- この記事のポイント
- マンション買取の最大のデメリットは仲介よりも売却価格が安くなること
- マンション買取にはデメリット以上にメリットも多い
- マンション買取で損せず売るためには複数社に査定依頼して価格と担当者を比較しよう
買主が見つかるまで売却に時間がかかってしまう仲介に比べて、買取は早く・確実にマンションを売却できるため、魅力的な選択肢でしょう。
しかし、マンション買取には「仲介と比べて売却価格が安くなってしまう」こと以外にも、気をつけておかなければ大きく損をしてしまう可能性のあるデメリットがあります。
知らないまま売却に臨んで後悔しないためにも、この記事を最後までご覧いただき、大切なマンションの売却にお役立てください。
マンション買取の5つのデメリット
マンション買取には事前に知っておいてほしい5つのデメリットがあります。
この章ではマンション買取の5つのデメリットについて解説していきます。
- デメリット①:仲介で売るよりも価格が安くなる
- デメリット②:買取でも売却ができない物件もある
- デメリット③:思わぬ費用がかかる場合もある
- デメリット④:買取に対応している不動産会社が少ない
- デメリット⑤:最終的な入居者が誰かわからない
デメリット①:売却価格が安くなる
マンションを買取で売却する最も大きなデメリットは、仲介で売却する場合に比べて売却価格が2~3割ほど安くなってしまうことです。
たとえば仲介での売却相場が5,000万円のマンションであれば、買取の相場は3,500~4,000万円程度になります。
以下は買取再販の仕組みを、わかりやすく簡略に図に示したものです。
しかし、そもそも中古マンションの相場は、立地と築年数でおおよその相場が決まります。リフォームによって再販価格は多少上乗せできますが、それでも元のマンションの相場を無視した価格設定はできません。
そのため、不動産会社は仲介の相場よりも安い価格で買取して工事前のマンションを仕入れるのです。
デメリット②:買取でも売却できない物件がある
どんなマンションでも必ず買取してもらえる訳ではないことにも注意が必要です。
ほどんどの不動産会社が、それぞれ「買取できるマンションの基準」を持っています。
売りたいマンションが不動産会社の買取基準を満たさなければ、査定を申し込みしても買取してもらえません。
マンションの条件によっては、買取基準の合う不動産会社を探すのに手間取ったり、時間がかかってしまった末に、結局買取で売却できる不動産会社が見つからない恐れがあるのはデメリットといえるでしょう。
デメリット③:買取に対応している不動産会社が少ない
全ての不動産会社がマンションの買取を行っている訳ではないことも押さえておきたいポイントです。
大手は買取も扱っている企業が多いですが、先述の通り、買取エリアや条件が設けられていることがほとんどです。
一方で、個人向けの不動産仲介は行わず、買取と再販を専門に手がける会社(いわゆる買取再販業者)もあります。
買取再販業者は、取り扱う不動産の種別まで限定して特化している企業が多いです。
不動産一括査定サイトの「すまいステップ」では、仲介と買取の査定をまとめて申し込めます。売りたいマンションの所在エリアで売却実績のある不動産会社を厳選して最大4社ご紹介します。
デメリット④:思わぬ費用がかかることがある
マンション買取の特徴として「仲介手数料がかからない」ことが挙げられますが、買取での売却にあたって費用が全くかからない訳ではありません。
マンション室内の不用品の処分を依頼する場合、あらかじめ買取査定額から処分費用が差し引かれているか、差し引き前の金額を査定額として提示されるかは不動産会社によって異なります。
また、買取してもらった結果、売却益(譲渡所得)が発生する場合は譲渡所得税も生じます。
更に、不動産会社や買取再販業者に直接買取を依頼した場合は仲介手数料はかかりませんが、不動産会社からの仲介で別の会社や買取業者にマンションを売却する場合は、仲介を行った不動産会社に仲介手数料を支払わなければならないことに注意が必要です。
費用がかからないと思って買取で売却したにもかかわらず、状況によっては思いがけない出費が生じることもあるため、事前にマンション買取にかかる費用について調べておきましょう。
デメリット⑤:最終的な入居者がわからない
マンションを買取で売却すると、その部屋に最終的に誰が入居することになるかを売主は知ることができません。
買取で売却したマンションは、買取した企業がリフォームを実施した後に、再び市場に売りに出されます。
買取した企業が売主となるため、リフォーム後のマンションが誰に売却されるか、あなたは知ることができませんし、選ぶこともできません。
大切なマンションを不審な人物には売却したくない、信頼できる人にマンションを譲りたいという場合には不安に思うかもしれません。
マンション買取で損しないための3つのポイント
買取は、早く・手間なく・簡単に売れるため魅力的な売却方法です。
しかし、上述のデメリットが気になってしまう方も多いかと思います。
マンション買取でも損せず・高く売るためのポイントを3つ紹介します。
買取保証を利用する
買取の最も大きなデメリットは、価格が安くなってしまうことです。
これ自体は仕方がないことですが、売却希望時期に余裕がある方は「買取保証」というサービスを行っている不動産会社を選ぶのも手です。
買取保証とは、一定期間(3ヶ月~半年程度)は仲介で売り出し、買い手が見つからなかった場合に不動産会社に買い取ってもらう方法です。
もし仲介で売却できれば買取よりも高く売ることができ、売れなかったとしても不動産会社が買い取ってくれるため安心です。
1カ月以内に売らなければいけない人には向いていませんが、ある程度余裕があれば検討する価値は十分あります。
複数の業者に査定してもらう
買取でできるだけ高く売りたい複数の業者に査定してもらうことをおすすめします。
なぜなら、買取では不動産会社の査定額=買取価格になります。
そのため、一番高く買い取ってくれる会社と出会うことが高く売ることにつながるのです。
仲介での売却方法は以下の記事で解説していますので、興味がある方はぜひご参照ください。
不動産一括査定サイトのすまいステップは、厳しい審査基準を満たした営業担当者から、あなたの状況にあった売却プランをご提案させていただきます。
▽営業担当者の審査基準
- 宅地建物取引士の資格保有者
- 売買仲介営業 5年以上経験
- 累計100件以上の売買仲介実績
- 市場相場より高値で販売した経験有
売却の相談は以下のフォームからお問合せいただけます。ぜひご利用ください。
サービスが充実している買取業者を選ぶ
買取業者ごとに異なる様々なサービスを提供しています。
自分に合う買取業者を探すことで手続きにかかる手間や引っ越しにかかる費用を削減することに繋がります。
買取業者が提供しているサービスの例を紹介します。
ご自身の希望に合ったサービスを提供している不動産買取業者を選ぶのもおすすめです。
サービス名 | 概要 |
---|---|
不用品回収 | 不要な不動産具を無料で処分してもらえる |
買い取り賃貸居住サービス | 売却後もしばらく不動産に住み続けられる |
再販売利益還元 | 買取した物件を再販売して利益が出た場合、その利益を還元してもらえる |
買取業者探しを不動産会社に依頼しない
不動産会社や買取再販業者に直接買取を依頼した場合は仲介手数料はかかりませんが、不動産会社からの仲介で別の会社や買取業者にマンションを売却する場合は、仲介を行った不動産会社に仲介手数料を支払わなければならないことに注意が必要です。
仲介手数料は以下の基準で上限が決まっており、3000万でマンションを買い取ってもらった場合、約105万円の仲介手数料を支払うことになります。
売買価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格×5%(+消費税) |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売却価格×4%(+消費税) |
400万円を超える部分 | 売却価格×3%(+消費税) |
不動産会社に買取業者選びを依頼せず、直接買取業者に依頼する場合は、仲介手数料の支払い入りません。
できるだけ費用を抑えて売りたい方は、不動産仲介会社に買取業者を紹介してもらうのではなく、買取業者に直接依頼をするようにしてください。
マンション買取を選ぶのがおすすめな人の特徴
ここまでマンション買取のデメリットについて解説してきました。
この章では、自分は買取で売却するべきかどうか決めきれない方向けに「マンション買取を選ぶべき人の特徴」をご紹介します。
1ヶ月以内にマンションを売却したい
「絶対にこの日まで売却しなければならない」という期日がある方には、買取でのマンション売却がおすすめです。
どの不動産会社でも、査定からマンションの引き渡しまで概ね1ヶ月以内で完了できるため、売却を急ぐ方にはもってこいの売却方法です。
ただし、売却に2~3ヶ月はかけられるという方は、売り出し価格を相場よりも安めに設定することで仲介でも早期売却を図れます。
「買取での売却は価格が安くなってしまうのがネック…」という方は、仲介での売却も再検討してみてください。
すぐに現金を受け取りたい
すぐにまとまった現金を受け取りたいという方にも、買取での売却がおすすめです。
仲介の場合は、売買契約から決済まで通常1~2ヶ月ほど時間が空いてしまいますが、買取の場合は売主の希望次第で、売買契約から引き渡しまですぐに行うことが可能です(即日買取)。
築古のマンションを売却したい
修繕箇所の多い築古のマンションをすぐに売却したい方にも、買取はおすすめです。
築古のマンションは、よほど好立地でない限り、買主が見つかるまで時間がかかったり、売却するために修繕や値引きが必要になることがあります。
マンション買取なら、買取可能であると査定されれば、そのままの状態ですぐに売却できます。
手間をかけずにマンションを売却したい
マンション売却に関するさまざまな手間を省いて売却したい方にも、買取はおすすめです。
仲介に比べて売却期間が短く、内覧も修繕も不要なので、簡単にマンションを売却することができます。
マンション買取の流れはざっくり以下のとおりです。
- 買取査定を依頼する
- 机上査定と訪問査定が行われる
- 売買契約を締結する
- 決済後にマンションを引き渡す
- 確定申告を行う
マンション買取に関するよくある質問
マンション買取をするに当たりよくある質問とその回答を紹介します。
低地や再建築不可など、訳あり物件でも買取してもらえますか?
低地や再建築不可など、訳ありで仲介では売れなかった物件でも買取業者なら買取可能です。
しかし、全ての買取業者が買取できるわけではないので注意しましょう。
買取可能な物件の条件は買取業者によって異なります。
もし自分の物件に合う買取業者を知りたい場合は、物件の条件に合わせて調べるか買取業者に相談してみるのがおすすめです。
相続にあたり、不要な家具や家電もそのまま買い取ってもらえますか?
マンション買取会社にもよりますが、ほとんどの買取会社は家具や家電をそのまま残した状態でも買い取ってくれることが多いです。
ただし、家具や家電があることで買取価格がプラスになるわけではないので注意しましょう。
また、不用品を無料で引き取ってもらえるのか、優良で引き取るかは業者によって異なりますので事前に買取業者のサービス内容をチェックしておきましょう。
マンション買取ではどんな費用・手数料がかかりますか?
マンションを買取で売却する場合、主にかかるお金は以下の通りです。
手数料・費用 | 金額の目安 |
---|---|
印紙税 | 200円~数万円 |
抵当権抹消登記費用 | 2,000円 |
司法書士への報酬 (抵当権抹消登記を依頼した場合) | 1万~2万円 |
譲渡所得税 | 売却益×約20%または約40% (控除が受けられれば支払いがないことも多い) |
住宅ローンの一括返済手数料 | 5,000円~2万円 |
費用については詳しくは以下の記事で解説していますので気になる方は参考にしてください。
まとめ:マンション買取はポイントを知っていれば失敗しない!
この記事では、マンション買取のデメリットについて解説しました。
- おさらい:マンション買取のデメリット
- 売却価格が仲介の相場の7~8割になる
- 買取してもらえるマンションは不動産会社ごとに基準がある
- 買取に対応している不動産会社は限られる
- 思わぬ費用がかかることもある
- 最終的に誰が入居するかは売主にはわからない