「古い家がきちんと売却できるか不安…」
「どうしても売れなかったらどうやって処分したらいいの?」
過疎化が進む地域において築年数の古い家を売却することは決して容易ではありません。
しかし長年住んだ愛着ある家を売却するなら、大切に使ってくれる人に売りたいですよね。
古い家が売れにくい原因を知って、高く・早く売れるようしっかり準備しましょう。
古い家を売る方法6選!築40年以上の古家を売る際のコツや税金特例
古い家が売れない理由
古い家が売れにくい理由としては、以下の4つが挙げられます。
- 築年数が25年を超えると成約率が下がる
- 購入した後にリフォームや解体の手間がかかる
- 人口減少で需要が減る
- 物件を取り扱ってくれる不動産会社が少ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由①:築年数が25年を超えると成約率が下がる
築25年を超えると、戸建ての成約率は下がってしまいます。
近年では中古住宅の取引件数が増加しているとはいえ、日本では未だ新築人気が強く少しでも築年数が新しい物件を希望する買主は少なくありません。
下のグラフは、首都圏における戸建ての成約率を示したものです。
築25年を超えると成約率が下がりはじめ、築30年を超えるとその月新たに売り出された件数に対する成約率は20%程度に留まります。
つまり、築年数が古いと家が売却しにくくなることは否定できません。
理由②:購入した後にリフォームや解体の手間がかかる
購入希望者にとっては、古い家を購入した後にリフォームや解体の手間がかかる点も購入を躊躇する理由の1つです。
水回りの設備が古かったり耐震性などに問題があったりする場合、家の購入後に買主が費用を負担してリフォームや解体が行われることがあります。
しかし、リフォームや解体には数十万円~数百万円の費用がかかります。
古い家を購入した後にかかるコストに不安を抱く購入希望者が多いため、古い家は売却しにくいと言えます。
理由③:人口減少で需要が減る
過疎化などで人口の減少が続く地域にある古い家は残念ながら売れにくい傾向にあります。
中古住宅の需要は人口の流入・流出に左右されるためです。
近年は少子高齢化や都市部への人口流出で、田舎を中心に空き家問題が深刻化しています。
人口減少が続く田舎の古い家を売却したい人には厳しい状況と言えそうです。
理由④:物件を取り扱ってくれる不動産会社が少ない
家を売る際には不動産会社に仲介を依頼することが一般的ですが、不動産会社が取り扱ってくれないことがあります。
不動産会社は家の売却価格の3%程度を「仲介手数料」として受け取り利益を上げているので、売却価格が安くなってしまいがちな古い家は優先度を下げられてしまう可能性があります。
特に案件を多く抱えている大手不動産会社はその傾向が強いと言われています。
古い家を売る際には、大手不動産会社だけではなく地元の不動産会社にも相談してみましょう。
古い家を売る方法
- 古家付き土地として売却する
- リフォームやリノベーションをする
- 古い家を解体して売却する
- 隣人や知り合いに売却する
- 仲介で売却する
方法①:古家付き土地として売却する
古い家を売る方法の一つに、建物を解体せずに「古家付き土地」として売却する方法があります。
古家付き土地とは、古い家などの建物が建ったままの土地の状態を指します。
「土地」として売却されるため、買主が購入後に建物を解体する前提で売られる物件です。
購入希望者がそのまま建物を利用することも可能ですが、家が傷んでいるなどして欠陥があっても売主が責任を負うことはありません。
築年数が古く傷みが目立つ家を費用をかけずに売りたい人にはおすすめの売却方法です。
古家付き土地としての売却がおすすめのケース
- 建物に雨漏り・シロアリ被害・設備の不具合など傷みが目立つ
- 解体費用をかけずに家を売りたい
方法②:リフォームやリノベーションをする
設備の古さが気になる場合は、リフォームやリノベーションをした上で家を売却することをおすすめします。
リフォームやリノベーションをする場合は、水回りなどの設備を新しくするなど万人受けしやすい箇所を中心に行いましょう
あまりに独特な改築をすると、かえって買主のニーズに合わなくなって売れ残る原因になります。
多くの購入検討者のニーズに応えるために、必ず不動産会社に相談しながらリフォームすべきかを判断しましょう。
- 耐震性や外壁の状態など建物の構造自体がしっかりしている
- 売却にかけられる費用に余裕がある
方法③:古い家を解体して売却する
立地が良い場所にある古い家は、解体して売ることも選択肢に入れるとよいでしょう。
あらかじめ更地の状態ならば、購入後に解体する手間やコストがかからないため購入しやすく感じる買主がいるためです。
また、売却にかかる税金の控除が受けられたり、自治体によっては解体費用の補助が受けられたりと、売却費用を節約できるケースもあります。
ただし数十万円~数百万円の費用がかかるため、不動産会社に相談しながら解体するべきか慎重に判断しましょう。
- 市街地など立地の良い家を売却したい
- 解体によって税金の控除や自治体からの助成金を受けられる
方法④:隣人や知り合いに売却する
古い家は、隣の人や知り合いなどに個人的に売却することもできます。
土地が狭すぎたり、道路に接しておらず立て替えができない(=再建築不可と言います)物件は一般的には売却が難しいのですが、隣の人には魅力的であることがあります。
10年以上も空き家で管理が不十分なので対応策を考えたい、とのご相談を受けました。調査の結果した結果、相談者の空き家は敷地が道路に接しておらず、建替えができない土地でした。
⼀般的には魅力の低い物件でしたが、隣地所有者にご提案したところ、「購⼊したい」とのご回答でした。その方は駐車場が欲しいと考えていたため、使われていない隣の土地に魅力を感じていたようです。
※参考:東京都住宅政策本部「解決事例紹介」(2023年3月15日閲覧)より編集
直接交渉することが気まずい場合は、不動産会社に間に入ってもらうことも可能なので地元に詳しい不動産会社に相談してみるといいでしょう。
方法⑤:仲介で売却する
最もおすすめなのは、家が残った状態のまま中古住宅として仲介で売却するする方法です。
きちんと準備して売却すれば、古い家でも売却することはできます。
事実、2023年に首都圏で売却された中古戸建ての3割以上が築30年以上の物件でした。
※東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」(2023年3月15日閲覧)を参考に編集部作成



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古い家がどうしても売れない時の対処方法
ここまで、古い家を売るための方法を見てきました。
- 売り出し価格を下げる
- 瑕疵保証をつける
- 不動産会社を変更する
- 不動産会社に買い取ってもらう
売り出し価格を下げる
家を売り出してもなかなか売れない場合は、売り出し価格の値下げを検討しましょう。
周辺の売却相場と比較して高めの価格を設定している場合、割高感が出て買主が現れない可能性があります。
相場に即した価格で売るためには、売主自身も相場感覚を身につけておくことが重要です。
すまいステップの「戸建て売却データベース」では、お住まいの市区町村ごとの売却相場や近隣エリアでの売却実績が確認できるのでぜひご利用ください。
瑕疵保証をつける
そのままの状態で買主が見つからない場合は、瑕疵保証を売主負担で付けて売却することがおすすめです。
瑕疵保証をつけることで、買主は安心して古い家を購入することができます。
瑕疵保証とは、家を売った後に瑕疵(雨漏りなどの欠陥)が見つかった場合に補修費用などを保証する保険のことです。
瑕疵保険には売主・買主どちらも加入できますが、売主が瑕疵保険に加入して売り出されている物件は多くありません。
他の物件との差別化につながる上に、費用は数万円程度なので検討してみてはいかがでしょうか。
不動産会社を変更する
仲介で家を売りに出している場合、不動産会社を変更してみることも選択肢の一つです。
家を売り出して半年以上経っても売却に至らない場合、不動産会社の担当者の実力が足りない可能性があるからです。
不動産会社によって得意なエリアや物件種別は異なっているので、売りたい物件の条件とうまくマッチしていない可能性があるからです。
契約期間が切れるタイミングで、仲介を依頼する不動産会社の見直しをすると良いでしょう。
不動産会社に買い取ってもらう
仲介で家が売却できない場合は、不動産会社に直接家を買い取ってもらうことを検討しましょう。
「買取」という方法では、不動産会社が直接家の買主となるため、購入希望者を探す手間が省けます。
家を買い取った後、不動産会社はリフォームなどを施して物件の価値を高めた上で一般の消費者に再度販売します。
買主にとってはリフォーム費用などがかからないというメリットがある一方、売却価格は相場の7割程度と低くなってしまいます。
買取で家を売る場合は、必ず複数の不動産会社から査定を受けて売却先を決めましょう。