【2020年最新】投資用マンションの売却タイミングは?|損しない売り方を解説

2020年は、1月に発生した新型コロナウイルスと、それに伴う緊急事態宣言の発令・テレワークの普及などの影響で、不動産業界にも大きな変化が起きた年となりました。

公益財団法人 東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の2020年度4~6月期のレポートによると、中古マンション売買の成約件数は前年同期比-33.6%となっており、コロナウィルスが市場に与えた影響の大きさが伺えます。

投資用マンションをお持ちの方は、コロナ禍における収益物件の取り扱いについて頭を悩ませておられる方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では最新のデータを基にコロナ禍における中古マンション市場の動向・オリンピックが不動産市場に与える影響・投資用マンションを売却すべきタイミングの3点を詳しく解説します。

記事の後半では、実際に投資用マンションを売却する際に必要となる知識をまとめています。

本記事を読んで、激変する不動産業界においても損をしない投資用マンションの売却方法を知りましょう。

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投資用マンションは今売って大丈夫?

近々で投資用マンションの売却を検討しておられる方が一番気になることは、「コロナ禍の今の状況で投資用マンションを売っても損をしないか?」「オリンピックの前に売らないと不動産価格が暴落するのではないか?」ということだと思います。

結論から言うと、「コロナ禍だから投資用マンションの売却で損をしてしまう」「オリンピック後に不動産価格が暴落する」という可能性はいずれも高くありません。

なにか直近で売却したい事情があるのであれば、動き始めて問題ありません。

以下でその理由を詳しく解説します。

中古マンション市場に限っては、コロナの影響は大きくない

先程も資料として挙げた東日本レインズの4~6月期レポートによると、中古マンション売買の成約件数は昨年に対して約3割の減少となり、昨対比の減少率は東日本レインズの発足以降最大の結果となりました。

この結果だけ聞くと市場は大きく下を向いているように感じますが、4月から7月のデータを月次で比較していくと、中古マンション市場においてコロナウィルスの影響ははやくも薄れつつあるのが分かります。

成約件数(前年同月比)価格(前年同月比)平米単価(前年同月比)
2020年4月-52.6%-5.8%-4.5%
2020年5月-38.5%-0.9%+0.4%
2020年6月-11.0%+5.3%+1.4%
2020年7月-2.4%+5.4%+4.7%

緊急事態宣言発令中の成約件数・価格の落ちは著しかったものの、6月に宣言が解除されてからは大きく改善傾向にあり、公表されている最新データである7月のレポートでは昨年とほぼ変わらない水準に戻っています。

特に価格については上昇傾向で、中古マンションの需要が衰えていない事が分かります。

これには、以下の3つのような理由が考えられます。

  • 中古マンションの価格は経済の低迷に影響されにくい
  • 歴史的な低金利状態が続いている
  • コロナ禍においても住居には実需がある

中古マンションの価格は経済の低迷に影響されにくい

日本においては、かつてリーマンショックが起こった際にも、不動産売買の成約件数の減少・成約単価の下落が発生しました。この際、土地の取得費用・建築費用などの兼ね合いで値下げ対応の難しい新築マンションは需要の回復までに時間がかかりましたが、中古マンションは半年以内に以前の水準まで回復しました。これは、当初新築マンションの取得を検討していた層が、新築マンションと比較すると安価な中古マンションの取得へとシフトチェンジしたために起こった現象です。

このような事例から、不動産投資家の間では、経済の低迷時にも中古マンションの価格は影響を受けにくいと考えられています。

そのため、コロナ禍の現在においても、中古の投資用マンションを取得しようとする投資家は少なくありません。

不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」が2020年5月のコロナ禍に実施した『不動産投資に関する意識調査』によると、今後の不動産投資についての設問は、「積極的に購入に動きたい」「話があれば検討していく」という購入に前向きな回答が、全体の7割超となっています。

歴史的な低金利状態が継続している

2013年4月にアベノミクスの一環として行われた異次元金融緩和以降、住宅ローン・投資用ローンは未だ「超」低金利ともいうべき状態が続いています。低金利政策の目的は国内の投資活動の推進と、それに伴う景気拡大であるため、コロナの影響で不況が続く日本においては、引き続き低金利状態が続くでしょう。

低金利は、不動産取得においては絶好機ともいえるタイミングです。この機会を逃さず、お得に収益用不動産を手に入れるべきと考えている投資家は多いです。

コロナ禍においても住宅には実需がある

この度のコロナウィルスの大流行により、あらゆる外出に制限がかかり、飲食業界や旅行業界は大きな打撃を受け、テレワークが全盛を迎えました。社会のあり方は、コロナ以前と以後で大きく変わっています。

そんな現在の人々の生活における生命線は、ほかならぬ「家」です。

商業用のテナントなどは空室率が上がりつつありますが、住居用の物件は以前と変わらず需要を保っています。

そのため、家賃収入を安定した収入と捉える投資家は多く、今後も賃貸物件への投資が大きく減ることはないと考えるのが妥当です。

投資用マンションの売却にオリンピックの影響は考えられるか

投資用マンションの売却を検討されている方が気になる情報として、「コロナウイルスが不動産市場に与える影響」のほかに、「東京オリンピックが不動産市場に与える影響」があるかと思います。

東京オリンピック開催決定当初は、「東京オリンピック後に不動産価格が大暴落する」という論調が優勢でしたが、その予測は今も変わらないのでしょうか?

結論から言うと、投資用マンション価格については、東京オリンピック後に大きな下落が起こる要因は見つかっていません。

投資用マンションの需要は以前よりも高まっている

先述の日銀の緊急緩和により個人投資家の数が増えたほか、2015年1月の相続税の事実上の増税などの事情から、節税目的で資産を相続税の評価額が低い投資用マンションへ切り替える層が増加しました。

つまり、東京オリンピックの開催が決まった2013年当初の予測よりも、投資用マンションの買い手からの需要は高くなっているのです。

また、以前より「割安かつ高利回り」といわれ、海外投資家に安定的なインカムゲインとして人気があった東京の投資用マンションは、東京オリンピックの開催決定により更に人気が高まっています。

オリンピック中止による不動産市場の停滞の懸念

当初2020年夏に開催予定だった東京オリンピックは、コロナウイルスの感染予防のため、開催が2021年7月に延期とされました。

一方で「中止判断が妥当」という見解も根強く、「オリンピックが中止になったら、今までの不動産価格の上昇の揺り返しが起きるのでは」と考える方もおられると思います。

政府としては2021年開催の意向を依然として示していますし、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は、2020年9月に「新型コロナウイルスの有無に関係なく」開催されるとの見解を表明しています。

このことから、東京オリンピック開催は現状の予定通り2021年7月に開催されると思われます。

そのため、オリンピック中止が不動産市場に与える影響は大きく考慮する必要はなさそうです。

過去のオリンピックが国内の不動産市場に与えた影響

オリンピックの開催前は、多くの国において競技場や選手村、インフラの整備のために建築業界が好景気になり、人件費・資材の高騰などを理由に不動産価格の上昇が起こります。

この現象は日本においても例外ではなく、コロナウイルスの流行以前の不動産価格は明確な右肩上がりでした。

また、オリンピック後に国内の不動産価格に変動が起こった例はいくつかありますが、昨今開催されたオリンピックについては、概ね不動産価格の上昇につながってるようです。

例えば、北京オリンピックの際には、首都圏を中心に不動産価格が上昇し、家賃が8倍にもなった賃貸物件がみられたほか、ロンドンオリンピックにおいても賃貸バブルが発生しました。

日本の不動産市場でも、北京オリンピック・ロンドンオリンピック後のような不動産価格の上昇は十分考えられます。

オリンピックは投資用マンションにプラスの影響を与える可能性がある

買い手からの需要が十分に高く、またオリンピックの開催前後のいずれも不動産価格の上昇が続く見込みがあることから、投資用マンションにおいてはオリンピックの開催はプラスに働く可能性が高そうです。

以前のように「東京オリンピック前に必ず売り払う」という前提で売却計画を立てるよりは、所有している物件の現状を優先して売却時期を考えるべきだといえます。

実際に投資用マンションの価格は回復傾向

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引用:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )『 収益物件市場動向 四半期レポート2020年4月~6月期

上記は、投資用区分マンション(ワンルームマンション)の登録価格の推移のグラフです。

先程の中古マンションと同様に、コロナウイルスの拡散と共に価格の落ちが見られましたが、5月末に首都圏の緊急事態宣言が解除されて以降は徐々に上昇傾向に戻りつつあります。

また、不動産投資家達の購入の意向が高いこと、オリンピックの開催も見込まれていることから、今後もしばらくは価格の上昇傾向は続いていくと考えられます。

投資用マンションの売却に適したタイミング

ここまでで、コロナ禍の現在においても投資用マンションを売却することに問題がないことが分かりました。

では、実際に投資用マンションの売却を考えるべきタイミングとはいつなのでしょうか。

参考までに、投資用ワンルームマンションの売却理由ランキングを見てみましょう。

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参照:『投資ワンルームマンションをはじめて売却する方に必ず読んでほしい成功法則』伊藤幸弘

このように、最も多い売却理由は「将来に対して不安がある。マイナス収支になっている」というもので、約4割を占めています。

どちらかというと、ネガティブな理由での売却が多いようです。

一方で、二番目には「高値で売却できる相場と判断した」というポジティブな理由があがっており、全体の2割ほどとなっています。

ご自身の投資用マンションを売却するのであれば、やはり後者の理由で売りたいですよね。

以下では、「高値で売却できるタイミング」「損をしないタイミング」を具体的に解説していきます。

大規模修繕の前

マンションは通常、築10~20年の間に大規模修繕を行います。この大規模修繕のために、投資用マンションには「修繕積立金」という費用が課されていますが、この修繕積立金は築10年あるいは築15年のタイミングで値上がりすることが多いです。

また、昨今は工事費用相場の値上がりにより、積み立てた修繕積立金だけでは足らず大家さん側が不足額を負担するというケースも珍しくありません。この負担額は、一戸あたり数十万~数百万といわれており、物件の規模・築年数により幅があります。

さらに、収益用ワンルームマンションの場合には、そのマンションの他のオーナー合意を形成できず、大規模修繕自体が行えないおそれがあります。

そうなると必要な修繕ができず、満足な家賃で貸すことのできない資産価値の低い物件となってしまいます。

所有物件の修繕積立金の値上げや大規模修繕の実施は大家さんの手出しの負担を大きくするほか、大規模修繕を行えない場合にも物件の資産価値が下落するので、大規模修繕前のタイミングで売却するのはよくあるパターンです。

物件が満室で、家賃が近隣の相場よりも高い時

入居率の高い物件は即収益の出る物件として売れやすいため、はやく売却を完了したい場合には満室のタイミングで売りに出すのもおすすめです。

投資用マンションは、入居者がいる場合でも問題なく売却する事ができます。入居者のいる物件は「オーナーチェンジ物件」と呼ばれ、通常内覧などを行うことはなく、書面上のやり取りだけで売却することも可能です。

なお、入居者との賃貸契約はそのまま物件の購入者に引き継がれます。

ただし、オーナーチェンジ物件は「内覧ができない」「入居者がいる」などの制約があるため、空室時の相場価格よりも若干売却額が下がる傾向にあります。

このオーナーチェンジ物件の売買による損失を回避するためには、所有する物件の家賃が近隣の家賃相場よりも高い時を狙うというテクニックが考えられます。

家賃収入が相場よりも高い物件であれば、やや強気の価格設定を行っても利回り重視の投資家に早期購入してもらいやすいです。

実際、家賃が相場より3000円高いだけでも売却価格が100万円ほど変わることもあります。

物件が空室の時

空室の場合、内覧によって現状が確認できるほか、買い主が自由にプロデュースできるという点で需要があります。

数年以内の売却を検討しているのであれば、空室が出た時に安易に家賃を下げて早く埋めるよりは、築がまだ新しい段階で売りに出したほうが得になる可能性があります。

路線価が上昇している時

路線価」とは、土地の公的価格の一つで、国税庁が定めている「相続税評価額」の通称です。

一年に一度、その土地の実情を鑑みて発表されます。

路線価は、国税庁のHPに掲載されている「路線価図・評価倍率表」で確認することが可能です。

この路線価は公示価格の約8割程度という特徴があるので、『路線価÷0.8』という計算式を用いることで、土地の公示価格を求めることができます。

公示価格は不動産の相場を考える上で重要な指標であり、世相を反映した土地の評価を出しているものになるので、この公示価格が上がっているときは実際に高値での不動産売却ができる可能性があります。

月々の収支がマイナスになった時

投資用マンションの場合、入居者はいても毎月の収支がマイナスに転じるケースは珍しくありません。

これは、家賃が統計的に毎年約1%ずつ下落していくこと、築年数が増すにつれ分譲には低く設定されていた管理費・修繕積立金が値上がりしていくことが原因です。

購入時の収入と出費、ローン返済額は黒字でも、年月が経つと赤字になる物件は多いです。

キャッシュフロー悪化のタイミングを見逃さないよう、月々の収支・中長期の収支は必ず定期的に確認の上、赤字が出た場合にはできるだけ早めに売却に向けて動き出しましょう。

減価償却費用がローンの元金返済額を上回った時

10万円以上の固定資産には品目ごとに耐用年数が設定されており、通常この耐用年数で固定資産を取得時にかかった費用を按分して計上します。これを「減価償却」とよび、年間の減価償却の費用は以下の式で算出できます。

減価償却額 = 取得価額 × 定額法の償却率

減価償却費用が年間のローンの元金返済額を上回ると、上回った額は経費に計上できない現金支出となります。この状態を「デッドクロス」と呼びます。

デッドクロス状態では、帳簿上は黒字になりその分の所得税が課されますが、実際の手元の資金はいずれマイナスに転じます。

このようなデッドクロスによる赤字を避けるために、減価償却費用が年間のローンの元金返済額を上回るタイミングを逆算して、それまでの期間に物件を売るのも手段の一つです。

減価償却について更に詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

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金を積む

築年数20年を迎える前

投資用マンションは、築年数によって大きく資産価値が変わります。

築20年以内の物件は評価額も高く、新築と変わらない35年ローンでの借り入れが可能です。ローンの返済額が長いと月々の返済額が少なくて住むので、低利回りでも高く売れる可能性があります。

一方、築20年を超えると評価額が高くてもローンを組める期間は15~25年ほどになります。月々のローン返済額も大きくなるので、売却には一定以上の利回りが必要です。

さらに築35年を超えると、一部の金融機関ではローンを組めなくなります。組めたとしても評価額は厳しく、短期間・高金利のローンになります。

投資用マンションはローンでの購入が一般的なため、よほど利回りの高い物件でなければ売却は困難です。

このようなことから、明確に利回りが高い物件以外は、築20年以内を目処に売却するのがリスクが低いといえます。

春・秋などの引っ越しシーズンの直前

不動産業界の繁忙期は、転勤・進入学がある春・秋の引っ越しシーズンです。需要が高く、強気の価格設定でも売れやすい時期と言われています。

この時期の少し前に売りに出すことで、売却予定の物件をより多くの購入希望者の目に触れやすくなります。

目に触れることで問い合わせなどの引き合いが増えれば、買い手候補に「急がないと買われてしまう」という競争の原理が働きやすくなるので、値引き交渉などなく満額での売却ができる可能性も高いです。

春の場合は1月下旬~2月、秋の場合は9月がベストタイミングです。

投資用マンションを売却する手順

ご自身の所有されている物件の状況と照らし合わせてみて、いかがでしょうか。

以下では、「投資用マンションを売却しよう」と思われた方に向けて、実際に売却する際に必要な手順をまとめています。

投資用マンションの売却完了までにかかる期間はおよそ3ヶ月~6ヶ月です。希望の時期に売却できるよう、はやめはやめに動き出しましよう。

ステップ①:不動産会社に売却の相談・査定の依頼をする

専門知識や近隣の相場情報がない状態ではしっかりとした売却計画を立てづらいので、まずは不動産会社に売却を考えている旨を相談しましょう。「なぜ売却をしたいのか」「いつまでにいくらで売りたいのか」を相談時にきちんと伝えることで、より良い提案を受けられる可能性が高いです。

なお、不動産会社に相談する際は、物件を購入した不動産会社だけでなく、複数の不動産会社に相談するのが重要です。一社だけでは情報が偏ってしまうことも多いので、複数の不動産会社の話を聞いて広く情報を集めましょう。

また、査定額も会社が違うだけで20~30%ほど変わってしまうことは珍しくないので、損をしたくない方は手間を惜しまず複数社に査定を依頼しましょう。

マンションの査定については、以下の記事に詳しくまとめられています。

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ステップ②:査定の結果をもとに媒介契約をする不動産会社を選ぶ

不動産会社に物件の売却活動を依頼する場合は、「媒介契約」という契約を結ぶ必要があります。

ステップ①で聞いた査定額や、各社の営業マンの対応などをもとにして、媒介契約を結ぶ不動産会社を決定しましょう。

媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴があるので、最も自身の状況にあった契約を選んでください。

契約の種類一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
内容複数の不動産会社へ仲介の依頼をする媒介契約特定の不動産会社一社にのみ仲介を依頼する媒介契約特定の不動産会社一社にのみ仲介を依頼する媒介契約
自己発見取引×
販売活動の報告頻度×14日に1回7日に1回
買取保証×
レインズへの登録義務×
売却までにかかる時間長い短い短い
買取保証 不動産会社と媒介契約を結んで不動産の売却活動を行った時、一定期間以上買い手が見つからない場合に不動産会社が不動産を買い取ってくれるという保証。期間はおおよそ3ヶ月で、買取価格は相場の8割ほど。

「とにかく急いで売却したい!」という場合や、不動産の条件が厳しい場合、買取保証は有用な制度です。

しかし相場より2割も安くなってしまうと大きな損失になるので、できるだけ避けることをおすすめします。

ステップ③:購入希望者の内覧対応

売却のための宣伝活動を通じて購入希望者が見つかった場合には、不動産会社の営業マンと共に物件の内覧に対応します。この時、物件の良い点をしっかりアピールして、購入希望者に好印象を持ってもらいましょう。

なお、売りに出している物件が満室の場合には、オーナーチェンジ物件として内覧は無しになります。

ステップ④:売買契約を締ぶ

購入希望者と条件をすり合わせ、双方の合意を得られた場合には、無事売買契約の成立となります。不動産会社からわたされる契約書類に記入・捺印をしましょう。

なお、このタイミングで購入者から手付金を支払ってもらいます。

ステップ⑤:物件の引き渡しと残金の支払い

後日、購入者から残金の支払いを受け、売却物件に関する書類一式・物件の鍵など渡します。

その後、法務局にて所有権の移転登記を行って手続きはすべて完了です。

登記完了までは約7~10日ほどかかります。

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収益物件の売却にかかる費用

不動産売買は金額の大きな取引になるので、手数料やかかる税金の額なども大きいです。

「こんなにかかるなんて知らなかった!」という状況を避けるために、売却計画の前に一度かかる費用を頭に入れておきましょう。

売却にかかる費用一覧

投資用物件の売却を行う際には以下の費用が必要になります。

 

項目おおよその金額
不動産仲介手数料{(売却額×3%)+ 6万円 }×消費税率
印紙税1,000円〜6万円(売却金額により変動)
抵当権抹消の手数料約1,000~2万円(自分で行うか、司法書士に依頼するかで変動)
ローン一括返済の手数料約1~3万円 ※ローンがある場合のみ
不動産売却にかかる税金所得税・住民税・印紙税など ※売却損の場合、所得税・住民税は不要

これらを合計すると、大体売却金額の5~7%前後になります。

物件の売却額が物件の購入額を超えた場合(売却益が出た場合)には、「譲渡所得」が発生しているため、譲渡所得にかかる税として所得税・住民税がかかります。

譲渡所得税

「譲渡所得税」とは、不動産の売却金額が不動産の購入金額を超えて利益が出た場合に、その利益から売却にかかった諸経費を引いた「譲渡所得」にかかる税金です。

厳密には譲渡所得税という税が存在しているわけではなく、譲渡所得にかかる所得税と住民税を指しています。

譲渡所得税 = {不動産の売却額 ー( 不動産の取得費用 ー 売却にかかった費用)}× 税率

譲渡所得にかかる税金の税率は物件の保有期間によって変わり、5年以下の短期保有の場合と5年以上の長期保有では前者のほうが税率が高くなります。

印紙税

印紙税」とは、一定額以上の契約書や領収書などの課税文書にかかる税金です。不動産売却の場合、売買契約書・売買代金の領収書に必要になります。

課税文書にかかる税額は、文書に記載された金額によって異なります。

以下は不動産売買契約書にかかる印紙税の例です。

 

記載金額印紙税額
10万円~50万円以下200円
50万円~100万円以下500円
100万円~500万円以下1000円
500万円~1000万円以下5000円
1000万円~5000万円以下10000円
5000万円~1億円以下30000円
1億円~5億円以下60000円
5億円~10億円以下160000円

事業用資産の買い換え特例

投資用物件の売却の際、特定の条件に当てはまれば税負担を減らすことができます。

その条件を定めた特例が「事業用資産の買い換え特例」です。

投資用不動産売却の前後一年以内に別の投資用不動産を購入する際に使える特例です。

事業資産の買い換え特例
内容:
・旧物件の売却額より買い替えた金額の方が多いとき、売却額に20%を掛けた額を収入金額として譲渡所得の計算を行う。
・旧物件の売却額より買い換えた金額の方が少ないとき、その差額と買い換えた金額に20%を掛けた額との合計を収入金額として譲渡所得の計算を行う。
条件:
・売却した不動産と新たに購入した不動産がいずれも事業用であること。
・売却した不動産が国内にあり、所有期間が10年を超えていること。
・新たに購入した不動産が国内の不動産で、建物の敷地が300㎡以上であること。
・新たに購入した不動産が土地の場合、売却した不動産の面積の5倍以上あること。
・新たに購入した不動産を購入から一年以内に事業用に利用すること。
条件が細かく難しいですが、利用すれば譲渡所得にかかる税金の一部を将来に繰り延べることができ、節税効果の大きい特例です。
投資用マンションの売却後に別の投資用不動産を購入する予定のある方は、ぜひ利用してみてください。

不動産売却の際には確定申告が必須

不動産を売却した際、売却益が出た場合にはそれも所得の一部となるので、必ず確定申告を行ってください。通常の給与所得にかかる所得税はサラリーマンの場合会社が計算してくれますが、投資による所得の場合は自分で計算して確定申告を行う必要があります。

先述の特例の利用にも確定申告は必須なので、忘れずに行いましょう。

不動産売却の際の確定申告の手続きは、以下の記事で詳しくまとめています。

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投資用マンション売却の際の注意点

以下では、投資用マンションを売却する際に念頭に置いておくべきことを3点紹介します。

これらの注意点に気をつけて、決して損をすることのないマンション売却を行ってください。

必ず複数の不動産会社に査定を依頼する

記事の途中でも触れましたが、不動産会社に査定を依頼する際は必ず複数社に依頼をすべきです。

不動産会社なんてどこも変わらないと考えている方もおられるかもしれませんが、各社ごとに得意なエリアや苦手なエリア、取り扱い実績の多い物件の種別などは違います。

一社の査定を聞くだけでは比較ができず、結果としてご自身の物件にアドバンテージのない不動産会社を選んでしまう可能性も……。

不動産の売買は大きな金額の動く取引なので、やはり少しでも損をする事態は避けたいですよね。

満足のいくマンション売却のため、手間だと感じても複数の不動産会社から査定を聞きましょう。

購入後5年を過ぎるまでは売らない

投資用物件には、保有年数に応じて税率の軽減措置があります。

それが、記事中でも触れた「保有年数による譲渡所得にかかる税金の税率軽減」です。

これを知らずに物件を売却してしまうと大きな損をしてしまう可能性があるので、きちんと確認しておきましょう。

具体的には、以下のような違いがあります。

長期譲渡所得短期譲渡所得
物件の保有年数5年以上5年以下
譲渡所得にかかる税率15%30%
住民税率5%9%

このように、保有年数によってかかってくる税率が全く異なるので、よほどの事情がない限りは、投資用マンションの売却は長期譲渡所得が適用されるまで待つべきです。

物件の内覧前にハウスクリーニングを行う

売却の手順の中で、売却する物件が空き家の場合には、購入希望者の内覧が行われるとお伝えしました。

内覧の前にはハウスクリーニングを行って、できる限り物件を美しく見せましょう。時間をかけず希望条件で売却するためのポイントの一つです。

当たり前ですが、きれいな物件の方が購入希望者の印象もよく、話がスムーズに進みやすくなります。

この時、「きれいな方が売れやすいなら」と自費でリノベーション・リフォームを行おうと考える方もおられますが、その必要はありません。

昨今はDIYなども流行っているほか、自分の好きなように部屋のインテイリアを決めたいと考える方も多いので、意味のない出費になってしまう可能性があります。

売却する物件に特別お金をかけたりする必要はないので、最低限ハウスクリーニングだけ行っておきましょう。

投資用マンション売却のよくある質問

残債があっても売れる?

ローンの残債があっても、投資用マンションを売却することは可能です。

ただし売却費用でローンを一括返済して物件に設定されている抵当権を抹消する必要があるため、売却費用よりも残債のほうが大きい場合には、差額について自己資本での返済が必要になります。

また、この自己資本分は基本的に分割はできず、一括での支払いが前提になります。

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いくらで売れるのか自力で算出する方法はある?

不動産の査定額を算出する方法には、以下の2つの方法があります。

  1. 取引事例比較法
  2. 収益還元法

このうち、投資用マンションでは「収益還元法」が用いられます。

収益還元法は計算方法の違いでさらに「直接還元法」と「DCF法」の2つに分かれています。

直接還元法:査定額 =(年間の想定賃料ー固定資産税などの経費)÷還元利回り

DCF法:査定額 = 毎期得られる純収益の現在における価値の合計+将来の売却価格の現在における価値

直接還元法での計算は売却予定の物件の近隣の物件の利回りを調べることで算出できますが、DCF法は計算方法が複雑なため、自分での計算は難しいです。

なお、より正確な査定額の算出方法はDCF法になるので、あくまで自分での査定額計算は参考に留め、不動産会社から正確な査定額を取得しましょう。

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まずは不動産会社に査定依頼を

ここまでで投資用マンションの売却方法について詳しく解説してきましたが、専門用語も多く、「この記事を読んだだけでは不安……」という方もおられるかもしれません。

そのような方は、まずは不動産会社に査定の依頼をしてみましょう。不動産会社はその道のプロなので、これからどうすればいいのか、一からしっかりと教えてくれます。

査定をしたからといって必ず売却しなければならないということではないので、投資用マンションの売却を検討している・悩んでいるという方は気軽に査定依頼をしてみてください。

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不動産一括査定サイトを使って査定をしたら300万円以上の差も珍しくない 

不動産一括査定サイトすまいステップ を使って実際に不動産を査定してみると、査定額に300万円以上差が出ることも珍しくはありません。

不動産会社査定価格
不動産会社A1100万円
不動産会社B1400万円
不動産会社C1280万円

これだけ査定額に差が出ると、複数の不動産会社に査定を依頼することが、不動産を高く売るために必須だと言えるでしょう。

少しでも不動産売却を検討しているなら、一括査定サイトで自分の不動産がいくらで売れるか調べてみましょう。

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