- この記事のポイント
- 土地の売却にかかる税金は「売却価格」と「譲渡所得」によって総額が変わる
- 土地の売却には「所得税」「住民税」「印紙税」「登録免許税」がかかる
- 控除を活用して土地売却時の税金を抑えられる可能性がある
「土地を売却したらどんな税金がいくらぐらいかかるんだろう?」
「土地を売っても税金でほとんどお金が手元に残らなかったらどうしよう…」
このような疑問や不安を抱えている方は、是非この記事をご参考にしてください!
土地を売却したら税金はいくらかかる?
「所有している土地を売却したら、いくらぐらい税金がかかるんだろう…?」と疑問に思われている方は多いのではないでしょうか。
かかる税金 | 支払いタイミング | 金額の目安 |
---|---|---|
所得税 | 売却後、所得に応じて支払う | 所得金額の15.315%または30.63% |
住民税 | 売却後、所得に応じて支払う | 所得金額の5%または9% |
印紙税 | 売買契約時に支払う | 1,000円~数万円程度 |
登録免許税 | 不動産登記時に支払う | 1件1,000円 |
土地の売却予想価格がわかると、より具体的に税金額をシミュレーションできるようになります。
以下の費用シミュレーターを使って、あなたの不動産を売ったときにかかる費用を算出してみましょう!
「売却価格」「購入価格」「物件の所有期間」「現在住宅として住んでいるか」をそれぞれ入力し、「費用を算出する」ボタンを押すと、売却時にかかる費用が自動で算出されます。
※購入価格が分からない場合は空欄で大丈夫です。
費用の内訳も表示されますので、まずはどんな費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
土地を売るにあたって、予めご自身の土地の売却相場を知っておきたい方は、不動産一括査定を受けてみましょう。複数の不動産会社の査定額を比較することで、土地の売却予想価格を見定めやすくなります。
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ご自身の土地を売った時にかかる税金を大まかに知りたい方は、以下のページの「不動産売却税金シミュレーター」もご利用してみてください。
土地売却にかかる税金①所得税と住民税
所得税と住民税は、土地売却時の所得(譲渡所得)に応じて支払う税金です。
土地の売却で譲渡所得が発生した場合は、売却した翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行い、所得税を国に納付します。なお、所得税には令和19年12月31日まで、所得税額2.1%分の復興特別所得税が上乗せされて課税されます。
また、住民税は自治体から6月以降に送付される納税通知書に従って納付します。ただし、確定申告時に特別徴収での納付を希望した給与所得者は、給与からの源泉徴収で納付します。
- 所得税:売却した翌年の2/16~3/15に確定申告した後、支払う。
- 復興特別所得税:所得税と一緒に納める。
- 住民税:売却した翌年6月以降に4回に分割して支払うか、一括で支払う(普通徴収の場合)
譲渡所得の計算方法
譲渡所得税の課税の有無や、課税額を知るためには、まずは譲渡所得を計算する必要があります。
譲渡所得は、以下の計算式で求められます。
譲渡費用 | 取得費 |
---|---|
など |
など |
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、譲渡所得に「土地の所有期間に応じた税率」をかけ合わせて金額を計算します。
税率 | 所有期間が5年以下 (短期譲渡所得) | 所有期間が5年超 (長期譲渡所得) |
---|---|---|
所得税率 | 30% | 15% |
復興特別所得税率 | 0.63%(※) | 0.315%(※) |
住民税率 | 9% | 5% |
合計税率 | 39.63% | 20.315% |
土地の所有期間は「土地の取得日から売却した年の1月1日時点まで」を数えます。
たとえば、2018年3月に購入した土地を2023年5月に売却した場合、実際の所有期間は5年2ヶ月です。
しかし、譲渡所得を申告する上では、上記ケースの土地の所有期間は「2018年3月から2023年1月1日まで」として扱われます。そのため、土地の所有期間は「4年10ヶ月」となり、税率は「39.63%」が適用されます。
譲渡所得税額は、売却価格によって変動します。土地を売却した場合の予想金額を知りたい方は、まずは不動産会社の査定を受けましょう。
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土地売却にかかる税金②印紙税
印紙税は、売主と買主の間で売買契約を結び、売買契約書に捺印する時に課される税金です。
売買契約書の書面に収入印紙を貼り付けることで納付します。
印紙税額は、売買契約書に記載された契約金額(土地の売却価格)に応じて決まります。
契約書記載の金額 | 本則税率下の税額 | 軽減税率下の税額 |
---|---|---|
10万円以下 | 200円 | 200円 |
10万円を超え 50万以下 | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
(国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」を参考にすまいステップ編集部が一部抜粋して表を作成)
土地売却にかかる税金③登録免許税
「登録免許税」は、不動産登記をする時に課せられる税金です。
不動産登記とは、不動産の権利関係の変更を法務局に申請して登録することです。
- 抵当権抹消登記
不動産1件につき1,000円の登録免許税がかかる(土地に家屋等が残っている場合には土地・建物それぞれ1,000円ずつ、合計2,000円支払う。)
登記されている権利者の情報が最新のものに更新されていない場合には、他にも以下のような登記をおこないます。
登記の種類 | 概要 | 登録免許税額 |
---|---|---|
住所変更登記 | 登記簿上の所有者の住所と、売主の現住所が異なる場合に必要な手続き。 | 不動産1件につき1,000円 |
相続登記 | 登記簿上の土地の所有者を被相続人から相続人に変更する手続き。 | 不動産の評価額×0.4% |
なお、登記の手続きを司法書士に代行してもらう場合には、登録免許税とは別に司法書士への報酬がかかります。
相続した土地を売却した時の税金の計算はどうなる?
記事を読んでいる方の中には、「売却するのは相続した土地だから、自分では購入していない…」という人も多いのではないでしょうか?
この章では、税金額が高くなりすぎてしまわないか不安な方に向けて、相続した土地を売却する場合の税金の計算方法を解説していきます。
被相続人の取得費を引き継ぐ
相続した土地の取得費は、被相続人が購入時に支払った費用を引き継げます。
当時の売買契約書や領収書が保管されていて土地の購入費用等がわかる場合は、金額を確認して取得費として申告しましょう。
取得費がわからない場合は「売却価格の5%」を代用する
昔の売買契約書や領収書が失われてしまっていたり、先祖代々受け継いできた土地であるなどして取得費がわからない場合には、「売却価格の5%」相当の金額を「概算取得費」として計算に適用できます。
=売却価格-(譲渡費用+売却価格×5%)
土地にかかった相続税を取得費に加算できる
売却する土地について、相続時に相続税を支払っている場合は、土地の相続税に相当する金額を取得費に加算できます。
これを「取得費加算の特例」といいます。
なお、取得費がわからず概算取得費を適用する場合も、概算取得費に更に相続税額を加算できます。
取得費の金額を大きくすることで譲渡所得の金額を抑えて節税につなげられるため、相続税を支払っている場合は活用しましょう。
所有期間も被相続人から引き継ぐ
土地の所有期間に関しても、被相続人から引き継げます。
たとえ、相続人本人の土地の所有期間が3年間であったとしても、被相続人が4年間所有していた土地であれば、売却時の所有期間は「7年間」として申告できます。
土地の所有期間が5年以下と5年超では、税率が2倍近く異なります。
土地売却にかかる税金の負担を抑える方法
せっかく土地を手放して売却しても、税金がかさんで手元に残るお金が少なくなってしまっては、あまり報われませんよね。
そこで、この章では土地売却にかかる税金の負担を抑える方法をご紹介します。
大切な財産を活かすためにも、是非ご参考にしてください。
控除や特例を利用して節税する
土地売却にかかる税金のうち、譲渡所得税(所得税と住民税)は、条件を満たしていれば特別控除や税率の軽減措置を受けられる特例が複数設けられています。
【例】
自分が住んでいた家(土地)を売却した時に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例。
特定の要件を満たしている場合、相続した空き家(あるいは空き家を取り壊した土地)を売却した譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例。適用には、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却している必要がある。
都市計画域内にある、活用されていない土地を500万円以下で売却した場合、譲渡所得から最大100万円まで控除できる特例。
不動産売却における特別控除は譲渡所得金額から一定の控除額を差し引くため、適用を受けられれば大幅に節税できます。
適用のための要件は細かく設定されている上、確定申告時に書類を準備して申請しなければなりませんが、税金の負担を大きく減らすことができるため、土地売却時には必ず適用申請できる特例がないか確認しておきましょう。
土地を売却した時に適用できる可能性のある控除や特例は、以下の記事にて紹介・解説しています。
抵当権抹消登記を自分で行う
過去に、売却する土地や建物を担保にして融資を受けていた場合、所定の手続きを行っていなければ「抵当権」の設定が不動産に残ったままになっています。
抵当権の抹消は、土地の売却時に所有権の変更と合わせて司法書士に依頼できますが、司法書士に依頼すると登録免許税のほかに報酬として1万5,000円程度かかります。
しかし、既にローンの返済が終わっている場合、抵当権は抜け殻として残っているだけの状態ですので、ご自身で書類を用意して抵当権抹消登記の手続きをすることも可能です。
自分で抵当権を抹消するのであれば、多少の手間はかかるものの、登記事項証明書の取得費用に数百円、登録免許税に1,000円しかかからないため出費を抑えられます。
できる限り土地を高く売却する
土地を売却した後に手元に残るお金は、支払う税金を抑えるだけでなく、土地を高く売却することでも増やせます。
ただし、土地を高く売りたいと思った時に、ただ高い値段で売りに出すだけでは思うように買主が見つかりません。
土地をできる限り高く売るためには、売りたい土地のあるエリアで、土地売買の実績が豊富な不動産会社に土地売却の仲介を依頼しましょう。
以下のフォームから簡単な情報を入力するだけで、相続した遠方の土地であっても、お家に居ながら無料で「地元に密着した売却力の高い不動産会社」に査定を申し込めます。
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まとめ:土地売却時の税金を事前に調べた上で売却に臨もう
この記事では、土地売却にかかる税金について、どんな税金がいくらぐらいかかるか、かかる税金の負担を軽くする方法はないかといった内容を解説してきました。
土地売却にかかる税金で高額になりやすいのは譲渡所得税(所得税と住民税)ですが、税額は売却益に応じて決まるため、収入額を大きく上回る税金がかかるということはありません。
しかしながら、土地を売却して得た代金を資金に活用したい方は多くいらっしゃるでしょう。
手元に残るお金を事前に把握しておきたい方は、不動産会社の査定を受けて、査定額から売却後の税金額をシミュレーションしておくと安心でしょう。
また、手取り額を多く確保するためには、土地をできる限り高く売却することを目指すという手段があります。