【土地売却の税金と節税対策】計算方法や相続した土地の注意点

土地のような高額なものを売却する際は、より多くの税金が発生します。
これらはどれくらい発生して、いつ支払わなければいけないのでしょう…?

実際に土地を売却しておく前にある程度把握しておくと、安心して売却活動を行えますね!

そこで、この記事では以下の内容を解説していきます。

  • 土地売却にかかる税金と発生のタイミング
  • 土地売却時に利用できる特別控除(節税対策)
監修蔭山 達也
大学卒業後、大手不動産流通会社に入社。売買仲介をメインに実務経験を積む。その後、株式会社ノヴェルに入社。著書に「条件難物件でも低予算で満室になるおもてなしビル管理経営」がある。
【保有資格】宅地建物取引士、ビル経営管理士、CPM(米国不動産経営管理士)
【URL】株式会社ノヴェルYouTubeチャンネル

土地売却にかかる税金

土地を売却した際に発生する税金は印紙税、所得税と住民税の3つです。
所得税と住民税はまとめて譲渡所得税と呼び、その税率は物件の所有期間が5年以下(短期譲渡所得)であれば39.63%。所有期間が5年超え(長期譲渡所得)であれば税率20.315%になります。

支払う時期税金の種類税金の解説
売却前印紙税売買契約時に貼り付ける収入印紙への税
売却後所得税
(復興特別税を含む)
売却時に利益が発生した際に支払う税
(これらをまとめて譲渡所得税とも呼ぶ)
住民税

印紙税は必ず発生しますが、譲渡所得税は売却によって利益がでた場合にのみ発生します。

税金の発生するタイミングを表で見てみましょう。

順番に解説していきます。

印紙税

印紙税とは、契約書や領収書などに化せられる税金です。
不動産売買の場合は、売買契約書に記載された売却価格に応じて税率が決定します。

納税のタイミング

適切な額の収入印紙を購入し、売買契約書に貼付し納税します。
売買契約書を作成する前に郵便局等で印紙を入手しましょう。

印紙税の金額は、不動産の売買金額(売買契約書の記載金額)によって定められています。
(納税額=収入印紙の購入費用)

記載金額税額
100万円超500万円以下1,000円
500万円超1000万円以下5,000円
1000万円超5000万円以下10,000円
5000万円超1億円以下30,000円
1億円超5億円以下60,000円

印紙税を納めないと、印紙税の3倍の過怠税が課されるので注意しましょう。

譲渡所得税(所得税・復興特別税・住民税)

売却後に発生する所得税(復興特別税を含む)と住民税は、合わせて計算するのが一般的で、これら二つまとめて譲渡所得税と呼びます。

不動産売却による所得は分離課税となるため、個人で確定申告をして納税する必要があります。

さらに譲渡所得税は、物件の所有期間5年を境に税率が異なるので注意が必要です。

所有期間名称税率
5年以下短期譲渡所得39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別税0.63%)
5年越え長期譲渡所得20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別税0.315%)

譲渡所得税は売却益に対して発生する税金です。
ですので、利益が発生した時にのみ確定申告を行い納税します。

売却価格から購入時にかかった費用(取得費)と売却時にかかった費用(譲渡費)を差し引いて計算します。

例えば、3,000万円で売れた土地の取得費が2,000万円、譲渡費が200万円として計算してみましょう。所有期間は6年とします。

 (3,000万円ー2,000万円ー200万)×20.315%=162万5,200円
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納税のタイミング

所得税

譲渡所得税のうち所得税は確定申告と同時、又は確定申告期間内に納税します。
2013年1月1日から2037年12月31日までの間、所得税率に2.1%上乗せされる形で復興特別税が課税されます。
東日本大震災の復興資金確保のために課される税金です。
(先ほどの計算には復興特別税も含まれています)

住民税

譲渡所得税のうち住民税は、地方自治体による教育や行政サービスの資金のために発生する税金で、確定申告後の6月ごろから支払いが開始します。

住んでいる地域と収入によってその金額は異なり、前年の所得にたいして翌年の納税額が決定される仕組みとなっています。

土地売却で使える控除

土地売却にかかる税金は「控除」を上手に使うことで節税できます。

つまり、土地売却を行う前に、税金や控除に対する基礎的な理解を身につけておくことが重要です。

この章では、土地を売却する際によく使われる3つ控除について見ていきましょう。

  • 相続空き家の3000万円特別控除
  • 取得費加算の特例
  • マイホームを売却した場合の3000万円特別控除

相続空き家の3000万円特別控除

相続して、今は誰も住んでいない空き家を売却する際には、譲渡所得を3000万円特別控除することができます。

例えば、譲渡所得が5000万円として土地を売却した際に3000万円特別控除を使うと、課税の対象となるのは2000万円のみになります。

課税対象となる譲渡所得額
譲渡所得3000万円(控除分)
=5000万円 – 3000万円
2000万円
すまリス
相続税に換算すると…約600万円も節税できるのか!

また、譲渡所得が3000万円以下の場合は、譲渡所得税がかかりません

取得費加算の特例を利用するには、以下の条件ようなを満たす必要があります。

  • 相続を行ってから3年を経過する年の12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築されていること
  • 区分所有建物登記がされている建物でない(マンションでない)
  • 亡くなった方以外に居住をしていた人がいない

詳しくは、国税庁の「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」をご覧ください。

また「相続空き家の3000万円特別控除」は、他の控除と併用ができない点には注意が必要です。
相続額や土地の売却価格が高い場合は、「取得費加算の特例」のほうが節税効果が大きくなるかもしれません。

取得費加算の特例

取得費加算の特例とは、譲渡所得から相続税の納税額の一部を控除できる特例のことです。

土地を相続してから3年10カ月以内に売却を行うことなどが適用の条件です。

例えば、1億8000万円で売却した土地を相続するのに、3500万円の相続税がかかったとします。

この場合、譲渡所得税の課税対象となるのは1億2500万円です。

課税対象となる譲渡所得額
譲渡所得相続税額の一部(土地の相続税額に相当する金額)
=1億8000万円 – 3500万円
=1億2500万円

※この土地以外の財産を相続しなかったとして計算

すまリス
相続税に換算すると、700万円も節税できるのか!

さらに、取得費加算の特例他の控除や特例との併用ができます。

例えば相続した家に住んでいる場合は、取得費加算の特例に加えて後述する「マイホームを売却した場合の3000万円特別控除」も利用することができます。

マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除

マイホーム、つまり主な居住用に使っていた不動産の売却には3,000万円の特別控除が適用できます。

これは、譲渡所得税が課税される売却益(譲渡所得)の3,000万円分を非課税にできる特例です。

マイホーム(居住用財産)であることが前提で、土地だけのような建物が建っていない場合は通常適用されません。

土地のみの売却でも適用されるパターン

ただし、条件を満たしていれば土地のみの売却でも適用されます。
そのパターンは以下の4通りです。

  1. 家屋が災害により滅失し土地だけを譲渡
  2. 居住用財産の家屋を取り壊してから譲渡
  3. 譲渡契約後に居住用の家屋を取り壊して譲渡
  4. 相続した居住用の家屋を取り壊して譲渡

取り壊し後1年以内、又は取り壊し後3年後の12月31日以内に売却する必要があったりと、期間に制限があるため、該当する場合は一刻も早く売却を開始する必要があります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

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相続した土地売却の税金について

この記事を読んでいる人の中には、相続した土地を売却したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

相続税」と「土地の売却にかかる税金」の2つの税金が発生するため、相続した土地を売却する際の税金は複雑になることもあります。

この章では、相続した土地を売却する際の、税金にまつわる注意点を紹介します。

相続税とは別に、売却にかかる税金の確定申告と納税が必要

相続した土地を売却した場合、相続税とは別に、確定申告と税金の支払いが必要です。

また、相続税と売却にかかる税金の支払い時期が別である場合も。

例えば、以下のようなスケジュールです。

時期内容
2021年1月1日被相続人が亡くなる
2021年10月10日相続税申告と納付の期限
2021年11月1日土地を売却する(印紙税の納付)
2022年2月16日~3月15日譲渡所得税所得税住民税)の申告時期
2022年2月16日~3月15日所得税納付時期
2022年6月ごろ住民税納付時期

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなってから10カ月以内です。原則として、申告と同時期に相続税の納付も行います。

一方、土地売却にかかる税金のうち「譲渡所得税」は、土地を売却した年の翌年2月16日~3月15日に申告をします。

住民税」は申告時にする支払うわけではなく、同じ年の6月頃に自治体から納付書が届いてから支払います。

また譲渡所得税は、控除を受けるためには必ず確定申告が必要です。

譲渡所得税の支払い額が0でも申告が必要であるため、忘れずに申告するようにしましょう。

取得費が分からない場合は「売却額の5%」として計算する

土地を手に入れる時にかかった金額は、「取得費」として課税金額から差し引くことができることを学びました。

相続した土地を売却する場合、被相続人が土地を取得するのにかかった費用も差し引くことができます。

例えば父が2000万円で買った土地を、父の死後に息子が譲渡所得が3500万円の土地を息子が売却したとします。この場合、息子は2000万円を取得費として差し引くことができます。

すまリス
先祖代々の土地だから、土地を買う時いくらだったかなんて覚えていないよ!
土地の購入費用が分からない場合は、売却代金額の5%を取得費として計算します。
購入費用を覚えていれば、そちらの方が控除額が大きくなり支払う税金が少なくなりますが、もし分からない場合は利用してみましょう。

「相続前の所有期間」も所有期間に含める

土地の所有期間によって税率が異なることを学びました。

すまリス
土地を相続してからまだ5年未満。税率は高くなっちゃうのか…。
いいえ、土地の「所有期間」には被相続人が所有している期間を含めることができます。
土地の所有期間
例えば、父が4年前に購入した土地を息子が相続したとします。その場合、父が土地を所有していた20年を所有期間と息子は引き継ぐことができます。
相続してから3年で息子が土地を売却する際の所有期間は7年であるため、長期譲渡所得(5年以上土地を所有している場合の税率)として低くなります。

まとめ

土地を売却した際は『印紙税』と『譲渡所得税(所得税・住民税)』がかかります。

譲渡所得税は自己申告しの納税をしなければいけません。
売却した次の年の2月16日~3月15日(休日や祝日の関係で前後する可能性あり)の間に確定申告を行いましょう。

申告の義務は売却によって20万円以上の利益が出た場合に限られますが、売却益がなく逆に損失になってしまった場合も繰り越し控除が受けられるのでできるだけ確定申告を行うようにしましょう。

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土地の売却方法を知りたい方は下の記事をご覧ください。

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土地売却の流れと注意点

 

記事のおさらい

土地売却で発生する税金の種類は?

売却で発生する税金には以下の種類があります。

  1. 印紙税
  2. 登録免許税
  3. 消費税
  4. 取得税
  5. 住民税
  6. 復興特別税

詳しく知りたい方は土地売却で発生する税金をご覧ください。

譲渡所得税はどう計算する?

「譲渡所得= 土地の売却価格 – 取得費用 – 譲渡費用」となり、ここに条件に応じた税率をかけていきます。詳しくは土地売却で発生する税金をご覧ください。

土地売却で利用できる税金対策って?

土地売却で発生する税金への対策は以下の4種類があります。

  1. 1000万円控除
  2. 5000万円特別控除
  3. 取得費加算の特例
  4. 農地の税金控除特例

詳しく知りたい方は土地売却で利用できる税金対策をご覧下さい。

土地売却後は確定申告は必要?

土地の売却で利益が出た場合は、確定申告が必要です。詳しくは土地を売却したら確定申告が必要をご覧ください。

 


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