「購入したマンションをすぐに手放すと、かかる税金が高くなる」と聞いて、売却に不安を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、マンションを購入から5年以内に売却すると、5年を超えてから売却した場合に比べて譲渡所得税の金額が「売却益×20%」ほど高くなる可能性があります。
しかしながら、築浅のマンションは人気で、比較的高く売却できます。
ポイントを押さえて売却すれば、高い税金を支払っても手取り額を多く受け取れる可能性もあります。
マンション売却で損をしないために、この記事を是非ご参考にしてください。
マンション売却にかかる税金とは?計算方法や節税できる控除を解説
5年以内の売却でマンションの税金が高くなる理由
なぜ「購入から5年以内」にマンションを売却すると税金が高くなってしまうのでしょうか。
その理由として、以下の2つが挙げられます。
1つずつ詳しく見ていきましょう!
所有期間を基準に税率が高くなるから
1つ目の理由は、所有期間が5年以下か、5年を超えているかを基準に「譲渡所得税」の税率が変わるからです。
譲渡所得税とは、譲渡所得にかかる税金です。
譲渡所得とは、マンションを売却した時の利益のことです。以下の計算式で求められます。
譲渡所得はマンションの所有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に区分され、それぞれ異なる税率が適用されます。
▼短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率
マンションの所有期間が5年以下だと短期譲渡所得、5年を超えると長期譲渡所得という区分になります。
所有期間 | 譲渡所得の区分 | 譲渡所得税率 |
---|---|---|
5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.63%(※) |
5年を超える | 長期譲渡所得 | 20.315%(※) |
(※2037年12月31日までの復興特別所得税を含めた税率)
▼マンションの所有期間の数え方
マンションの所有期間は、購入した日から売却した年の1月1日までを基準に数えます。
たとえば、2018年3月1日に購入したマンションを売却するケースで考えてみましょう。
2023年5月1日に売却した場合、カレンダー上では購入から5年以上経過しています。
しかし、不動産売却の税金のルール上では、2023年1月1日までを所有期間として数えます。
そのため、所有期間は5年以下となり、短期譲渡所得の税率(39.63%)が適用されます。
利用できる節税の特例が限られるから
2つ目は、所有期間が5年以内であると、適用要件を満たせる特例が少ないからです。
居住用のマンションを売却する場合には、税金の負担を軽減できる、税金の特例が各種設けられています。
しかし特例は、所有期間が適用するための条件の1つになっているものが多いです。
たとえば、購入から5年以下でマンションを売却した場合には、以下の特例を適用できません。
所有期間10年超が適用要件の特例
所有期間5年超が適用要件の特例
特例を活用して節税ができないことも、税金が高くなってしまう要因となっています。
税金を支払った後の手取り額を確保するためには、できる限り高くマンションを売却することを目指しましょう。
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マンションの所有期間によって税率が異なる理由
マンションを5年以内に売却すると税金はいくら高くなる?
この章では、マンションを売却した時の譲渡所得税が、所有期間によってどれくらい変わるか、具体的な金額で比べてみます。
- マンションの売却価格:8,000万円
- マンションの構造:RC造
- 譲渡費用:300万円
- 取得費:7,000万円(うち建物部分の取得費:5,000万円)
- 控除に関する特例は適用しない
購入後5年以下で売却した場合の税金
まずは、マンションを購入してから3年が経過した時点で売却した場合の計算例を見ていきます。
初めに購入から3年が経過した時点での減価償却費を計算します。
=5,000万円×0.9×0.015×3
=202万5,000円
次に、譲渡所得を計算します。
=8,000万円-(300万円+7,000万円-202万5,000円)
=902万5,000円
=902万5,000円×39.63%
=357万6,600円(100円未満切り捨て)
購入後5年を超えてから売却した場合の税金
次に、マンションの購入してからの経過年数が6年の時に売却した場合の税金の計算をしてみましょう。
まずは、購入から6年が経過した時点での減価償却費を計算します。
=5,000万円×0.9×0.015×6
=405万円
次に、譲渡所得を計算します。
=8,000万円-(300万円+7,000万円-405万円)
=1,105万円
最後に、譲渡所得に税率をかけ合わせて税金額を計算します。
マンションを購入から5年を超えて売却した場合の譲渡所得税の税率は「20.315%」です。
=1,105万円×20.315%
=224万4,800円(100円未満切り捨て)
5年以下と5年超えの税金額を比較する
それぞれのケースの税金額がわかったところで、その差額を計算してみましょう。
税金額 | |
---|---|
5年以下で売却した場合 | 357万6,600円 |
5年超えで売却した場合 | 224万4,800円 |
差額 | 133万1,800円 |
以下の簡易シミュレーターの「売却価格」「所有期間」「築年数」を変更すると、売却タイミングによるの手取り額の違いをシミュレーションできます。
マンションを5年以内に売却する時にも使える節税方法
1章で、購入から5年以内にマンションを売却する時には、節税に使える特例が限られてしまうとお伝えしましたが、以下の特例は、マンションを5年以内に売却した時でも利用して節税することができます。
- 3,000万円特別控除の特例
…売却後にかかる譲渡所得税を節税できる - 住宅ローン控除(住宅ローン減税)
…住み替え後最長13年間、所得税を節税できる
▼3,000万円特別控除の特例
「3,000万円特別控除の特例」は、売却するマンションが、実際に居住していたマンションであれば、所有期間の長短に関係なく適用できる特例です。
マンション売却の譲渡所得から最大3,000万円まで控除できます。
つまり、譲渡所得が3,000万円以下の場合は、特例を適用すると課税がなくなります。
>3,000万円特別控除の特例について詳しくはこちらをご覧ください。
▼住宅ローン控除(住宅ローン減税)
「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」は、マンションを売却した後に、新居を住宅ローンを借入して購入した場合に使える制度です。
最長13年間に渡って「年末時点での住宅ローン残高の0.7%」の金額を、所得税や住民税から控除できます。
注意点として、「3,000万円特別控除の特例」と「住宅ローン控除」は併用できません。
住み替えのためにマンションを手放す方は、将来的にどちらの控除を利用する方が税金の負担が少なくなるか検討してから利用する必要があります。
【2022年改正】マンション売却後の住宅ローン控除は?併用できる節税対策を解説
購入から5年以内のマンションを出来る限り高く売る方法
マンション売却にかかる税金を抑えるだけでなく、マンションそのものを高く売ることで、損を抑えて手取り額を増やせます。
この章では、マンションを高く売る方法として、以下の3つをご紹介します。
なるべく早めに売却を開始する
売却から5年を超えるのを待つと、あと数年はかかってしまうという場合は、なるべく早めに売却に取りかかりましょう。
マンションの売却価格は、基本的に築年数に応じて下落していきます。
一度、人が入居して暮らしたマンションは、どんなに見た目が新しくても、新築時の価格よりは値段が下がります。これは、新築時の価格には「新築である」という価値が反映されているからです。
しかし、特に築0~5年のマンションは、買主からの人気が高い一方で、市場に出回る数自体が少ないです。
供給を需要が上回っているタイミングだと、高値で売却しやすいため、早めに売却するのがオススメです。
マンション売却の時期はいつがベスト?売り時を見極めるポイントを解説
売却理由は隠さない
先述の通り、築浅マンションは買主からの人気が高い一方で、「新しいマンションなのにすぐに売りに出されるなんて、何か理由があるんだろうか?」と、瑕疵がないか不安に思われやすい側面もあります。
そのため、購入意欲の高い買主にマンションを売却する理由を聞かれた時は、なるべく隠さずに伝えるようにしましょう。
エリアのマンション売却に強い不動産会社に依頼する
売りたいマンションの所在エリアで、マンション売却に長けた不動産会社に依頼することが、マンションを高く売るために重要なポイントです。
売却力の高い不動産会社を探すには、複数の不動産会社の査定を受けることをオススメします。
複数社の査定を受けると、査定額を比較できるだけでなく、不動産会社の担当者の対応を比較できます。
査定額の根拠や、こちらの疑問について分かりやすい説明をしてくれる不動産会社を選ぶことで、マンション売却の成功に近づけます。
すまいステップでは、あなたのマンションのあるエリアで選りすぐりの不動産会社を、最大4社までご紹介します。



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まとめ
5年以内にマンションを売却する場合、短期所得税率が適用されるので税金が高くなります。
ですが、築浅マンションであればその分マンションを高く売却できる可能性もあるので早めに売却を始めることをおすすめします。
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売却力の高い不動産会社を厳選してご紹介するので、マンションを高く売りたい方は是非ご利用してみてください。



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