「登記にかかる費用はどれくらい?」
土地売却後の登記に関する疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
土地を売却する際には「所有権移転登記」が必要となり、売買による権利の変動を登記簿に反映します。また、抵当権が設定されている場合は「抵当権抹消登記」も必要です。
本記事では、土地売却時に必要な登記の種類や、登記費用の目安、スムーズに手続きを進めるポイントを詳しく解説します。
- この記事でわかること
- 土地売却で必要になる登記の内容
- 売主・買主が準備する主な書類
- 登録免許税・司法書士報酬と費用を抑える方法
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土地の売却時に必要になる登記の内容
土地の売却を行う際は、買主に引き渡しをするまでに揃えなければならない書類や手続きがあります。どのような理由であっても、契約書に記載された引き渡し日に予定どおり引き渡せなければ契約違反となる可能性があるため、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。
所有権の移転登記
土地を売買したときは、売買による権利の変動を登記簿に反映する「所有権移転登記」を行います。
売買契約等によって所有権が移っても、登記を備えなければ、その権利を第三者に主張できません。そのため通常は、残代金の決済と土地の引き渡しに合わせて、司法書士が売主・買主の共同申請を代理します。不動産会社は、決済日の調整や司法書士の紹介などを行います。
所有権移転登記では、売主の印鑑証明書が必要です。登記申請に添付する印鑑証明書は作成後3カ月以内のものを用意するため、取得するタイミングに気を付けましょう。
抵当権の抹消登記
売却する土地に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消登記が必要です。
ローンを返済中の場合は、まず金融機関に残債額と完済手続きを確認します。一般的には、決済日に売却代金や自己資金でローンを完済し、金融機関から受け取った書類を使って抵当権抹消登記を申請します。
ローンを完済していても、抵当権の登記は自動では消えません。金融機関から受け取った解除証書・弁済証書、委任状、登記識別情報または登記済証などを確認し、速やかに抹消登記を申請しましょう。
所有権移転登記の期日を守る
契約書に記載されている引き渡し日の期日を守ることは重要です。手続きの不備などで予定日に引き渡しができないと、契約違反となり違約金が発生することもあるため、余裕をもったスケジュールで手続きを進めましょう。
引き渡し日までに引っ越しを済ませることはもちろん、ガス・水道・電気などのライフラインの精算も、不動産会社に相談しながら調整してください。
相続の場合は住所変更や氏名変更が必要
相続した土地を売却するには、被相続人から相続人へ名義を移す「相続登記」が必要です。2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。
| 相続の時期 | 原則の申請期限 |
|---|---|
| 2024年4月1日より前に開始した相続 | 2027年3月31日まで ※2024年4月1日以降に取得を知った場合は、その日から3年以内 |
| 2024年4月1日以降に開始した相続 | 相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内 |
相続登記とは別に、登記簿上の所有者の住所・氏名が現在と異なる場合は、住所・氏名の変更登記が必要です。2026年4月1日から住所等変更登記も義務化され、変更日から2年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となる可能性があり、2026年4月1日より前の変更で未登記の場合は2028年3月31日までが期限です。
相続登記や住所・氏名変更登記は自分でも申請できますが、戸籍関係書類の収集などが複雑になることがあります。売却予定がある場合は、早めに管轄法務局や司法書士へ相談しましょう。
売買契約の締結から登記完了
売買が成立すると売買契約書を交わします。売買価格のほかにもさまざまな条件が記載されているため、後のトラブルを避けるためにも内容を確認しましょう。
決済日には、売主と買主が必要書類を持ち寄り、司法書士が不備の有無を確認します。買主の融資実行、売主の残代金受領、ローン完済、抵当権抹消登記・所有権移転登記の申請を連動させて進めるのが一般的です。
登記完了までの日数は、管轄法務局、申請方法、混雑状況、申請内容によって異なります。固定的に「申請から10日」と考えず、管轄法務局が公表する登記完了予定日や、オンライン申請の処理状況を確認しましょう。
登記申請に準備が必要な売主側の書類
司法書士や不動産会社から事前に必要書類を案内されるため、引き渡し日に手続きをスムーズに進められるよう準備しておきましょう。
登記済証(権利証)または登記識別情報通知
売主は、登記済証(権利証)または登記識別情報通知を準備します。どちらが交付されているかは、取得時期と、その不動産を管轄する登記所がオンライン指定を受けた時期によって異なります。
これらは登記名義人本人からの申請であることを確認する重要な情報です。紛失した場合も再発行はされませんが、事前通知制度や、司法書士等の資格者が作成する本人確認情報などの代替手段があります。
紛失に気付いた場合は、決済直前まで放置せず、早めに司法書士へ相談しましょう。
印鑑証明書
印鑑証明書は、登記申請時点で作成後3カ月以内のものを用意します。登記簿に記載された住所・氏名と印鑑証明書の住所・氏名が異なる場合は、先に住所・氏名の変更登記が必要です。
変更の経緯に応じて住民票、戸籍の附票、戸籍謄本などが必要になるため、司法書士の案内に従って準備しましょう。
評価証明書
登録免許税の計算に使う固定資産税評価額を確認するため、固定資産評価証明書などを準備します。固定資産税評価額をもとに税額を計算するため、登記費用の予算を考える際にも参考になります。
固定資産評価証明書は毎年4月1日に年度が切り替わります。評価額が必ず毎年変わるという意味ではありませんが、年度をまたいで決済・登記申請をする場合は、申請時点の年度の証明書が必要か司法書士へ確認してください。
抵当権の抹消書面
土地に抵当権が設定されている場合は、金融機関から交付される登記原因証明情報、委任状、登記識別情報または登記済証などを準備します。
ローンをすでに完済し、金融機関から抹消書類を受け取っている場合は、売却決済前に抵当権抹消登記を済ませることもできます。一方、ローン残債を売却代金で完済する場合は、決済日に所有権移転登記と併せて申請するのが一般的です。金融機関と司法書士に早めに連絡し、必要書類と当日の流れを確認しましょう。
登記申請に準備が必要な買主側の書類
土地を購入する買主も、所有権移転登記やローン手続きのために書類を用意します。必要書類は取引条件や金融機関によって異なるため、司法書士・金融機関の案内に従って準備しましょう。
住民票
買主の住所を証明するため、住民票の写しを用意します。所有権移転登記では、原則として申請時点の住所を証明する住民票を使用します。
購入した土地・建物へ転居する予定でも、実際の転居前に住民票を移すことを一律に求められるものではありません。登記する住所については、司法書士や金融機関へ確認してください。
抵当権設定のために必要な書面
土地購入にローンを利用する場合は、金融機関が指定する抵当権設定契約書・委任状などを準備します。書類に不備があると融資実行や登記申請に影響するため、事前に金融機関と司法書士の確認を受けましょう。
印鑑証明書
ローンを利用して抵当権を設定する場合は、実印と印鑑証明書を求められるのが一般的です。必要な有効期限や通数は金融機関によって異なるため、指定に従って準備しましょう。
土地の売却で行う登記にかかる費用
土地売却の登記費用には、登録免許税、司法書士報酬、証明書の取得費などがあります。誰が負担する費用か、どの価格をもとに計算するかを区別して、事前に見積もりを確認しましょう。
所有権移転登記の登録免許税
土地の売買による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の2.0%が本則です。ただし、2029年3月31日までに登記を受ける場合は1.5%に軽減されます。
登録免許税法上、登記を受ける者が複数いる場合は連帯して納付義務を負いますが、不動産売買の実務では、所有権移転登記の登録免許税・司法書士報酬は買主が負担するのが一般的です。最終的な負担は売買契約書で確認してください。
登録免許税は原則として現金で納付し、税額が3万円以下の場合などは収入印紙で納付できます。
抵当権抹消登記の登録免許税
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
土地1筆だけなら1,000円、土地1筆と建物1棟なら2,000円です。土地が複数筆に分かれている場合は、その個数分が加算されます。
司法書士報酬
登記申請を司法書士に依頼する場合は、登録免許税などの実費とは別に司法書士報酬がかかります。報酬は各事務所が自由に定めており、物件数や権利関係、本人確認情報作成の有無などで変わります。
日本司法書士会連合会の令和6年3月調査による全国平均は次のとおりです。
| 登記の種類 | 司法書士報酬の全国平均 | 主な負担者の目安 |
|---|---|---|
| 所有権移転登記(売買) | 56,678円 | 一般に買主 |
| 抵当権抹消登記 | 17,470円 | 抵当権がある場合は売主 |
| 住所変更登記 | 13,913円 | 変更が必要な場合は売主 |
書類の取得費
土地売却では、住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書などの取得費もかかります。司法書士に依頼する場合でも、自分で登記申請する場合でも、必要な証明書の実費は発生します。
証明書の手数料や郵送料は、交付元や取得方法によって異なります。必要書類の種類と通数を確認し、各自治体などの案内で費用を確認しましょう。
土地の売却による登記にかかる費用を節約する方法
登記費用を抑えるには、どの費用が税金で、どの費用が司法書士報酬なのかを分けて考えることが大切です。登録免許税は原則として定められた税額が必要ですが、司法書士報酬は依頼内容や事務所によって異なります。
自分で行う
登記申請は、所有者本人や売買の当事者が自分で行うこともできます。自分で申請すれば司法書士報酬はかかりませんが、登録免許税や証明書の取得費は必要です。
ただし、売却代金でローンを完済する取引では、決済日に融資実行・残代金受領・抵当権抹消登記・所有権移転登記を連動させます。買主や金融機関の権利も関わる売買決済では、司法書士に依頼するのが一般的です。
既に完済済みの抵当権抹消登記などを自分で申請したい場合は、法務局の申請様式や予約制の登記手続案内を利用し、自分の案件に必要な書類を確認しましょう。
報酬のリーズナブルな司法書士を選ぶ
司法書士報酬は事務所や依頼内容によって異なります。見積もりを比較するときは総額だけでなく、登記申請、登記原因証明情報の作成、証明書取得、本人確認情報作成など、含まれる業務の範囲を確認しましょう。
日本司法書士会連合会の全国調査でも、登記の種類によって司法書士報酬の平均額は異なります。前章の表を目安にしつつ、自分の土地の筆数や必要な登記を伝え、複数の事務所から同じ条件で見積もりを取ると比較しやすくなります。
登録免許税の減税措置を受ける
土地の売買による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の2.0%が本則ですが、2029年3月31日までに登記を受ける場合は1.5%に軽減されます。
この軽減措置は土地の売買による所有権移転登記が対象です。相続・贈与や建物の登記は原因・要件によって税率や特例が異なるため、混同しないようにしましょう。
所有権移転登記の費用は買主が負担するのが一般的ですが、最終的な負担は売買契約の合意によります。売主は、抵当権抹消登記や住所変更登記など、自分に必要な登記費用を司法書士の見積書で確認してください。
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不動産の登記には分かりにくい手続きが多いため、売却の進行は不動産会社、登記申請は司法書士に相談し、それぞれの専門分野でサポートを受けることが大切です。
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土地の売却時には忘れずに登記申請を行おう
土地の売却には、登記申請が必要です。自分で行うこともできますが、難しい手続きやさまざまな書類が必要なことから、不動産会社に相談して登記方法を決めることも大切です。そのため、不動産会社選びが重要といえるでしょう。
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