【土地の一部を売却する】分筆という方法と手順、注意点を解説

何世代にもわたる古い土地であったり、一部を畑として利用していた土地なんかには、今実際に利用していない部分があることはよくあります。

もちろんその部分にも税金は発生し続けるため、負債の温床と化しているのではないでしょうか。

そこで、「全部とは言わず、使わない一部の土地だけを売却したい」と考える方も多いでしょう。
実際そんな都合のいいことができるのでしょうか?

10秒でわかるこの記事の結論
  • 土地を一部だけ売却することは可能
  • そのためには『分筆』が必要
  • 土地家屋調査士に依頼し『分筆』を行い売却しよう
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土地は一部分でも売却できる?

結論から言うと、土地の一部を売却することは可能です。

ただし、同じ住所内の土地を一部だけ売却することは基本できません。

厳密にいえば、住所を変えずとも土地の所有権を分割し売却することは可能ですが、この方法は基本的に相続時など、親族間でのやり取りで用いられます。
物理的に土地を分割するわけではないので第三者への売買には向かないのです。

土地を一部だけ売却する際は、売りたい部分を明確にわけ、別の住所の土地として登録しなおさなければいけません。
そのために必要になるのが、次に解説する『分筆』です。

土地の一部売却に必要な『分筆』とは

土地には1つの建物しか建てられないのが原則ですが、土地を分割すれば新たに建物を建てることができます。
この場合は土地を分割しますが、登記の必要はありません。
そのため、登記上は1つの土地として扱われていることになり、住所も同じでままです。

一方、土地を売却する場合は、売却する部分が登記上別の土地として扱われていなければいけません。
分筆という手続きは、1つの土地を登記上2つの土地に分断する行為で、別れた一方の土地であれば自由に売却ができるようになります。

分筆を行うと、登記上別の土地になるので、住所も変わります。

分筆して売却活動を始める手順

土地の一部分を売却する場合は、通常の売却の流れとは少し異なり、土地面積や境界線を確認し分筆の手続きを進めるところから始めなければいけません。

この手続きの複雑な部分は土地家屋調査士に依頼し進めてもらうのが一般的です。

それでは分筆から売却活動を始めるまでの手順を確認していきましょう
なお分筆登記完了までは早くて1ヶ月。遅くて3ヶ月ほどが目安となります。

  1. 土地家屋調査士に依頼する
  2. 法務局や役所で調査
  3. 分筆案を作成する
  4. 現地調査・確定測量を行う
  5. 境界票を設置する
  6. 現地立合い
  7. 分筆登記を行う
  8. 不動産会社に査定を依頼し売却活動を開始

1.土地家屋調査士に依頼する

まずは土地家屋調査士に分筆の件を相談し、同時に依頼をしましょう。
これから行う手続きや作業には土地家屋調査士の存在が必要不可欠です。

ここで、先に不動産会社に相談をしておくのもおすすめです。
というのも土地を分筆する際どのような形に土地を分筆するかで土地の価値が変わります。
不動産会社なら、ターゲットや使用目的に合わせた分割方法をアドバイスしてもらえるので、高い価格で売却したい場合はこの方法を選びましょう。

不動産会社は土地家屋調査士ともつながっている場合が多く、そのまま紹介してもらえることもよくあります。

不動産会社への相談を先にする際は、先に『手順8』を進めてください。

2.法務局や役所で調査

土地は正確な大きさがわからなければ売却できません。そして、隣家との境界が曖昧だと売却後にトラブルになる可能性があります。
そのため、土地の売却時には初めに土地の正確な寸法や面積の確認を行います。

また、1つの土地だと思っていても、公図で確認すると2つに分かれて登記されていることもあります。

そのため、法務局や役所に出向いて、登記簿謄本や公図、地積測量図などから売却する土地について確認することが必要です。確定測量図があると正確な境界線や土地の大きさがわかるので、手間や時間、費用がはぶけます。

このようにして、土地の正確な情報を確認することが初めの作業です。

3.分筆案を作成する

どのように分筆していくかを決定するため『分筆案』を作成します。
土地家屋調査士と相談しながら作成していくのが一般的なため、作成方法に頭を悩ませる必要はありません。

4.現地調査・確定測量を行う

土地家屋調査士が、どのような作業が必要になるかの計画を立てるために現地調査を行います。
現地調査が終わったら、次に測量が行われます。

実際に登記を行っていくには現地の状況を的確に把握する必要があります。
例えば、正確な境界線の位置、面積や形状など。
測量はそのために行われます。

5.境界標を設置する

設置する箇所に適した方法で境界線の目印となるコンクリート杭、プラスチック杭、金属標、鋲などを打ち込みます。

6.現地立合い

土地の所有者、隣地の所有者、道路や水路などの管理者を含めた関係者が現地にて境界線の確認を行います。
市道や県道に面している土地では、役所の職員が立会う場合もあります。

7.分筆登記を行う

分筆登記の手続きも基本的に土地家屋調査士が行ってくれます。
そのため、登記手続きを任せるための委任状が必要になります。

土地か多く調査士に登記手続きを任せる場合は委任状以外に書類を用意する必要はありませんが、参考程度にまとめておきます。

分筆登記に必要な書類

  • 登記申請書
  • 筆界確認書(境界確認書、境界の同意書、境界の協定書)
  • 地積測量図
  • 現地案内図
  • 委任状

 

分筆登記の申請から約1週間で手続きが完了し、登記完了証登記識別情報通知書を受け取ることができます。
ここからは通常の売却手段が利用できます。

.不動産会社に査定を依頼し売却活動を始める

売却活動を始めるにあたって、まずは不動産会社からの査定を受ける必要があります。
査定価格から売り出し価格を決定し、実際に売却活動開始です。

ここで、査定額が不動産会社によって異なる点に注意しましょう。
査定には基準こそあれド、明確なルールはありません。
そのため不動産会社によって、百万円単位で査定額に差が出ることも大いにあります。

査定をする際は複数の会社に査定を依頼し、結果を比較検討していく必要があります。

その場合、一括査定サイトを利用すると効率的に優良企業と出会うことができます。

すまいステップは無料の一括査定サイトで、最大4社の厳選された不動産会社に査定を依頼することができます。
パソコンやスマホから土地の情報や住所などを入力するだけで依頼が完了するので、複雑な分筆手続きの合間に簡単に行うことができます。

分筆してから売却するのにはもってこいのサービスです。

土地の分筆に必要な費用

土地情報の書類集めにかかる費用

現在の土地情報を知るために登記簿謄本や測量図を発行する必要があります。
それらにかかる費用は以下通りです。

登記簿謄本書面請求600円
オンライン請求・送付500円
オンライン請求・窓口交付480円
地図等情報
(公図・測量図)
書面請求450円
オンライン請求・送付450円
オンライン請求・窓口交付430円

土地家屋調査士にかかる費用

分筆登記の申請自体はおよそ6万円が相場になります。

分筆登記には、境界線確定測量が必要なことがほとんどなので、さらに25万円程度がかかります。

そのため、土地家屋調査士に支払う費用はおよそ30万円~になることがほとんどです。

登記にかかる登録免許税

登記情報を変更した際は登録免許税が発生します。

この場合の登録免許税は、土地1つにつき1,000円です。
そのため、1つの土地を2つに分筆した場合は『1,000円×2=2,000円』がかかります。

分筆の際に注意すること

土地の一部を分ける場合には、その分け方に注意が必要です。分け方によっては、建物が建てられなかったり、宅地として活用しにくくなったりします。売却を予定しているのなら、不動産会社に相談しながら分筆を考えましょう。

接道義務に注意

土地に建物を建てるためには接道義務を満たす必要があり、幅4メートル以上の道路が2メートル以上土地と接していなければなりません。

土地を購入する人は建物を建てて活用する場合がほとんどなので、建物が建てられない土地は買主を見つけにくいのです。

接道の条件を満たしていない土地は、需要が少なく、同時に土地の価値も大きく下がります。

土地の分け方は売却するには最も重要なことですので、不動産会社に相談して決めるのがおすすめです。
最も高く売れる土地の分け方を提案してくれるでしょう。

前面道路が私道の場合は許可を得る必要がある

土地が接している道路は公道の場合もありますし、私道の場合もあります。公道に接しているなら問題なく使用できるのですが、私道に接している場合には売却前に注意すべきポイントがあります。

土地に家を建てて活用する場合、接している道路を使って出入りをおこないます。公道の場合には、自由に道路が使えますが、私道の場合には使用承諾が必要です。

使用承諾を得ていないと、急に道路が使えなくなったり、使用制限をしてきたりというトラブルが起きる可能性があります。

そのため、土地が私道に接している場合には、使用承諾を取ってからでないと売却が難しくなる場合があります。

個人では複数の土地を売りに出せない

広い土地を所有していて、宅地用の大きさに分割してまとめて売却したいと考える人がいるかもしれません。

しかし、個人が土地を売却する場合、複数の土地を同時に売却できません。

複数の土地をまとめて売却する場合、事業性ありと判断されます。また、同時でなくとも続けて売却をおこなうと、取引の継続性ありと判断され事業性があるとみなされます。

宅地建物取引業法では、事業性のある取引をおこなう場合には、国土交通大臣や都道府県知事からの免許の取得が必要です。

そのため、分筆をおこなうときにはこの点にも注意しましょう。

土地の分筆をする場合は建物の登記が必要

分筆をおこなうと、土地の地番が変わります。土地に建物がある場合、建物の所在地番も土地の地番に合わせているため、変更する必要があります。

この変更登記をおこなわないと、建物を売却するときに所在が確認できず、その確認のために手間や時間がかかります。

土地に建物がある場合には、分筆後に建物の所在の地番の変更登記が必要だと覚えておきましょう

記事のおさらい

土地は一部だけでも売却することができる?

可能です。その際は分筆という手続きで土地を分断する必要があります。詳しく知りたい方は土地は一部分でも売却できる?をご覧ください。

分筆ってなに?

分筆とは、一つの土地を登記上別々の土地に分断することです。土地の数を表す単位を『筆』といい、一つの土地なら「一筆」と表現します。分筆が土地を分ける行為だ言うことが文字からもわかりますね。詳しくは土地の一部売却に必要な『分筆』をご覧ください。

どうやって分筆を行えばいいの?

分筆を行う際は、まず土地家屋調査士(または不動産会社)に相談をしましょう。土地家屋調査士が分筆のための測量や、分筆手続きそのものを代行してくれます。詳しく知りたい方は分筆して売却活動を始める手順をご覧下さい。

分筆する時に気を付けることはある?

分筆の際に気を付けるべきことはいくつかありますが、何より接道義務に注意しましょう。多くの土地の利用者が建物を建てて活用していこうと考えていますが、接道義務を満たしていない土地は法律の影響で建物を建てることができません。つまり、接道義務を満たしていない土地は購入希望者を見つけることが非常に困難なのです。接道状況は土地の価値にも直接関係するので、分筆の際は不動産会社等と相談しながら慎重に進めていきましょう。詳しくは分筆の際に注意することをご覧ください。


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