離婚時はいろいろな手続きや新しい生活に向けての準備など、やらなければいけないことがたくさんあります。
その中でも、今まで住んでいた家の査定について悩む方は多いのではないでしょうか。
この記事では、離婚時に家の査定が必要な理由と査定はどこに依頼したら良いのかを解説します。
それぞれの違いを理解して、自分に合った方法で査定依頼しましょう。
離婚時の家査定の依頼先でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
- 離婚時の家査定はどこに依頼すればよいか分からない
- 家を査定して財産分与したい
- 査定方法のメリットやデメリットを知りたい
家査定時の注意点は?依頼前に絶対にしておくべき4つの準備を紹介
離婚時に家の査定が必要な理由
離婚時の財産分与では、結婚後に築いた家などの共有財産を、夫婦で2分の1ずつ分け合うことが一般的です。
家の価値を明確にしなければ公平な財産分与が行えないので、離婚時は家の査定が必要です。
家の財産分与には、「家を売却して財産分与」と「家を売却せずに財産分与」の2つのパターンがあります。
家を売却する場合は現金で分け、売却せずにどちらかが住み続ける場合は査定額をもとに財産分与が可能です。
家を売却する場合と売却しない場合のそれぞれに適した家の査定方法を選ぶことが大切です。
離婚時の財産分与のための家査定はどこに依頼するのが良い?
離婚時の家査定の方法は「不動産会社に査定依頼する」「不動産鑑定士に査定依頼する」の2つの方法があります。
しかし、離婚時の財産分与するための家査定では、不動産会社による査定と不動産鑑定士による依頼のどちらの方法が適しているのでしょうか?
それぞれ解説していきます。
家を売却するなら不動産会社に査定依頼
離婚時に家を売って財産分与する場合は、不動産会社に査定依頼しましょう。
不動産鑑定士に査定を依頼すれば正確な査定額を提示してもらえますが、いざ家を売るとなった時は不動産会社にも依頼が必要になってきます。
家を売ることを決めている場合は訪問査定、まだ売ることを決めていない場合は、まずは机上査定を依頼することをおすすめします。
ただし、不動産会社によって査定基準が異なり、査定額に差が出ることがあります。
必ず複数の不動産会社に査定依頼して査定額を比較しましょう。
家を売却しないなら不動産鑑定士に査定依頼
離婚時に家を売らずに査定額をもとに財産分与する場合は、不動産鑑定士に査定依頼しましょう。
離婚後も夫婦のどちらかが家に住み続ける場合は、家に住み続ける側が家を譲渡する側に、家の査定額の半分を支払うことで財産分与が可能です。
そのためには、不動産鑑定士による精度が高く正確な査定額の算出が必要です。
また、不動産鑑定士の査定は法的効力を持つので、離婚時の家の査定に適していると言えます。
不動産鑑定士が出す査定額は売却想定価格ではないので、家を売却する目的では利用できないことに注意しましょう。
離婚時の家査定①不動産会社へ査定依頼する
一般的に査定は不動産会社へ依頼することが多く、主に机上査定と訪問査定の2種類の方法で分かれます。
訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問して査定する方法です。
物件の築年数、劣化状況、日照、眺望、周辺環境などを考慮するため、机上査定より精度が高いところが特徴です。
不動産会社へ依頼するメリット
不動産会社へ依頼するメリットは3つあります。
- 無料で査定できる
- 査定の算出が早い
- 気軽に査定できる
基本的に不動産会社の査定は無料で行ってくれて、おおよその査定額を算出してくれます。
また、査定額が分かるまでの期間は遅くても1週間程度なので、気軽に査定をしたい方におすすめです。
不動産会社へ依頼するデメリット
不動産会社へ依頼するデメリットは2つあります。
- 査定の精度が低い
- 相場より安く売却してしまう可能性がある
不動産会社へ依頼するデメリットは、鑑定士と比べて正確な査定額が分からないところです。
不動産会社の査定は、実際に物件を見たり、周辺環境を考慮したりして査定額を算出します。
しかし、担当者によって査定額や精度が異なるため、売却時の価格より大きく相違がある場合もあります。
「具体的な売却価格が知りたい」という方は鑑定士へ依頼することをおすすめします。
離婚時の家査定②不動産鑑定士へ依頼する
不動産鑑定士とは、不動産の価値や評価を鑑定できる国家資格を保有している専門家です。
不動産会社に依頼すると担当者によって査定額が数百万円異なることもあります。
しかし、不動産鑑定士は、「不動産鑑定評価基準」という法律に基づいた基準で査定額を算出します。
そのため、査定の精度は非常に高く、信頼できる点が特徴です。
不動産鑑定士へ依頼するメリット
不動産鑑定士へ依頼するメリットは2つあります。
- 査定の精度が高い
- 信頼度が高い
- 法的効力を持つ
不動産鑑定士へ依頼するメリットは、法律に沿った査定額を算出してくれるところです。
不動産鑑定士は国家資格であり、資格保有者のみが査定を行うため、非常に精度が高いところが特徴です。
取引を前提とせず、「不動産鑑定評価基準」を基に算出されるため、根拠が明確なところもおすすめできる点です。
不動産鑑定士へ依頼するデメリット
不動産鑑定士へ依頼するデメリットは2つです。
- 費用が高い
- 査定の算出までに時間がかかる
不動産鑑定士へ依頼するデメリットは、期間と費用がかかるところです。
査定額を算出されるまでの期間は、早くて7日で遅いと1ヶ月程度かかる場合もあります。
費用に関しては数十万円かかるため、時間と予算に余裕がある場合に利用しましょう。
まとめ
離婚時の家査定は状況に合わせてどこに依頼すると良いかを解説しました。
「不動産会社に依頼」と「不動産鑑定士に依頼」の2つの方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
財産分与するためならば不動産鑑定士、さらに家を売却するなら不動産会社にも査定依頼が必要です。
自身の状況に合わせて依頼先を選ぶことをおすすめします。