離婚時はいろいろな手続きや新しい生活に向けての準備など、やらなければいけないことがたくさんありますよね。
その中でも、今まで住んでいた家をどうしたらいいのか悩む方は多くいるのではないでしょうか。
ここでは離婚時に家をどうするべきか、注意点と併せて解説していきます。
離婚時は家の査定が必要
離婚時、多くの夫婦は財産分与を行い財産を清算します。
持ち家がある場合、家は財産分与の対象です。
財産の価値と総額をしっかり把握するために、離婚時は家の査定を必ず行いましょう。
財産分与するには家の査定が必要
財産分与とは、夫婦が婚姻中に取得した財産を離婚時に2人で分け合うことです。
家を売る場合やどちらかが家を譲り受ける場合、そのままでは均等に分けられません。
そこで家を査定し、資産価値を明確にします。
財産分与の対象にならない場合
一般的に夫婦の財産は2分の1にして分けますが、財産分与の対象にならないものもあります。
- どちらかの親族から相続・贈与された財産
- どちらかの親族が費用を全額負担して購入した財産
- 結婚前からどちらかが所有していた財産
- どちらかが結婚前の貯蓄で購入した財産
いずれも、夫婦の共有財産で手に入れたものではないので財産分与の対象外です。
離婚時の家査定の依頼は不動産鑑定士へ
離婚時の家査定は不動産鑑定士へ依頼することをおすすめします。
不動産鑑定士と不動産会社での査定の違いを解説します。
不動産鑑定士へ依頼した方がよい理由
離婚時の査定依頼は不動産鑑定士へ依頼することをおすすめします。
不動産会社の査定との大きな違いは、法律に沿った査定額を算出してくれる点です。
不動産鑑定士は国家資格であり、資格保有者のみが査定を行うため、非常に精度が高いです。
取引を前提とせず、「不動産鑑定評価基準」を基に算出されるため、根拠が明確なところもおすすめできる点です。
不動産会社への査定依頼をおすすめしない理由
不動産会社の査定は、「その不動産がいくらぐらいで売れるかを予想した価格」を算出しているため、不動産会社によって査定価格は異なります。
精度も会社によって異なり、必ず提示された価格で売れるとは限りません。
場合によっては数百万円も査定額と実際の売却額がズレていることもあります。
無料で査定を行ってもらえますが、本格的な査定額を知りたい場合はおすすめできません。
しかし、「ある程度の価格を知りたい」「手軽に査定したい」という方にはおすすめです。
離婚時に家を査定する際の注意点
家の査定時に注意しなければならない点がいくつかあります。
トラブルを避けるためにしっかりチェックしましょう。
査定する家の名義人が誰かを確認する
夫婦共同の名義になっている場合は、夫婦それぞれに家の所有権があります。
そのため、家の売却は夫婦双方に売却意思がなければできません。
どちらかが家を譲り受ける場合にも、将来家を売却することになった時に自分の意志だけでは売却できないので、譲り受ける人の名義に変更することをおすすめします。
スムーズに財産分与を進めるためにも、早めに確認して夫婦間で話し合いをしておきましょう。
査定する家の住宅ローンの残債を確認する
家を売却するには抵当権を抹消する必要があり、抹消するには家の住宅ローンを完済しなければなりません。
アンダーローンになるかオーバーローンになるかで家を売却する時の対応が変わってくるので、残債がどれくらいあるのか知っておくことはとても重要です。
また、契約者が家の名義人とは異なる場合もあります。
残債額だけでなく契約者や連帯保証人の確認もしておきましょう。
アンダーローンの場合
アンダーローンとは、家の売却代金で住宅ローンの完済ができる状態のことです。
この場合は手元に残った売却代金で財産分与ができます。
オーバーローンの場合
オーバーローンとは、家を売却しても住宅ローンが完済できない状態にことです。
夫婦のどちらが住宅ローンの返済を続けるかなどトラブルになりやすいため、金融機関に相談することをおすすめします。
特有財産が含まれていないか確認する
どちらかの親族から相続したり結婚前の貯金などは特別財産と呼ばれ、財産分与の対象外の財産です。
財産分与ができる財産か事前に把握しておきましょう。
まとめ
離婚時に家の査定が必要な理由を解説しました。
離婚の際は財産分与を行い、当事者同士で財産を分けなければなりません。
査定時はできれば不動産鑑定士へ依頼し、正確な査定額を算出してもらいましょう。
また、査定時には「名義人が誰になっているか」を確認したり、ローン残債が残ったりしていないかを事前に確認しておきましょう。
スムーズに家査定を行うためにこれらを理解しておくことが重要です。
記事のおさらい
離婚時、家の査定は必要?
離婚時に財産分与をする場合、家の価値をしっかり把握するために家の査定を必ず行いましょう。詳しく知りたい方は離婚時は家の査定は必要!をご覧ください。
離婚時に家の査定をする時の注意点は?
査定する家の名義人や住宅ローンの残債などの確認をしましょう。詳しくは離婚時の家の査定時の注意点をご覧ください。