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離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住むとどうなる?財産分与の例や注意点を解説

  • 更新日:2023年8月16日
離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住むとどうなる?財産分与の例や注意点を解説

離婚することが決まった時、多くの夫婦は財産分与することになるでしょう。

しかし、離婚時に住宅ローンが残る家がある場合や、住宅ローンが残る家に夫が住む場合など、様々なケースが考えられます。

「残った住宅ローンはどうなるのか」「夫が住む場合はどうなるのか」などの疑問が生じて悩む方がほとんどだと思います。

「財産分与」とは、婚姻中に築いた家や車、貯蓄などの財産を、離婚時に夫婦2人で分け合うことです。

原則2分の1ずつ分け合うことが一般的ですが、夫婦間で話し合い、お互いに納得できる形であれば自由に決めることができます。

家の財産分与は、「売却して現金を分け合う」または「売却せずにどちらかが住み続けて片方に賠償金を支払う」ことで可能です。

住宅ローンが残っている場合は、一般的に住宅ローンの名義人に支払い義務が生じますが、夫婦の共有財産から住宅ローンなどの負債を引いた額を財産分与することが通例です。

そのため、家を売却するにしてもどちらかが住み続けるにしても、どのように住宅ローンを返済・分配するか夫婦で話し合う必要があります。

この記事では、離婚時に残ってしまった家の住宅ローンはどのようにするとよいのかをケース別で解説します。

名義人や支払い義務について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

離婚後の住宅ローンの支払い義務は名義人にある!必ず確認する事項と売却のススメ

離婚時に住宅ローンが残る家の財産分与

離婚時に住宅ローンが残る家は、売却するのかどちらかが住み続けるかによって財産分与の方法が変わります。

以下のそれぞれの場合の財産分与の方法を解説します。

  • 家を売却する場合
  • 夫か妻のどちらかが家に住み続ける場合

家を売却する場合

離婚後に夫婦のどちらも家に住まないなら売却しましょう。

家はそのままでは分け合うことができないので、売却して現金化すればトラブルも少なく済みます。

住宅ローンが残っていても、アンダーローンであれば売却代金で住宅ローンを完済できるので、手元に残った現金を夫婦で分け合って財産分与します。

しかし、オーバーローンの場合は売却代金だけでは住宅ローンを完済できず、貯蓄などの自己資金を用意できなければ家を売却できません。

貯蓄や自己資金がなく、住宅ローンを完済できない場合は、家を売却するかどうかも含めて検討し直す必要があります。

「オーバーローンで返済資金がないけどどうしても売却したい」という場合は、任意売却を検討しましょう。

しかし、任意売却にはデメリットもあるので、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

離婚で任意売却をするデメリットは?住宅ローン有りの家を売る方法

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夫か妻のどちらかが住み続ける場合

離婚後も、夫か妻のどちらかが家に住み続ける場合は、家の査定額の半分を片方に渡すことで財産分与が可能です。

しかし、住宅ローンが残っている場合は、どのように返済するかも夫婦で話し合って決めておく必要があります。

一般的には住宅ローンの名義人に支払い義務が生じるので、名義人である方が家に住み続けて住宅ローンの支払いを続けていくケースが多いです。

名義人ではない方が家に住み続ける場合は、住宅ローンの支払いはどちらがするのか話し合い、必要であれば名義変更や公正証書を作成するなど、トラブルに備える必要があります。

住宅ローンの支払いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせて参考にしてみてください。

【離婚】住宅ローンの支払いはどうなる?

離婚時に住宅ローンの残る家に夫が住む場合は?

離婚後、家を売却せずにどちらかが家に住み続けるという選択肢もあります。

子供がいる場合に選択されることが多く、転校や生活環境を変えずに済むというメリットがあります。

しかし、住宅ローンの残っている家に住み続けるには、リスクやトラブルが多いので注意が必要です。

この章では、住宅ローンの残る家に夫が住む場合はどうなるのか、以下の名義人別に解説します。

  • 住宅ローンの名義人が夫のケース
  • 住宅ローンの名義人が妻のケース
  • 夫婦の共有名義のケース

住宅ローンの名義人が夫のケース

夫が住宅ローンの名義人で夫が引き続き家に住む場合は、最もトラブルが少ないので安心です。

住宅ローンをこれまでと同じように返済できるのであれば問題ありません。

しかし、家の名義人も夫であるか確認することも忘れないようにしましょう。

住宅ローンの完済後に家を売却して処分することを考えた時、夫婦の共有名義になっていると妻の同意がなければ家を売却できません。

離婚後に妻と連絡が取れず売却できないなどトラブルになりやすいので、必ず夫名義に変更しておきましょう。

住宅ローンの名義人が妻のケース

住宅ローンの名義人が妻の場合もあるでしょう。

家に住む人と住宅ローンを返済する人が異なる場合は様々なリスクがあり、トラブルが起きやすく注意が必要です。

名義人である妻が住宅ローンの支払いを滞納した場合、家を差し押さえられて競売にかけられるリスクがあります。

返済が滞納すると家に設定されている抵当権が行使されて、夫は強制的に家から退去しなければならなくなります。

また、名義人が家に住むことが住宅ローンの借入の条件になっていることがあります。

場合によっては住宅ローンを借り入れている金融機関から契約違反とみなされ、住宅ローンの一括返済を求められるリスクがあります。

家に住む人と住宅ローンの名義人が同じになるように、住宅ローンの名義変更や借り換え手続きを行いましょう。

共有名義のケース

住宅ローンを共有名義で借りていた場合、夫婦がそれぞれ返済していくか、夫の単独名義に変更するか決める必要があります。

夫婦それぞれが返済する場合は、お互いが連帯保証人になっていると相手が返済を滞納してしまうと相手の返済分も負担しなければならなくなります。

共有名義のままにしておくとトラブルに繋がりやすいので名義変更の手続きをしておきましょう。

しかし、共有名義から単独名義への変更は難しく、収入や返済能力などの条件を満たしていないと変更できないので注意が必要です。

単独名義に変更できない場合は住宅ローンの借り換えを検討しましょう。

審査次第では借り換えできないこともあるので、まずは金融機関に相談してみることをおすすめします。

離婚時に住宅ローンが残る家の財産分与の流れ

以下は、離婚後に住宅ローンが残る家の財産分与の流れです。

  1. 家の名義人を確認する
  2. 住宅ローンの名義人と残債額を確認する
  3. 家を査定してもらう
  4. 夫婦で話し合う

それぞれ順に見ていきましょう。

流れ①家の名義人を確認する

まずは家の名義人が誰なのか確認しましょう。

夫か妻のどちらか1人の場合と、夫婦の共有名義である場合もあります。

家の名義人は「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得して確認します。

法務局に行けば誰でも取得可能で、ネットから確認することもできます。

流れ②住宅ローンの名義人と残債額を確認する

次に、住宅ローンの名義人と住宅ローンの残債額を確認します。

家の名義人と住宅ローンの名義人は同じとは限らないため、必ず確認しておきましょう。

住宅ローンの名義人と残債額は、住宅ローンを組んでいる金融機関から発行される「残高証明書」「返済予定表」で確認できます。

ローンの残債額は、オーバーローンかアンダーローンであるか判断するために必要です。

連帯保証人が誰なのかも合わせて確認しましょう。

流れ③家を査定してもらう

家の査定額とは、現在の市場で家がどの程度の価値を持つかを示すものです。

家の査定額と住宅ローン残債額を比較して、「オーバーローン」「アンダーローン」かを判断できます。

「オーバーローン」はローン残債額が家の査定額を上回っている状態を指し、「アンダーローン」は家の査定額がローン残債額を上回っている状態です。

家の査定額を把握しておけば、財産分与の計画を立てやすくなります。

家を財産分与する時は、不動産会社などに査定依頼して家の査定額を算出してもらいましょう。

不動産会社への査定依頼は1社だけでなく、複数社に依頼して査定額を比較して決めることをおすすめします。

家の査定の依頼先に迷ったら、すまいステップの不動産一括査定の利用や、以下の記事も参考にしてみてください。

離婚時の家査定はどこに依頼するのが良い?状況に合わせた査定方法を紹介

流れ④夫婦で話し合う

家の査定を受けたら、家をどのように財産分与するのか夫婦で話し合いましょう。

家を売却する場合、アンダーローンであれば家の売却代金でローンの残債を完済し、手元に残った現金を分け合います。

しかし、オーバーローンの場合は家の売却代金だけではローンの残債を完済できないので、残った住宅ローンは貯蓄や自己資金で支払う必要があります。

一般的に住宅ローンの支払い義務は名義人にありますが、話し合いにより調整することが可能です。

家を売却するのか、夫または妻のどちらかが住み続けるのか、住宅ローンはどのような割合で支払うのかをお互いが納得できる形で決めていきましょう。

どうしても話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住むときの注意点

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住むときの注意点を3つ紹介します。

  • 連帯保証人から妻を外しておく
  • 財産分与の請求をする
  • 公正証書を作る

後々のトラブルを防ぐために、しっかり確認しておきましょう。

注意点①連帯保証人から妻を外しておく

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住むとき、連帯保証人から妻を外しておきましょう。

連帯保証人から妻を外すには下記3つの方法があります。

方法詳細
連帯保証人の差し替え妻に代わって信用度の高い別の人、あるいは物的担保(土地や建物など)を連帯保証人にすることで、妻を連帯保証人から外します。

ただし、金融機関の了承が必要であり、認められない場合もあります。

住宅ローンの借り換え夫が別の金融機関で住宅ローンを組み直すことで、現在のローンを完済し、妻を連帯保証人から外す方法です。しかし、新たな住宅ローンの審査に単独で通過する必要があります​​。
家を売却する連帯保証人の差し替えや住宅ローンの借り換えができず、連帯保証人から外れることができない場合、家を売却することでローンを返済し、妻を連帯保証人から外す方法もあります。

ただし、住宅ローンが残っている場合、売却の進め方が変わる可能性があります​。

以上の方法を選択する際は、個々の経済状況や金融機関の対応によって結果が変わることも理解しておきましょう。

注意点②財産分与の請求をする

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住む場合、財産分与の請求は重要です。

財産分与の請求は、離婚後でも2年以内に行うことが可能で、期限を過ぎると請求権は消滅します。

したがって、夫が家を引き続き所有・使用する場合でも、妻はこの期間内に適切に財産分与を請求するべきです。

ただし、夫婦間で協議が難しい場合、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることも検討しなければなりません。

これは、裁判所が中立的な立場から公正な財産分与を決定するための手続きです。

住宅ローンが残っている場合、ローンの負債も財産分与の対象となります。

妻が連帯保証人である場合は離婚後も負債の支払い義務が残る可能性があるのです。

この問題を解決するための方法としては、連帯保証人を他の人に変更する・住宅ローンを借り換える・家を売却する、などがあります。

ただし、これらの方法が適用可能かどうかは金融機関の了承が必要です​。

なお、財産分与に関する具体的な計算方法や取り決めについては、各ケースにより異なります。

専門的なアドバイスを得るためには、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

注意点③公正証書を作る

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住む場合、公正証書を作ることは重要な注意点です。

公正証書は、公証人が作成し、公証人が内容の正確性を証明する法的な文書です。

公正証書には、財産分与の取り決めや養育費、夫が住宅ローンを継続して支払うことについての取り決めなどが記載されます。

公正証書の大きなメリットは法的な強制力を持つことです。

公正証書に基づく契約は法的に強制力があり、もし契約が履行されなかった場合、公正証書に基づいて直接強制執行が可能です。

例えば、夫が住宅ローンの支払いを滞らせた場合でも、公正証書があれば裁判所に申し立てを行うことなく、直接強制執行ができます。

したがって、公正証書を作成し、夫が住宅ローンを継続して支払うと確認することは、財産分与を確実に行い、自身の権利を保護する上で重要となります。

(参考:「公証制度について」)

なお、離婚後の住宅ローンと養育費の関連が気になる方は、下記の記事を参考にしてください。

離婚後の住宅ローンは養育費と相殺可能?トラブルや予防法を紹介

離婚時には住宅ローンが残る家に夫が住む以外の選択肢も検討しよう【まとめ】

離婚後に住宅ローンが残る家に夫が住む場合、「住宅ローンの財産分与」「住宅ローンと家の名義人」「住宅ローンの残債額」などを確認しておく必要があります。

住宅ローンが残る家に夫が住む場合、新居を探す手間がかからない、生活環境が変わらないなどのメリットがあります。

一方、妻の負担が大きくなる、住宅ローンを滞納するリスクがあるといったデメリットもあるでしょう。

住宅ローンが残る家に夫が住む以外の方法としては、「仲介で家を売却する」「オーバーローンの場合は任意売却する」の2つの方法があります。

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