近年では売れる土地と売れない土地の差がハッキリしてきました。土地にはそれぞれに特徴があり、周辺環境も異なるので、売れる土地と売れない土地に分けられるのは仕方ありません。
しかし、「売れない土地だから」と諦めるのは早いです。
売れる土地と売れない土地の違いを知り、売れるように工夫することで売却できる可能性があります。本記事では売れない土地と売れる土地の違いや売れる土地にするためのポイントをご紹介します。
土地が売れない理由
まずはなぜ土地が売れないのか、その理由を見ていきましょう。自分の土地が売れない理由を把握することで、対策が練りやすくなります。
土地の需要が少ない
土地が売れない大きな原因として考えられるのが、需要が少ないことです。
周辺の状況を確認し、土地が余っている状態なら簡単に土地を売却するのは難しいでしょう。
土地の価格は周辺の土地の需要によって変化します。
土地の需要が高いエリアなら高く売却できる可能性があります。しかし、需要が低いエリアの場合は土地価格が安くなるだけではなく、売却できるかどうかも怪しくなってくるのです。
まずは周辺に売却中の土地はどれだけあるか、自分が所有している土地の需要状況を確認してみましょう。
境界がはっきりしていない
土地の需要が高い地域でも、境界がはっきりしていない(=確定測量が実施されていない土地)は売れなくなります。
土地の境界がはっきりしていなければ、購入後に買い手がトラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。
ときには裁判に巻き込まれる場合もあるため、購入希望者が激減してしまうのです。
また、境界が明確になっていなければ不動産会社も積極的に協力してくれない可能性があります。
不動産会社は「売れる」と判断した土地に対しては積極的に売却活動を行いますが、「売れない」と判断した場合は仲介をしたがらない傾向があります。
不動産会社による積極的な協力も得られないので、必然的に得るのが難しくなるのです。
土地の条件が悪い
土地の条件の悪さも売れない原因の1つです。
たとえば、土地の形状が細長かったり、三角形だったりすると、利用しにくいため購入希望者が少ないのです。
敷地が狭いほど利用しにくく、悪影響も及ぼしやすいため、売れにくくなってしまいます。
また、土地の敷地に接する接道の状態も確認してみましょう。無道路地と接していない場合は、都市計画区域内だと建物を建てられません。
いろいろなデメリットがあるため、利用価値が低く、購入希望者がなかなか現れないのです。
他にも近くに高圧線の鉄塔があったり、墓地に接していたりする土地の場合は、売れにくい傾向があります。
なお、土地の価値が決まる基準については以下の記事で詳しく解説しています。
土壌汚染などの深刻な問題を持っている
所有している土地のエリアが土壌汚染や地中障害物など深刻なトラブルを抱えている場合も、売れない原因の1つです。
特に土壌汚染対策法において「要措置区域」「形質変更時要届出区域」にされている場合は、売れない可能性が高くなります。
購入希望者の立場になると、健康や生命に被害を脅かす危険性がある土地だと不安要素が大きいです。
「要措置区域」「形質変更時要届出区域」かどうかは都道府県のホームページで情報が公開されています。
調べればすぐにわかるので、売却活動の大きな妨げになるでしょう。
参考:公益財団法人日本環境協会
不動産会社が宣伝していない
不動産会社は不動産ポータルサイトに依頼された物件の広告を掲載します。
近年では購入希望者がポータルサイトで物件を見つけ、不動産会社に問い合わせる流れが一般的です。
そのため、不動産会社の宣伝力によっても売れるか売れないかが異なってくるのです。
宣伝力の低い不動産会社だと購入希望者に魅力が伝わらないため、なかなか売れづらくなります。
「売れる土地」にするためには、不動産会社の宣伝力も確認しておく必要があります。
売り出しの価格が相場と比べて高い
土地の売り出し価格は適正価格よりも高い金額で売り出されていると、購入希望者はなかなか現れません。
相場価格は購入希望者が調べればすぐにわかります。相場価格と比べて明らかに高く設定されていると、購入意欲が削がれてしまうのです。
もしくは、大幅な値下げを提案されるかもしれません。
まずは、相場と比べて売り出し価格が適正になっているか確認してみましょう。
なお、土地の売却相場を調べる方法については以下の記事で詳しく解説しています。
土地売却相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法をわかりやすく解説!
売れる土地の特徴
売れない土地の特徴をまとめていきましたが、反対に売れる土地にはどのような特徴があるのでしょうか?
売れる土地にするためにも、どのような土地が売れやすいのか把握しておきましょう。
利便性が高い
駅から近かったり、周辺に商業施設やスーパーなどが揃っていたりなど、利便性が高い土地は売れやすい傾向にあります。
ここで言う駅近は、「駅から徒歩5分以内」を指します。
特に都心や都心部に近い土地だと、電車移動の方が多いので駅から近いかどうかは重要な判断材料となるようです。
利便性が高く、駅から近い土地は高い金額がつきやすく、需要も高いのですぐに売却できる可能性が高いです。
建ぺい率や容積率などの条件が優れている
売れない土地の特徴として「敷地の狭さ」を挙げました。
敷地が狭いと活用性が低くなるため売れづらくなるのですが、だからといって敷地が広ければ良いというわけでもありません。
重要なのは「どれほどの大きさの建物が建てられるか」です。
土地ごとに建ぺい率と容積率が定められています。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、容積率とは延べ床面積の割合のことです。
たとえば、土地が100平方メートルで建ぺい率が50%と定められている場合、土地の50%、つまり50平方メートルまでということになります。
また、同じ広さの土地で容積率が150%に設定されている場合は、各階合わせて150平方メートル分の建物が立てられます。
建ぺい率や容積率が高いほど、大きな建物を建てられるため、自然に需要が高くなるのです。
用途の制限が厳しくない
土地は「用途地域」によって分けられており、建築できる建物の種類や用途に制限が設けられています。
しかし、用途の制限が厳しくない土地だとさまざまな活用ができるため、高く売却できる可能性が高いのです。
ひとえに「建物」といってもその種類は豊富にあり、住宅やマンション、商業施設、大規模な店舗などさまざまなものがあります。
購入希望者が建てたい建物が「建てやすいかどうか」が、売れる売れないを左右するのです。
土地の形状が優れている
土地の形状が細長かったり、いびつな形をしていたりすると利用しにくいので、売れない傾向があります。
逆に、土地の形状が正方形や長方形に近い場合は、高い価格がつきやすいです。
土地の形が整っているので有効に活用しやすく、庭や駐車場なども設置しやすいです。
また、道路への接地面が広いと車の出入りもスムーズになります。
土地の形状が優れているだけで高い利便性が期待できるため、それに伴い需要も高くなります。
売れない土地を売るためのコツ10選
「売れない土地の特徴に当てはまるから」と言って、土地の売却を諦めていませんか?
今は「売れない土地」だとしても、その後の工夫次第で「売れる土地」に変えられます。
ここからは売れない土地を売るためのコツを見ていきましょう。
不動産会社を変える
土地がなかなか売れずに悩んでいる場合は、不動産会社の変更を検討してみましょう。
同じ商品でも販売力や宣伝力の高い会社だと、すぐに売れる可能性があります。
ただし、不動産会社を変える際は媒介契約を確認してから行ってください。
媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。
契約方法 | 内容 |
---|---|
専属専任媒介契約 | 期間が終わるまでは、他の不動産会社に重ねて依頼できない。 自分で購入希望者を見つけることはできる。 |
専任媒介契約 | 期間が終わるまでは、他の不動産会社に重ねて依頼できない。 自分で購入希望者を見つけることはできる。 |
一般媒介契約 | 契約期間中でも他の不動産会社に重ねて依頼できる。自分で購入希望者を見つけることも可能。 |
専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約を結んでいる場合は、契約期間中は他の不動産会社に依頼できません。
契約期間は一般的に3ヶ月となっているので、期間が終わるまでは待つ必要があります。
不動産一括査定サイトを利用するならすまいステップがおすすめ
不動産会社は無数にあるため、どこに依頼すればよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
そのような時は、「すまいステップ」の一括査定がおすすめです。
すまいステップでは無料で最大4社に一括査定が依頼でき、簡単に不動産会社を比較できます。
また、提携している会社は審査をクリアした優良会社のみなので、安心して依頼できるのもメリットの1つです。
提携している各社に在籍しているスタッフは、宅地建物取引士の資格を持っていたり、累計100件以上の売買仲介実績があったりなど、知識も経験も豊富です。
これまでの経験をもとに、売れない土地でも「売れる土地」になるようにサポートしてくれるでしょう。
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価格の見直しを行う
売り出し価格が相場に対して適正価格になっているか、見直してみましょう。
「公益財団法人東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」を見てみると、成約価格は売り出し価格よりも約1割程度低くなっていることがわかります。
高く売ることよりも早く売ることを重視したいなら、売り出し価格よりも1割程度低い価格を提示したほうが売れやすい傾向にあります。
一方で、最初から安い価格を提示する必要はありません。
すまいステップ編集部が行ったアンケートでは、半数以上の方が6ヶ月以内に売却を成功させていました。
このうち、3ヶ月以内に売却を成功させている方の割合は34.7%もいるので、「売り出してから3ヶ月」を1つの値下げのタイミングとして考えておくといいかもしれません。
隣地の所有者に売却する
なかなか土地が売れない場合は、隣地の所有者に売却を持ちかけてみると良いでしょう。
中には形状や接道条件が悪い土地もあるのですが、そのような土地は隣地と合併することで、問題が解決する場合もあります。
第三者にとっては条件が悪く需要の低い土地でも、隣地の所有者にとっては土地の面積を広げられるため、条件によっては購入したいと言ってくれる可能性が高いのです。
知り合いの隣地所有者に売却を持ちかける場合も、不動産会社に仲立ちしてもらうのがおすすめです。
個人間での取引の場合は、契約書の作成が難しく、トラブルが起きやすいからです。
値下げをする前に、隣地所有者に打診してみると良いでしょう。
一般媒介で契約する
売れない土地を売る土地にするためには、「一般媒介契約」がおすすめです。
一般媒介契約だと複数の不動産会社に依頼でき、各社が宣伝してくれるため、多くの人の目に留まりやすくなります。
多くの人の目に触れれば触れるほど購入希望者が現れる可能性が高くなるので、一般媒介で契約してみましょう。
一般媒介契約とは?特徴やメリット・デメリット・他の契約との違いをわかりやすく解説
土地の瑕疵を解消する
土地の瑕疵とは「境界が曖昧」や「土壌汚染」「地中障害物」などが挙げられます。
土地の境界をはっきりさせるためには、3つの方法があります。
- 法務局で調べてもらう
- 測量士に測量してもらう
- 土地家屋調査士に調査を依頼する
中でも測量士に測量してもらう方法がおすすめです。
依頼料はかかるものの、国家資格を持った技術者が測量するため、境界をはっきりさせやすいというメリットがあります。
また、土壌汚染のリスクがある場合は、土壌汚染調査を行い「土壌汚染がないこと」を証明すると、売却できる確率が上がります。
地中障害がある場合は事前に撤去しておくことで、売却率が上がるでしょう。
登録免許税を売主負担にする
所有権移転登記の登録免許税は、買主が負担するのが一般的です。
しかしあくまでも通例であり、登録免許税を全額売主が負担しても何の問題もありません。
購入希望者は少しでも安く購入できないかと考えており、価格の条件の良い物件を探しています。
登録免許税を自分が負担すると打診すれば、購入希望者にお得に感じてもらえて、成約に繋がる可能性があります。
自治体に寄付する
土地をどうしても手放したい場合は、自治体への寄付を検討すると良いでしょう。
寄付なのでお金は入って来ませんが、維持費からは解放されます。
とは言え、自治体もすべての土地を受け入れてくれるわけではありません。
自治体が「必要」と判断した土地のみ受け取ってもらえるので、注意が必要です。
空き家バンクを利用する
空き家バンクとは自治体が運営している売却の情報サイトのことです。土地も売物件として登録でき、まだ利用者が少ないので購入希望者の目に留まりやすい傾向があります。
不動産会社だけではなく、自分も行動することでより売却できる可能性が高まるでしょう。
買取を検討する
早く土地を手放したい、少しでもお金に変えたいというのであれば、買取を検討してみましょう。
不動産会社に買取してもらうことで、買取金額は大きく下がるかもしれませんが、すぐに手放せる可能性が高いです。
維持費からも解放されるので、自治体への寄付を検討する前に不動産会社に相談してみると良いでしょう。
価格を下げる
いろいろ工夫してもなかなか土地が売却できない場合は、思い切って値下げを検討してみましょう。
特に早く現金が欲しい場合は、相場より安い価格を提示することで、購入希望者が現れやすくなります。
価格に関しては自分だけで決めるのではなく、不動産会社と相談しながら決めることが大切です。
時期や購入希望者からの値段交渉のタイミングで、売るための値下げを検討してみましょう。
売れない土地を売るなら条件調整や業者選びが大切
売れない土地を売る土地にするためには、条件調整や業者選びが大切です。
特に不動産会社選びが重要なカギを握っていると言っても過言ではありません。
信頼できる不動産会社を見つけるなら、「すまいステップ」の一括査定がおすすめです。
独自の審査基準をクリアした優良会社のみに査定依頼を送れるため、信頼できる不動産会社が見つけられるでしょう。