「1000万円で土地を売却した場合にかかる税金はいくらなんだろう?」
せっかく土地を売っても、売却後に支払う税負担が大きければ手取り額が少なくなってしまいますよね。
本記事では、土地を1000万円で売却した場合にかかる税金の種類や、いくらかかるかについてわかりやすく解説しています。
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土地を1000万で売却したときにかかる税金は約200万円~約400万円
土地を1000万円で売却する場合にかかる税金の総額は約200万円~約400万円です。
簡単に土地売却でかかる税金の額を知りたい方は、不動産売却の税金シミュレーションで算出できます。
内訳と金額は、土地売却にかかる以下4種類の税金によって決まります。
▼1,000万円で土地を売却した場合にかかる税金の内訳
種類 | 売却価格が1,000万の場合の税額 |
---|---|
登録免許税 | 約2.8万円 |
印紙税 | 5,000円 |
所得税 | 約300万円(土地の保有期間が5年以上) または 約150万円(土地の保有期間が5年未満) |
住民税 | 約90万円(土地の保有期間が5年以上) または 約50万円(土地の保有期間が5年未満) |
登録免許税が約2.8万円
税額は『固定資産税評価額×0.4%』で算出されます。
印紙税が5000円
金額は売却価格に応じて異なり、1000万円で土地を売却した場合の印紙税額は5,000円となります。
所得税が約150万円または約300万円
所有期間が5年未満の場合の所得税率は約30%、5年以上の場合は約15%です。
なお、相続した土地の場合は所有期間を被相続人から引き継げるため、一般的には所有期間が5年以上の税率が適用されることが多いです。
住民税が約50万円または約90万円
住民税も所得税と同様に土地の売却益にかかる税金で、土地の所有期間によって税率が異なります。
住民税は所得税よりも税率が低く、所有期間が5年未満の場合の所得税率は約9%、5年以上の場合は約5%です。
詳しい計算方法は次章で解説しています。
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費用総額シミュレーターで売却にかかる費用を算出してみよう
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
1000万円で土地を売却する場合、所得税と住民税はどう計算する?
本章では、1000万円で土地を売却した場合の所得税と住民税の計算方法を、ステップにわけて解説します。
▼所得税と住民税の計算式
売却益(譲渡所得)- 控除額 × 税率
【STEP①】譲渡所得を計算
譲渡所得とは売却代金から費用を差し引いて計算をします。
譲渡所得で差し引かれる費用は「譲渡費用」と「取得費用」と呼ばれます。
譲渡所得
=売却代金(1000万円)ー譲渡費用ー取得費用
譲渡費用とは売却にかかった費用を指し、取得費用とは土地の入手にかかった費用のことを指します。内訳は次のようになります。
種類 | 概要 |
---|---|
譲渡費用 | 売却時にかかった仲介手数料や印紙税、解体費用や測量費などの総額。 |
取得費用 | 土地を購入した時に払った代金、仲介手数料、税金の総額。土地を相続した場合は相続税も対象となる。 取得費用が不明な場合は「概算取得費(売却代金×5%)」で代用して計算する。 |
【STEP②】特例によって控除できないか確認
譲渡所得は特例によって控除することが可能です。
以下は土地売却で利用できる特例の種類と控除額です。特別控除を利用すると、売却利益から控除額を差し引くことで節税できます。
▼土地売却で利用できる特別控除
相続した土地を売却する ⇒ 控除額3,000万円
(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)
相続税の納税者である ⇒ 控除額相続税額の一部
(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)
【STEP③】所有期間にあった税率をかける
譲渡所得にかけ合わせる税率は土地の所有期間によって変わります。
所得税と住民税の平均税率は、所有期間が5年以下であれば19.8%(約20%)、5年超えであれば10.15%(約10%)です。
所有期間5年以下 | 所有期間5年超え | |
---|---|---|
所得税率 | 30.6% | 15.3% |
住民税率 | 9% | 5% |
平均税率 | 19.8% | 10.15% |
例えば、親が10年所有した土地を相続したその年に売却したら、所有期間が10年の税率が適用されるよ!
相続した土地の売却にかかる税金はいくら?特別控除や基本的な節税対策を解説!
なお、所有期間は「土地を取得した日から売却した年の1月1日まで」の年数を計算します。
【例】2016年9月1日に取得した土地を2021年10月1日に売却した場合
「2016年9月1日から2021年1月1日まで」で所有期間を計算する
⇒所有期間は4年と4ヶ月になるため、短期譲渡所得で計上する
所有期間が10年以上なら、税率が更に下がる場合も
売却する土地が、「所有期間が10年以上(※)」かつ「家を建てて住んでいた土地」の場合、税率が更に下がります。
(※家屋を取り壊した日の属する年の1月1日時点で所有期間が10年を超える必要があります。)
課税対象となる譲渡所得金額の6,000万円までの部分に、軽減税率が適用できます。
この特例を、「所有期間が10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」といいます。
種類 | 6,000万円までの部分 | 6,000万円を超える部分 |
---|---|---|
所得税率 | 10.21% | 15.315% |
住民税率 | 4% | 5% |
土地を1000万円で売却した際に使える特別控除
前章で解説した通り、土地売却でかかる税金は特例によって控除できる可能性があります。
相続空き家の3,000万円特別控除
3,000万円特別控除は、譲渡所得から最大3,000万円分を控除できる特例です。
3,000万円特別控除を利用することで、譲渡所得が3,000万円未満であれば実質的に税金を非課税にできます。
▼特例を受けるための条件(一部)
- 被相続人の居住の用に供されていた家屋や土地であること
- 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
- 相続の開始があった日から3年を経過する日に属する年の12月31日までに売却すること
- 相続から売却までのあいだに、事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと
- 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
- 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
- 建物を取り壊している場合、相続から取り壊しまでのあいだに、事業の用、貸付の用または居住の用に供されていないこと
注意したいのは、昭和56年5月31日以前に建築された建物に限定されることと、相続から売却まで、居住用に利用されていない土地であるということです。
※詳しい内容は『No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』をご覧ください。
▼3,000万円特別控除を適用したときの譲渡所得の計算式
取得費加算の特例
「取得費加算の特例」とは、譲渡所得を計算する際の取得費に、土地にかかった相続税を加算することができる特例です。
取得費加算の特例を利用することで、譲渡所得から相続税額の一部を控除でき、譲渡所得税を減らすことができます。
▼特例を受けるための条件(一部)
- 相続や遺贈によって財産を取得した者であること
- その財産を取得した者に相続税が課税されていること
- 相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年を経過する日までに売却すること
ポイントは、相続税の納税者でなければ利用ができないということです。
相続税は約8%程度のひとしか納税義務がありません。つまり、ほとんどの人は取得費加算の特例を利用できないこととなっています。
また、利用するには「相続税の申告期限から3年を経過する日まで(=相続開始から3年10か月以内)に売却」する必要があります。
相続税の申告期限は相続開始(被相続人が死去した日)から10か月以内です。つまり、特例を利用するためには「相続開始から3年10か月以内」に土地を売却することになります。
※詳しい内容は『No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例』をご覧ください。
▼取得費加算の特例を適用したときの譲渡所得の計算式
=売却価格-取得費-譲渡費用-取得費に加算する相続税額
また、取得費に加算する相続税額は、以下の計算式で求めます。
=売却した土地の相続税課税価格 / 相続税全体の課税価格 × 納めた相続税額
その他の特例
上記以外のもうけられる特例をまとめました。当てはまりそうな特例は、詳しい適用要件をぜひチェックしましょう。
▼土地売却で利用できるその他の特例
住んでいた土地を売却した ⇒ 3,000万円特別控除
(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除)
【併用可能:取得費加算の特例または相続空き家の3,000万円控除】
平成21・22年に取得した土地を売却した ⇒ 1,000万円特別控除
(平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除)