この事態を避けるために、信頼できる不動産会社のアドバイスをしっかり聞いたうえで、ご自身の希望と照らし合わせ、根拠の伴った値段で売却価格を設定しましょう。
失敗事例⑦マンション売却に適さない時期に売り出してしまった
マンションには、売却に適した時期と適さない時期があります。
下記のグラフと表は、レインズが公表している2021年の首都圏地域別中古マンション(東京都)の成約件数を表したものです。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構(2021年月例マーケットウォッチ)
マンションは2月と3月が売れやすいです。
なぜなら新生活に向けて、ライフスタイルが変化するタイミングに合わせて家を探す人が多いと言われているためです。
マンションの需要が下がっている時期に売り出してしまうと、買主が少ないために想定しているよりも売却期間が延びてしまう可能性があります。
対策:マンションは2月~3月に売り出そう
マンションの需要が高い2月~3月に売り出すことで、マンションの売却をスムーズに行える可能性があります。
失敗事例⑧不動産会社に囲い込み・両手仲介をされてしまった
囲い込みとは両手仲介を成立させるために、他の不動産会社に正しい売買情報を共有しなかったり、他社を通じて不動産を購入しようとしている人の仲介を断る行為です。
「両手仲介」とは、1つの物件において、売主と買主のどちらも自社の顧客で売買契約を結ぶ行為です。
また、不動産の仲介は本来、広く情報を公開して買主を募ることで、より高値での売却を目指せる売却方法です。
しかし、不動産会社が囲い込みをすると、購入希望者が競り合いにくくなるため、売却価格も低くなりやすいです。
対策:不動産会社からの売却活動報告をこまめにチェックする
悪徳な不動産会社の囲い込み・両手仲介の被害を受けないため、不動産会社からの売却活動計画をこまめにチェックするようにしましょう。
媒介契約の形態にもよりますが、専任媒介契約か専属媒介契約で媒介契約を締結した場合、不動産会社には売却活動をどのように行っていて、どのような状況であるかを報告する義務があります。
もし、不動産会社が囲い込みのために、ほかの不動産会社への情報を流さないようにしている場合は、売却活動報告があいまいになる傾向にあるようです。
売却を依頼したら、売却活動をすべて不動産会社に任せてしまうのではなく、どのように活動しているのかしっかりと確認しましょう。
売却活動に怪しい点があったり、活動をしっかり行っているか不安になるような場合は、不動産会社を変更することも視野に入れた方が良いでしょう。
不動産会社との媒介契約には3種類があります。
それぞれの特徴については以下の記事で解説していますので参考にしてください。
失敗事例⑨内覧に来てくれた方にマンションの魅力を伝えられなかった
「内覧に来てくれたのに購入には至らなかった。」
このような状況が続く場合、内覧時に伝えるべきことを伝えられていない可能性があります。
物件の魅力や欠点などは、不動産会社からも購入希望者へ説明がされますが、売主からも伝えたいことを伝えられるとよいでしょう。
失費事例としては、物件の魅力やアピールポイントなどを伝えられなかったり、反対に物件の欠点を隠してしまったという場合があります。
対策:マンションの魅力や欠点をまとめておく
売主からは、実際に住んでいるからこそ感じる魅力や欠点をまとめておくとよいでしょう。
物件の基本情報や魅力、欠点は不動産会社からも購入希望者へ説明があります。
そのため、不動産会社ではわからないようなマンションの魅力や欠点は売主から伝えるべきです。
例えば、「夜になっても街灯が明るく夜でも安心して外出できる」、「スーパーは少し遠いがコンビニは近くにたくさんある」など些細な情報で構いません。
失敗事例⑩マンション内覧の印象が悪く、成約に至らなかった
内覧時のよくある失敗例として、内覧時の部屋の印象が悪く売却の成約に繋がらなかったということが挙げられます。
内覧で最も重要なのは、購入を希望している人が、内覧してそのマンションで生活することが想像できるかどうかという点です。
掃除が行き届いていなかったり、部屋が散らかっていて売主の生活感を感じさせるような部屋であると、買主はマンション購入を諦めてしまいます。
対策:内覧前に部屋の掃除をしっかり行う
内覧の際に良い印象を持ってもらうために、購入希望者が訪問する前に部屋を綺麗に掃除するようにしましょう。
売却するマンションに住んでいる場合、生活に必要なものを多く置いていると思いますが、可能な限り売主の生活感を出さないようにしてください。
特に洗濯物や洗い物は事前に片づけておくようにしましょう。
トイレや洗面所、お風呂や台所といった水回りは、清潔感を重視されるポイントです。
水回りの掃除はしっかり綺麗にしようとすると時間がかかりますので、事前に掃除を進めておくようにしてください。
ご自身で掃除が難しい場合、清掃業者にハウスクリーニングを依頼するのもよいでしょう。
ハウスクリーニングについては以下の記事で紹介しているので参考にしてください。
失敗事例⑪根拠なく値下げをしてしまった
内覧を終えて、買主がマンションの購入を希望する場合、物件の契約に向けて買主と価格や支払いについて交渉します。
契約に向けて買主と交渉する中で、マンションの売却に焦るあまり、買主が希望する価格に合わせて根拠なく値下げしてしまうことが失敗例として挙げられます。
例えば、内覧時に部屋の汚れや損傷を指摘され、値引き交渉をされることはよくあります。
しかし、「せっかくつかんだマンション売却のチャンスを手放したくない」という焦りや、「今後購入を希望する人が現れるとは限らない」といった不安から、買主の希望をすべて受け入れ、値引きにも応じてしまうと、結果的に大きく損をすることになります。
対策:価格の下限あらかじめ定めておく
根拠のない値下げは、売主にとって損にしかなり得ません。
しかし、マンション売却においては、値下げ交渉はよくあります。
多少の値下げ交渉に応じても売主が損をしないために、「このくらいまでなら値下げに応じても問題ない」という下限価格をあらかじめ定めておきましょう。
また、値下げを交渉した買主側も、自分の希望通りの価格で売ってくれるとは思っていないことも覚えておきましょう。
買主は交渉の幅を幅を見込んで交渉をします。
例えば2,300万円の売り出し価格に対し、2,200万円で購入を希望された場合でも、売主が「2,250万円までしか下げられない」といえば、この価格ですなり通ることが多いのです。
内覧を経て購入を依頼する買主は、そのマンションに必ず魅力を感じているはずです。
そのため、すべての交渉に応じずとも、買主はマンションを購入する意欲を持っていることを覚えておいてください。
失敗事例⑫売却を急ぐあまりに安すぎる価格で売ってしまった
相場の価格より安すぎる価格で売却してしまったという失敗事例もあります。
特に節税対策で、相続したマンションを売る場合、相続してから10か月以内に売却を済ませなければなりません。
対策:不動産会社に価格を相談する
売却価格は不動産会社に適宜相談するようにしましょう。
また、相続税は増税傾向にあり、今後も増税が予想されています。
相続税が発生するまでの期間は10か月と短いため、相続が発生したら、その土地や不動産についてすぐに話し合うようにしましょう。
マンション「売却後」のよくある失敗事例と対策
マンション売却後の失敗事例について解説します。
マンションの決済から引き渡し後の対策方法について参考にしてください。
失敗事例⑬マンションの売却額で住宅ローンを完済できなかった
マンションの売却額が住宅ローンの残高を下回ることをオーバーローンと呼びます。
マンションを売却してオーバーローンになってしまうケースは以下の場合が考えられます。
- マンション売却前に住宅ローンの残高を把握していなかった
- 契約交渉で値下げをした結果、住宅ローンの残債を下回ってしまった
- マンションは希望価格通りに売れたが、諸費用を支払ったらローンの残債を下回ってしまった。
マンションの売却額がローンの残債を下回ってしまったら、自己資金を持ち出して住宅ローンを完済しなければなりません。
対策:マンションの売却価格を決める前に住宅ローンを確認する
このような事態を避けるために、住宅ローンの残債は早いうちに確認するようにしましょう。
できれば査定前、遅くとも売却価格を決める前までには確認することです。
住宅ローンの残債を把握しておけば、マンションをどのくらいの価格で売ればよいか、値下げ交渉にどの価格まで対応できるかをご自身で判断できます。
失敗事例⑭想定したよりも手取り額が少なかった
マンションを売却した場合の手取り額は、売却価格から住宅ローンの残債や売却にかかる費用・税金を差し引いた額です。
マンション売却にかかる費用で代表的なものは以下の通りです。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 住宅ローン返済にかかる手数料
- 司法書士への成果報酬
これらの費用には、売却価格の3%~5%程かかります。
費用の内容やそれぞれの費用の内訳は以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
対策:マンション売却の手取り額をシミュレーションする
マンション売却で手元にお金が全然残ってない…という事態を避けるために、マンション売却で手取り額がどのくらいかかるかを事前にシミュレーションしておきましょう。
今回は手取り額が簡単にわかるシミュレーションツールを紹介します。
シミュレーションの使い方は以下の通りです。
- マンション売却想定額をシミュレーションする
- マンション売却想定額をもとに手取り額をシミュレーションする
手順①マンション売却額をシミュレーションする
マンション売却にかかる費用は、マンションの売却額によって決まります。
まだ査定をしたことがない方は、以下のシミュレーターから売却価格を求めてみてください。
手順②手取り額をシミュレーションする
マンションの売却想定額がわかったら、その値を基に手取り額をシミュレーションします。
手取り額は以下のシミュレーターで計算してみてください。
より正確な売却額を知りたい方は、不動産会社に査定を依頼することをお勧めします。
以下のフォームからは、マンションの基本情報を入力するだけで優良な不動産会社に一括で査定を依頼できます。
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失敗事例⑮買主に契約不適合責任を請求されてしまった
マンション売却の際には、売主は買主に対して「契約不適合責任」が課せられます。
契約不適合責任とは、契約時に確認されなかった欠損や不備が不動産に見つかった場合、その欠損や不備に対して修繕や賠償の責任を売主が負担することです。
例えば、契約時には「雨漏りの心配はない」と伝えていたのに、引き渡し後に雨漏りが発覚した場合、雨漏りの修繕の責任を売主が負担することになります。
契約不適合責任の有効期間は、引き渡しから3か月です。
契約不適合責任により買主が不適合だと判断した場合、修繕などの責任を負うだけでなく、最悪の場合は契約を解除されてしまう可能性もあります。
対策:インスペクションを実施する
このような事態を避けるために、インスペクションを実施することをお勧めします。
インスペクションとは、建物状況調査を意味しており、中古住宅の外壁や基礎などの劣化状況や補修箇所を住宅診断士が調査し、客観的にアドバイスを行うことを指します。
インスペクションによって、マンションの状態を明らかにすることで、売主の契約不適合責任を回避するのに役立てます。
対策を知ってマンション売却失敗を回避しよう
いかがでしょうか。
この記事では、マンション売却の失敗例とその対策について解説してきました。
マンション売却では、聞き馴染みのないことも多く、なんか難しそう…と不安になってしまいますし、失敗するのは怖いですよね。
ですが、マンション売却の手順を知り、それぞれの注意点を把握することで失敗を回避できます。
この記事を読んで、マンション売却の注意点がわかったら、早速不動産会社に査定を依頼して売却をはじめてみましょう!
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