「マンションを買い替えたいけど、ローンが残っていても買い替えられるのかな?」
「売るのと買うのどんな順番で進めたらいいの?」
などなど、絶対に失敗できないだけに不安もたくさんありますよね。
というのも、買い替えは物件の購入と売却を同時並行で進めなければならず、場合によっては予期せず「ダブルローン」と呼ばれる状態に陥る可能性もあるからです。
この記事では、そのような疑問や不安を解消するためにマンションの買い替えに必要な基礎知識・注意点を解説します。
実際に合った失敗点まで解説していきますので、最後まで目を通してくださいね。
なお、戸建て物件からの買い替えについてはこちらの記事で解説しています。

マンション買い替えのタイミング
マンションを買い替えるのであれば、「いつ行えばよいのか」というのは気になりますよね。
この章では、マンションからの買い替えを実際に行った人のデータをもとに、マンションの買い替えを行うタイミングについて解説していきます。
マンションの買い替えを検討したタイミングは?
※すまいステップ実施「1年以内に不動産を売却した方向けアンケート(n=800)」|回答時期:2019.11.15~2020.12.15を基に作成
まずマンションの買い替えを検討した理由としては、「家が手狭になったため」というものが多いです。
次に「周辺の住環境を改善したいため」「家の老朽化が気になるため」などが続きます。
全体の傾向としては、「金銭的な理由で仕方なく」というよりは「もっと快適な環境で暮らしたい」という動機での買い替えが多いことがわかります。
マンション買い替えの平均的な年齢は?
※すまいステップ実施「1年以内に不動産を売却した方向けアンケート(n=800)」|回答時期:2019.11.15~2020.12.15を基に作成
上記のグラフは、マンションを買い替えた人が何歳で買い替えを行ったかをまとめたグラフです。
ご覧のとおり、40代での買い替えが36.88%と最も多く、全体の4割近くを占めています。
次に多いのが30代で25.5%、そのあと僅差で50代の22.13%が並びます。
「自分の家の世帯年収ならどのくらいのマンションが買えるの?」「自己資金はどのくらい用意したらよい?」などの資金計画について疑問を持っている方はよくある質問をご覧ください。
ライフステージの変化が買い替えのタイミング
また、ライフステージが切り替わるタイミングでマンションを買い換える方も多くいらっしゃいます。
結婚・出産のタイミング
結婚や、出産で子供が生まれるタイミングを買い替えのタイミングとする人は多くいます。家族が増えて手狭になることを見越して、将来必要になる子供部屋を想定して購入することもできます。
家族の転勤・転職
持ち家があっても、予期せず家族が転勤になってしまうこともあります。また、転職によって職場までの距離が遠くなる可能性も。通勤・通学の時間を減らすため、職場の近くに住み替えるケースが多いです。
子供が独立して、間取りが合わなくなった
子供が独立して家の中にいる人数が減ると、それまで使っていた部屋が必要なくなる方もいます。そのため、子供が独立して夫婦2人になったタイミングでマンションを買い替える人も多くいます。
「そろそろ今の家から住み替えようかな?」家族構成やライフスタイルの変化によって、新しい家に住み替えを検討している方もいらっしゃると思います。ただ、慣れ親しんだ家から住み替えるのは家族の人生を左右する大きな決断なためタイミングが重[…]
ローンの残債があっても買い替えはできる!
買い替えを検討している人の中には「今のマンションのローンを払いを終わってないけど、今買い替えられる?」と考える方もいるかもしれません。
現在のマンションに住宅ローンが残っていても買い替えはできます。
ただし、現在のマンションを売却すると同時にローンを完済する必要があります。
新居を見つけてからローンの残っているマンションを売却する場合、「住み替えローン」なども合わせて検討しましょう。
住宅ローンが残っているマンションを売却する場合、「残債が残っていても売却できるの?」と疑問に思う人は多いでしょう。結論、住宅ローンが残っていてもマンション売却はできます。ただし、売却を行うにあたって必ず満たさなければいけない条件[…]
【体験談】マンション買い替えでよくある失敗
でも、大きい買い物だし失敗しないか不安だな…
ケース①:新居と現在のマンションのダブルローンが苦しい
新居のローンとダブルローンがどこまで続くのか不安 / 50代女性
同居する家族が増えたため、新居のマンションを購入してから住んでいたマンションを売却しました。
新居のローンと現在のマンションのダブルローン。どこまで続くのか不安が強かったです。
委託会社からはもう少し最初の提示額で様子をみましょうと言われました。しかし早くすっきりしたいという気持ちからが強く、売り出し価格をさげたいと自分から不動産会社へ提案しました。
引用:おうちの語り部
新居を売ってから住んでいるマンションを売却する場合、一時的に現在住んでいるマンションと新居のローンの両方を支払う「ダブルローン」の状態になります。
ダブルローンの期間は、金銭的な問題だけでなく、精神的にも不安がかかります。
対策
- 資金計画や住み替えのスケジュールを綿密に立てる
- なるべく、住んでいる家を売却してから住み替え先を探す
- 購入を先に進める場合、新居の支払日と住んでいるマンションの売却金を受け取る日をなるべく近くする
家の住み替えをするときに、最も気になるのがローンの支払いではないでしょうか。居住中の家が売れていなくても金融機関に借入ができるかや、その際の条件が気になる人も多いでしょう。住み替えを検討する際には2つの方法から選べます。新居[…]
ケース②:売却を焦って、安易に値下げしてしまった
希望より安い売却価格だった/30代男性
自分が早く引っ越ししたかったのもあったため短期間で売却できたらと思っていました。
しかし、売却価格は満足しておりません。自分が早く売却したかったのもあるのですが、希望より安い売却価格になってしまい、少し後悔しています。
不動産売却をそんなに急いで考えてないのであれば、納得のいく売却価格で売却された方がいいと思いました。
引用:おうちの語り部
マンション買い替えでは、ダブルローンが苦しくなったり、早く新居に引っ越したいなど様々な理由で売却を急いでしまうことが多々あります。
しかし、一般的にマンションを売却するには3~4カ月かかると言われています。
これよりも早く売却したい場合、ライバル物件よりも低い値段で売り出すなど価格を下げざるを得ない場合も。
また、現在のマンションの購入希望者に足元を見られると、値下げを要求される可能性もあります。
対策
- 売却のスケジュールに余裕を持つ
- 売り先行で余裕を持ってマンションを売却してから新居を探す
今住んでいるマンションから住み替えたい!と思っても、何から手を付けていいか分からないですよね。マンションからの住み替えは売却と新居の購入の2つを行わなければいけないので大変です。この記事では、マンション住み替えの手順や住み替えに[…]
ケース③:不動産会社選びに失敗し、なかなかマンションが売れない
こちらもまずは体験談をご覧ください。
不動産会社選びに失敗し、時間を無駄に/40代女性
マンションから戸建てへの住み替えの為の売却で、子供の幼稚園入園前までには住み替え完了しておきたかったので、短期間で売却を検討していました。
最初に依頼した不動産会社は営業活動の報告が少なく不信感を感じました。途中で不動産会社を変え、マンションを売却するまでに結局7半年かかりました。
最初の不動産会社選びに失敗したので時間を無駄にしたように感じます。
引用:おうちの語り部
不動産売却を成功させるには、仲介を担当する不動産会社の力量がかなり影響してきます。
不動産会社の販売力や得意なエリアによって、同じ不動産でも売却価格やかかる期間に差がでるからです。
また、頻繁に連絡を取り合う担当者との相性も重要です。
合わない担当者だと売却活動自体が苦痛になりかねません。
対策
- 売りたいマンションやエリアに強い不動産会社を選ぶ
- レスポンスがよく、相性の良い担当者を選ぶ
家の売却を思い立った際に「どの不動産会社に依頼すればいいんだろう?」「大手と地域密着型の不動産会社どっちがいいんだろう?」「悪徳不動産会社に依頼してしまったらどうしよう・・・」家を売却する際に最も重要なのが「不動産会社選び」[…]
マンション買い替えは「買い先行」「売り先行」どっちがおすすめ?
マンション買い替えには2つの方法があります。
- 「売り先行」現在のマンションを売った後に新居を購入する流れ
- 「買い先行」新居を購入した後に現在のマンションを売る流れ
それぞれの特徴を抑えて、自分に合ったにあった買い替え方法を選択しましょう。
売り先行でのマンション買い替え
売り先行とは、現在住んでいるマンションを売却してから新居を探す方法のことです。
現在のマンションの売却金が手に入ってから新居を探すため、資金計画が立てやすいです。
そのため、はじめてマンション買い替えを行う場合は堅実な方法だと言われています。
売り先行のメリットとデメリットは下記の通りです。
売り先行のメリット・デメリット
売り先行のメリット・デメリットとしては、以下のような事柄が挙げられます。
【売り先行のメリット】
- 現在のマンションの売却代金を新居の購入費用に使える
- 先にいくらの売却代金が手に入るか分かるので、新居の購入予算を明確に決められる
【売り先行のデメリット】
- 現在のマンションを引き渡すまでに引越し先が見つからない場合、賃貸物件などに仮住まいする必要がある
- 仮住まいを避けようとして新しいマンションを買い急ぎ、妥協した新居選びを行ってしまうおそれがある
売り先行が向いている人
売り先行のマンション買い替えは、以下のような条件に当てはまる方に向いています。
- 住宅ローンの残債がある
- 現在のマンションの売却代金を新居の購入の予算に含めたい
初めてマンションを買い換える際には、売り先行のほうが堅実であると言われています。
「マンションを売りたい!」と思った時、そもそも何から始めればよいか迷ってしまう人も多いと思います。情報を調べようにもインターネットにはたくさんの情報が溢れていて、何を参考にすべきか困ってしまいますよね。この記事では、「マンシ[…]
買い先行のマンション買い替え
「買い先行」とは、新居を探してから住んでいるマンションを売却する方法です。
新居を探すことに時間をかけられるため、納得のいく物件を見つけやすいです。
買い先行の場合、新居の購入資金をいかに確保するかが重要です。
以下のようなサービスをうまく活用し、なるべくお得にマンション売却を行いましょう。
つなぎ融資
住んでいるマンションが売却できるまでの間、新居の購入費用の融資を短期間受けられる金融商品。住んでいるマンションを売却できたら、つなぎ融資を一括で返済します。
買い替え特例
新居を購入する際に、マンションを売却できない場合は新居の売買契約を白紙に戻す(=売却代金を払わなくてよい)という特例を結ぶこと。ただし、新居の売主に断られる可能性がある。
家の住み替えをするときに、最も気になるのがローンの支払いではないでしょうか。居住中の家が売れていなくても金融機関に借入ができるかや、その際の条件が気になる人も多いでしょう。住み替えを検討する際には2つの方法から選べます。新居[…]
買い先行のメリット・デメリット
買い先行のメリット・デメリットとしては、以下のような事柄が挙げられます。
【買い先行のメリット】
- 時間的制約なしで新しいマンションを選べるので、ゆっくりと理想の新居を探せる
- 仮住まいがいらないので引っ越しが一度ですみ、手間が少ない
- 空室でマンションを売りに出せるので、内見を入れやすく早く売れやすい
【買い先行のデメリット】
- マンションの売却価格が想定よりも安かった場合、資金計画が崩れる
- 現在のマンションの売却が長引いた場合、ダブルローンの期間が発生する
- マンションを売り急ぎ、売却代金が相場よりも安くなってしまうおそれがある
買い先行が向いている人
買い先行のマンション買い替えは、以下のような条件に当てはまる方に向いています。
- 住宅ローンを完済している、あるいは貯蓄などの自己資本でローンの残債を精算可能
- 現在のマンションの売却代金を新居購入に利用しない
- 資金・時間ともに余裕があって、妥協しない新居選びをしたい
- 現在のマンションが好条件の売れやすいマンションである
また、マンションは空室状態のほうが売れやすいという傾向もあります。
そのため、買い先行の場合は売却活動にかかる時間を短縮できる可能性もあります。
住み替えは不動産の購入と売却の両方の取引が必要になり、一見すると非常に複雑そうですが、今多くの人が理想の老後生活を送るために住み替えを検討していたり、転職・転勤のために住み替えをしています。この記事では住み替えの不動産購入と売却の流れから実[…]
マンション買い替えにかかる費用
新居を購入する場合にも、住んでいるマンションを売却する場合にも様々な税金や費用がかかります。
マンション買い替えにかかる費用はどれぐらいでしょうか?
マンション売却時にかかる費用・税金
マンション売却には手数料や印紙代とともに、各種税金が発生します。
売却にかかる費用は、売却代金のおよそ5%~7%ほどと言われています。
例えば、3000万円でマンションを売却した場合、おおよそ以下の費用と税金がかかってきます。
例)3000万円でマンションを売却した場合の費用の一例
合計費用: 124万1500円
【内訳】
1.仲介手数料:105万6000円(3000万円×3%+6万円+消費税)
2.印紙税(売買契約書作成のために支払う費用):1万円(軽減後) ※1
3.抵当権抹消費用費:2万円
4.住宅ローン一括返済費用(住宅ローン返済の事務手数料):5,500円 ※2
5.譲渡所得税費用:0円 ※3
6.その他:引っ越し費用:10万円、ハウスクリーニング費用:5万円
※1:2014年4月1日~2022年3月31日までの間に作成される不動産譲渡に関する契約書について軽減税率が適用されます。(参考:国税庁)
※2:三井住友銀行:インターネットバンキングの場合
※3:売却額が3000万円以下のため、「3000万円特別控除」の適用で非課税になります。
「マンション買い替えをしようと思っているけど、どのくらいの費用が掛かるんだろう??」「マンションを買い替えるときの資金計画を立てたい!」この記事は以上の方に向けて、マンション買い替えにかかるすべての費用と、買い替えで使える税[…]
新居購入時にかかる費用・税金
購入にかかる諸費用は、中古・新築で異なりますがおおよそ購入代金のおよそ5%~15%ほどと言われています。
例)3000万円で新築マンションを購入、2500万円の住宅ローンを組んだ場合の例
合計費用:495万9千円
1.登記費用:42万4,000円 ※1
2.管理費・修繕積立金等:10万5千円 ※2
3.住宅ローンの諸費用:150万円 ※3 ※4
4.固定資産税及び都市計画税:3万円 ※5
5.消費税:240万円
6.申込証拠金:5万円
7. 印紙税:3万円
8. その他(引っ越し費用や家具購入費用など):25万円
9. 不動産取得税:20万円(概算)
※1:①住宅を新築した際の登記②新築住宅を買った際の登記③ローンを借りたときの登記別々で費用が掛かります
※2:①住宅を新築した際の登記②新築住宅を買った際の登記③ローンを借りたときの登記別々で費用が掛かります
※3:諸費用の相場は、新築物件の場合物件価格の3~7%。今回は5%で試算
※4:内訳は、融資手数料、ローン保証料、斡旋手数料、火災保険料、地震保険料、団体信用保険料
※5:引き渡しから日割りで計算し、相殺するのが一般的
マンションを購入する際にかかるお金は、その物件を購入するための費用だけではありません。実際には、不動産登記の費用や、住宅ローンを借りるにあたって必要な費用、税金など、数十万円から数百万円の「諸費用」がかかります。マンション購入時には、こうし[…]
よくある質問
Q:買い替えを行う人の平均年収はどのくらいあるのが普通?
以下のグラフは、国土交通省による調査結果となっています。
また、購入するマンションの価格が年収の何倍に相当するかを示した年収倍率の平均値は、分譲マンションで5.59、中古マンションで3.96となっていることが以下の表からわかります。
「今自分はどのくらいの価格のマンションなら買い替えられるかな?」
と考えている方は、「自分の世帯年収×年収倍率」で購入マンションの価格の参考にしてみてください。
Q:自己資金はどのくらい用意していれば良い?

STEP①:世帯年収×年収倍率で購入できるマンションの価格を算出する
STEP②:①で算出した価格×自己資本比率で必要な資金を算出
まとめ:まずは一括査定を依頼しよう
マンションの買い替えは、現在のマンションの売却と新居の購入を同時進行しなければならないので、「何からはじめたらいいんだろう?」と迷う方も多いかもしれません。
ですが、買い先行の場合にしろ、売り先行の場合にしろ、まずはじめにやるべきことは「マンションの査定」です。
現在住んでいるマンションがいくらで売れそうか把握しないことには、新居の購入の計画や今後の動き方も定まりません。
査定をしたからといって必ず売らなければいけないわけではないので、まずは気軽にマンションの査定を依頼しましょう。
もし「どこに依頼していいか分からない……」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、すまいステップの利用がおすすめです。
すまいステップなら、「累計100件以上の不動産売買仲介の実績あり」「市場相場よりも高値での不動産売却の実績あり」などの条件を満たした優良不動産会社のみを厳選してご紹介することができます。
記事のおさらい
住宅ローンが残っていても、マンション買い替えはできますか?
住宅ローンに残債があっても買い替えはできます。多くの方は、「現在のマンションを売ったお金でローン残債を一括返済し抵当権を解除、そして次のマンションを買う」という流れで進めますが、マンションを売ったお金でローン完済ができない」という場合にも「買換えローン(住み替えローン)」が利用できれば買い替え可能です。詳しく知りたい方はローンが残っていても買い替えはできるをご覧ください。
マンション買い替えのタイミングはどんな時ですか?
ライフステージによって買い替えのタイミングは変わります。詳しくはライフステージの変化が買い替えのタイミングをご覧ください。
マンション買い替えの流れを教えてください
マンションの買い替えには、売却を先に進める「売り先行」と購入を先に進める「買い先行」の二つの方法で進めます。詳しく知りたい方はマンションの買い替えの流れをご覧下さい。
マンションの買い替えにはどのくらい費用と税金がかかりますか?
売却にかかる費用は、売却価格のおよそ5~7%、購入にかかる費用は5~8%と言われています。詳しくはマンション買い替えにかかる費用と税金をご覧ください。
気に入って購入したマンションに住んでいても、出産や子供の成長などライフスタイルの変化によって、戸建てへの憧れが高まることもあるでしょう。ただ、生涯で最大の買い物ともいわれるマンションをせっかく購入したのに、 お金をかけて戸建て[…]