【専門家監修】不動産売却メディア「すまいステップ」

3000万円特別控除とは?適用条件・必要書類・申請方法を詳しく解説

  • 更新日:2022年12月13日
監修平井 美穂

金融機関で資産運用相談および融資業務に従事。出産を機に独立系ファイナンシャルプランナーとして活動をはじめる。現在は、住宅購入相談、資産運用相談業務を専門とするコンサルタント業務をなども務める。

【保有資格】ファイナンシャルプランナー

【URL】平井FP事務所
3000万円特別控除とは?適用条件・必要書類・申請方法を詳しく解説

不動産売却において利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税という税金が課されます。
譲渡所得税の税率は20%~39%と高く、不動産売却で最もお金がかかる部分ともいえます。

しかしこの譲渡所得税に対しては、「3000万円特別控除」という大きな控除の制度が設けられています。

この記事では、譲渡所得を大幅に抑える「3,000万円特別控除」について詳しく解説します。

特例の適用条件チェックシートや申請方法も掲載しているので、ぜひご確認ください。

3000万円特別控除とは

まずはじめに、3000万円特別控除とはどのような特例なのかを確認してみましょう。

3000万円特別控除は譲渡所得税を控除する特例

3,000万円特別控除とは、不動産(マイホーム)を売却した際の利益(譲渡所得)にかかる税金(譲渡所得税)を減らすことができる特例です。

不動産を売却した際には、以下の計算式にそって譲渡所得税が課せられます。

譲渡所得税 =(売却価格 ー 取得費用 - 譲渡費用 - 特別控除額 ) × 税率(20%~39%)

3000万円特別控除を用いると、譲渡所得から最大3000万円を差し引くことができるので、不動産売却による利益が3000万円以下の場合に譲渡所得がかからなくなります。

また、不動産を10年以上保有していた場合に適用される譲渡所得の軽減税率の特例と併用して使うこともできます。

非常に大きな節税になるので、条件を満たす方は忘れずに利用してほしい控除制度です。

3000万円特別控除はマイホーム・相続空き家の売却時に使える

3000万円特別控除はすべての不動産に適用できるわけではなく、自宅を売却した場合と、相続した空き家を売却した場合にのみ適用することができます。

店舗や別荘、投資用物件の売却の際には適用できないので注意してください。

自分の不動産に3000万円特別控除が使えるかわからない場合は、専門家である不動産会社に相談してみましょう。

不動産の査定時に「3000万円特別控除は使えますか?」と聞けば、細かな条件をもとに利用可否を回答してくれます。

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3000万円特別控除の適用要件

マイホーム売却で3000万円特別控除を利用したい場合、まず居住用財産として認められる必要があります

居住用財産とは、名義人が自分の生活拠点として使用する家および敷地のことです。

基本的には自宅(マイホーム)となりますが、ここで重要な点は「今もなお居住用で使用しているのか」の判断です。

例えば、マイホームはあるが両親の介護もあり実家に戻っている場合、実家が生活の拠点となり、マイホームは居住用の家として認められない可能性があります。

適用要件を満たしているかチェック

3000万円特別控除を利用するには、以下の適用要件を満たす必要があります。

下記の表でチェックしてみましょう。

3000万円の特別控除や譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていない

家を取り壊した場合、取り壊した日から1年以内に譲渡契約を締結(その間で敷地を商用目的で利用していない)、かつ、住まなくなった日から3年経過する年の12月31日までにその敷地を売ることができた

(参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

3,000万円特別控除は3年に1度しか使えない特例です。

「売った年の前年および前々年」に3,000万円特別控除を使用していた場合は適用されないことは覚えておきましょう。

持ち家の状況別に適用の可否をチェック

所有する不動産の状況にいよっては、イレギュラーなケースが出てくると思います。

以下のような状況の場合は適用範囲が異なるので注意が必要です。

物件状況適用範囲
店舗と兼用の場合居住部分のみ適用
共同名義の場合各名義人で適用可能

適用範囲を見ていくと、あくまでも自分の持ち物であり、なおかつ居住している範囲のみが対象になることが分かります。

3000万円特別控除とほかの控除は併用できる?

ここまでで3000万円特別控除の概要や適用要件についてご紹介してきました。

3000万円特別控除は譲渡所得税を大幅に減らすことのできる重要な制度ですが、実は税金の控除に関する制度はほかにもいくつかあります。

この章では、3000万円特別控除とそのほかの控除制度の併用が可能かどうかを見てきましょう。

3000万円特別控除と住宅ローン控除は併用できる?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借り入れて住宅を取得・増改築した場合に、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除するという制度です。
(国土交通省「住宅ローン減税」)

現在の自宅を売って新しく家をローンで買う場合などは、住宅ローン控除を検討している方も多いと思います。

しかしながら、3000万円特別控除と住宅ローン控除は併用ができません。

どちらが金銭的に有利なのかを計算し、どちらを使うか決める必要があります。

3000万円特別控除と10年超所有の軽減税率の特例は併用できる?

10年超所有の軽減税率の特例は、所有期間が10年を超えるマイホームを売却した際に、譲渡所得にかかる税率が軽減されるという制度です。
(国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」)

具体的には、譲渡所得のうち6000万円以下の部分は14.21%、6000万円以上の部分は20.315%の税率が適用されます。

通常の譲渡所得税は20%~39%の税率なので、10年超所有の軽減税率の特例の適用は大きな節税効果があります。

10年超所有の軽減税率の特例と3000万円は併用が可能です。

10年超所有軽減税率の特例って何?|譲渡所得の税金を安くする

3000万円特別控除と居住用財産の買換え特例は併用できる?

居住用財産の買換え特例とは、マイホームを買い替えた際、一定の要件に当てはまる場合は譲渡所得に対する課税を将来に繰り延べることができるという制度です。
(国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」)

具体的には、買い換えたマイホームを将来売却したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられます。

3000万円特別控除と居住用財産の買換え特例の併用は認められていないので、こちらもどの制度を使うのが有利か計算して判断する必要があります。

特定居住用財産の買換え特例について|適用条件や使い分けの方法とは

3000万円特別控除の必要書類

3000万円特別控除を適用したい場合には、以下の11種類の書類が必要です。

数が多いので、早めに準備を始めましょう。

必要書類名入手場所
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】税務署HP
確定申告書B税務署HP
マイナンバーカード
本人確認書類(免許証・パスポートなど)
売却時の不動産売買契約書の写し不動産売買契約時に不動産会社から渡される
売却にかかった費用の領収書不動産売買契約時に不動産会社から渡される
売却した不動産を購入したときの不動産売買契約書の写し不動産売買契約時に不動産会社から渡される
売却した物件を購入したときにかかった費用の領収書不動産売買契約時に不動産会社から渡される
登記事項証明書法務局
住民票の写し(*)役場
売却した不動産の居住していた際の公共料金の支払状況が分かるもの(*)

この中で「住民票の写し」、「売却した不動産の居住していた際の公共料金の支払状況が分かるもの」の2つは、住民票に記載されている住所と売却した不動産の所在地が売買契約締結日の前日において異なる場合にのみ必要となります。

多くの書類は不動産の売買契約時に不動産会社から渡されるので、自分で用意する必要があるのはほんの一部です。

万が一必要な書類を紛失してしまった場合は、不動産会社に再発行してもらいましょう。

購入時に渡された書類等が見つからず、不動産会社にも確認が取れないというケースでは、売却価格の5%を取得にかかった費用として計上することが可能です。

3000万円特別控除の申請方法

3000万円特別控除を受けるためには、不動産売却をした翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を行う必要があります。

ここでは、不動産売却の翌年の確定申告に関する知識をご紹介していきます。

3000万円特別控除の申請書類の書き方は?

3000万円特別控除の申請書類とは、つまり「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」のことを指します。

譲渡所得の内訳書の書き方は国税庁のHPで記載例が公開されているので、参考にしてみてください。

譲渡所得の内訳書の記載例

引用:国税庁HP「令和2年分譲渡所得の申告のしかた(記載例)

また、令和5年1月からは、インターネット上で確定申告を行えるサービス「e-Tax」の仕組みが変更され、マイナンバーカード、スマートフォンなどを用いた申告書の作成が可能になります。

e-taxを使えば画面の案内に沿って入力を行うだけで申告書を作れるので、確定申告に自信がない方でも安心です。

e-taxの詳細はこちらから確認できます。

3000万円特別控除の申請について相談する窓口はどこ?

確定申告の時期、2月16日から3月15日は税務署や税務署外の相談会場で確定申告や各種控除の申請についての相談を受けることができます。

相談をしたい場合は、事前に最寄りの税務署に連絡をして確認しておきましょう。

3000万円特別控除の申請は税理士に依頼できる?

確定申告を税理士に依頼すれば、3000万円特別控除の申請も一緒にお願いすることができます。

作成する書類や売却代金に左右されることはありますが、最低でも3万円はかかります。

高くて10万円する場合もあるので安く抑える方法を知っておくといいでしょう。

不動産売却後の確定申告を税理士に依頼する費用について解説

記事のおさらい

3,000万円特別控除とは?

不動産売却時の譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。譲渡所得にかかる譲渡所得税を軽減できるため、大きな節税効果があります。控除の結果、譲渡所得税がかからないケースもよくあります。詳しく知りたい方は3,000万円特別控除とはをご覧ください。

3,000万円特別控除を受けるために必要な書類は?

マイホーム売却の場合でも、相続した空き家の売却の場合でも必ず必要になるのが「譲渡所得の内訳書」です。相続した空き家の売却の際には、他に不動産の現状や相続の状況を確認するための書類も必要になります。これらは確定申告時と同時に提出しましょう。詳しくは控除を利用するには確定申告が必須!必要書類は?をご覧ください。

3,000万円特別控除以外にも税金を抑える手段はないの?

不動産売却時にかかる税金を抑える手段はほかにもあります。長期所有していた物件に該当するものや、家を買い替える際に利用できる特例があります。詳しく知りたい方は3,000万円特別控除だけじゃない!2つの特例をご覧下さい。

マイホームでない、相続した家でも3,000万円特別控除は利用できるの?

通常の「マイホームを売った時の特例」とは別に「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が用意されています。相続後空き家になることが前提であり、マイホーム売却の場合と条件が異なるので注意しましょう。詳しくは相続した家にも3,000万円特別控除が利用できる?!をご覧ください。

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