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物件概要書の内容まで理解して不動産売買での失敗を上手に回避しよう

  • 更新日:2024年1月18日
物件概要書の内容まで理解して不動産売買での失敗を上手に回避しよう

不動産の売却には、事前準備が重要です。不動産を早く処分したい人、ある程度、時間に余裕がある人、それぞれ個別に事情は違うでしょう。どちらにしても、不動産取引では大きな金額が動きます。失敗すれば、後悔する結果になるかもしれません。

避けたいなら、事前準備を把握しておきましょう。その事前準備の中でも、重要度が高い物件概要書とは何か理解しておくのも、不動産取引をスムーズに行うために大切なことなのです。

1. 物件概要書を理解するためのポイント

不動産売買において、物件概要書は重要な書類として扱われています。ただ、何が書かれているか、分からない人もいるでしょう。物件概要書には、どんな情報が記載されているか、理解すれば、不動産売買もスムーズに行う事ができるのです。

1-1. 物件概要書とは物件情報を記入した書類

物件概要書には、不動産に関する情報が記載されています。具体的な内容としては、住所、価格、利回りや、地積、面積、構造など、幅広くフォローしています。
物件概要書を見ることで、売買対象となる不動産物件のその時点の状況を、売り主や買い主が簡単に確認することができるのです。不動産を購入する側になった場合は、仲介する不動産会社から手に入れることができます。名称に関しては、物件概要書以外にも、物件状況等報告書や物件報告書とも呼ばれているので、混乱しないよう注意しましょう。

1-2. 売買共に基本的には不動産会社が用意

一般的に、不動産会社が、物件概要書を用意してくれます。査定をした後、不動産会社が物件を調査して物件概要書を作成します。物件の基本的な情報と共に、販売をするため、外観や室内の写真も合わせて作成し、買い手に提示するのです。
物件概要書には、立地条件等、土地についての情報も記載されています。良い物件を探している人が自分だけですべて調べるのは根気のいる作業ですから、物件概要書は、物件の購入者にとって非常に役立つ資料です。

1-3. 売却時にも必要な資料に

不動産売却を検討する際にも、物件概要書は便利な資料となります。ただ、売却をする立場になった時、どのような活用方法をすれば良いかどうか基礎知識は押さえておかなければなりません。売却には購入者に対する責任も生まれますから、トラブルにならないようポイントを押さえましょう。

1-4. 物件の悪い部分を知る資料にもなる

物件概要書では、物件の情報を詳細に伝えることができます。それは良い部分だけではなく悪い部分も含まれます。なぜ売却の不利になることまで書かなければならないのかは理由があります。それは、売却後に問題が見つかった時、トラブルに発展させないためです。
具体的には、雨漏りやシロアリ、老朽化など、物件自体の問題のこと、物件周辺の環境のことや、心理的な問題点などがあげられます。この時、問題を隠したまま売却ができても安心できるわけではありません。
売却後に問題が見つかり、瑕疵担保責任を問われることになれば、損害賠償を求められるからです。極端な話、リフォームをしても住めないという状況では、契約解除の可能性もあります。そうならないためにも、物件概要書に、問題点を書くことは大切なのです。

1-5. 不動産会社と情報共有ができる

不動産会社は、物件に対して調査もします。しかし、細かい部分で見落としが生じる可能性もあります。実際に、住んでいる人でなければ分からない問題もあるでしょう。そのため簡易的なものであれば、物件概要書を、売り主が書くことも悪くありません。
不動産売買では、売却時、不利になる情報を故意に隠してはいけないことになっています。売り手は、仲介業者や買い手と理解の統一が早くなります。だから、物件概要書は簡易的でも作っておいた方がスムーズに売却できるのです。

1-6. 一括査定サイトで信頼できる不動産会社を探そう

ミスのない物件概要書を書いてくれる本当に信頼できる不動産会社を探しているなら、一括査定サイトを活用してみてください。不動産売買では、必要な手続きが多く、物件概要書に限らずそれまで見たことのない複数の書類も必要です。しかし本当に信頼できる不動産会社を見つける作業は大変でしょう。

・物件情報の書類
・悪い部分も記載
・情報共有が可能

2. 不動産投資の観点から見る物件概要書の重要性

不動産投資を行うなら物件概要書についても理解しましょう。不動産投資もさまざまで、アパートやマンションによる家賃収入や、物件の価値が上昇した時に売却して利益を得る方法などがあります。そのため、不動産投資を行う時、詳細な情報が記載された物件概要書という資料は重要視されるのです。

2-1. 違法建築かどうかは後でトラブルになる

不動産を投資として考えれば、良いことから悪いことまで記載されている物件概要書は重要です。投資を検討する人は、まず物件概要書を見て、利回りや、違法物件でないかどうかを確認するでしょう。住むのではなく、あくまで利益を得るために不動産物件を選ぶのですから、当然の話です。
例えば、違法であるかそうでないかは、好物件かどうか確認する重要な要素となります。このことを踏まえ、投資する人は、建ぺい率オーバーや、容積率オーバーなどの言葉が含まれていないかどうかチェックするのです。また、再建築ができるかどうかも、投資に値する物件かどうか調べる時の基準となります。

2-2. 投資家がリスクの有無を判断する要素

再建築不可、建ぺい率オーバー、容積率オーバーは、投資物件としてのリスクが高い要素です。再建築不可物件とは、建物を取り壊した後で、次に建物を建てることができない物件です。そのため、建物が古くなり老朽化したから、建て替えをしたいとなってもそれができません。
建ぺい率オーバーの建ぺい率とは、土地の面接に対し、建物を建てられる面積のことです。建ぺい率に関しては法律で決められているため、オーバーしているなら違法建築として取り扱われ、金融機関からの融資を受けることが困難になります。
容積率は、土地に建設できる建物の延べ床面積のことで、これも法律によって決められているため、オーバーすれば違法建築で、建ぺい率と同じく融資が難しくなります。このような物件は、不動産投資をする人は避ける傾向にあるのは当然でしょう。

2-3. 構造や築年数なども投資判断の材料になる

不動産投資を検討する人は、物件概要書でも特に重要視する項目があります。それは構造+築年数や、表面利回り、精算価格です。
構造と築年数は鉄筋コンクリート造(RC造)だと、築25年未満かどうかが一つの基準となります。他にも、重量鉄骨造なら築10年未満、軽量鉄骨造や木造だと、新築かどうかチェックします。ここがオーバーしているなら、不動産投資先としてリスクが大きいと判断される可能性があるのです。
表面利回りについては、8~10%程度か、それ以上ならOK、積算価格では、土地の評価額+建物の評価額が、物件の売買価格の8割以上であるかどうかが目安です。このような情報を見て、不動産投資を行うかどうか人はチェックしています。この点についても、正直に伝えなければ問題が生まれるのです。

2-4. 誤った情報が損害賠償にまで発展

物件概要書を作る時には、正直に、瑕疵も含めて記載することが基本です。不動産投資を検討している人は、さまざまな情報が記載されている物件概要書を、隅から隅までチェックするでしょう。しかし不動産投資に慣れている人は物件概要書だけで判断しません。
投資にとって不利になる情報がないか、徹底的に調査するからです。そのため、不動産会社に対し、自分から簡易的な物件概要書を提出する時は、魅力的な物件にしようと意図的に誤った情報を記載しないようにしましょう。
意図的でなかったとしても、不動産業者に情報を伝える時は、正確さを徹底的に意識しなければなりません。ちょっとした瑕疵が見つかった時でも、損害賠償等、大きなトラブルに発展することがあるからです。

・リスクの確認が可能
・基本情報が確認可能
・損害賠償を回避可能

3. 物件概要書に記入が必要な最低限の情報

物件概要書を作成する時には、さまざまな項目に関して正確に記載する必要があります。物件概要書には、何を記入すれば良いか、何を作成しているか理解しておけば、不動産会社の記入漏れやミスといった部分を見つけやすくなります。

3-1. 物件の住所や土地面積などの基本情報

物件概要書の基本情報としては、敷地面積、価格、利回り、所在地や交通が書かれています。利回りについてですが、満室になった時の、年間想定家賃収入÷購入価格=表面利回りが記載されているのです。
また、交通情報も重要な情報です。交通情報には、物件から最寄り駅、バス停までの移動時間が書かれています。これは徒歩1分は80メートルとして計算されているのが特徴です。不動産を購入する立場になれば、交通機関が充実しているかどうかは重要事項でしょう。
他にも土地面積はどれぐらいかも記載されます。基本的に㎡(平米)で記載されていることは多いですが、一坪で表記されていることもあります。一坪は約3.3㎡と、事前に知っておきましょう。

3-2. 雨漏りやシロアリなどのリスク

物件概要書にはトラブルとならないよう、売り主が伝えたくない情報も記入しなければなりません。代表的なのが、雨漏り、シロアリ、過去の被災状況や、傾きなどです。売却する上で、購入者に伝えなければならない部分が記入されます。建物だけではなく、土地の問題についても記入が必要です。さらに土地の境界線の有無についても重要な情報として記入されます。
雨漏りについては、天井以外にも、外壁、さらに、サッシを取り付けている部位から吹き込みがあるかどうか、シミなどはないかも含めて記入します。シロアリについては、敷地内すべてが対象となり、物置や植木まで含めて被害があるなら伝えなければなりません。つまり非常に細かい部分まで伝える必要があります。

3-3. 購入者の立場になって考える

被災という部分についても、記入をした方が良いでしょう。被災にもさまざまな種類もありますが、例えば過去、ボヤや浸水被害があったかどうかも記入する必要があります。
さらに建物の傾きについては建物全体になかったとしても、部分的にあるのでしたら、それを正確に記入しなければなりません。土地に関しては、土壌汚染や、地盤沈下、軟弱かどうかなども記入対象となります。これ以外にも、細かく見て、気になる所があれば伝えなければなりません。
「これぐらいは大丈夫だろう」と売る側が考えても、購入者にとっては、大きな問題となることを忘れてはいけません。不動産投資をする人も住む人も、新築を感じさせる物件を求めているからです。また購入者にとっては、他にも購入を検討する物件はたくさんあることも忘れてはいけません。
このことも踏まえ、トラブルに発展させないために、不動産会社が物件概要書を正しく作成する必要があるのです。そのためにも、言いづらい細かい部分も正確にすべて伝えましょう。
また、物件概要書に問題が記載されているからといって不動産会社に問題があると考えないようにしてください。それは当然のことであり、トラブルを回避するために必要な情報だからです。

3-4. 信頼性を高められる建物状況調査について

物件概要書を作成する時には、信頼性を高めるために建物状況調査(インスペクション)などを活用する方法もあります。これは、平成30年4月1日から、国土交通省が定めた講習を修了した建築士が、建物の不具合や劣化状況を把握するための調査を行うというものです。別途保証の申込みも可能で、そうすれば、引き渡し後、構造耐力上で主要となる部分や雨水侵入防止部分などの欠陥が発見されても、証左実施者による既存住宅売買瑕疵保険を活用した保証を受けられる可能性があります。
このように、調査してもらうことで、引き渡し後のトラブルを回避しやすくなります。さらに、競合する物件と差別化を図ることもできるのです。調査をして問題がなかったのであれば、購入者の立場になれば、リスクが少ない好物件と判断されやすいでしょう。

3-5.複数ある必要書類は不動産業者に事前確認を

不動産会社が詳細査定をする段階になったら、物件概要書も含めた必要書類や情報について、聞いておいた方が良いでしょう。重要事項説明書や、売買契約書、工事請負契約書や、建築確認通知書、さらに、検査済証や、土地測量図、境界確認書など、複数の書類が必要となります。
購入をしてから、修繕、リフォームをしたなら、その際の契約書も必要です。「売りたい」「買います」という簡単なやりとりで終わらないので、不備がないよう、事前に必要書類を用意しておけば、スムーズに話を進めることができるでしょう。

・基本情報
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4. 物件概要書のことを把握すれば売買がスムーズ

不動産物件の売買取引をスムーズにしたいなら、物件概要書について把握しておきましょう。正確に書くためには不動産会社と、物件に関する情報の共有を行えるからです。そうすれば、損害賠償が発生するようなトラブルを回避でき、不動産会社と連携し、スムーズに物件の売却ができます。
本格的な物件概要書は仲介をする不動産会社が対応をしてくれますが、適当だと問題が生じます。トラブルを回避するには、良い不動産会社を見つましょう。

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