【専門家監修】不動産売却コラム|すまいステップ公式

マンションで買ってはいけない階とは?階層ごとの特徴やおすすめな階も解説!

  • 更新日:2025年10月3日
マンションで買ってはいけない階とは?階層ごとの特徴やおすすめな階も解説!

マンションを購入する際、どの階層を選ぶかは住み心地に大きく影響します。

低階層・中階層・高階層・最上階にはそれぞれ特徴やデメリットがあり、ライフスタイルに合った階を選ぶことが重要です。

この記事ではマンションの階層別のそれぞれの特徴やデメリットを解説し、自分に合った階層を選ぶポイントを紹介します。

マンションの買い替えに関する基礎知識を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

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「買ってはいけない階は〇階」という明確な答えはない

「マンションで買ってはいけない階はどこだろう?」
住み替えを検討する際、多くの方がこの疑問に突き当たります。

しかし、結論からお伝えすると、「すべての人にとって買ってはいけない階」という明確な答えはありません

なぜなら、どの階が最適かは、あなたのライフスタイルや「住まいに何を求めるか」という価値観によって全く異なるからです。例えば、眺望の良さを最優先する方と、小さなお子様がいて階下への足音を気にしたくないご家庭とでは、理想の階は正反対になります。

この記事では、各階層の特徴を客観的に比較し、あなたが後悔しないための最適な階選びをサポートします。

マンションの「低層階・中層階・高層階」とは?

各階層のメリット・デメリットを見ていく前に、まずは言葉の定義を整理しておきましょう。
一般的に、マンションの階層は以下のように区分されることが多いです。

  • 低層階:1階~3階
  • 中層階:4階~9階
  • 高層階:10階以上

ただし、これは法律などで厳密に定められたものではなく、あくまで一般的な目安です。マンションの総階数(例えば6階建てのマンションと40階建てのタワーマンション)によっても、どの階が「中層」や「高層」にあたるかの感覚は変わってきます。ここでは、この区分を一つの目安として、それぞれの特徴を比較していきます。

マンションの階層ごとのメリット・デメリットを徹底比較!

ここからは、それぞれの階層にどのような特徴があるのかを具体的に見ていきましょう。
まずは、各階層のポイントが一目でわかる比較表をご覧ください。この後の解説と合わせて、あなたにぴったりの階を見つける参考にしてください。

階層特徴メリットデメリット
低層階(1〜3階)コスパと利便性の現実派価格が安い出入りがとにかく楽
防犯・視線に注意、虫や騒音が気になる
中層階(4〜9階)万能バランス型欠点が少ない住環境のバランス◎
やや特徴に欠ける、良くも悪くも普通
高層階(10階〜)最高の眺望とステータス眺望・日当たり抜群でプライバシーが完璧
価格が高い、災害時の不安も
最上階“上”がない静かな特別席上階の騒音がゼロ、開放感がある
夏は暑く冬は寒い、価格も最上級

低層階(1~3階):価格と利便性を重視する人向け

低層階は、購入費用を抑えつつ、日々の暮らしの利便性を重視する方に適した階層です。特に小さなお子様がいるご家庭や、シニア世代の方々から安定した人気があります。

メリット

価格が割安な傾向にある
マンションの価格は高層階ほど高くなるのが一般的なため、低層階は同じ建物内で最も合理的な価格で設定されていることがほとんどです。これにより、同じ予算でもより広い部屋を選んだり、好立地の物件を検討できたりと、住まい選びの選択肢が広がります。

外出・帰宅がスムーズ
エレベーターの待ち時間がなく、日々の移動における時間的・心理的な負担が少ないのが大きなメリットです。重い荷物がある日の帰宅や、短時間の外出も億劫になりません。

災害時に避難しやすい
地震や火災、停電などでエレベーターが停止した場合でも、階段を使って迅速に地上へ避難できます。万が一の事態における安全性の高さは、重要な利点です。

階下への足音を気にしなくてよい(1階・2階の一部)
1階住戸であれば、お子様の足音など、階下への生活音を気にする必要がありません。また、2階でも階下がエントランスや駐車場など住戸でない場合は、同様に騒音トラブルの心配が少なくなります。

専用庭やテラス付きの物件がある(1階)
1階住戸では、専用庭が設けられている場合があります。ガーデニングや子どもの遊び場として活用でき、集合住宅でありながら戸建てのような暮らしを楽しむことが可能です。

デメリットと対策

防犯面での注意が必要
地上に近いため、高層階に比べて侵入リスクは高まります。そのため、防犯カメラや窓の防犯センサーなど、セキュリティ設備が充実した物件を選ぶことが重要です。内見時にはこれらの設備の有無や作動状況を確認しましょう。

外からの視線が気になる
通行人や向かいの建物からの視線が気になる場合があります。プライバシーを守るため、植栽やフェンスが効果的に配置されているか、バルコニーの奥行きは十分かなどを確認することが大切です。

騒音や排気ガスの影響
道路に近い分、車の走行音や話し声などが聞こえやすい傾向にあります。幹線道路沿いの物件を検討する際は、窓を閉めた状態での遮音性能を内見時に確認することをおすすめします。

害虫の侵入リスク
地面に近いことから、蚊などの害虫が室内に入りやすい傾向があります。現代のマンションは気密性が高いためリスクは低減していますが、網戸の設置状況や、配管周りの隙間がないかなどを確認しておくと安心です。

日当たりや眺望が期待できない場合も
周辺の建物環境によっては、日当たりや風通しが十分に得られないことがあります。将来的に目の前に高い建物が建つ可能性がないか、用途地域などを確認することも有効な対策です。

中層階(4~9階):暮らしやすさのバランスを求める人向け

中層階は、低層階と高層階のメリットを併せ持ち、大きな欠点が少ないバランスの取れた階層です。特定の条件に強いこだわりがなく、総合的に暮らしやすい住まいを求める方に適しています。

メリット

住環境のバランスが良い
高層階ほどの価格ではなく、低層階で懸念される防犯・騒音・害虫といったデメリットの多くが軽減されます。価格と快適性のバランスに優れている点が最大の特徴です。

エネルギー効率の良さ
上下左右を他の住戸に囲まれた中住戸は、外気の影響を受けにくく、断熱性が高い傾向にあります。そのため、冷暖房の効率が上がり、月々の光熱費を抑えられる可能性があります。

安定した資産価値
特定の層に偏らない、万人向けの住みやすさは、将来の資産価値の安定にも繋がります。売却や賃貸に出す際にも、幅広い層から需要が見込めるため、手堅い選択肢と言えます。

デメリットと対策

エレベーターへの依存
日々の移動はエレベーターが必須となるため、災害時や停電で停止した際の移動は負担になります。そのため、防災グッズの中に携帯トイレや飲料水を備えておくなどの対策が重要です。

地震の際の揺れ
低層階より揺れやすい傾向にありますが、建物の構造によって体感は大きく異なります。揺れを軽減する「制震構造」や、揺れ自体を伝わりにくくする「免震構造」を採用したマンションであれば、中層階でも揺れによる不安は大きく軽減されます。

 

高層階(10階以上):眺望とプライバシーを最優先する人向け

高層階は、眺望や開放感、プライバシーといった要素を重視する方に適しています。日々の暮らしの快適性や満足度に、特別な価値を見出す方に選ばれる階層です。

メリット

優れた眺望と開放感
窓からの開放的な眺望は高層階ならではの魅力です。日当たりや風通しも非常に良く、明るく心地よい居住空間が確保できます。

プライバシーの確保
地上から離れているため、外部からの視線を気にすることなく生活できます。都会の喧騒からも遠ざかり、静かで落ち着いた環境が手に入ります。

害虫の心配が少ない
蚊やハエなどの飛翔する虫が自力で到達することは困難なため、虫が苦手な方にとっては非常に快適な環境です。

高い資産価値
眺望の良さや希少性から、同じマンション内でも資産価値が維持されやすい傾向にあります。需要が安定しているため、売却を有利に進められる可能性があります。

デメリットと対策

価格が高額になる
優れた条件が揃う分、価格は高額になります。低層階とは大きな価格差があり、住宅ローンや固定資産税の負担も増えることを理解しておく必要があります。

エレベーターの利用に関する問題
朝の通勤時間帯などはエレベーターが混雑し、待ち時間が長くなることがあります。また、災害時の停止リスクは最も考慮すべき点で、日頃から十分な備蓄をしておくことが重要です。

地震の際の揺れ
高層階は、地震の際にゆっくりと大きく、長く揺れる「長周期地震動」の影響を受けやすいです。家具の転倒防止対策は必須であり、不安な方は制震・免震構造の物件を選ぶのが賢明です。

夏の室温上昇と光熱費
日当たりが良い反面、夏場は室温がかなり高くなることがあります。窓ガラスが断熱・遮熱性能の高い「Low-E複層ガラス」になっているかなど、建物の仕様を確認することが住み心地を左右します。

最上階:音に敏感な人、ステータスを重視する人向け

最上階は、高層階のメリットをすべて享受できる上に、特別な価値を持つ階層です。

最大のメリットは、上階からの生活音(足音や物音)が一切ないことです。音に敏感な方にとっては、何物にも代えがたい魅力と言えるでしょう。

一方で、屋根からの熱気で夏は暑く、冬は寒くなりやすいというデメリットもあります。また、古い物件の場合は、屋上からの漏水リスクも考慮する必要があります。価格がマンション内で最も高くなるため、これらの特徴を理解した上で、その価値を見出せる方におすすめの特別な階と言えます。

【ライフスタイル別】あなたにピッタリなのは何階?

これまでの各階層のメリット・デメリットを踏まえ、ここでは具体的なライフスタイルごとにおすすめの階層とその理由を解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、最適な階を見つけるためのヒントにしてください。

Case1:子育て真っ最中のファミリー

おすすめは「低層階(特に1階、または2階の住戸下非住戸タイプ)

小さなお子様がいるご家庭にとって、最も大きな悩みの一つが「騒音」問題です。その点、階下への足音を一切気にする必要がない1階は、精神的に非常に大きなメリットがあります。子どもが家の中を元気に走り回っても、「静かにしなさい!」と叱る回数が減り、親子ともにのびのびと過ごせるでしょう。

また、ベビーカーでの外出や、急な発熱で病院へ駆け込む際など、子育て中は外出の機会が多くなります。エレベーターを待たずにすぐ外に出られる低層階の利便性は、日々の負担を大きく軽減してくれます。万が一の災害時にも、お子様を抱えてすぐに避難できる安心感は代えがたいものです。

<チェックポイント>
防犯対策がしっかりしているか、また、お子様の健康のためにも日当たりが確保できるかどうかは、内見時に必ず確認しましょう。

Case2:シニア世代の夫婦

おすすめは「低層階」

ご自身の将来や、日々の身体的な負担を考えると、低層階が最も安心できる選択肢です。年齢を重ねると、階段の上り下りは想像以上に大きな負担になります。エレベーターに頼らなくても生活できる低層階は、毎日の外出を楽にし、活動的な生活をサポートしてくれます。

また、災害時や停電時にパニックにならず、安全に避難できるメリットもシニア世代にとっては非常に重要です。体力に不安がある場合でも、地上に近いことで得られる安心感は大きいと言えます。

<チェックポイント>
マンションのエントランスから住戸の玄関まで、車椅子でも通れるスロープがあるか、段差がないかなど、共用部分のバリアフリー設計も合わせて確認しておくと、より安心して長く暮らせます。

Case3:眺望とステータスを重視する単身・DINKS

おすすめは「高層階・最上階」

子育てや介護などの制約が少なく、ご自身のQOL(生活の質)を最大限に高めたい単身者やDINKS(お子様のいない共働き夫婦)には、高層階や最上階が最適です。

仕事で疲れて帰宅したときに、窓の外に広がる美しい夜景が待っている生活は、日々の疲れを癒し、大きな満足感を与えてくれます。誰にも邪魔されないプライベート空間は、オンとオフを切り替え、心からリラックスするのに最適な環境です。友人を招いた際にも、その素晴らしい眺望は最高のおもてなしになるでしょう。在宅ワークをする上でも、静かで集中しやすいというメリットがあります。

<チェックポイント>
高額な価格と、災害時のエレベーター停止リスクなどを許容できるか、ライフプランと資金計画をしっかりと立てた上で検討することが重要です。

Case4:コストパフォーマンスを最優先したい人

おすすめは「低層階」または「中層階の訳あり物件」

とにかく購入費用を抑えたい、という方には、まずマンション内で最も価格が抑えられている低層階が第一候補になります。

さらに視点を変え、一般的に人気が低いとされる住戸をあえて狙うという戦略もあります。例えば、数字の「4」が入る階や、日当たりが良くないとされる「北向き」の部屋は、同じ間取りの他の部屋より割安になっていることがあります。日中の在宅時間が短い方や、日当たりをあまり重視しない方にとっては、非常にお買い得な「掘り出し物」になる可能性があります。

また、初期費用だけでなく長期的なコストで考えるなら、上下左右を他の住戸に囲まれた「中層階の中住戸」もおすすめです。外気の影響を受けにくく冷暖房効率が良いため、月々の光熱費を抑えられるというメリットがあります。

<チェックポイント>
価格が安い場合は、必ずその理由(日当たりが悪い、眺望が望めない、共用施設から遠いなど)を確認し、そのデメリットが自分にとって許容範囲内であるかを冷静に判断することが大切です。

階数にまつわる噂

人気不人気な階その1:マンションの4階が不人気

マンションの4階が不人気な理由は、以下のようなものが挙げられます。

  • 縁起が悪い
  • 騒音が気になる
  • 防犯性が低い

実は、4階が不人気と言われる一番の理由は、「4」という数字が「死」を連想させる、という心理的なものにあります。これは縁起を気にする文化が背景にあります。

機能的な面でいうと、4階は、1階や2階に比べると騒音は少ないのですが、上階からの足音や水音などが気になると予想されるでしょう。

防犯性は、1階や2階に比べると高く、反対に上階に比べると窓に面したバルコニーから侵入されるケースもあるので注意が必要です。

4階に住む場合は、騒音対策や窓を開けたままでも風通しの良い部屋を選ぶなどの工夫が必要です。

人気不人気な階その2:マンションの6階が人気

一般的にマンションの6階は騒音が少なく、風通しが良く、眺めも良いことから住み心地が良く、人気が高いとされています。

ただし、高齢者や足腰の弱い方には不向きといえるでしょう。

6階は中階層の位置にあり、高層マンションの中階層やタワーマンションの低階層に位置しています。

地上から約18メートルの高さがあり、周りの建物に遮られる心配は少ないでしょう。

低階層ほど低くなく、高階層ほど高くないバランスの取れた階だけに、日当たりや眺望を楽しめることをはじめ、防犯面や価格の面といった多くの魅力が詰まっています。

人気不人気な階その3:マンションの8階が縁起が良いから人気

マンションの8階は、漢数字で「八」と書き、上は狭く下につれて広がり、末が広がっていることから「末広がり」と呼ばれて縁起が良い数字とされています。

末が広がっていることは発展や繁栄につながるとされ、富士山も末広がりの形で縁起物として広く認知されているのです。

縁起が良い数字の「8」は不動産物件でも同様で、高級マンションでも最上階よりも「8」の数字が入っている部屋番号や8階の物件が喜ばれるとされています。

マンションの階層以外の注意すべきポイント

マンションの購入を検討している方は、専有部分だけでなく、共用施設(エントランスや廊下、エレベーター、駐車場、プール、ジム、屋上庭園など)にも注目しましょう。

管理方法や負担割合についても確認が必要です。

部屋の内装だけでなく、マンション全体を見据えた選び方が大切です。

マンション全体を見据えた選び方

マンション全体を見据えた選び方が大切な理由は、部屋の内装だけではなく、共用施設の利用環境によって住み心地が大きく変わるためです。

例えば、エントランスや廊下、エレベーターの清潔さや使いやすさ、プールやジムの設備や利用時間などが快適な生活を送る上で重要な要素となります。

また、管理方法や負担割合について確認することで、共用部分の維持管理やトラブル発生時の対応がスムーズになります

管理方法や負担割合の確認

管理方法については、マンションの共用部分は区分所有者全員で構成される「管理組合」が所有・管理するのが基本です
そして、その管理組合が日々の管理業務を「管理会社」に委託しているケースが一般的です。購入前に、管理組合の運営状況や、委託先の管理会社の評判などを確認しておくと良いでしょう。

他にも、共有部分の負担割合は、利用規定や管理費規定などマンションによって異なります。

そのため、適宜管理規定を確認して将来的に負担が大きくなるリスクを防ぐようにしましょう。

マンションで買ってはいけない階は求める価値によって異なる

マンションの買ってはいけない階は、住まいに求める価値によって異なります

例えば、値段を抑えたい場合は、低層や中層のマンションが適していますが、プライバシーや眺望を重視する場合は、高階層が向いています。

最上階は静かな環境を求める人には最適ですが、夏場は屋根からの熱気で室内が暑くなりやすいというデメリットがあります。

もし、買ってはいけない階を選んでしまった場合は、思い切って住み替えてみるのもひとつの選択肢になるかもしれません。

住み替えには、費用や手続きが必要になる場合がありますが、希望の条件に合致する物件でストレスの少ない生活が叶う可能性があります。

住み替え費用は今の住まいを売却することで、資金の一部にする手もあるでしょう。

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