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離婚する際の住宅ローンは折半の必要がある?ローンがある家の取り扱い方を解説

  • 更新日:2022年7月26日
離婚する際の住宅ローンは折半の必要がある?ローンがある家の取り扱い方を解説

離婚時の財産分与の際、トラブルに発展しやすい共有財産のひとつが不動産です。財産分与は、婚姻中に2人で築いた共有財産を折半することですが、家は高額な上、物理的に分与できないのがその理由です。

特に持ち家に住宅ローン残債がある場合、「ローンも折半する必要があるのか心配」「財産分与が簡単になる方法を知りたい」など、不安や疑問点を抱えている人も多いかもしれません。

ここでは、離婚時の住宅ローンの折半の有無をはじめ、ローンがある家の取り扱い方を左右するポイントや離婚時に家を売却するメリット、また、売却以外の家の取り扱い方法などをわかりやすく紹介します。

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離婚する時は住宅ローンの折半が必要か

離婚時に住宅ローンつきの持ち家がある場合、ローンは夫婦2人で折半する必要があるのでしょうか。財産分与に伴う住宅ローンは、ローン残債額によって対応が異なります。

オーバーローンの場合は原則折半しない

住宅ローン残債が、家の売却価格を上回る「オーバーローン」の場合、折半は必要ありません。というのも、基本的に住宅ローンなどのマイナス財産は、財産分与の対象ではないからです。

財産分与は、離婚時に2人の共有財産を2分の1ずつ分け合うことですが、売却価格でローンを完済できないオーバーローンの場合、物件評価額がゼロとなるため財産分与の対象外となります。

3,000万円の家に、4,000万円のローンが残っている場合を例に取ると、家の価値はゼロを下回り-1,000万円です。マイナス分は財産分与から外れるため、残債を夫婦で折半する必要はありません。

オーバーローンの対処法としては、夫婦の片方がこれまで通り家に住み続けて名義人がローンを支払うほか、家を売却して精算する方法があります。

アンダーローンの場合はある意味折半している

ローン残債が家の売却価格を下回る「アンダーローン」の場合は、残債を2人で折半する必要性もあります。

アンダーローンは、家の売却によってローン完済が可能です。家を財産分与する際は、売却価格からローン残債分を差し引いた金額を2人で分け合うため、ある意味ローン残債も折半していると言えるからです。

例えば家の価値が3,000万円で、住宅ローン残債が2,000万円の場合を例にとってみましょう。財産分与の対象は1,000万円のため、原則として夫婦2人が500万円分ずつ取得します。

仮に、名義人の夫が家に住み続ける場合、夫は妻に500万円、名義人は夫で家に妻子が住む場合は、妻が夫に500万円支払う必要があります。

家を売却する場合は、財産分与の対象である1,000万円を夫婦で折半するのが一般的です。

▶離婚した後の住宅ローンについて詳しく知りたい方はこちら

ローンがある持ち家の取り扱い方を決める重要ポイント

離婚の際は、ローンがある持ち家を売却したり、名義人がローンを支払いながら居住し続けるなど、ローンつきの持ち家の取り扱い方法はさまざまです。

ここでは、ローンがある家の取り扱い方を決める重要ポイントをいくつか紹介します。

  • 住宅ローンの名義が誰になっているか
  • 住宅ローンの残高がどのくらいあるか
  • 持ち家の不動産価値が今どのぐらいあるか
  • 連帯保証人になっているか
  • 収入と返済能力

住宅ローンの名義が誰になっているか

住宅ローン残債の支払いは、原則としてローンの名義人にあります。そのため、名義人が誰であるかを調べてておくことが大切です。わからない場合は登記簿で確認しておきましょう。

なお前述のように、原則として離婚などを理由に住宅ローンの名義人を変更することはできません。家の名義人を変更する場合と比較しても、住宅ローンの名義人変更は難しい傾向にあります。

物件の担保評価や返済能力などを審査しないまま名義人が変わることで、金融機関側が大きな損害を負うケースがあるからです。

夫婦が共同でローンを組む「ぺアローン」を選択している場合も、夫婦2人の収入合算が審査されるため、単独名義への変更は難しいでしょう。

ただし、新たな名義人に十分な返済能力があると金融機関に判断された場合は、名義人変更が認められるケースもあります。

住宅ローンの残高がどのくらいあるか

離婚する際は、住宅ローン残高がいくらあるかを正確に調べる必要があります。

利用する住宅ローンが固定金利の場合、ローン残高は、借入時に金融機関から手渡されるローン返済計画書や、確定申告用の残高証明書から確認が可能です。

変動金利を利用している場合は、借入期間中に金利が変動するため、6ヶ月ごとにローン返済計画書が郵送される場合があります。

また多くの金融機関では、インターネット上でもローン残高の確認が可能です。オーバーローンとアンダーローンでは不動産の処理方法が異なるため、しっかり確認しておきましょう。

持ち家の不動産価値が今どのぐらいあるか

家を売却するには、条件として住宅ローンの完済が必須です。そのため、家の売却額を利用してローンを完済する場合には、不動産にどの程度の価値があるのかを知っておく必要があります。

不動産価格は常に変動しているため、専門職である不動産会社に査定依頼すると安心でしょう。

不動産会社を選ぶ際は、複数社に依頼して比較検討するのがおすすめです。査定額は不動産会社によって異なるため、最初から1社に絞るとその額が妥当であるかの判断がつかないからです。

複数の不動産会社に足を運ぶ時間がない場合や、もっと気軽に査定依頼したい場合は、無料の一括査定サイトの利用が便利です。

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連帯保証人になっているか

夫婦の片方が住宅ローンの連帯保証人になっている場合も、ローンつき持ち家の取り扱い方を決める重要ポイントのひとつです。

住宅ローンは保証人なしでも組めるのが一般的ですが、例外的に連帯保証人を立てるケースもあります。それは夫婦2人が債務者となるぺアローンや収入合算を利用したときです。

連帯保証人は、離婚後も基本的に外すことができません。連帯保証人の契約は離婚後も継続するため、名義人に返済能力がなくなった場合は、代わって連帯保証人がローン残債を返済する必要があります。

また収入合算の場合、連帯保証人は住宅ローン控除の適用ができないほか、団体信用生命保険に加入できないことから、万が一の補償が受けられないと言ったデメリットがあります。

収入と返済能力

収入と返済能力も、重要なポイントとなります。例えば、妻子は家に残り、夫が家を出て新しい家に住みながら住宅ローンを支払う場合、現在の2倍の費用が必要です。

元夫の返済が滞らなければなんの問題もありませんが、仮に3ヵ月以上返済が滞ると、金融機関によって家が差し押さえられ、競売(強制売却)にかけられる可能性もあります。

競売にかけられると相場よりも売却価格が低くなる上、資産もほとんど残りません。

妻に収入がない場合や、住宅ローンのある持ち家の取り扱い方法によっては、大きなリスクを負う可能性もあるため、収入や返済能力の確認はとても重要です。

住宅ローンのある持ち家を売却するメリット

住宅ローンつきの持ち家を、売却することで得られるメリットを確認しておきましょう。

財産分与がかんたんになる

財産分与とは、結婚中に築いた夫婦共有の財産を2人で折半することです。財産分与を行うにあたっては、家の名義人であるか、そうでないかは関係ありません。

不動産のように半分に分けることが難しい財産の場合は、売却して現金化することで財産分与がスムーズに進みます。

住宅ローン残債が家の売却価格を下回るアンダーローンの場合、不動産の売却代金で住宅ローンを完済し、その残額を2人で折半するのが最も簡単な方法です。

一方、ローン残債が売却金額を超えるオーバーローンの場合、返済には家の売却代金だけではなく、ほかの預金なども考慮する必要があり、全体として債務超過になる傾向があります。

一括返済が難しい時は、債務者が金融機関の了解を得て、家を売却する「任意売却」を選択肢に入れるのも良いでしょう。返済が済んでいなくても、抵当権を外して家を売却できるのがメリットです。

持ち家の維持費がかからなくなる

家を売却することで、家の維持費や税金などの経済的負担を軽減できます。

戸建ての場合、建物のメンテナンスや庭の手入れ、またマンションの場合は、修繕費用の積立などさまざまな維持費用が必要です。

特に、築年数が経った戸建ての場合、外壁塗装やフローリングの張替え、またキッチン、トイレなどの水回りなどに大きな修繕費が発生する可能性もあるでしょう。

マンションの場合は、共有部分の清掃やゴミ処理などの日常生活にかかる管理費に加え、外壁の塗装、配管設備の維持などに使う修繕費用積み立てのほか、車がある場合は、別途費用として駐車場代なども必要です。

さらに、家を所有している間は固定資産税を毎年支払わなければなりません。特に土地つきの一戸建ての場合は、マンションよりも税の負担が大きい傾向にあります。

売却以外の持ち家の取り扱い方

住宅ローンのある持ち家は、売却して財産分与する以外にも、次の4つの取り扱い方法があります。

  • 名義人がローンを支払いながら住む
  • 夫の名義のまま妻子が住む
  • 名義変更をして妻子が住む
  • 貸し出して家賃収入を得る

名義人がローンを支払いながら住む

家を売却する以外にも、不動産の名義人が、住宅ローンを支払いながら家に住み続ける方法もあります。これは、オーバーローンの場合に多く選択される方法です。

この場合、名義変更の手続きを行う手間がかかりません。

ただし、片方がローンの連帯保証人になっている場合、債務者が返済不能に陥ると、ローン返済の責任が連帯保証人に移るケースがあるため注意が必要です。

連帯保証人の変更は原則として認められないため、この場合にはローンを「一括返済」するか、新たにローンを組みなおす「借り換え」を行うなどして解決します。一括返済や借り換えは、金融機関で相談が可能です。

夫の名義のまま妻子が住む

夫の名義のまま、持ち家に妻子が住むパターンもあります。小さな子供がいる場合、転校などの生活の変化を避けるために、この方法を取るケースが多く見られます。

しかし、この場合、いくつかの注意が必要です。住宅ローンの返済義務は名義人である夫にありますが、仮に夫が住宅ローンを支払えなくなった場合、家が競売にかけられる可能性があります。

また、児童扶養手当を申請するには家の名義確認が必要です。名義人が夫の場合、扶養を受けていると判断され児童扶養手当がもらえないケースも少なくありません。

また、金融機関によっては、名義人以外が持ち家に住む場合はローンの一括返済を求めるケースもあるため、予め金融機関と協議しておくことをおすすめします。

名義変更をして妻子が住む

不動産の名義人を夫から妻に変更して、妻子がそのまま住むことも可能です。しかし、法律上、家の名義はローンが完済するまで変更できません。

そのため、このケースの場合はローンを一括返済するか、妻がローンの借り換えを行う必要があります。

借り換えは、現在の借入を新たに組みなおし、ほかの銀行の借入に移して引き続き返済することですが、実際には、妻に収入がない場合も多く、解決が難しいケースもあるでしょう。

妻に返済能力がない場合は、自宅を不動産会社に売って、売却後に賃貸としてそのまま住み続ける「リースバック」を検討する方法もあります。

売却資金を財産分与できるほか、名義人以外でもそのまま居住できるのがメリットです。

貸し出して家賃収入を得る

家を貸し出して、家賃収入を得る方法もあります。

原則として、住宅ローンを組んでいる家は貸し出しができません。しかし、ローン残債の少ないアンダーローンの場合、繰り上げ返済をすることで貸し出しが可能です。

繰り上げ返済とは、元金を予定よりも前倒しで返済することですが、返済額に対応する金利を通常よりも節約できる点が大きなメリットでしょう。

一方、オーバーローンの場合、残りの負債額を自己資金で支払う必要があるため、売却活動は難しいケースが多い傾向があります。

まとまった資金が必要な場合は、不動産担保ローンに乗り換えるのも方法のひとつでしょう。

不動産担保ローンとは、家を担保に、低金利でまとまった資金の借り入れができるローンを指します。一般的に住宅ローンよりも審査は簡単で、返済期間も10年から30年と長期間の設定が可能です。

離婚する際の住宅ローンに関する相談窓口

住宅ローンの名義人変更や、ローンつき物件の取り扱い方法、また、法律で決まっている財産の精算方法や分配方法など、目的別にみる、離婚時の住宅ローンに関する相談窓口を紹介します。

金融機関に相談する

離婚に伴う名義人変更や連帯保証人の解除など住宅ローンに関する相談は、ローンを組んだ金融機関で行いましょう。

家を売却するには、銀行に設定された抵当権の抹消が必須です。また名義人の連帯保証人になっている場合や、ローン名義を夫婦の片方に移す場合にも、金融機関に相談して進める必要があります。

金融機関で契約内容の変更を相談する際は、事前に不動産や住宅ローンの名義人はもちろん、持ち家の不動産価値やローン残債を確認しておきましょう。

金融機関によっては、ローン返済に関する旨が記載された離婚協議書も必要です。審査には数週間かかり、許可が下りれば契約内容の変更手続きが行われます。

不動産業者に相談する

住宅ローンのある家の売却については、専門職である不動産会社に相談しましょう。

不動産会社では家の売却はもちろん、持ち家の資産価値をもとに、ローンつき物件の取り扱い方法を相談することができます。

資産価値の高い不動産と判断されれば、貸し出して収入を得たり、売却価格でローン返済ができないオーバーローンの場合は、任意売却したりと方法はさまざまです。

任意売却とは、金融機関の合意のもと、自己資金なしで家を売り出せる売却方法を指します。残債の支払い義務はそのまま残りますが、確実に売却できるほか、ローンを滞納して競売にかけられるリスクもありません。

財産分与を滞りなく進めるためにも、適切な売却方法を知ることは大切です。

弁護士に相談する

より良い条件で離婚して後悔しないためには、弁護士に相談するのがおすすめです。特に財産分与に関しては、離婚時にトラブルや問題の蒸し返しなどが起きやすい傾向にあります。

また法律上、財産の精算方法や分配方法は、夫婦の置かれた状況によってさまざまです。

住宅ローンつきの持ち家を財産分与して精算する方法や、家の売却代金でローン返済した残りを分配する方法などは、状況によって適切な方法が異なります。

費用はかかりますが、公平な判断が難しい場合は、法律の専門家である弁護士を利用するとよいでしょう。

ローンの折半は不要だが家の取り扱い方は慎重に選ぶこと

住宅ローンなどのマイナス財産は、法律上、財産分与の対象外です。そのため、住宅ローンのある家を財産分与する際は、基本的にローンの折半は必要ありません。

財産分与が最も簡単なのは家を売却する方法ですが、ローンを一括返済できないオーバーローンの場合は、名義人がローンを支払いながら家に住む方法や、夫の名義のまま妻子が家に住む方法などの方法もあります。

このように、ローン残債額によって家の取り扱い方法はさまざまです。財産分与を滞りなく進めるためにも、ローンの名義人や残高、また家の不動産価格などをよく確認した上で慎重に選びましょう。

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