家の売却は、今後の家計を左右する大変な作業です。
そのため、売却の価格や条件などに意識が向きがちで、売却後の新居への引っ越しについては後回しになっている人も多いのではないでしょうか。
いざ売却が決まっても、「引っ越し先が決まってない!」「退去の準備が整ってない!」と慌てるケースは珍しくありません。
そこでこの記事では、売却した家からいつまでに引っ越す必要があるのか、流れやタイミングなどを解説していきます。
お家が売れた後に慌てて損をすることがないよう、売却~引っ越し完了までのスケジュールをつかんでいきましょう。
お家の売却をする方はぜひ参考にしてみてね。
家の買い替え、どんな進め方が正解?体験談をもとに注意点を解説します
売却から引っ越しまでのスケジュール・必要手続き
この章では、家の売却から引っ越し完了までの流れと必要な手続きについて、売り先行の場合をもとに解説していきます。
家の売却・引っ越しは、ともにやるべきことが非常に多く、「忙しくてすっかり忘れてた……!」というトラブルが起こりやすいです。
全体像を事前に把握しておくことで、あとになって困らないように対策しましょう。
家の売却から引っ越しまでの流れは、以下のようになっています。
上の図は、家を売却する際の大まかな流れと期間を解説したものです。
査定依頼をしてから実際に物件が売れるまでの期間はまちまちですが、おおよそ3ヶ月から6ヶ月ほどのケースが多いです。
売り先行の場合、物件の引き渡し日までに引っ越しをする必要があるので、内覧等の対応をしながら新居も探しておきます。
新居が見つからない不安がある場合は、引き渡し日までの期間を長めに設定できないか、不動産会社や買主に相談してみるのがよいでしょう。
家を売却するときの引っ越しタイミングは?
家の売却には、家を売却してから新居を購入する「売り先行」と、新居の購入後に売却を行う「買い先行」の2つのパターンがあります。
それぞれ引っ越しまでのタイムリミットが異なるので、一つずつ確認していきましょう。
家を売却してから引っ越す場合(売り先行)
家の売却が決まってから新居に引っ越す(売り先行)の場合には、売買代金の残代金決済時が物件の引き渡し日になることが多いです。
不動産の売買代金の残代金決済は、不動産の売買契約の締結からおおよそ一ヶ月後です。
そのため、売買契約を締結した日から一ヶ月以内が売り先行の引っ越し期限の目安となります。
引っ越し時のトラブルなどが起きてしまうこともあるので、少し余裕をもって引っ越しを済ませておくのがよいでしょう。
引っ越してから家を売却する場合(買い先行)
家の売却が決まる前に新居の購入を決める(買い先行)の場合、新居の引き渡し日以降であれば売主の好きなタイミングで引っ越すことができます。
先程解説したとおり、物件の引き渡しは売買契約の締結から約一ヶ月です。
売買契約の締結から一ヶ月後以降が買い先行の引っ越しタイミングと考えてください。
早々に新居に引っ越し、荷物の無い空室状態で内覧できるようにすれば、家の売却もしやすくなります。
ただし、家が売れない間は二重ローンの期間が発生するので、資金に余裕のない方は売り先行の方が安心です。
「買い先行で新居をゆっくり選びたいけど、今の家が売れるか不安……」
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引っ越しまでに必要な手続き
家を引き渡すまでの間に、家の売買手続きとは別に引っ越しの手続きも進める必要があります。
家族構成などにもよりますが、引っ越しで必要となってくる手続きは以下のようものが一般的です。
- 引っ越し業者の手配(新居決定後すぐに)
- こどもの転校・転園手続き(新居決定後すぐに)
- インターネットの引っ越し手続き(引っ越しの1ヶ月前)
- 粗大ごみの処分依頼(引っ越しの1ヶ月前)
- 火災保険の住所変更(引っ越しの1ヶ月前)
- 郵便局への郵便転送依頼(引っ越しの2~1週間前)
- 電気・ガス・水道などライフラインの使用中止及び開始手続き(引っ越しの2~1週間前)
- 各種住所変更手続き(引越し後)
- 転出・転入届けの提出(引越し後)
中でも注意が必要なのが、引っ越し業者の手配・こどもの転校・転園手続きの2つです。
引っ越し時期が3月~4月の場合、引っ越し業者の繁忙期にあたるため、希望の日程で予約が取れない可能性があります。
はやめはやめに見積もりをとり、予約をしておくのがよいでしょう。
小中学校の転校手続きには、在校中の学校から発行される証明書が必要になります。
引っ越しが決定した段階で学校に連絡を取り、手続きを始めましょう。
保育園や幼稚園は、転園先の空き状況によっては新規の受け入れができないことも考えられます。
幼児がいる場合は、売却の開始時期に引っ越しを予定している地域の入園状況などを確認しておくことことをおすすめします。
家の売却・引っ越しでよくあるトラブル
どれだけ注意していても、家の売買や引っ越しなどの大きな出来事には想定外のトラブルがつきものです。
そこでこの章では、家の売却・引っ越しでよくある4つのトラブルとその対処方法を解説してきます。
- 引っ越し後に家の売却がキャンセルされる
- 家の引き渡しまでに引っ越し先が見つからない
- 火災保険の変更・解約を忘れる
- 粗大ごみの処分が間に合わない
事前に対処方法を把握することで、なるべくトラブルが起こらないようにしましょう。
引っ越し後に家の売却がキャンセルされる
売買契約を締結後したあとでも、何らかの理由で売買契約後にでも契約がキャンセルされるということはありえます。
不動産の売買契約は、引き渡し日まで解除が可能です。
売買契約後に契約がキャンセルされる理由としては、
- 買主のローン審査が通らなかったことによる契約解除
- 手付金の放棄による契約解除
- 契約違反による契約解除
- 契約不適合責任(瑕疵担保責任)に基づく契約解除
などの理由が挙げられます。
売却契約後の契約解除リスクはゼロではないので、少なくとも買主のローン審査が通ることが分かる日以降に引っ越し日を設定するなどでリスクを軽減できます。
ただし、買い主側に一方的にキャンセルされるのでは売り主のリスクがあまりにも大きいですよね。
そこで、手付金の放棄や倍払いなどで一定の金銭的な保証を受けれられる仕組みにはなっています。
家の引き渡しまでに引っ越し先が見つからない
家の売却から引っ越しまでの流れの解説でも触れましたが、売り先行の場合は、引き渡しまでに引っ越し先が見つからないリスクも存在します。
特に今の家が好条件の場合、売出し後すぐに売れてしまい、転居先を見つける時間が十分に取れないことも考えられます。
そのような場合は、一時的に賃貸物件を契約するか、ウィークリーマンション入居するなどして、引っ越し先を探す必要があります。
そうすると引っ越し費用が二重でかかってしまいますが、焦って希望に合わない物件を購入するよりは良い選択と言えます。
引き渡しまでに引っ越し先を見つけられないのを避けるためには、買い先行で動きつつ、売買契約時に「買い替え特約」などをつけてもらうのがよいでしょう。
新居の購入時に付帯できる特約で、「○月○日までに自宅を売れなかったら、売買契約を白紙にできる」というもの。
売り主の負担が大きいので、売り主の同意が得られる場合のみ付帯させることができる。
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火災保険の変更・解約を忘れる
家を所有すると火災保険をはじめさまざまな保険に加入していることが多いです。
火災保険などの家に関する保険は、物件の売却と連動していません。
不動産を売却する際には、加入している保険契約を個人で解約する必要があります。
保険会社に事前に連絡および手続きをしておけば、解約日を起算に日割り計算などで差額を返金してくれます。
詳しくは加入している保険会社に問い合わせて確認をしておきましょう。
忘れているとそのまま、契約期間満了まで保険金を支払ったままな上、更新の案内がきて初めて保険に気付くということも起こります。
不動産の権利書だけでなく保険契約などにも注意しておきましょう。
粗大ごみの処分が間に合わない
引っ越しの際には、不要な家具などの粗大ごみの処分が必要になることが非常に多いです。
お住まいの地域にもよりますが、粗大ごみの回収は予約制のところが多いため、早めに予約を行わないと退去に処分が間に合わなくなる可能性があります。
その場合は粗大ごみも新居に運搬することになり、荷物が増えるだけでなく新居のスペースも圧迫してしまいます。
せっかくの新居に不要なものがたくさんあるのも、気分が良くないですよね。
売り先行の場合、売却から引っ越しまでのスケジュールは比較的タイトになるので、忘れずに粗大ごみ処分の予約をおこなっておきましょう。
まとめ
家を売却して引っ越しを行う場合、退去のタイムリミットは物件引き渡しの前日です。
物件の引き渡し日は売買契約の締結から一ヶ月程度で行われることが多いので、それまでに退去できるように準備をすすめてきましょう。
まだ不動産会社に相談していないという方は、まずは一度査定を依頼してみることをおすすめします。
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