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土地売却にかかる税金とは?節税対策も紹介

  • 更新日:2022年7月26日
蔭山達也
監修蔭山 達也
大学卒業後、大手不動産流通会社に入社。売買仲介をメインに実務経験を積む。その後、株式会社ノヴェルに入社。著書に「条件難物件でも低予算で満室になるおもてなしビル管理経営」がある。
【保有資格】宅地建物取引士、ビル経営管理士、CPM(米国不動産経営管理士)、賃貸不動産経営管理士
【URL】株式会社ノヴェルYouTubeチャンネル
土地売却にかかる税金とは?節税対策も紹介

不慣れな土地の売却では、どのような税金がいくらかかるのかイメージしづらく、不安を感じてしまいますよね。

土地の売却にかかる税金は「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得税」の大きくわけて3つにわけられます。

種類概要
印紙税土地の売買契約書の作成にかかる税金
登録免許税土地の登記情報の変更にかかる税金
譲渡所得税売却の利益にかかる。国に納める所得税
売却の利益にかかる。自治体に納める住民税

この記事では土地の売却にはどんな税金がかかるのか易しく解説していますので、一緒に確認していきましょう!

土地売却の流れと注意点

土地の売買契約の作成にかかる印紙税

印紙税とは、お金のやり取りをする契約書や領収書を作成する際に課される税金です。

土地の売却の場合は、売買契約書を作成する際に課税されます。印紙税は契約書1通ごとの課税され、収入印紙を売買契約書に張り付けて納税します。

印紙税の金額は、契約金額(土地の売却価格)に応じて異なります。
平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間は軽減税率が適用されるため、一番右の欄の税額をご参照ください。

契約金額(土地の売却価格)本来の税率の税額軽減税率の税額
10万円を超え
50万以下
400円200円
50万円を超え
100万円以下
1,000円500円
100万円を超え
500万円以下
2,000円1,000円
500万円を超え
1,000万円以下
1万円5,000円
1,000万円を超え
5,000万円以下
2万円1万円
5,000万円を超え
1億円以下
6万円3万円
1億円を超え
5億円以下
10万円6万円

(参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」より、一部抜粋して作成)

土地の登記情報の変更にかかる登録免許税

登録免許税とは、法務局で登記」を申請する際にかかる税金です。
「登記」とは不動産所有者の情報を登記簿に登録する手続きのことで、次の3つの種類があります。

  1. 名義変更登記
  2. 住所変更登記
  3. 抵当権抹消登記

「名義変更登記」とは、不動産の所有者を売主本人へ変更する場合に行います。不動産は土地の名義が売主本人でなければ売却できません。よって、不動産の名義が売主本人でない場合は、名義を売主へ変更をする必要があります。

「住所変更登記」とは、不動産の名義人の現住所が登記上の住所と異なる場合に実施する登記です。売却のためには登記上の住所と現住所は一致している必要があるので、住所変更のために登記を行う必要があります。

抵当権抹消登記」とは、不動産に設定されていた抵当権を抹消するための登記です。住宅ローン完済後でも抵当権がついたままになっている場合、売却前に抵当権を消去する手続きを取らなければなりません。ただし、住宅ローン完済後に抵当権抹消登記をしないまま建物を取り壊した場合、忘れずに滅失登記を行っていれば、自動的に抵当権は消去されています。

土地売却の利益にかかる所得税と住民税

土地を売却して利益が発生した場合、「所得税」と「住民税」とよばれる税金がかかります。

いずれも所得に応じて納める税金となりますが、納税先と納税時期が異なります。所得税は売却した翌年の2月~3月に国に納税住民税は売却した翌年の6月に自治体に納税となっています。

分類納税時期納税先
所得税売却した翌年の2月~3月
住民税売却した翌年の6月自治体

所得税と住民税が課税される仕組み

所得税と住民税は「分離課税」と呼ばれる方法によって課税されます。

分離課税とは、他の所得金額と合計せずに、所得単体で税額を分離して課税する仕組みのことです。会社員や個人事業主は給与や収入などの所得を得ていますが、こうした所得と合算せずに、不動産売却で得た所得のみを課税対象とするのが「分離課税」の特徴です。

一方、「分離課税」と相反する仕組みとして、総合課税というものがあります。「総合課税」とは複数の所得を合算したものが課税対象となります。例えば、給与所得が300万、事業所得が50万、利子所得が10万の場合、合計した360万が総合課税の対象となります。

すまリス
分離課税とは、他の所得と合算せずに、売却で出た所得にだけ課税される税金なんだね!

譲渡所得税の計算式

不動産の売却によって得た利益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税と住民税は総称して「譲渡所得税」と呼ばれます。

譲渡所得税は「譲渡所得×税率」で計算できます。

【譲渡所得税の計算式】
①譲渡所得×②税率

「譲渡所得」と「税率」はどう決まるのか、以降で解説していきます。

①「譲渡所得」は売却代金から費用を差し引いて計算

譲渡所得とは売却代金から費用を差し引いて計算をします。
譲渡所得で差し引かれる費用は「譲渡費用」と「取得費用」と呼ばれます。

【譲渡所得の計算式】
譲渡所得=売却代金ー譲渡費用ー取得費用

譲渡費用とは売却にかかった費用を指し、取得費用とは土地の入手にかかった費用のことを指します。内訳は次のようになります。

種類概要
譲渡費用売却時にかかった仲介手数料や印紙税、解体費用や測量費などの総額。
取得費用土地を購入した時に払った代金、仲介手数料、税金の総額。土地を相続した場合は相続税も対象となる。
すまリス
譲渡所得から譲渡費用と取得費を指し引いた金額がゼロ以下になる場合、所得税も住民税も支払わなくてよくなるよ!

>土地売却の費用に関する詳細はこちら

②「税率」は所有期間によって決まる

譲渡所得にかけ合わせる税率は土地の所有期間によって変わります所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」5年を超えると「長期譲渡所得」に分類され、税率が異なります。

短期譲渡所得
(所有期間5年以下)
長期譲渡所得
(所有期間5年超)
所得税率30.63%15.315%
住民税率9%5%
※所得税率には、復興特別所得税として所得税額の2.1%相当が上乗せされています(2037年(令和19年)12月31日まで)
すまリス
所有期間が5年を超える前と後で、税率は約半分になってるね。

なお、所有期間は「土地を取得した日から売却した年の1月1日まで」の年数を計算します

【例】2016年9月1日に取得した土地を2021年10月1日に売却した場合
「2016年9月1日から2021年1月1日まで」で所有期間を計算する
所有期間は4年と4ヶ月になるため、短期譲渡所得で計上する

所有期間が10年以上なら、税率が更に下がる場合も

売却する土地が、「所有期間が10年以上(※)」かつ「家を建てて住んでいた土地」の場合、税率が更に下がります
(※家屋を取り壊した日の属する年の1月1日時点で所有期間が10年を超える必要があります。)

課税対象となる譲渡所得金額の6,000万円までの部分に、軽減税率が適用できます。
この特例を、「所有期間が10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」といいます。

6,000万円までの部分6,000万円を超える部分
所得税率10.21%15.315%
住民税率4%5%
※所得税率には、復興特別所得税として所得税額の2.1%相当が上乗せされています(2037年(令和19年)12月31日まで)

譲渡所得税を軽減できる特例控除

土地を売却した状況によって、譲渡所得の「控除」を受けられる特例を適用できます。特例を受ける場合、譲渡所得から控除金額が差し引かれ、課税金額が減額されます。

【譲渡所得税の計算方法】
譲渡所得税
=(譲渡所得-控除額)×税率
=(売却代金-譲渡費用-取得費用-控除額)×税率

譲渡所得から控除額を差し引いた金額がゼロ以下になる場合は、全額控除になり、所得税も住民税も支払わなくてよくなります

以下に控除を受けられる特例をまとめました。当てはまりそうな特例は、詳しい適用要件をぜひチェックしましょう。

住んでいた土地を売却した 3,000万円特例控除
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特例控除

被相続人が生前住んでいた家を相続して、売却した 3,000万円特例控除
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特例控除

5年を超えて所有している、利用されていない土地を売却した 100万円特例控除
低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特例控除

平成21・22年に取得した土地を売却した 1,000万円特例控除
平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特例控除

公共事業などのために売却した 5,000万円特例控除
収用等により土地建物を売ったときの特例

特定区画整理事業などのために売却した 2,000万円特例控除

特定住宅地造成事業などのために売却した 1,500万円特例控除

農地保有の合理化などのために売却した 800万円特例控除

(参考:国税庁ホームページ)

控除の特例について、より詳しい内容や適用の要件については以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方はご参照ください。

譲渡所得税の計算例

所有期間が8年3,600万円で売れた土地で、譲渡費用が200万円取得費が3,000万円だった場合の、所得税と住民税の金額を計算してみましょう。

特例控除が適用できない場合

譲渡所得
=3,600万円-200万円-3,000万円
=400万円

所得税
譲渡所得×長期譲渡所得税率
=400万円×15.315%
=61万2600円

住民税
譲渡所得×長期譲渡所得税率
=400万円×5%
=20万円

譲渡所得税
=所得税+住民税
=61万2600円+20万
81万2600円

つまり、「400万円の所得に対して、合計81万2600円を譲渡所得税として支払う」ということがわかりました。

特例控除を適用する場合

上と同じ例で3000万円特例控除を適用する場合、計算式は次のようになります。

譲渡所得
=3,600万円-200万円-3,000万円
=400万円

所得税
=(譲渡所得-控除額×長期譲渡所得税率
=(400万円 -3000万)×15.315%
=0円

住民税
=(譲渡所得-控除額×長期譲渡所得税率
=(400万円-3000万)×5%
=0円

譲渡所得税
=所得税+住民税
=0円+0円
=0円

3000万円特例控除を利用できる場合、控除によって課税金額はゼロになることがわかりました。

すまリス
3000万円特例控除を利用すると譲渡所得税は非課税になる場合が多いから、積極的に活用していこう!

売却した翌年3月~4月に確定申告を行う

譲渡所得が発生した場合、税金が発生するしないにかかわらず、確定申告を行いましょう。

確定申告は売却した翌年の3月~4月に行います。「対象となる年に給与や事業所得とは別でいくらの所得を得た」ということを申請するために行います。よって、譲渡所得が発生していれば税金がかからなくても申告します。

ただし、譲渡所得が発生しない場合は申告の必要はありません。

相続した土地を売却すると税金はどうなる?

この記事を読んでいる人の中には、相続した土地の売却を考えている方も少なくないのではないでしょうか。
本章では、『相続した土地を売却する場合の税金の計算方法はどうなるのか』について、解説していきます。

取得費・所有期間は被相続人から引き継ぐ

相続した土地を売却する場合は、税金の計算に用いる取得費と所有期間について、被相続人から引き継いで計算を行えます

▼相続した土地の譲渡所得の求め方

譲渡所得 = 譲渡価格-被相続人が支払った取得費-譲渡費用

例えば、父が2,000万円で買った土地を息子が相続後に売却した場合、息子は父が支払った2,000万円を取得費として計算できます。

▼相続した土地の譲渡所得税の求め方

譲渡所得税 = 譲渡所得×【被相続人が所有していた期間を含めた所有期間に応じた税率】

例えば、父が4年前に購入した土地を息子が相続した場合、父が土地を所有していた4年間を息子は所有期間として引き継ぎます。
息子が相続してから3年で土地を売却する場合、所有期間は7年とみなされます。長期譲渡所得として計算されるため、税率が低くなります。

土地の所有期間

取得費がわからない場合は「譲渡価格の5%」で計算する

相続した土地の場合、取得費がわからないケースがとても多いです。

すまリス
先祖代々の土地だから、土地を購入した金額がいくらだったかなんて記録が残ってないよ!
土地の購入価格を証明できる書類がない場合は、【譲渡価格の5%】を概算取得費として計算できます。
費用のわかる書類があるのであれば、そちらで計算した方が支払う税金が少なくなりますが、取得費がわからない場合は概算取得費を利用しましょう。

取得費加算の特例で節税できる場合もある

土地の相続税を支払っている場合、その金額分を取得費に加算できます

この特例を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 相続や遺贈により土地を取得した者であること
  • その土地の相続税を納めていること
  • 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年10ヶ月以内に譲渡すること
課税の対象となる譲渡所得を減額できるため節税になります。
ただし次章で紹介している相続空き家の3,000万円特例控除(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特例控除)」とは併用できません。特例控除も適用可能な場合には、課税額を計算して有利な方を選択する必要があります。
また、特例を利用するには、取得費加算によって譲渡所得がゼロになった場合でも確定申告が必要なので、きちんと申告を行いましょう。

土地売却にかかる税金を知ることで資金計画がたてやすくなる!

この記事では土地の売却にどんな税金がいくらかかるのか解説しました。
土地売却にかかる税金の内訳や金額を知ることで、売却ではどんなお金が動くのかイメージしやすくなったのではないでしょうか?「もっと具体的に税金がいくらかかるか自分で計算したい!」という方には、以下の記事で更に多くの具体例で税金の計算方法を解説しています。
またそれぞれの税金をいつ支払うのか、支払い時期についても解説していますので、興味がある方は参考にされてください。
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